▲低燃費の代表格であるトヨタ プリウス。発売から現在に至るまでの変遷やポイントなど、すべてをまるっと解説します ▲低燃費の代表格であるトヨタ プリウス。発売から現在に至るまでの変遷やポイントなど、すべてをまるっと解説する



2016年に4代目(50系)へとフルモデルチェンジしたトヨタ プリウス。エコカーとしてはもちろん、上質なセダンとしても満足できるハイブリッドカーです。では、この4代目を選ぶとき、どのグレードを選び、どんな装備に着目すべきか。購入のポイントをおさらいしましょう。

【概要】燃費はJC08モードで40.8km/Lを達成

4代目プリウスは「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に基づいて開発された第1弾。車の“骨格”であるプラットフォームから新設計されてます。低燃費だけでなく走行性能や走る楽しさもレベルアップました。

ハイブリッドシステムも従来型からブラッシュアップされています。エンジンは最高出力98ps/5200rpm、最大トルク142N・m/ 3600rpmを誇る1.8Lの直4DOHCが搭載。モーターはフロントに最高出力72ps、最大トルク163N・mが、リアに最高出力7.2ps、最大トルク55N・mが採用されました。ハイブリッドシステムも小型軽量化。デビュー当時は、最軽量のEグレードでJC08モード燃費40.8km/Lを記録しました 。

▲ボディサイズはFFモデルで全長4540mm×全幅1760mm×全高1470mm。3ナンバー登録となりました ▲ボディサイズはFFモデルで全長4540mm×全幅1760mm×全高1470mm(4WD車は1475mm)。3ナンバー登録となりました

最大のポイントは、高速道路での実燃費が改善されたこと。燃費が良いプリウスですが「高速道路を多用する場合、実燃費は良くない」といわれてきました。プリウスの燃費の良さは、ガソリンエンジンが働くのを抑え、電気モーターで走ることによって生み出されています。ところが時速70kmを超えるとガソリンエンジンが働きっぱなしになり、高速道路ではほとんどの場合、燃費が悪化していました。

4代目プリウスでは、この弱点を克服。電動モーターで走れる速度を時速110kmまで引き上げ、ガソリンエンジンの熱効率も改善して実燃費を改善しました。高速道路で長距離を走るドライバーには、うれしいところでしょう。

さらに「トヨタセーフティセンス」が搭載され、安全性能は◎。プリウス初となる4WDが加えられたのもニュースです。新車の価格帯は消費税込みで251万8560~347万8680円(2019年6月5日現在)。

【変遷】マイナーチェンジと一部改良、3つの特別仕様車

2015年12月 デビュー
4代目プリウスは2015年の「第44回東京モーターショー2015」でお披露目され、2015年12月から発売が開始。トヨタ店、トヨペット店、トヨタカローラ店、ネッツ店で販売されました。ボディカラーは9色がラインナップ。

▲用意されたのはホワイトパールクリスタルシャイン、スーパーホワイトII、シルバーメタリック、グレーメタリック、アティチュードブラックマイカ、エモーショナルレッド、スティールブロンドメタリック、サーモテクトライムグリーン、ダークブルーマイカメタリック ▲用意されたのはホワイトパールクリスタルシャイン、スーパーホワイトII、シルバーメタリック、グレーメタリック、アティチュードブラックマイカ、エモーショナルレッド、スティールブロンドメタリック、サーモテクトライムグリーン、ダークブルーマイカメタリック

2016年8月 特別仕様車を追加
4代目プリウス初となる特別仕様車「S“Safety Plus”」が発売されました。これは標準グレードの「S」をベースに安全装備を充実させたもの。上級グレードの「A」では標準装備な衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンス P」を装備しています。

具体的には、歩行者検知機能付衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロール、レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御付)、オートマチックハイビームなどが含まれています。

▲特別仕様車「S“Safety Plus”」。ボディカラーはスティールブロンドメタリック ▲特別仕様車「S“Safety Plus”」。ボディカラーはスティールブロンドメタリック

2017年11月 一部改良。さらに特別仕様車を追加
一部改良として、インテリアにピアノブラック加飾のフロントコンソールトレイが採用。また、11.6インチの「T-Connect SDナビゲーションシステム」がオプション設定されるとともに、定額で高速データ通信と音声通話ができる「T-Connect DCMパッケージ」も用意されました。

