2年で20万円近く安くなり、底値に入った日産 ラフェスタハイウェイスター。今のオススメ物件は?
2022/03/28
マツダのDNAをもった走りもイケてる3列シートミニバン
2004年に初代モデルが登場した日産 ラフェスタは、3列シートとスライドドアを備えたミニバンでありながら、全高を低めに抑えることでステーションワゴン的なスタイリッシュなフォルムと操縦安定性の高さで人気を博したモデル。
その2代目モデルとして、2011年に登場したのが「ラフェスタハイウェイスター」でした。
もともと「ハイウェイスター」とは、日産のミニバンに設定されるエアロパーツをまとったグレード名ですが、このモデルについては「ラフェスタハイウェイスター」が車名となっています。
実はこのラフェスタハイウェイスター、マツダの3代目プレマシーのOEM車となっており、初代のラフェスタが「ラフェスタJOY」という車名でしばらく併売されていた、という歴史があったりするのです。
ちなみにOEMとは他メーカーが開発、生産した車両を自社ブランドで販売するために供給してもらうというもので、中にはメーカーと車名のエンブレムだけを差し替えたというものもあります。
しかし、このラフェスタハイウェイスターでは気合いの入った変更がなされていました。
特にフロントマスクはヘッドライトとフロントフェンダー以外は専用品とし、プレマシーのボディサイドに備わる「NAGARE」と名付けられたデザインモチーフも、ラフェスタハイウェイスターではスッキリとしたボディパネルに差し替えられているほど。
その一方で、メカニズムやシートレイアウトはプレマシーのものを踏襲しているため、マツダ車がもつ走りの良さはそのまま楽しむことができるというメリットも。
プレマシーとは異なり、全グレードでアルミホイールを標準装備していたのも、その走りの良さを日産側がアピールしたかったからかもしれません。
ミニバンとしての性能を見ても、686mmという大きな開口幅をもち、多くのグレードで標準装備となる助手席側電動スライドドアなど、使い勝手も良好。
シートレイアウトは2、3、2の7名乗りで、2列目シートは収納すればキャプテンシート、引き出せばベンチシートとなる「フレキシブルシート」を採用。
そして3列目シートは倒して格納することができ、そうするとほぼフラットな荷室が現れる他、2列目シートも倒せばより広大な荷室として使うことができます。
プレマシーと共通となるパワートレインは、2L直列4気筒DOHCのガソリンエンジンと、5速AT(4WD車は4速AT)の組み合わせ。一部グレードではアイドリングストップを採用し、14.0km/Lというこのクラスとしては良好な燃費性能をマークしていました。
2013年2月にはマイナーチェンジを実施し、エンジンとトランスミッションを一新。マツダで言うことろの「SKYACTIV TECHNOLOGY」を採用した新開発の2Lエンジンと6速AT(一部グレードは5速AT、4WDは4速AT)を搭載し、燃費性能は16.2km/Lまで向上しました。
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日産 ラフェスタハイウェイスター(初代) ×全国気になるラフェスタハイウェイスターの中古車相場は?
新車当時、最上級グレードでは乗り出しで300万円を超えていたラフェスタハイウェイスターですが、2018年の販売終了からわずか4年足らずで中古車平均価格は50万円台まで下落。
2020年6月に平均価格が50万円台に突入してからは、平均して50万円台で横ばい状態となっていることから、ほぼ底値の状態になったと言えるでしょう。
ちなみにそんなラフェスタハイウェイスター、新車時はベースとなったプレマシーの同等グレードと比較して10万~20万円ほど高くなっていました。
しかし、2022年1月時点でのラフェスタハイウェイスターの中古車平均価格が57.1万円なのに対し、プレマシーの中古車平均価格は57.2万円となっており、新車時価格の高かったラフェスタハイウェイスターの方が安いという逆転現象が起きています。
一方、掲載台数は同年代のライバルミニバンに比べるとやや少なめですが、それでも400台ほどで安定しています。
金額が底値になったことも相まって、今がラフェスタハイウェイスターの狙い時と言えそうです。
では、今ラフェスタハイウェイスターを狙うのであれば、どんな物件がオススメなのでしょうか? 以下見ていきましょう。
コストパフォーマンスの高い最上級グレード
「Gスプレモ×走行距離8万km以下×修復歴なし」
スペイン語で「最高の」という意味をもつ「スプレモ」。
このモデルは、2012年4月に追加された特別仕様車で、以降はラフェスタハイウェイスターのいちグレードとしてラインナップされたものです。
光輝仕様の17インチアルミホイールやクロームメッキのアウタードアハンドル、ウインカー内蔵ドアミラー、ピアノブラック調のセンタークラスターフィニッシャーといった加飾の他、専用の本革とジャカードの表皮を使ったシートを備えた、まさに最高グレードとなっていました。
最上級グレードということでさすがに台数は少なめですが、走行距離8万km以下×修復歴なしという条件を加えても30台弱の物件がヒットし、総額50万円くらいから見つけることができます。
さらに、予算を総額100万円までアップさせると、保証が充実したメーカー系中古車店で、6速ATとなった後期型かつ走行距離が5万km前後の物件を見つけることができ、かなりコストパフォーマンスに優れていると言えるのではないでしょうか。
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日産 ラフェスタハイウェイスター(初代)×Gスプレモ×走行距離8万km以下×修復歴なし×全国新世代エンジンを搭載した高性能モデル
「マイナーチェンジ後・6ATモデル×走行距離8万km以下×修復歴なし」
走りの評価が高いラフェスタハイウェイスターを狙うなら、新世代のエンジンが搭載された2013年3月マイナーチェンジ後のもの、その中でも6ATを搭載したモデルがオススメです。
こちらも走行距離8万km以下で修復歴なしで絞ってみると、30台ほどの物件がヒット。総額50万円程度から見つけることができ、ほとんどが総額100万円以内で狙えます。
同年代の軽自動車よりも圧倒的に安価で購入できる点は、かなりお手頃感が高く驚きと言ってよいでしょう。
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日産 ラフェスタハイウェイスター(初代) ×マイナーチェンジ後・6ATモデル×走行距離8万km以下×修復歴なし×全国今回はラフェスタハイウェイスターにフォーカスして中古車物件を探してみましたが、「ミニバン=背の高いもの」という認識が強いのか、どちらかというと不人気車にくくられてしまっている様子。
しかし、便利なスライドドアやシートアレンジといった使い勝手の良さはもちろん、背が低いことからくる走行性能の高さをもつラフェスタハイウェイスターというのは意外な狙い目となるのではないでしょうか。
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日産 ラフェスタハイウェイスター(初代) ×全国自動車ライター
小鮒康一(フナタン)
スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター、S660