AD▲同じ車名ではあるが、初代と2代目は設計もキャラクターも全く別の車。初代は本格クロカン四駆、2代目はシティ派のコンパクトSUVだ

ホンダ クロスロードの中古車は今

ホンダのSUVといえば、今やヴェゼルやCR-Vのツートップだが、かつては他にも個性的なモデルが存在した。そのひとつが、クロスロードだ。

1990年代前半にランドローバーからのOEM供給を受けて登場したのが初代、その生産終了から9年の時を経て車名を復活させ、自社開発されたのが2代目。

だが、両者に共通するのは車名と“四輪駆動であること”のみで、実質的には全く別のモデルと言える。

初代は新車当時から販売不振で、約4年という短い期間でモデルライフを終えた。

現在の中古車市場には残念ながらほとんど流通していない。

2代目も生産終了から10年以上たっているが、中古車市場での流通台数はまずまず豊富。

中古車価格もこなれているので、免許を取ったばかりの人が最初に乗る1台にピッタリだろう。

ここではホンダ クロスロードの特徴、中古車を選ぶ際のポイントや現在の中古車相場について解説していく。
 

 

クロスロード(初代)の特徴と中古車相場

■クロスロード(初代) DATA
生産期間:1993年10月~1998年12月
中古車流通量:0台
全長:4465~4535mm × 全幅:1800mm × 全高:1950mm
 

クロスロード ▲グリルガードやルーフキャリアなど、オフロード装備がよく似合っていた初代。悪路走破性能はトヨタ ランドクルーザーにも引けを取らない

■クロスロード(初代)の特徴
1990年代初頭といえば、ランドクルーザーやパジェロなど、クロカン四駆が隆盛を極めた時代。

当時、自社のクロカン四駆をもっていなかったホンダは、提携関係にあったローバーから、ランドローバー ディスカバリーをOEM供給するという形で四駆市場に参入した。それが、初代クロスロードだ。

フロントエンブレムこそHの文字が入っていたが、中身は初代ディスカバリーそのもの。

頑丈な前後コイル・リジッド式アクスル、ラダーフレーム構造、本格的な副変速機を備えたトランスファーまで、伝統的なクロカン四駆の構造だった。
 

クロスロード ▲キックアップしたルーフとサードシート頭上の小窓が個性的な初代のリアビュー

パワートレインは3.9L V8ガソリンの4速ATのみ。3ドアと5ドアがあり、後者は簡易なサードシートを備えた7人乗り仕様だった。

オフロード性能に優れた英国の本格クロカン四駆を、国内メーカーのディーラーで買える……という利点はあったものの、販売は不振で約5年弱の販売期間に終わった。
 

クロスロード ▲十分に減速比の低い副変速機、見晴らしの良い眺望は、オフロード派から大いに支持された

■クロスロード(初代)の中古車相場
中古車市場での流通量は極端に少なく、カーセンサーへの掲載台数もゼロ。

実質的にディスカバリーと同じ車なだけに、あえて今、初代のクロスロードを探す理由は見つからない。

このモデルを探すなら、ディスカバリーとして流通している物件もチェックするといいだろう。

▼検索条件

ホンダ クロスロード(初代) × 全国(※流通状況により、物件がない場合があります)

▼検索条件

ランドローバー ディスカバリー(初代) × 全国
 

クロスロード(2代目)の特徴と中古車相場

■クロスロード(2代目) DATA
生産期間:2007年2月~2010年8月
中古車流通量:約230台
中古車価格帯:40万~220万円
全長:4285~4290mm × 全幅:1755mm × 全高:1670mm
 

クロスロード ▲コンパクトな車体に3列シートを備えたシティ派SUVとして登場した2代目

■クロスロード(2代目)の特徴
2007年、8年振りに復活した2代目では、完全自社開発モデルとなった。ベースとなったのはミニバンの2代目ストリームだ。

FF(フロントエンジン・前輪駆動)ベースのコンパクトな車体の中に3列シートを巧みにパッケージしたのが特徴で、当時、コンパクトSUV界の2大巨頭に君臨していた日産 エクストレイル、スバル フォレスターへの大きなアドバンテージだった。

当時のライバルたちよりもコンパクトな全長で取り回しやすく、走行感覚もSUVよりミニバンに近い感覚と言える。

しかしながら、外観デザインはハマー H2を思わせる、エッジの効いたものとなっているのが魅力だった。

直線基調でバンパー四隅が切り落とされたボディは見切りが良く、車両感覚をつかみやすい。運転が苦手なドライバーでも取り回しは苦労しないだろう。
 

クロスロード ▲リアビューも個性的。バンパーやフェンダーアーチが未塗装となるグレードも用意された

エンジンは1.8L 直列4気筒i-VTECガソリンと、2L 直列4気筒 i-VTECガソリンの2種類が用意されており、トランスミッションはともに5速ATとなっている。

FFと4WDがあり、後者にはアクティブトルクスプリット式の新リアルタイム4WD、ヒルスタートアシストが採用された。

デビュー当時のグレード構成は下記のとおり。

・「18L」:1.8Lエンジンを搭載し、未塗装バンパー、スチールホイール+ホイールキャップとなるベーシックグレード。FFのみ
・「18L Xパッケージ」:18Lにキーレスエントリー、電動格納カラードドアミラーなどを装備。FFのみ
・「18X」:1.8Lエンジンを搭載する上位グレード。フルタイム4WDのみ
・「20X」:2Lエンジンを搭載するベーシックグレード
・「20Xi」:サイドエアバッグシステムやディスチャージヘッドライトなどを装着する最上級グレード

また、デビューイヤーとなる2007年に特別仕様車「HIDエディション」と「HDD ナビ エディション」が設定された。
 

クロスロード ▲インパネシフトを採用したシンプルなインテリア。トランスミッションは5速ATを採用

■クロスロード(2代目)の中古車相場
生産期間が約3年半と短かったわりに、中古車市場での流通台数は230台前後とまずまずの豊富さ。

1.8Lモデルと2Lモデルの比率は半々というところだ。

中古車平均価格は90万円前後、価格帯のボリュームゾーンは 総額60万~90万円となっている。低走行車は少ないが、走行距離6万km以下なら予算110万~190万円のゾーンで探すことができる。

カスタムを前提とするなら未塗装バンパーの「18L」も面白い選択だが、一般的には装備が充実した「18X」が狙い目となるだろう。価格帯がリーズナブルで、しかも流通台数が多い。

予算に余裕があるなら、追突軽減ブレーキやインテリジェント・ハイウェイ・クルーズコントロールなどの先進安全装備が搭載された「20Xi」の4WDがオススメだが、流通量は1桁台だ。条件が合うものがあれば、積極的に狙っていきたい。

▼検索条件

ホンダ クロスロード(2代目) × 全国

※記事内の情報は2021年7月19日時点のものです。
 

文/田端邦彦 写真/ホンダ
田端邦彦(たばたくにひこ)

自動車ライター

田端邦彦

自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。