日産 セレナ▲日産のプロパイロットは、簡単に言うと高速道路での運転を楽にしてくれる機能のこと。渋滞時に先行車が止まれば自車も止まり、動き出せば再始動してくれる

完全停止するACC機能を搭載したミニバン3車種をセレクト

衝突被害軽減ブレーキの急速な普及で、その技術を活用するACC(アダプティブクルーズコントロール)もまた、軽自動車にも採用されるほど普及している。

かつては、車速が30km/hを下回ると自動的にキャンセルされるものが多かったが、最近では自動運転化の流れの中で、ステアリング操作を車がアシストしてくれる技術などとともに完全停止してくれるACCも増えてきている。

家族とロングドライブすることが多いであろうミニバンにおいても、当然ACCはかなり重宝する機能だろう。遊び疲れた帰り道などは、渋滞でのアクセルとブレーキペダルの踏み替えの繰り返しに、足がつりそうになったことがある人も多いのではないだろうか。

そこで今回は、支払総額200万円以下から狙えて、渋滞で完全停止してくれるACC機能付きの国産ミニバンをセレクトしてみた。

もちろん、ACCや衝突被害軽減ブレーキは安全運転を“支援"する機能なので過信は禁物だが、休日の家族と遊びの帰りに渋滞に巻き込まれても、今までよりもラクに家にたどり着けるだろう。

高速道路での運転がグンと楽になるプロパイロット
日産 セレナ(現行型)

日産 セレナ▲スライドドアの下で足を振ると自動でドアが開閉するハンズフリースライドドアが、一部グレードにオプションで用意された。バックドアの上部のガラスハッチのみ開閉が可能なので、車の後ろのスペースにあまり余裕がなくても荷物の出し入れが可能だ
日産 セレナ▲当時クラストップとなる室内長(3240mm)と室内幅(1545mm)が確保されているなど、広い室内が魅力。自車を俯瞰して見るようなアラウンドビューモニターや、カメラ映像で後方をルームミラーに映す「スマート・ルームミラー」なども用意されている

2016年8月に登場した現行型セレナ。一部グレードに設定された同社の先進安全運転支援機能「プロパイロット」は、高速道路上で先行車との車間距離を一定に保ち、先行車が停止すれば自車も停止し、再び動き出せばそれに追従する機能を備えていた。

デビュー時は一部グレード(X/G/ハイウェイスター/ハイウェイスターG)にオプションだったが、2020年8月に一部グレード(ハイウェイスターV/ハイウェイスターG/e-POWERハイウェイスターV/e-POWERハイウェイスターG)に標準装備とした。また、デビュー時にプロパイロットを標準装備した特別仕様車「プロパイロットエディション」も販売された。

プロパイロットには、他にも車線中央を走行するようにステアリング操作をアシストする機能も備わるので、ロングドライブでも運転が楽になるだろう。また、衝突被害軽減ブレーキと車線逸脱警報は全車に標準で備わっている。

デビュー時点のパワートレインはグレードのBとSに2Lガソリン、それ以外のグレードにはS ハイブリッドと呼ばれる2Lガソリン+モーターのマイルドハイブリッドが搭載された。さらに2018年2月には、エンジンを発電機として利用する「e-POWER」も追加されている。2WDと4WDがあり、JC08モード燃費は15.0~26.2km/L。

デビュー時のプロパイロットが設定されていたグレードの車両本体価格(プロパイロットのオプション価格を除く)は248万9400~340万4160円。ほとんどがオプション設定のため、詳細は購入前に装着しているかどうか確認が必要だが、原稿執筆時点で調べてみると、支払総額200万円以下で17台に「プロパイロット」を備えていると記載されていた。

▼検索条件

日産 セレナ(現行型)×プロパイロット搭載×全国

渋滞でも「ぶつからない」アイサイトver.2を搭載
スバル エクシーガ(初代)/エクシーガクロスオーバー7(初代)

スバル エクシーガクロスオーバー7▲写真はエクシーガクロスオーバー7。ルーフレールやブラット塗装されたホイールアーチなどを標準装備。残念ながらデビューからわずか約3年後の2018年3月末で生産が終了した
スバル エクシーガクロスオーバー7▲エクシーガとエクシーガクロスオーバー7の室内空間の広さは同じ。写真はエクシーガクロスオーバー7で、タンレザーのシートや運転席&助手席電動パワーシートなど、エクシーガよりも上質感が演出されている。

