トヨタの電気自動車(BEV)|ラインナップ一覧で価格・特徴を解説!
カテゴリー: 特選車
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2023/04/09
トヨタの電気自動車は何種類?
トヨタの電動車といえば、ほとんどの人は真っ先にハイブリッドカー(HEV)が頭に浮かぶのではないでしょうか。
トヨタのハイブリッドカーが普及したのは、先行者利益ももちろんあったと思いますが、最大の理由はトヨタハイブリッドシステム(THS)が広く世の中から支持されたことにあります。
一方トヨタには、ハイブリッド以外にも様々な電動車が用意されています。電気自動車(BEV)は2モデルで、燃料電池車(FCEV/FCV)やプラグインハイブリッド車(PHEV/PHV)もラインナップ。
そこでこの記事では、トヨタの電動車、中でも電気自動車や燃料電池車やプラグインハイブリッド車にフォーカスして詳しく解説していきます!
目次
- 電気自動車(BEV)とはどんな車?
- 電気自動車(BEV)以外の電動車にはどんなものがある?
- 【トヨタのBEV①】bZ4X(初代・現行型):スバルと共同開発した電気自動車
- 【トヨタのBEV②】C+pod(初代・現行型):街乗りに特化した超小型モビリティ
- 【トヨタのFCEV】MIRAI(2代目・現行型):現在、国産車唯一の量産FCEV
- 【トヨタのPHEV①】プリウスPHV(2代目):プリウスより上質なプラグインハイブリッド
- 【トヨタのPHEV②】プリウス(5代目・現行型):現行型はPHEVをプリウスに統合
- 【トヨタのPHEV③】ハリアー(4代目・現行型):2022年PHEVモデルを新設定
- 【トヨタのPHEV④】RAV4 PHV(4代目・現行型):アウトドア色の強いモデルにもPHEVを設定
電気自動車(BEV)とはどんな車?
BEVとは「Battery Electric Vehicle」の頭文字を取った言葉。その名のとおり、バッテリーに蓄えた電気をエネルギーにしてモーターを動かし走行します。内燃機関は搭載されておらず、エネルギーは外部電力から車載バッテリーに充電した電気、および減速エネルギーを使って発電したものを使います。
過去には電気自動車に小型のエンジンを搭載し、そのエンジンが発電機を動かすことで航続距離を延ばす「レンジエクステンダー」という仕組みもありましたが、主流にはなりませんでした。
BEVの特徴は以下のとおり。
■走行時にCO2を一切排出しない
■走行中に大きな音が出るエンジンが搭載されていないので静か
■充電に時間がかかる
また、走行中にエンジンを冷却する必要がない、床下に大容量バッテリーを配置する必要があることから、グリルレス・ロングホイールベースなど、内燃機関を搭載する車とは雰囲気が違うデザインを採用するモデルもあります。
2023年3月現在、トヨタはbZ4XとC+podという2種類のBEVを発売しています。
電気自動車(BEV)以外の電動車にはどんなものがある?
電動車には、電気自動車(BEV)以外にもいくつか種類があります。
燃料電池車(Fuel Cell Electric Vehicle=FCEV)とは、車両に搭載した燃料電池で水素と酸素の化学反応で電気をつくり、その電力でモーターを駆動させて走行する車です。燃料はガソリンや電気ではなく水素ステーションで水素を充填し、空気中に含まれる酸素を使う仕組みになっています。
化学反応で排出されるのは水(H2O)のみで、CO2は排出されません。
水素は次世代エネルギーとして期待されていて、経済産業省もカーボンニュートラル実現の切り札として普及に取り組んでいますが、水素ステーションが全国で166ヵ所(2023年3月13日現在)と少ないのが現状です。
電気自動車のように外部電源から車に充電できるシステムを搭載しているプラグインハイブリッド車。いわゆるハイブリッド車よりも大きな駆動用バッテリーを搭載しているため、エンジンを始動させずモーターのみの力でBEVのように走れる距離が長いことが特徴です。
バッテリーに蓄えた電気が少なくなるとエンジンが始動し、エンジンの力で走りながら発電も行いバッテリーに電気をためていきます。つまり外から補充するエネルギーは電気とガソリンの2種類になります。
電欠の心配がないのは大きな安心感になりますが、エンジンとモーターという2つの動力を搭載するためシステムが複雑化するというデメリットもあります。
ハイブリッド車はエンジンとモーターという2つの動力を組み合わせて走る車です。1997年に初代プリウスが登場してから、多くのメーカーが様々な車種にハイブリッド車を展開しています。
燃料は普通の車と同じくガソリンを給油。プラグインハイブリッド車のように外部電源から充電することはできず、走行中に発電機を動かしたり、減速時のエネルギーを使って発電した電力をバッテリーに蓄えます。
ハイブリッド車にはエンジンが発電に徹し、その電気を使ってモーターを駆動させるシリーズハイブリッド(代表的なものは日産のe-POWER)もあります。
いずれのハイブリッド車も特に何かを意識することなく、普通の車と同じ感覚で乗ることができるのが特徴です。
2023年3月現在、トヨタは1種類のFCEVと3種類のPHEVを発売しています。トヨタはかつて燃料電池車をFCV、プラグインハイブリッド車をPHV、ハイブリッド車をHVと表記していましたが、現在はFCEV、PHEV、HEVと表記しています。
ではこれから、トヨタのBEVとFCEV、そしてPHEVについて具体的なモデルを解説していきましょう!
