Aクラスセダン ▲「セダンを超えるセダン」として約2年前に登場したトヨタ クラウンクロスオーバーの中古車流通量が増加し、それに伴って中古車平均価格のダウンも始まっています。これはもうチェックするしかないということで、クラウンクロスオーバーの直近の中古車状況を確認してみることにしましょう!

いよいよお手頃になってきた美しきクロスオーバーモデル

旧来からのクラウン像を完全に打ち破り、セダンとSUVを融合させた「セダンを超えるセダン」として2022年9月に登場したトヨタ クラウンクロスオーバー。5ドアクーペのようなスタイリングと絶妙な車高、そして新開発のプラットフォームがもたらす走りの良さと、当然ながらクラウンらしく超充実している各種装備により、大いに人気を博しています。

そんなクラウンクロスオーバーの中古車が今、デビューから2年が経過したことで流通量は700台レベルまで増加。平均価格も、この1年で90万円以上のダウンを記録しました。
 

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まずまずお手頃になってきたクラウンクロスオーバーの直近の中古車状況をチェックしつつ、どんなグレードをどのように狙うべきか、検討してみることにしましょう!
 

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モデル概要:新たなクラウン像を提示した「セダンを超えるセダン」

2022年9月に発売となったトヨタ クラウンクロスオーバーは、初代から数えて16代目にあたるモデル。「クラウンとは何か」を見つめ直すことから開発をスタートし、「これからの時代のクラウンらしさ」を追求した結果、計4タイプとなる新型クラウンのうち最初に登場したのが「クラウンクロスオーバー」です。

最大の特徴は、それまでのクラウンに例を見ない「背が高いワンモーションフォルム(フロントバンパーからリアテールまで、緩やかに流れるひとつの曲線で結ぶデザイン)」。流麗なボディのサイズは全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mmです。
 

Aクラスセダン▲流麗なルーフラインと左右に直線的に伸びるヘッドランプ、クロスオーバー感の強いホイールハウス周辺のアーチモールなどが特徴的なエクステリア
Aクラスセダン▲5ドアクーペ的なリアビューだが、リアには独立したトランクが設けられている
 

パワーユニットは2種類が用意され、「RS」系には最高出力272psの2.4L直4ターボエンジンにフロントモーター(同82.9ps)とリアモーター(同80.2ps)組み合わせ、システム最高出力349psをマークするハイブリッドシステムを採用。その他のグレードは最高出力186psの2.5リッター直4エンジンにフロントモーター(同119.6ps)とリアモーター(同54.4ps)を組み合わせたシステムで、こちらのシステム最高出力は234psとなっています。

当然ながら先進安全装備にも抜かりはなく、最新の「トヨタセーフティセンス」は全車標準装備。そして渋滞時の安全運転を支援する「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」や、駐車支援システム「アドバンストパーク(リモート機能付き)」も用意されています。
 

Aクラスセダン▲クラウンクロスオーバーのコックピット。ダッシュパネルの中央には12.3インチのディスプレイオーディオを装備するが、エアコンのタッチパネルはここに統合されず、メカニカルなスイッチとして残されている
Aクラスセダン▲落ち着いたイメージのキャビン。FFパッケージを基本としているだけあって、後席の足元空間は従来型のクラウン以上に広い
Aクラスセダン▲トランクルームの容量は450L。9.5インチのゴルフバッグ3個を積載可能だ
 

2024年4月には一部改良が行われ、グレードの整理と集約を実施。このタイミングで「Z」という中間グレードが誕生しています。
 

 

中古車状況:流通量増加に伴って平均価格は如実にダウン

発売とデリバリー開始からおおむね2年が経過したということで、クラウンクロスオーバーの中古車流通量は増加傾向にあります。直近である2024年12月下旬時点では891台と、まもなく900台に迫る勢いです。

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Aクラスセダン
 

つまり、中古車平均価格が約1年で90万円以上ダウンした背景には、発売から2年が経過し流通量(供給)が急増、その結果相場がこなれてきた……というのが可能性として考えられるでしょう

以上を踏まえて次章、具体的なオススメグレードの選定へと進んでまいりましょう。

 

 

中古車のオススメ①:「クラウンらしい満足感」を重視するなら「RS アドバンスト」または「Gアドバンスト レザーパッケージ」

クラウンクロスオーバーの中古車は2024年12月下旬時点で約700台が流通していますが、そのうちの多くは「装備が充実した上級グレード」で、廉価グレードは希少。中間グレードの流通量も、あまり多くはありません。

