どっちを買うべき? 初代 ホンダ S660と2代目ダイハツ コペンを比較
2022/03/14
初代S660 VS 2代目コペン 気になる7つのポイントで比べてみた
一度はオープン2シーターに乗ってみたい! そんな憧れを、グッと現実に引き寄せてくれるのが軽オープンだ。同時に「小さくて軽いほど楽しい」というスポーツカーの価値観にぴたりとハマっているのが初代S660と2代目コペンだ
同じ土俵に立つ、がっぷり四つのS660とコペン……ではあるものの、似たり寄ったりどころか、実は両車ともにかなりの個性派。この2台どちらかで迷っているなら、絶対に知っておきたい「違い」がある。それを押さえたうえで購入を検討してほしい。
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ホンダ S660(初代)×全国▼検索条件
ダイハツ コペン×全国【オープン機構】巻いてしまえるロールトップと電動開閉式ルーフ
同じオープンカーでも両車は屋根を開放するための仕組みが異なる。端的に言うと、
S660のルーフは「ロールトップ」と呼ばれ、オープンするにはルームミラー上部と両ドア上部にある3つのロックを解除。ルーフは手で外す。ルーフ自体はガッチリとした骨格をもつファブリック製だが、クルクルと巻き取って収納可能。当然これらの手作業は、車外に降りる必要がある。
一方で、コペンは「アクティブトップ」と呼ばれる電動開閉式ルーフを採用。これはルーフのロック&解除、開閉すべてがボタンひとつで操作できる。もちろん、運転席に座ったままでOK。しかも、ルーフはハードトップなので閉めた姿はほぼクーペ。一粒で二度美味しい感がある。
S660のロールトップは軽量化と低重心においてアドバンテージがあるが、オープンを気軽に楽しめるは圧倒的にコペンだ。
【室内空間】どちらも包まれ感が強いが、車内寸法の差は明確
S660もコペンも車高が低くて、室内空間はミニマム。良く言えば、スポーツカーらしいタイトな“包まれ感”がある。そこは両車に共通する印象ではあるものの、
これは両車の室内寸法をチェックしても、データに表れている。
室内長 | 895mm | 910mm |
---|---|---|
室内幅 | 1215mm | 1250mm |
室内高 | 1020mm | 1040mm |
室内長 | 895mm | 910mm |
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室内幅 | 1215mm | 1250mm |
室内高 | 1020mm | 1040mm |
室内寸法で見ると、すべてにおいてS660がタイト。こじんまりとした車内を心地よいと感じるならS660、息苦しいと思うならコペンに軍配が上がる。もちろん、このあたりの印象は運転手や同乗者の体格によって左右される。実車確認をするなら、腰掛けて確認してみることをオススメしたい。
【駆動方式】軽快なMRと慣れ親しんだFF
S660とコペンの決定的な違いは、エンジンの搭載位置。それに由来して走りのキャラクターも異なる。
S660はMR方式。いわゆる「ミドシップレイアウト」だ。着座シートの真後ろにエンジンを搭載し、後輪を駆動させている。これは、ごく一握りのスーパーカーで用いられる配置。ホンダであればNSXが採用している。
メリットはノーズが軽く、ハンドリングがナチュラル&しなやかになること。ホイールベース間にエンジンという重量物があるので、慣性重量も抑えられる。慣性重量が小さいと動き出しが速く、同時に動きの収まりも速くなるのだ。
一方のコペンは、現在の車の多くが採用するFF方式。フロントタイヤの前にエンジンがあり、至近にあるフロントタイヤを駆動される。ノーズに重量物があり、前後の重量バランスを車検証の前軸重と後軸重でチェックするとおおむね63:37となっている。S660の公称値は45:55なので、コペンの重心がいかに前寄りかわかるだろう。
FFゆえの重量配分にS660と比べれば、コペンのハンドリングは落ち着いている。ただし、小型軽量ゆえの小気味よさが走りに刺激をもたらす。FFに慣れている多くのドライバーなら軽快さと安心感を同時に感じられるはずだ。
【荷室】駆動方式の違いで荷室の広さも異なる
MRとFF、駆動方式の違いは走りだけでなく、積載性にも少なからず違いを生み出す。
S660のリアにはトランクルームがない。フロントボンネットを開けたところにある、小さなスペースが荷室に当たる。しかも、ここも巻き取ったロールトップを収めるのに使用するため、収納スペースは実質上ないに等しいと考えた方が無難だ。
結果としてS660で荷物を安定して置けるのは助手席となる。人は乗れなくなるが「S660は走りに特化している」と捉えれば、納得がいくだろう。
コペンはリアにトランクルームを備え、9インチサイズ(口径が約23cm)のゴルフバッグを積める。丸々2セットは無理にしても、クラブを選べば大人2人が揃ってゴルフの練習場に出かけられるケースもある。
ただ、気をつけたいのはオープン時にはトランクスペースはルーフの格納場所になること。つまり、荷物を積むとクローズ限定となるのだ。オープン時は大幅にスペースが削られるが、ハンドバッグ程度は積むことができる。
S660はリアにエンジンを搭載しているためにトランクルームを設けることが現実的ではない。対するコペンはフロントにエンジンやミッションをコンパクトに配置。この駆動方式の違いが積載性に大きく影響しているのだ。
【安全装備】先進安全装備の有無が最大の違い
具体的に言うと、S660は「シティーブレーキアクティブシステム」を一部グレード除き標準装備。時速約30km以下で作動する「低速域衝突軽減ブレーキ」と「誤発進抑制機能」を組み合わせたシステムとなっている。
一方、コペンはVSCやTRCといったコーナリングでの横滑り防止装置を備えるものの、オプションでも先進安全装備が選べない。しかも、S660はエアバッグがフロントに加えてサイドにも備わっているが、コペンはフロントのみ。この点から安心度が高いのはS660と言える。
【カスタマイズ】気軽に換装できるシステムで明暗が分かれる
趣味性が高い車には走る喜びに加えて、カスタマイズする喜びを期待する人は少なくない。両車ともに純正パーツやアフターマーケットのパーツが豊富だが、
その要因はコペンが採用する「ドレスフォーメーション」にある。これは、ボディの形状を構成するアウターパネルを自在に付け替えられる仕組み。「ローブ」「エクスプレイ」「セロ」「GRスポーツ」という4つのスタイルが用意され、購入後でもパネル交換によって別のスタイルに模様替えできる。
ドレスフォーメーションで大きな換装が可能で、それゆえにアフターパーツも充実。S660もエクステリア、インテリアともに多種多様なパーツが揃っているが、カスタマイズの気軽さはコペンに一足及ばないのが現実だ。
【中古車】人気ゆえ両車とも中古車相場は高値をキープ
現時点では
新車時価格:198万~315万円
中古車平均価格:219万円
中古車掲載台数:736台
新車時価格:178万~244万円
中古車平均価格:163万円
中古車掲載台数:549台
安全装備の違いなどにより、S660の新車価格帯はコペンより約20万~70万円ほど高い。それが中古車価格に反映されている。
加えて、S660は2021年3月に生産終了を発表。残りの生産分がすぐさま完売になる人気を見せ、絶版となった今でもS660の中古車価格は高値をキープしている。2021年11月の追加生産分も抽選販売したことを考慮すると、当面この傾向は続きそうだ。
コペンもS660ほどではないとはいえ、人気ゆえ高値を維持。そうは言っても、前述のとおり、新車価格のアドバンテージを生かし、S660よりお手頃となっている。ただし、S660は新車では手に入らないので、程度の良い中古車を狙うなら、物件数が豊富な今はチャンスかもしれない。