2008年にデビューしたエクシーガに、スバルの同社の先進安全運転支援機能「アイサイト ver.2」が搭載されたのは2012年7月。搭載されているグレードの名前には「アイサイト」と入る。

アイサイトver.2には、衝突被害軽減ブレーキと全車速追従のACCの他に前方誤発進抑制機能も備わる。なお、ACCは停止後の再始動はできないので、40km/h以上で再設定する必要がある。

エクシーガは全高1660mmと、少し背の高いステーションワゴンというフォルムの3列シート・7人乗りのミニバンだ。アイサイト搭載時に搭載されていたエンジンは2Lガソリンと2Lターボ、2.5Lターボ。2Lターボは5速ATが、その他はCVTが組み合わされた。いずれもエンジン形式は水平対向で、4WDのみとなる。2012年7月時点では2Lターボと2.5Lターボにアイサイト搭載モデルが用意された。

2015年には最低地上高を170mmに高めるなど、SUVテイストを強めたエクシーガクロスオーバー7へと進化。2.5Lターボ×CVT×4WDのみとなり、アイサイトver.2が標準装備となった。

2012年のアイサイト搭載モデルの車両本体価格は262万5000~292万9500円、エクシーガクロスオーバー7の車両本体価格は275万4000円。原稿執筆時点で、支払総額200万円以下ではエクシーガで51台、エクシーガクロスオーバー7で18台が見つかった。

▼検索条件

スバル エクシーガ/エクシーガクロスオーバー7(初代)×アイサイト搭載×全国

ハイブリッドのみが渋滞追従機能を備える
ホンダ オデッセイ(現行型)

ホンダ オデッセイ▲ハイブリッドには、バッテリー残量が十分であればモーターのみで走行できるEVスイッチが標準装備される。アブソルートは17インチを履き、専用のサスペンションが備わる
ホンダ オデッセイ▲ハイブリッドにも2列目がセパレートシートの7人乗りと、ベンチシートの8人乗りがある。7人乗りの2列目はオットマン機能を装備。また、アブソルートは運転席が電動パワーシートとなる

ホンダが初めて先進安全運転支援機能「ホンダセンシング」を搭載したのは、2014年に登場した同社のフラッグシップモデルであるレジェンドから。

そして次に搭載されたのがオデッセイで、2015年1月のマイナーチェンジの際、オプションで用意された。ただし、この時のACCは約30km/h以上で作動するシステム。ちなみにマイナーチェンジ前にも用意されていたACCも同様だ。

しかし2017年11月の一部改良で、ハイブリッドモデルに渋滞追従機能が追加された。このタイプのACCなら渋滞で先行車とともに止まっても、先行車が動き出すと自車も動き出す。

つまり今回のセレクト車種は、オデッセイの中でもハイブリッドモデルとなる。ホンダセンシングには、他にも衝突被害軽減ブレーキや車線中央を維持するようステアリング操作をアシストする機能、標識認識機能など8つの機能が備わる。

なお、ホンダの先進安全運転支援機能「ホンダセンシング」のACCには、30~約100km/hで作動するタイプと、先行車に追従して停止&再スタートする渋滞追従タイプがある。衝突被害軽減ブレーキがあるので、30km/h~で作動するタイプが必ずしも渋滞で衝突するわけではないが、今回は渋滞時に楽な渋滞追従タイプのみセレクトしている。

ハイブリッドのパワートレインは、2Lエンジン+走行用モーター+充電用モーター。当時は「スポーツハイブリッドi-MMD」と呼ばれたが、現在は「e:HEV(イーエイチイーブイ)」という名称に改められている。

2WDのみの設定で、JC08モード燃費は24.4~26.0km/L。家電が気軽に使える100V/1500WのAC電源がハイブリッド アブソルートEXパッケージと、ハイブリッドEXパッケージに標準装備されている。

渋滞追従機能付きACCを備えたタイプの、2017年10月時点の車両本体価格は375万~415万円。ホンダセンシングを標準装備しているモデルはグレード名に「ホンダセンシング」が入るが、原稿執筆時点で支払総額200万円以下では3台が見つかった。いずれも走行距離は10万km超となる。

▼検索条件

ホンダ オデッセイ(現行型)×ホンダセンシング(渋滞追従タイプ)付き×全国
文/ぴえいる、写真/日産、ホンダ、スバル

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。