▲ピアノブラック加飾のフロントコンソールトレイ ▲ピアノブラック加飾のフロントコンソールトレイ

「S“Safety Plus”」に加えて「S“Safety Plus・Two Tone”」と「Aプレミアム“ツーリングセレクション・20th Anniversary Limited”」を特別仕様車として発売されました。

S“Safety Plus”とS“Safety Plus・Two Tone”は「S」グレードをベースに、アクセルペダルの踏み間違え防止に役立つ「インテリジェントクリアランスソナー」を装備。同時に、衝突回避支援パッケージ「トヨタセーフティセンス P」、シンプルインテリジェントパーキングアシスト、LEDフロントフォグランプなどを備えます。内外装もブラックに加飾され、特別感があります。

▲S“Safety Plus・Two Tone”。アティチュードブラックマイカ(ルーフ)とホワイトパールクリスタルシャイン(ボディ)のツートンカラーを設定 ▲S“Safety Plus・Two Tone”。アティチュードブラックマイカ(ルーフ)とホワイトパールクリスタルシャイン(ボディ)のツートンカラーを設定

Aプレミアム“ツーリングセレクション・20th Anniversary Limited”はプリウスの誕生20周年を記念したモデル。上級グレード「Aプレミアム」をベースに、“ツーリングセレクション”のタイヤ&ホイールを装着されています。

特徴的なのは、特別に設定されたツートーンカラーのボディです。ルーフは「アティチュードブラックマイカ」、ボディは「ホワイトパールクリスタルシャイン」もしくは「エモーショナルレッド」(オプション)を組み合わせた全2パータンが設定されました。

▲Aプレミアム“ツーリングセレクション・20th Anniversary Limited”のインテリア。シートの表皮に本革(ホワイトのプレミアムナッパ)が採用されました ▲Aプレミアム“ツーリングセレクション・20th Anniversary Limited”のインテリア。シートの表皮に本革(ホワイトのプレミアムナッパ)が採用されました

2018年12月 エクステリアを中心にマイナーチェンジ
このマイナーチェンジを機に前期モデルと後期モデルに大別できます。後期モデルは内外装のデザインが変更され、安全装備や快適機能もより充実しました。なお、その影響を受けて、EグレードのJC08モード燃費が40.8km/Lから39km/Lへと変更されています。

前期モデルは個性の際立っていたエクステリアでしたが、後期モデルはややマイルドな印象に。また、ホイールのデザインも変更。17インチアルミホイールでは樹脂パーツ部分にチタン調のペイントが塗られています。一方、15インチのアルミホイールはツインスポーク形状となりました。

▲A“ツーリングセレクション”。ボディカラーはブルーメタリック ▲後期モデルのA“ツーリングセレクション”。ボディカラーはブルーメタリック
▲リアコンビネーションランプユニットなどのデザインが変更されています
▲リアコンビネーションランプユニットなどのデザインが変更されています

ボディカラーの構成も変更。スーパーホワイトⅡ、ホワイトパールクリスタルシャイン、シルバーメタリック、スティールブロンドメタリック、グレーメタリック、アティチュードブラックマイカ、ブルーメタリック、エモーショナルレッドⅡ、サーモテクトライムグリーンの9色となりました。

▲インストルメントパネルやフロントコンソールトレイなどにブラック加飾が採用されました ▲インストルメントパネルやフロントコンソールトレイなどにブラック加飾が採用されました

コネクテッドサービスを利用できる専用通信機DCMも全車に標準搭載。「T-Connect」サービスが無料で3年間利用できます。T-Connectは専用オペレーターが365日24時間待機していて、通信機能を通じて口頭でナビの目的地設定や情報検索に対応。さらにスマートフォンアプリ「LINE」を利用し、プリウスとメッセージをやりとりしているかのように、ナビの目的地設定や航続可能距離などを確認できます。

▲専任のオペレーターに口頭で情報検索などを依頼できて、とても便利です ▲専任のオペレーターに口頭で情報検索などを依頼できて、とても便利です

「トヨタセーフティセンス P」が「トヨタセーフティセンス」と表記が改められ、全車に標準装備となりました。昼間なら歩行者も検知する「プリクラッシュセーフティ(ミリ波レーダー+単眼カメラ方式)」、車線を逸脱しそうな際にステアリング操作をアシストする「レーンディパーチャーアラート」と充実の内容。他にも、車速に応じて追従走行を支援する「レーダークルーズコントロール」、夜間の見やすさをサポートするオートマチックハイビームが含まれています。

