トヨタ アルファード(現行型)▲世界基準の上質感を目指して開発された4代目アルファード(現行型)。中古車の物件数も充実してきた

パワートレイン、グレード問わず選びやすい状況に

高級ミニバンというジャンルを確立し、不動のものにしたアルファード。昨年6月のフルモデルチェンジで4代目となった。

デビューから約1年半たち、中古車流通台数は400台を超えた。物件数、バリエーションともに充実し、全国的に選びやすい状況だ。

買い時とも言えるアルファード(4代目)のモデル概要と、タイプ別に中古車市場の相場を紹介する。
 

トヨタ アルファード(現行型) ▲ドライバーだけでなく、助手席、後席に乗る人の快適性を重視して開発された

▼検索条件

トヨタ アルファード(現行型)× 全国
 

モデル概要:快適性が向上したプレミアムミニバン

初代の登場から20余年、4代目となった現行型アルファードは、まさに熟成の域に達している。ミニバンとしての高級ではなく、“高級サルーン”としてふさわしいプラットフォームに一新。

パワートレインの見直しをはじめ、振動や騒音対策も徹底され、世界基準の性能が目指された。

全グレードが3列シートを装備しており、6~8人乗り。3列目も快適に過ごせるスペースと装備を持ち合わせている。
 

トヨタ アルファード(現行型) ▲快適性を重視した乗り味ではあるが、車体の剛性感に優れ、運転も楽しい
トヨタ アルファード(現行型) ▲フラットな床面と高い天井、長いキャビンによる広大な空間もアルファードの魅力

フロントマスクはエンブレムが最前端となり、フロントグリルがオーバーハングした特徴的な意匠に。

センターピラーにロングアシストグリップを、飛び出し式のユニバーサルステップを左右両側に装備するなど、使い勝手も従来型から大きく向上させている。
 

 

パワートレイン&グレード:全車2WDと4WDが選べる

アルファードに搭載されるパワートレインは、2.5L ガソリンエンジンと、2.5L ガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドの2種類。

同じ2.5Lでも、ガソリン車は3代目から引き継いだもの、ハイブリッド車は高速燃焼技術などを実現するダイナミックフォースエンジンと別モノだ。

ハイブリッド車は3代目まで4WDのみだったが、4代目では新たに2WDも選べるようになった。

なお、アルファードのガソリン車が2.5L自然吸気エンジンなのに対して、兄弟モデルのヴェルファイアは2.4L ターボエンジンを搭載する。走りもアルファードは高級志向、ヴェルファイアはスポーツ志向であるなど、単なるバッジモデルではなく、設計思想にも違いがある。
 

トヨタ アルファード(現行型) ▲エグゼクティブラウンジに装備されるセカンドシートは、ナッパレザーを使用した特別なもの

アルファード(4代目)に設定される主なグレードは以下のとおり。

「G」
サイドリフトチルトアップシート仕様のみとなるベーシック・グレード。ガソリン車とハイブリッド車に設定。2WDと4WDあり。

「Z」
通常仕様の基本グレード。ガソリン車とハイブリッド車に設定。2WDと4WDあり。

「エグゼクティブラウンジ」
セカンドシートにロングスライド機構付きのキャプテンシートを採用し、装備内容も豪華になる最上級グレード。ハイブリッド車のみに設定。2WDと4WDあり。

まとめると、「G」は福祉車両扱いとなるグレードで、中心となるのは「Z」。「エグゼクティブラウンジ」は運転手付きの移動を意識した、特別な最上級グレードと言える。
 

 

ガソリン車の中古車相場

まずはガソリン車の中古車相場を紹介する。前述したように4代目アルファードの中古車流通台数は400台を超えるようになり、パワーユニット別構成ではガソリン車とハイブリッド車がほぼ半々だ。

ちなみに、現時点で「G」グレードの物件はほとんどない。さらに、ガソリン車では「エグゼクティブラウンジ」が設定されないので、中古車市場にあるガソリン車のすべてが「Z」グレードになる。
 

トヨタ アルファード(現行型) ▲ガソリン車「Z」グレードの新車価格は540万円

という状況を踏まえて中古車相場を見てみると、価格帯は総額700万~1050万円。ボリュームが多いのは走行距離1万~2万kmで、総額700万~830万円のゾーンだ。

ワングレードであることを考えると広めの価格幅だが、価格の根拠は走行距離の違いだけでもない様子。比較的安いプライスタグを付けた物件にも走行距離1万km以下の物件があり、価格の違いはオプション装備の差が大きいだろう。
 

▼検索条件

トヨタ アルファード(4代目) × ガソリン車 × 全国
 

ハイブリッド車の相場紹介

従来のV6ガソリンエンジン車がなくなり、代わりにハイブリッド車を拡充させた4代目アルファード。

ハイブリッド車には「G」と「エグゼクティブラウンジ」の2つのグレードが設定されているが、中古車で圧倒的なボリュームを占めるのは前者。「ハイブリッド G」の中古車価格帯は総額690万~1200万円となっている。
 

トヨタ アルファード(現行型) ▲ハイブリッド車だけで230台近い中古車流通量がある4代目アルファード

こちらもオプション装備内容の違いなどによって価格帯は幅広いが、2023年式・走行距離1万km未満といった良コンディションでも総額700万円台前半の物件が見つかる。

ハイブリッドモデルの新車価格は620万円~となっているが、少しでも早くアルファード(現行型)を手に入れたい人にとって中古車は選択肢のひとつになるだろう。

総額1000万円を超える物件は、走行距離1000km以内のものがほとんどだ。

▼検索条件

トヨタ アルファード(4代目) × ハイブリッド × 全国
 

エグゼクティブラウンジの相場紹介

新車価格850万円~という、まさに国産ミニバン最高峰のモデルと言えるエグゼクティブラウンジ。中古車市場での流通台数は80台弱というところだが、選べる余地は十分にある。

その中古車価格帯は総額860万~1700万円。車の性格によるものなのか、比較的価格の安くても走行距離少なめの物件や、モデリスタエアロなどオプションパーツを付けた物件が多い印象だ。
 

トヨタ アルファード(現行型) ▲周波数感応式ショックアブソーバーやアクティブノイズコントロールなども「エグゼクティブラウンジ」の専用装備だ

仮に総額860万円の物件なら、およそ諸経費分がオトクになる計算。ボリュームが多いのは総額1000万円前後の物件となる。

いずれにしても走行距離の少ない物件が多いだけに選びやすい状況ではあるが、オプション有無の確認は怠らずに行ってほしい。
 

▼検索条件

トヨタ アルファード(4代目)× エグゼクティブラウンジ × 全国
文/田端邦彦 写真/尾形和美、トヨタ
※記事内の情報は2024年12月20日時点のものです。
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。