現行型ミニバン狙いなら、2年で平均価格が30万円も安くなった日産 エルグランドをチェック! ライバルよりもお得に買えるかも?
2022/03/13
ライバルに差を付けられたが……
ゆとりのある広い室内だけではなく、ミニバン離れした優れた走行性能ももつ日産のLクラスミニバンがエルグランド。
2010年8月に登場した3代目・現行型は、押し出し感のあるエクステリアや上質感の高いインテリアを備えており、より高級感が増したモデルだ。
ライバルには、同じくLクラスミニバンのトヨタ アルファード/ヴェルファイアが挙げられる。
しかし、ここのところ両車の中古車相場状況には大きな違いが出ている。
価格が上昇傾向にある現行型アルファード/ヴェルファイアに対して、エルグランドはむしろ下落傾向で、かなりお買い得な物件が増えているのだ。
この記事では、現行型エルグランドの中古車相場とともにモデル変遷をチェックし、今狙うべきオススメ物件を紹介していこう。
▼検索条件
日産 エルグランド(現行型)×全国ライバルの価格が上がっている中、エルグランドは大きく下落
現行型エルグランドの中古車平均価格は、ゆるやかな下降を続けている。
2020年1月の平均価格は221.0万円だったが、2年後の2022年1月には約30万円安い191.2万円となっている。
もちろんデビューから時間も経っているゆえ、安くなるのは当たり前だが、それでも結構お手頃な価格になっていると言って良いだろう。
原稿執筆時点では、掲載されている中古車価格を見ると35万~500万円程度とかなり幅広いため、「現行型」にもかかわらず予算に応じて選びやすくなっているのも嬉しい。
ちなみに、ライバルのアルファード(現行型)を見てみると、年式が新しめということもあるが、2020年1月に405.5万円だった中古車平均価格は逆に421.2万円にまで高くなっている。
一方で、中古車の流通台数は豊富で、ここ1年ほどは延べ掲載台数がほぼ毎月2000台を超えている。
つまり、今は「幅広い予算に合わせて、たくさんの物件の中から選び放題!」という状況。
そして、ライバルモデルの中古車価格が値上がり傾向にある今だからこそ、一度現行型エルグランドをチェックしても損はない! ということなのだ。
Lサイズミニバンに爽快な走りを求め、「キング・オブ・ミニバン」を目指した
では、現行型エルグランドはどんなモデルだったのか? 以下、モデル変遷を簡単に振り返ってみよう。
初代と2代目はFR(フロントエンジン・リアドライブ)を採用していたエルグランドだが、2010年8月に登場した3代目・現行型は、室内空間を広く取れるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)が採用された。
ただし、低重心化による走行性能の向上を狙い、全高は1815mmにとどめられており、ライバルに比べて低めのプロポーションをもつのが特徴だ。
その結果、室内高はアルファードの1400mmよりも低い1293mm(デビュー時。2014年1月のマイナーチェンジで1300mm)に。最近では軽自動車のホンダ N-BOXが室内高1400mmをうたうほどだから、そのあたりも新車の販売台数に影響していると思われる。
デビュー時に搭載されたエンジンは、2.5Lと3.5Lの2種類。一部改良は加えられたものの、現在もこの2種類に変わりはない。
セパレートタイプの2列目シートと助手席の計3座にオットマンを備えた仕様や、当時世界初だったワンタッチスライドドアなど、見た目だけでなく装備面でも同社の掲げた「キング・オブ・ミニバン」にふさわしい内容を備えていた。
デビュー時の車両本体価格は、307万6500~464万1000円。
その後も仕様や機能の向上が図れているが、下記では主な仕様変更を見ていこう。
まず2012年11月には、当時世界初となる踏み間違い衝突防止アシストが用意された。
さらに、2014年1月のマイナーチェンジでは内外装デザインの変更とともに、3列目シートに240mmのロングスライド機能が備えられた。これにより、3列目使用時でもラゲージを拡大できるようにしている。併せて室内高の拡大(1300mm)も図られた。
待望の衝突被害軽減ブレーキは、2018年12月に全車標準装備に。併せて車線逸脱警報や車線逸脱防止支援システム、ハイ/ロービーム自動切替機能なども標準装備され、踏み間違い衝突防止アシストは歩行者も検知するようになった。
他にも、先行車に自動追従するインテリジェントクルーズコントロールが250XG以外の全グレードに標準装備された。
