新型 トヨタ クラウンエステートの度重なる発売延期に絶望した人に贈る「代わりにどうですか?」5選
カテゴリー: 特選車
タグ: レクサス / トヨタ / メルセデス・ベンツ / ランドローバー / ボルボ / ステーションワゴン / SUV / クロスオーバーSUV / ディフェンダー / XC90 / クラウンエステート / RX / GLC / クラウンスポーツ / 伊達軍曹
2024/08/04
当初は2023年度内に発売される予定だったが
「トヨタ クラウンシリーズの第4弾「クラウンエステート」の発売が延期された。当初は「2023年度内」の発売が予定されていたのだが、その後は「2024年央以降」へと延期され、その後はさらに発売予定日が後ろ倒しになってしまった模様だ。
販売延期が繰り返されている直接の原因は、2024年初頭以降に発覚したトヨタおよびその関連企業による一連の不正事件にあるのかもしれない。だがそれはそれとして、クラウンエステートの発売時期はいつになるのかさっぱりわからず、仮に今年秋頃に発売されたとしても(それとてわからないが)、納車されるのは、なんだかんだで次の冬または春になってしまう。
「さすがにそこまでは待てないし、待ちたくない」という人も少なくないだろう。
とはいえ「それでもクラウンエステートのことが気になる!」という人のため、今すぐ乗ることができ、なおかつトヨタ クラウンエステートに近い満足を得られるだろうプレミアムSUVを5モデルを、真剣にピックアップしてみたい。
クラウンエステートの代わりその1|現行型レクサス RX
エステートと名乗ってはいるが、全長4930mm×全幅1880mm×全高1620mmのSUVライクなボディに2.5Lハイブリッドユニットまたはプラグインハイブリッドユニットを搭載するクラウンエステートは「レクサス RXのトヨタ版」ということもできる。ちなみに現行型レクサス RXのボディサイズは全長4890mm×全幅1920mm×全高1705mmと、おおむねクラウンエステートに近い寸法。そしてパワーユニットもレクサス RXのそれと同じまたは「近いもの」であるはず。
であるならば――ここは考え方次第ではあるが、わざわざクラウンエステートの登場を待ちわびるのではなく、とっとと現行型レクサス RXの中古車を買ってしまえば良い――という論法も成り立つ。
もちろん設計が新しい分だけクラウンエステートの方が優れている部分もあることは想定されるが、レクサス RXといえば日本のプレミアムSUVのトップ・オブ・トップと言っても差し支えない1台。そこに大きな差は(たぶん)ないだろう。そして中古車なので長い時間待つ必要はなく、ほぼ即納で堪能できる。
そんな現行型レクサス RXの中古車は、2.5Lハイブリッドユニットを搭載する「RX350h バージョンL」は総額760万~と少々お高く、その他のグレードもおおむね750万円スタートと安くはないが、金額に見合うだけのナイスなプレミアムSUVである。
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レクサス RX(現行型) × 全国クラウンエステートの代わりその2|現行型メルセデス・ベンツ GLC
全長は4720mmと、クラウンエステートより20cm以上短くなってしまうが、「メルセデス・ベンツの現行型である!」という部分において、間違いなく精神的な満足を感じられる1台であり、もちろんSUVとしての機能も優れている。特に流通の中心であるGLC220d 4マチックの走りは素晴らしく、2L直4ディーゼルターボのサウンドはきわめて静かで、それでいて大いに力強くもある。
本当はひとつ上のクラスである「現行型メルセデス・ベンツ GLE」がクラウンエステートに近い存在なのだが、GLEは全長4925mm×全幅2015mm×全高1795mmとかなり巨大であるため、日本の道で使うのであればGLCが適任であるはず。
そんな現行型メルセデス・ベンツ GLCの中古車価格は総額750万円~と、こちらも現行型レクサス RX同様に少々お高い。もしももう少しお安く済ませたい場合は、先代メルセデス・ベンツ GLCの後期型(2019年10月~)も悪くない。先代GLCの前期型はさすがにいささかの古さを感じさせるが、後期型であればビジュアルもなかなかイケており、インテリアや運転支援システムなどもぐっと進化している。こちらのお値段は総額450万円~といったところだ。
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メルセデス・ベンツ GLC(現行型) × 全国クラウンエステートの代わりその3|現行型ボルボ XC90
クラウンエステートの代わりとしての即納中古車は、ボルボの現行型XC90でもいいのかもしれない。