この事実は、人々が「クラウン」というブランドに何を求めているかを如実に表しています。

つまり、多くの人は「クラウンに乗るなら“いいやつ”に乗りたい」と思うのです。グレードを落とせば相対的にお安く買えるのは確かですが、人がクラウンに求めるものは、そこではないのでしょう。少なくとも「最優先課題」ではないのでしょう。

そして中古車についての話をすると、いよいよオススメは「上級グレード」になってきます。具体的には、高出力版のパワーユニットを搭載する前期型の最上級グレード「RS アドバンスト」と、通常版パワーユニットの最上級グレード「G アドバンスト レザーパッケージ」がオススメとなります。
 

Aクラスセダン▲2.4Lターボエンジンをベースとするハイブリッドシステムを採用する「RS アドバンスト」
Aクラスセダン▲2.5L自然吸気エンジンに前後のモーターを組み合わせている「G アドバンスト レザーパッケージ」
 

両グレードがオススメとなる理由は「そもそも中古車の流通量がこのふたつのグレードに偏っているから」というのもありますが、それ以上に重要なのが「価格差」です。

新車時価格は、例えば「G アドバンスト レザーパッケージ」と「G」とでは95万円もの開きがありました。もちろん、95万円高いのは「G アドバンスト レザーパッケージ」の方です。

しかし中古車となった今では――それでも「G アドバンスト レザーパッケージ」の方が高額な傾向があるのは当然ですが、両者の価格差はかなり小さくなっています。

中古車は1台ごとに値段が異なるため明確に示すことはできませんが、類似条件の中古車同士で比べると、両者の価格差は「10万円程度」というイメージです(※繰り返しになりますが、中古車の価格は一律ではないため、あくまで“イメージ”です)。

であるならばやはり、「クラウンらしい装備」が充実している最上級グレードを選ぶのが得策となります。言い方を変えるなら「それ以下のグレードを選ぶ理由がない」ということになるでしょうか。
 

Aクラスセダン▲写真は「RS アドバンスト」の運転席まわり
 

高出力なハイブリッドシステムを採用する「RS アドバンスト」の直近の中古車価格は総額490万~780万円といったところですが、「総額480万~540万円付近」にて、普通に好条件な1台を見つけることができます。

一方の通常版ハイブリッドシステムを搭載する「G アドバンスト レザーパッケージ」の価格は総額400万~600万円というイメージですが、こちらも「総額450万~480万円付近」のゾーンで、十分に好条件な1台が見つかります。
 

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中古車のオススメ②:「価格重視」で探すなら「Gアドバンスト」

前述した2つの最上級グレードがイチ推しではあるのですが、クラウンのグレード選びに関して、以下のように考える人もいるでしょう。

「自分は本革シートとか、そういった過剰にゴージャスな装備は不要。もっとこう普通に上質なやつを、比較的安価に購入したい」

なるほど、そのお気持ちも非常によくわかります。クラウンシリーズは「普通に上質なやつ」でも装備レベルは十分以上ですし、ゴテゴテしていない分だけハイセンスであるとも考えられます。

そう考える場合のオススメは、前期型Gの「標準(G)」または「G アドバンスト」になるでしょう。いずれもシート表皮は本革ではなく「上級ファブリック+合成皮革」で、装備レベルは普通に考えれば十分以上。ただし運転支援システムは「G アドバンスト」の方が充実しており、より流通量が多いのもG アドバンストです。
 

Aクラスセダン▲GおよびGアドバンストのビジュアルはおおむねこのような感じ
Aクラスセダン▲シート表皮は上級ファブリック+合成皮革。これはこれでシンプルな美しさが感じられる
 

両グレードの価格状況は下記のとおりです。

【G】
全体の価格帯:総額420万~600万円
注目の価格帯:総額450万~490万円

【G アドバンスト】
全体の価格帯:総額420万~590万円
注目の価格帯:総額420万~470万円

新車価格はGの方が安かったのですが、中古車の流通量はG アドバンストの方が圧倒的に多いため「相場がこなれる」という現象が起き、結果としてG アドバンストの方が比較的お手頃な水準となっています。

そのあたりも含めてじっくりご検討いただき、素敵な1台をお手頃価格で入手いただけたならば幸いです。
 

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文/伊達軍曹 写真/トヨタ、篠原晃一

※記事内の情報は2024年12月19日時点のものです。
 

伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。