トヨタのBEV① bZ4X(初代・現行型):スバルと共同開発した電気自動車
2022年5月に発売されたbZシリーズ第1弾モデルが、bZ4Xです。トヨタはスバルとBEV専用プラットフォームを開発。スバルからはソルテラという兄弟車が発売されています。
ボディサイズは全長4690×全幅1860×全高1650mm。いわゆるミドルクラスSUVのサイズで、薄型の大容量リチウムイオン電池パックを床下に敷き詰め、低重心で安定感のある走りを実現しています。
一充電の航続距離はWLTCモードで559kmを達成。実用的な性能が与えられたことで、街乗りからロングドライブまであらゆるシーンで快適に使えるようになっています。
最大1500Wの電力を供給できるアクセサリーコンセントや車に蓄えた電力を家庭に供給するV2H機能など、BEVらしい機能も搭載されています。また、駆動用バッテリーのロングライフ化にもこだわり、駆動用バッテリーには10年20万km/容量70%の保証が付けられています。
おもしろいのはその販売方法。bZ4Xは全数リース販売となっていて、個人向けには自動車保険や税金などを含んだトヨタのサブスプリクションサービスであるKINTOで提供されること。KINTOのページによるとbZ4Xの月額利用料は1~4年目が10万6700円(申込金38万5000円)で、5年目以降は毎年月額利用料が下がっていく仕組みになっています。
トヨタのBEV② C+pod(初代・現行型):街乗りに特化した超小型モビリティ
まず2020年12月に法人/自治体向けの提供がスタートし、2021年12月から個人向けの販売がスタートしたC+pod。ボディサイズは全長2490×全幅1290×全高1550mmと軽自動車規格よりはるかに小さく、2人乗りの超小型モビリティに分類されています。
そのため、最高速度は60km/hで、高速道路を走行することはできません。逆に近所の買い物や、街中の移動において優れた利便性を発揮します。最小回転半径はわずか3.9mなので、細い裏路地もすいすいと走ることが可能。一充電航続距離は150km(WLTCモード)で、充電は普通充電のみ。その代わり付属の充電コードをコンセントに接続するだけで簡単に充電できます。
停電や災害時には最大1500W(AC100V)の電力を車から外部に供給可能。電力供給は車内にあるアクセサリーコンセントの他、充電ポートにヴィークルパワーコネクターを挿すことでも行えます。
C+podもリース販売のみとなっていて、ディーラーのWEBサイトによると月額2万7500~3万円程度となります。
トヨタのFCEV MIRAI(2代目・現行型):現在、国産車唯一の量産FCEV
水素を燃料にするFCEVは、2021年9月までホンダがクラリティフューエルセルを発売していましたが、現在は日本車ではMIRAIのみが販売されている形になります。
最大の特徴はCO2を一切排出しないゼロエミッション車でありながら、エネルギーの充填時間が短くてすむこと。水素ステーションの数が少ないことを除けば、燃料補給に関していえば一般的な乗用車と変わらない感覚で利用できます。
2014年にデビューした初代MIRAIはFFモデルでしたが、2代目はFRになり、車格も高められました。
グレードはGとZの2種類を用意。それぞれに後席の快適性を高めたエグゼクティブパッケージ、GにはAパッケージも用意されます。
2代目MIRAIの中古車は40台ほど流通していて、価格帯は総額410万~700万円。低価格帯でも走行数千~2万km程度のZが見つかります。
▼検索条件
トヨタ MIRAI(2代目・現行型)× 全国トヨタのPHEV① プリウスPHV(2代目):プリウスより上質なプラグインハイブリッド
トヨタは、3代目プリウスからプラグインハイブリッド(当時はPHVと呼んでいました)を設定。2017年2月には2代目となるプリウスPHVが登場します。
シルエットは4代目プリウスのスタイルを踏襲しつつ、4眼LEDヘッドライトやバックドアのダブルバブルウインドウなどで高級感を高め、インテリアもプリウスより上質な素材を用いることで差別化が図られました。
