価格と程度のバランスが良いのは5年落ち! 2014年デビューの街乗りにもピッタリなコンパクトSUV3選
2019/12/26
いずれもこのカテゴリーに初参入したニューモデル
車検前のタイミング、つまり新車登録時から3年後・5年後・7年後……に中古車物件が増えることが多い。
中古車を探す側としては、なるべく高品質の中古車を安く買いたいと思うはず。
そこで、今回ベストバランスとしてオススメしたいのが5年落ち物件だ。
今から5年前、つまり2014年に登場したモデルの中から、今回はコンパクトSUVを紹介しよう。
前年の2013年に発表されたホンダ ヴェゼルは、瞬く間にベストセラーとなり、2014年(1月~12月)新車販売台数ランキングでSUVとしては1位、全体でも7位に食い込んだ。
ヴェゼルの快進撃が明らかにしたのは、みんながコンパクトな街乗りSUVを求めていたということ。同車の1ヵ月後の受注状況を見ると、約7割が2WDを選んでいた。
つまりSUVだからって4WDが絶対必要というわけではなく、特に街乗り中心のコンパクトサイズなら燃費の良い2WDで十分ということなのだ。
こうした潮流は日本だけにとどまらないようで、同時期には海外メーカーも続々と街乗り系コンパクトSUVを開発している。
2014年には3台の輸入コンパクトSUVが日本へ導入された。いずれも2代目や3代目ではなく、これまでにないニューモデルだ。
SUVが街へ本格的に進出してきたと言えそうな2014年。これから紹介する3モデルは本国では2代目が発表されているため、間もなく旧型になるが、各メーカーの新カテゴリーを切り開き見事に2代目へと引き継ぐことができた初代モデルだ。
それでは早速、それらの中古車状況を見ていこう。
支払総額で2ケタ万円から狙えるお手頃モデル
プジョー 2008(現行型)
同社のコンパクトハッチ、208をベースに作られたSUVが2008だ。
最低地上高は208より10mm高いだけ(150mm)だが、全高は+80mmで全長も+100mm。だからその分室内やラゲージは208よりも広い。
本国では2013年5月にデビューし、日本では2014年2月から販売が始まった。
4WDの設定はなく、デビュー時は1.2L+2ペダル5速MT車のみが用意された。
ETG5と呼ばれる2ペダル5速MTは、変速時にAT車のようなクリープを発生させ、また坂道発進では自動でブレーキをかけて後退も防いでくれるため、AT車しか乗ったことのない人でも難なく乗りこなせる。もちろんMT車に乗り慣れた人なら気持ちよく加速できるだろう。
なお2016年のマイナーチェンジでは新しい1.2Lエンジンとなり、トランスミッションはアイシン・AW製の6速ATとなった。
また、FFモデルながらGTラインには、エンジントルクとブレーキを制御して滑りやすい路面で走行をサポートする「グリップコントロール」が標準装備される。
走行性能を比べれば後期型だろうが、お手頃な前期型でも「街乗りSUV」としては十分だ。
デビュー時の車両本体価格はプレミアムが246万円、シエロが270万円。
原稿執筆時点(2019年12月25日:以下同)では、前期モデルなら走行距離5万km未満でも、支払総額2ケタ万円からと割安だ。
2015年に投入された特別仕様車クロスシティなら、6速AT+グリップコントロールを積んでいるが、こちらも支払総額約130万円からと割安感がある。
手頃にコンパクトSUVを狙いたい人にオススメしたい。
▼検索条件
プジョー 2008(現行型)×2014~2015年式×全国ライバルよりも高めの最低地上高をもつ
ルノー キャプチャー(現行型)
プジョーが208をベースに2008を開発したように、ルノーも同社のコンパクトハッチ・ルーテシアをベースとしたSUVを、ほぼ同時期にデビューさせた。
最低地上高はルーテシアより80mm高い200mmで、ライバルよりも高く悪路走破性は高い。日本では2014年2月より販売が開始された。
デビュー時は1.2Lターボ+6速AT(デュアルクラッチ)のみで、4WDの設定はない。
リアシートは160mmスライドが可能。上級グレードのインテンスは、ジッパー式シートカバーなので、外して自宅で洗濯できる。
ECOボタンを押すと、エンジントルクやレスポンスを制御して燃料消費を約10%抑えてくれる。
その他、装備面ではオートライトシステムやオートワイパー、クルーズコントロールが標準装備されるのはライバルとなる2008と同じ。
ルーフレールはないが、オプションのルーフバーを装備すれば、ルーフ上にスキーやスノボーを載せることができる。
2018年のマイナーチェンジでは、ライバル同様FFにも関わらず路面状況に応じて最適な駆動力を得られる機能の「エクステンドグリップ」が備わった。
デビュー時の車両本体価格はゼンが249万8000円、インテンスが259万8000円。
原稿執筆時点では、すべての物件が走行距離5万km未満にも関わらず、支払総額約110万円とお手頃な価格で見つけることができた。
サイズや仕様、お手頃感は前述の2008とほぼ一緒のため、見た目の好みで選んでもよいだろう。
▼検索条件
ルノー キャプチャー(現行型)×2014~2015年式×全国衝突被害軽減ブレーキを装備、4WDモデルも選べる
メルセデス・ベンツ GLAクラス(現行型)
コンパクトハッチのAクラスをベースに開発された、同社の中で最小SUVとなるGLA。
最小とはいえ全長は4430mmと、上記フランス勢2台よりひと回り大きく、ヴェゼルやC-HRよりもちょっぴり大きい。
デビューモデルの最低地上高は140~180mm(グレードにより異なる)と、Aクラスより30mm~70mm高い程度に抑えられている。
日本では2014年5月より発売が開始された。
用意されたエンジンは1.6Lターボと、2Lターボ。どちらも7速AT(デュアルクラッチ)が組み合わされる。
2Lターボは4WDとの組み合わせのみ。この4WDシステムは滑りやすい路面はもちろん、コーナリング時も積極的に後輪にトルクを配分し、スポーティな走りが楽しめるというものだ。
さらに、4WD車には急な下り坂で一定の速度で下れる機能の「ダウンヒル・スピード・レギュレーション」も備わる。
全車に衝突被害軽減ブレーキを標準装備しているのも特徴。
2017年4月にマイナーチェンジが行われたが、主にエクステリアデザインの変更や、渋滞時でも自動で追従できる機能など先進安全機能の追加程度のため、前期モデルでも機能はほとんど遜色ない。
デビュー時の車両本体価格は344万~499万円。
原稿執筆時点で、支払総額200万円以下の中古車物件を見つけることができ、2WDと4WDの比率はほぼ半々。
上記フランス勢よりやや中古車価格は高めだが、衝突被害軽減ブレーキを装備していることや4WDがあることに魅力を感じる人にオススメだ。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ GLAクラス(現行型)×2014~2015年式×全国ライター
ぴえいる
『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はルノーのアヴァンタイムと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。
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