T-Cross ▲フォルクスワーゲンのコンパクトSUV「T-Cross」がマイナーチェンジを受けて後期型になりましたが、後期型が納車されるのはまだまだ先のこと。ならば今、あえて「前期型T-Crossの中古車」について徹底研究してみましょう!

登録台数は3年連続輸入SUVカテゴリー第1位のT-Cross

フォルクスワーゲン T-Crossは2020年1月から販売が始まった、フォルクスワーゲンの国内ラインナップのなかでは最もコンパクトなSUV。

搭載エンジンは最高出力116psの1L 3気筒ターボで、全長4115mm×全幅1760mm×全高1580mmと外寸は小ぶりですが、高効率なパッケージによりゆとりある車内空間を実現。

2020年から2022年まで3年連続で輸入SUVカテゴリーにおける登録台数第1位を獲得している人気モデルです。

そんなT-Crossですが今年7月にマイナーチェンジモデルが発表されました。

このマイナーチェンジによって魅力的になった部分も多いわけですが、マイチェン版のデリバリー開始は9月下旬と少し先で、中古車が流通し始めるのはもっと先になるはず。

であるならば、今すぐ手に入る「マイナーチェンジ前の前期型」を手頃な予算で狙うのもアリなのではないでしょうか?

この記事では、どんな人であればT-Crossの前期型をオススメでき、またもしも狙うならばどんなモノを選ぶべきなのか、検討してみたいと思います。
 

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フォルクスワーゲン T-Cross(初代・現行型) ×2024年7月発表マイナーチェンジ以前のモデル× 全国
 

マイナーチェンジで何がどう変わったのか? 前期型・後期型の違い

2024年7月に行われたマイナーチェンジで変更されたポイントは、主には下記のとおりです。

・新デザインのバンパーを採用
・「X型」のリアコンビランプを採用
・インテリアの質感が少々向上
・上級グレードには「IQ.LIGHT」と「beatsサウンドシステム」を採用
・同一車線内全車速運転支援システム「トラベルアシスト」が全グレード標準設定に


つまりは「少しデザインが変わった」というのと、「装備レベルが少し良くなった」というのが、今回のマイナーチェンジの全貌(?)です。

「トラベルアシスト」についても、前期型の廉価グレードでもそれをオプションとして装着済みの中古車は多いため、さほどドラスティックな変更ではありません。
 

T-Cross▲こちらが前期型のビジュアル
T-Cross▲同じく前期型のリアビューはこんな感じ
T-Cross▲で、こちらが2024年7月以降の後期型。確かにバンパーのデザインは異なるが
T-Cross▲後期型のリアコンビネーションランプ。やや大きく変わったが、別にどちらでもいいというか……

要するに「デザインが(少しだけ)違う」という点がさほど気にならないのであれば、マイナーチェンジ前の前期型であっても「特に問題はない」という結論になるはずなのです。後期型は確かにステキなのですが、そこまで猛烈にこだわるべきほどの違いはないと言えそうです。
 

 

前期型T-Crossにはどんなグレードがある?

それでは「前期型フォルクスワーゲン T-Crossとはどんな車なのか?」という点について、あらためて簡単にまとめておきましょう。

前期型T-Crossは、全長4115mm×全幅1760mm×全高1580mmのコンパクトなSUVで、駆動方式はFFのみ。搭載エンジンは全車、最高出力116ps/最大トルク200N・mの1L 3気筒ガソリンターボで、トランスミッションは7速DSGです。

そして発売されたグレードは下記のとおりです。

●1st
最初に発売された導入記念モデル。アダプティブクルーズコントロールシステムや駐車支援システム、プリクラッシュブレーキシステム、ブラインドスポット ディテクションなどを標準装備。

●1stプラス
こちらも導入記念モデル。1stの内容に加えてレーンキープアシストシステムの他、パドルシフトやシルバールーフレール、スポーツコンフォートシートなども与えられました。
 

T-Cross▲2020年1月に先行発売された導入記念モデルの上級グレード「1stプラス」

●TSIアクティブ
2021年3月に登場した通常販売グレード。アダプティブクルーズコントロールシステムは「セーフティパッケージ」としてオプション。

●TSIスタイル
2021年3月に登場した通常販売グレードの上位版。アダプティブクルーズコントロールとパドルシフト、シルバールーフレール、スポーツコンフォートシートなどを標準装備。
 

T-Cross▲通常販売モデルの上級グレードである「TSIスタイル」
T-Cross▲細部は年式などによって異なるが、T-Crossの運転席まわりはおおむねこのようなデザイン
 

●TSI Rライン
2021年5月に追加された上級グレード。ややスポーティな専用内外装デザインや装備に加え、新デザインの18インチアルミホイールを採用。さらに他グレードではオプション装備となる「レーンアシスト」や「パークアシスト」などがセットとなった「セーフティパッケージ」を標準装備。

以上を踏まえて次章、「では具体的にはどれがオススメなのか?」ということを考えてまいります。
 

 

コスパ重視で選ぶなら総額190万~230万円付近の「1stまたは1stプラス」が狙い目

フォルクスワーゲン T-Crossはまだまだ新しいモデルであるため、「どれを選んでも大きな問題はない」というのが基本線となります。しかし、そのうえで「よりコスパを重視して選びたい」ということであれば、まず狙い目になるのは「総額190万~230万円付近の1stまたは1stプラス」です。
 

T-Cross▲最も高コスパなのは導入記念モデル「1st」または「1stプラス」。写真は1stプラス

前章でご説明したとおり1stおよび1stプラスは、通常モデルが発売される前に登場した「導入記念モデル」。

新車価格は通常モデルよりも少し高かったのですが、その分だけ、アダプティブクルーズコントロールシステムや駐車支援システム、プリクラッシュブレーキシステム、ブラインドスポット ディテクションなどが標準装備となっていました。

そして今となっては中古車価格もこなれましたので、「総額200万円ちょい」ぐらいの予算感で、走行2万km台の物件を普通に見つけることが可能です。

装備がより充実している「1stプラス」は1stより若干高くなる傾向はありますが、さほどの大差はありません。そのため、どちらかに決め打ちするのではなく「1stでも1stプラスでも、どちらでもいい」という心構えで柔軟に探してみることをオススメします。
 

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フォルクスワーゲン T-Cross(初代・現行型) × 2024年7月発表マイナーチェンジ以前のモデル×1st/1stプラス×全国

また、その他では「セーフティパッケージ付きのTSIアクティブを総額210万円くらいまでで探す」というのも高コスパな買い物になるでしょうし、「装備が充実しているTSIスタイルの低走行物件を総額230万~250万円ぐらいで探す」というのも悪くない選択です。
 

T-Cross▲前期型TSIアクティブでも「セーフティパッケージ」または「ACC」などと表記されている物件であれば、アダプティブクルーズコントロールは装着されている

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フォルクスワーゲン T-Cross(初代・現行型) × 2024年7月発表マイナーチェンジ以前のモデル×TSIアクティブ×全国

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フォルクスワーゲン T-Cross(初代・現行型) × 2024年7月発表マイナーチェンジ以前のモデル×TSIスタイル×全国

いずれにせよフォルクスワーゲン T-Crossの前期型は「総額200万円台前半」という現実的な予算で、かなり悪くない1台が確実に見つけられる選択肢です。最新世代の輸入SUVを手頃な予算で入手したいと考えている人は、ぜひともご注目ください。
 

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フォルクスワーゲン T-Cross(初代・現行型) ×2024年7月発表マイナーチェンジ以前のモデル× 全国
文/伊達軍曹 写真/篠原晃一、フォルクスワーゲン
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。