モーターのみの力で走行するEVドライブモードは、JC08モードで68.2kmに拡大。燃費はJC08モードで37.2km/Lになります。
車への充電は普通充電と急速充電に対応しているので、自宅はもちろん外出先での充電も可能です。
中古車は620台ほど流通。価格帯は総額170万~430万円となっています。
▼検索条件
トヨタ プリウスPHV(2代目)× 全国トヨタのPHEV② プリウス(5代目・現行型):現行型はPHEVをプリウスに統合
2023年1月に5代目にフルモデルチェンジしたプリウス。フロントガラスが大きく傾斜し、フロントバンパーからルーフトップまでほぼ一直線のラインを描くものフォルムシルエットはさながらスポーツカーのよう。
2023年3月にはそんなプリウスにPHEVグレードが追加設定されました。
プラグインハイブリッドシステムは、2Lエンジンを搭載する新世代のものを採用。EVモードでの走行距離は19インチタイヤ装着車が87km、17インチタイヤ装着車は105kmを達成しました(いずれもWLTCモード)。自宅で充電しておけば、日常生活での移動はほぼ電気の力のみで走行できることになります。
もちろん車の電気を外部に給電できるEV給電モード、災害時に車を電源として利用できるHEV給電モードも搭載されています。
2023年3月25日時点ではまだ流入していませんが、人気モデルであるため、定期的に中古車状況をチェックすることをオススメします。
▼検索条件
プリウス(5代目・現行型)PHEVモデル× 全国トヨタのPHEV③ ハリアー(4代目・現行型):2022年PHEVモデルを新設定
1997年にデビューした初代ハリアーは、セダンのような乗り心地と高級感を備えたクロスオーバーSUVとして世界中で大ヒット。現在のSUVブームを巻き起こしたエポックメイキングなモデルでした。
2020年6月にデビューした現行型は通算4代目。2代目からはガソリン車に加えてハイブリッドも設定されていますが、2022年9月には上級グレードであるZにPHEVが新設定されました。
PHEVモデルは、モーターが主体となるシステムを搭載していて、モーターのみで走行できる距離は93km(WLTCモード)。燃費は20.5km/Lに達します(WLTCモード)。ハイブリッド車のシステム最高出力が160kW(218ps)なのに対し、PHEVは225kW(306ps)になります。
ハリアーのPHEVモデルの中古車は5台のみ流通。価格帯は総額690万~730万円と、新車より高いプレミア相場になっています。
▼検索条件
トヨタ ハリアー(4代目・現行型/PHEVモデル)× 全国トヨタのPHEV④ RAV4 PHV(4代目・現行型):アウトドア色の強いモデルにもPHEVを設定
今、SUVは都市型のクロスオーバータイプが主流ですが、現行型RAV4はアウトドアをほうふつさせる力強いデザインを採用しました。そんなRAV4にPHEVが設定されたのは2020年6月。ハリアーやプリウスはPHEVが1グレードとして設定されましたが、RAV4 PHVは別モデルという立て付けになります。また、この時期はまだPHVという名称でした。
RAV4のハイブリッド車よりフロントモーターとインバーターを高出力化したことで、システム最高出力は225kW(306ps)を達成しました。EV走行距離は95km(WLTCモード)になります。
中古車は40台ほど流通していますが、価格帯は総額460万~650万円と、新車より高値が付いているものが多くなります。
▼検索条件
トヨタ RAV4 PHV(4代目・現行型)× 全国※記事内の情報は2023年3月25日時点のものです。
自動車ライター
高橋満(BRIDGE MAN)
求人誌編集部、カーセンサー編集部を経てエディター/ライターとして1999年に独立。独立後は自動車の他、音楽、アウトドアなどをテーマに執筆。得意としているのは人物インタビュー。著名人から一般の方まで、心の中に深く潜り込んでその人自身も気づいていなかった本音を引き出すことを心がけている。愛車はフィアット500C by DIESEL