レクサス ISコンバーチブルは、中古で買える高年式の国産4人乗りオープンカー
2020/08/03
華やかさもあり広さも十分な4人乗りオープンのISコンバーチブル
数少ない国産オープンカーで、4人がちゃんと乗れる貴重なモデルが、レクサス ISコンバーチブルだ。
先日、レクサスはLCコンバーチブルを発表したが、その次に新しい4座オープンとなると、2009年5月にデビューしたこのISコンバーチブルとなる。
それだけ日本では、なかなかオープンカー文化が根付かないのだが、カラッと晴れる日の多いアメリカ西海岸を中心に、オープンカーは人気だ。そのためドイツメーカーは、必ず自社のラインナップに用意している。
確かにオープンカーは、実用性より趣味性の方が強い。SUVやミニバン、それどころかセダンと比べてもトランクスペースはたいてい小さいし、2ドアになるため、4座あるといっても後席の乗降性は4ドアに劣る。
しかし、代わりに屋根を開けたときの開放感や、自然の中を走ったときの爽快感は、他のどんなモデルでも得がたいものがある。
それに華やかさがある。先日、たまたま青山通りで、赤いボディカラーに白い本革内装のISコンバーチブルが信号待ちしているのを見かけた。フラワーショップの人なのだろうか、あるいは何かのイベントに向かう途中なのか、後席がすべて艶やかな花束で埋め尽くされていた。
信号が青になるまで、私を含め交差点にいた人々の目を集めていたが、これがステーションワゴンやデリバリーバンなら誰も気にしなかっただろう。
ISコンバーチブルの当時のライバルは、BMWの旧型3シリーズカブリオレやアウディ A5カブリオレなど。
3シリーズ同様、幌ではなくハードルーフを備え、閉めたときはクーペとなる。当時のISにはクーペボディがないので、ISコンバーチブルはISブランド唯一のオープンカーであり、唯一のクーペでもあるというわけだ。ルーフは軽量なアルミ合金製で、電動モーターにより約20秒で開閉する。
セダンのISは5人乗りだが、ISコンバーチブルは4人乗り。後席の後ろにルーフの格納機構があることもあり、後席の背もたれはやや垂直気味だが、広さは十分ある。
むしろ、セダンのように後席に3人が窮屈な思いをして座る必要がなく、後席の2人はそれぞれシートに包まれるようにして座れるので、大人でもきちんと座って長距離を移動できる。
とはいえ、トランクにはルーフを収めるスペースがあるため、積載量が限られる。
4人で移動するなら日帰りドライブにするか、宿泊するなら荷物を宅配便で宿泊施設に送るかしなければならない。
だが、そうした“ちょっとした不便をも楽しむ”という心に余裕のあるライフスタイルの方が、この車には合っていると思う。
走りにしても、FRスポーツセダンとしての楽しみはセダンに任せ、コンバーチブルの方は優雅だ。
山道をしゃかりきに駆けめぐるのではなく、峠を越えた先に広がる海へ向かって、さらには海岸沿いを、屋根を開けて走りたくなるような、おだやかな走りだ。
搭載されるエンジンは、当初は2.5LのV6のみ(IS250C)。2010年8月のISシリーズ全体のマイナーチェンジ時に、3.5Lモデル(IS350C)も加わった。どちらも6速ATが組み合わされる。
そんなISコンバーチブルの中古車相場は?
デビュー時の車両本体価格は495万円~。原稿執筆時点で、支払総額150万円以下から見つかる。走行距離5万km未満も約210万円から狙える。セダンと比べると高めの価格だが、それはライバルの3シリーズやA4も同様だ。
一度きりの人生、その何分の1かの時間くらいオープンカーで華やかで、心にゆとりをもつ暮らしがあってもいい。
きっとそう思う人が一定数いるからこそ、中古車相場が底堅いのだと思う。その中で、国産車でクーペにもなるISコンバーチブルは、やはり希少。
自動車税の税額が増す「13年超」になる前に、希望の色などで探してみてほしい。
▼検索条件
レクサス ISコンバーチブル(初代)×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
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