さらに、2020年10月のマイナーチェンジでは、2台前の走行車を検知し、自車の回避操作が必要と判断した場合に警報で注意を促す「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」や、隣接レーン後側方の接近車との接触を回避するようステアリング操作を支援する「インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)」、BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)などを含む「360°セーフティアシスト」が全車に標準装備された。
原稿執筆時点で2.5L車と3.5L車の割合は、約8:2と圧倒的に2.5L車の方が多い。排気量が違ってもグレード名が同じなら、装備や機能は同じなので、やはり選びやすくて毎年の自動車税も安い2.5L車を中心に選んだ方がいいだろう。
では、具体的にはどのグレードを選べばよいか、以下予算別にオススメを紹介していこう。
総額150万円以下のオススメ
250ハイウェイスター
支払総額150万円以下の半数以上と、圧倒的に多くを占めるのが「250ハイウェイスター」だ。
7人乗りと8人乗りがあるが、3座にオットマンが備わる7人乗り仕様が約8割を占める。
250ハイウェイスターは、ハイウェイスターの中では最廉価グレードだが、エアロパーツや18インチアルミホイールなど見た目は他のハイウェイスターと同じだ。
ワンタッチで開閉できる側電動スライドドアは助手席側には標準で備わるが、運転席側はオプションになるためしっかり確認してほしい。
走行距離10万km超に物件も4割以上を占めるが、コンディションを考慮し「走行距離10万km以下×修復歴なし」で検索すると80台ほどがヒットする。
まずはこちらの条件で検索し、実車のコンディションや点検整備簿の内容を確認しながら選ぶといいだろう。
▼検索条件
日産 エルグランド(現行型)×総額150万円以下×「250ハイウェイスター」×走行距離10万km以下×修復歴なし×全国総額200万円以下のオススメ
250ハイウェイスターアーバンクロム
支払総額150万~200万円の価格帯で最も多いのは、引き続き250ハイウェイスターだ。この価格帯まで上げれば、走行距離5万km未満や10万km未満が増え、良コンディションの中古車が選びやすくなる。
しかし、ここでオススメしたいのは、2011年12月から追加された「250ハイウェイスターアーバンクロム」だ。
「アーバンクロム」は、350ハイウェイスター/250ハイウェイスターそれぞれがベースになっており、その名のとおりフロントグリルなどにダーククロム色の加飾が加えられるなど、クールなエクステリアが与えられている。
さらに、2.5L車のベース車は本来運転席側のワンタッチオートスライドドアがオプションなのだが、アーバンクロムには標準装備されたため、おトク感があるのだ。
この価格帯では250ハイウェイスターの約3割に次ぐ約2割と、そこそこ台数があって選びやすい。「走行距離10万km以下×修復歴なし」で絞っても70台ほどがヒットする。
また、同じような条件では250ハイウェイスターよりも若干高めという程度なので、積極的に狙ってみよう。
▼検索条件
日産 エルグランド(現行型)×総額200万円以下×「250ハイウェイスター アーバンクロム」×走行距離10万km以下×修復歴なし×全国総額300万円以下のオススメ
250ハイウェイスターS/250ハイウェイスターSアーバンクロム
この価格帯まで予算を上げることができるなら、選択肢はかなり広くなる。
その中でも特にオススメなのが、約4割を占める「250ハイウェイスターS」および「250ハイウェイスターSアーバンクロム」だ。
「S」が付いているが、これは2015年4月に従来の250ハイウェイスター/ハイウェイスターアーバンクロムと入れ替わるように追加されたモデルで、仕様は従来モデルとほぼ同じ。
ただし、新車時の車両本体価格が従来より約20万円も下げられてお買い得になったグレードだ。
そして、2015年デビューゆえ高年式な分走行距離の短い中古車も多く、5万km以内で絞っても200台ほどヒットする。
また、2018年12月には衝突被害軽減ブレーキが標準装備されたが、台数はかなり少ないものの「250ハイウェイスターS」を中心に支払総額300万円で見つけることができる。
安全機能を重視するなら「衝突被害軽減ブレーキ付きの250ハイウェイスターS」、装備重視なら「250ハイウェイスターSアーバンクロム」という形で、よりバリューの高い1台を見つけてほしい。
▼検索条件
日産 エルグランド(現行型)×総額300万円以下×「250ハイウェイスターS/250ハイウェイスターSアーバンクロム」×走行距離10万km以下×修復歴なし×全国▼検索条件
日産 エルグランド(現行型)×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。