ご承知のとおりXC90はボルボのフラッグシップSUVであり、そのボディサイズは全長4950mm×全幅1960mm×全高1775mmと、クラウンエステートに近いサイズ感(XC90の方が少し長くて大きいが)。そして北欧モノならでは落ち着いた雰囲気も好印象で、「クラウンブランド」の車を求める向きには、メルセデスのややイケイケなSUVよりもこちらの方がマッチするだろう。
プラグインハイブリッドモデルは総額700万円~と若干お高く、自宅に充電設備があった方がいいという意味で、やや乗り手を選ぶ選択肢である。だが純ガソリンエンジンのモデルであれば、走行2万km台までの物件でも総額450万~600万円付近で検討可能。SUVとしてのバリューを考えれば、まずまずお買い得だといえる。
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ボルボ XC90(現行型) × 全国クラウンエステートの代わりその4|現行型トヨタ クラウンスポーツ
ここまでは新型クラウンシリーズ以外のプレミアムSUVを「クラウンエステートの代わり」として提案してきた。しかしよく考えてみればわざわざ別ブランドのSUVを絶対に買わなければならないということもない。そして、クラウンエステートとおおむね似たようなサイズ感とデザインである「クラウンスポーツ」の中古車であれば、ごく普通にクラウンエステートの代わりとして機能しそうだ。
もちろんクラウンエステートとスポーツでは、異なる部分も多い。クラウンエステートのスリーサイズが全長4930mm×全幅1880mm×全高1620mmであるのに対し、クラウンスポーツは同4720mm×全幅1880mm×全高15650mmと、やや短くて背が低い。ワイド&ローなフォルムというやつである。
そしてクラウンエステートは、後席を倒すことで荷室がフルフラットデッキになるなど高い機能性を併せ持っているのが「エステート」としてのゆえんであり、クラウンスポーツとは少々異なる部分だ。
だが筆者は、はっきり言ってクラウンスポーツとクラウンエステートの見分けがあまりつかない。もちろんよく見れば違いは歴然なのだが、あまりよく見ない場合には、ほとんど見分けがつかないのである。
もちろん「クラウンスポーツの、車名どおりのスポーティな感じがあまり好きじゃない。落ち着いているエステートの方が好きだ」という人は、エステートの発売とデリバリーを待つしかない。
だが「クラウンスポーツもエステートも、だいたい似たようなモノかもしれないね」と感じる人であれば、即納可能なクラウンスポーツの中古車を狙ってみる価値はある。そのお値段は総額540万円~といったところだ。
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トヨタ クラウンスポーツ(現行型) × 全国クラウンエステートの代わりその5|現行型ランドローバー ディフェンダー
ここまでご提案してきた4モデルは、いずれもクラウンエステートの代わりとして妥当であると自負している。だが「インパクト」という面では少々弱いのかもしれない。せっかく日本に冠する「クラウン」ブランドの購入をあきらめるのだから、代わりに購入するモデルはもう少々インパクトが強いモデルであってほしい――という心理である。
であるならば、現行型のランドジローバー ディフェンダーでどうだろうか?
ランドローバー ディフェンダーは、ご承知のとおり各国の軍用車や警察車両などとしても活躍してきた伝説のクロスカントリーモデル。相手にとって不足はないというか、「クラウンブランドの代わり」としては十分な存在感を有しているように思える。
ただ、先代までのディフェンダーはボディ・オン・フレーム構造(いわゆるラダーフレーム構造)を採用した超本格派の硬派オフローダーであるため、案楽&快適を是とするクラウンシリーズの代わりとしては、まったくもってふさわしくない。
だが2019年11月に上陸した現行モデルは通常のモノコック構造を採用したため、乗り心地は普通に快適だ。もちろんクラウンシリーズのように「超絶安楽!」というわけではないが、乗り心地は十分以上に良好である。
価格は5ドア+ロングボディの「110」系が総額710万円~といったところで、3ドア+ショートボディの「90」系であれば総額610万円といったところ。クラウンエステートのような車が気になる人は110系の方がお好きなのだろうが、軽快感があって比較的お安い90系も、なかなかのオススメである。
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ランドローバー ディフェンダー(現行型) × 全国自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。