ただ、「ブラインドスポットモニター」や「インテリジェントクリアランスソナーパーキングアシスト」などは依然としてA以上のグレードだけに装備。より充実した安全装備を求めるなら、A以上が最適解でしょう。

【グレード】4つのグレードに加えツーリングセレクションが設定

プリウスのグレード構成は4つ。燃費はエントリーグレードとそれ以外で異なりますが、ハイブリッドシステムやエンジンの排気量は同じです。そのため購入を検討する際は、主に内装と安全装備の違いに注目するといいでしょう。

低燃費なエントリーグレード「E」、基本装備を充実させた「S」、トヨタセーフティセンス Pなど先進装備を充実させた「A」。そして、Aをベースにした最上級の「Aプレミアム」があります。またSとA、Aプレミアムには“ツーリングセレクション”も設定されています。

Aプレミアム
最上級グレードであるAプレミアムは内装が豪華。本革シートや本革巻のステアリングホイールに加え、合成皮革を貼った大型のコンソールボックスを装備しています。また、運転席に8ウェイパワーシートなどを備え、ドライバーの体型に合ったシートポジションがとれます。

多くの装備を搭載しているので、車重はFFモデルで1380kg、4WDモデルで1450kgとプリウス最重量。そのため、JC08モード燃費はFFモデルで37.2km/L、4WDモデルで34km/Lとなっています。

A
上級グレードであるAも、快適性能が高いのが特徴です。例えば前席シートのアジャスト機構。S以下が手動6ウェイなのに対して、A以上は運転席8ウェイパワー&助手席4ウェイ。 運転席には電動ランバーサポートも備わっていまです。なお、JC08モード燃費はAプレミアムと同値となっています。

▲前席のシートは運転席8ウェイパワー&助手席4ウェイなのに加え、運転席は電動ランバーサポートも備わっています(後期モデル) ▲前席のシートは運転席8ウェイパワー&助手席4ウェイなのに加え、運転席は電動ランバーサポートも備わっています(後期モデル)

S
標準グレード。AやAプレミアムの高級装備は必要ないが、プリウスの基本性能は余すことなく手に入れたい人はSが最有力候補となるでしょう。Sを選ぶときの注意点は、安全装備「トヨタセーフティセンス」の有無です。前期モデルでもメーカーオプションで設定されている他、特別仕様車の「S“Safety Plus”」にも特別装備として備わっています。燃費はA以上と同じです。

E
エントリーグレード。装備が簡素で車重がAプレミアムより60kgも軽量です。そのため、JC08モード燃費は40.8km/Lとかなりエコ。ただ、後期モデルは安全装備の追加による重量増の影響で、JC08モード39.0km/Lとなりました。安さや低燃費にこだわる人には選択肢のひとつになりますが、装備が簡素なことや4WDモデルが設定されていないことを踏まえると、基本的にはS以上を検討するのが妥当でしょう。

3グレードに設定された「ツーリングセレクション」
E以外には「ツーリングセレクション」が設定されています。この仕様は17インチのタイヤ&ホイールに加え、専用のリアバンパーを採用。よりダイレクトなハンドリングや高い走行安定性を求めるドライバーに適しています。

内装もAプレミアムでは本革シートのままですが、AとS のツーリングセレクションでは合成皮革が採用されるなど、より質感が高められています。

 

【内外装】個性的なエクステリアと落ち着いたインテリア

エクステリア
ボディは5ドアハッチバック。空力特性と居住性の優れた「トライアングルシルエット」というフォルムを、従来型から継承している。シャープなヘッドライトなどで、より個性的なエクステリアとなっています。ボディカラーには、直射日光下でも車体表面の温度上昇を抑えた「サーモテクトライムグリーン」などを設定しています。

ヘッドライトからバンパー下部へ、ハの字を描くデザインで、低重心を強調。縦長のイルミネーションランプでボディがワイドに見えることで、安定感のある走りを表現しています。

▲プリウスのトライアングルシルエット。ボディカラーは車体表面の温度上昇を抑えるサーモテクトライムグリーン ▲プリウスのトライアングルシルエット。ボディカラーは車体表面の温度上昇を抑えるサーモテクトライムグリーン

インテリア
インパネはセンターメーターを採用。エアコンの操作はブラインドタッチのしやすいレバー式で、ステアリングスイッチが全車に標準装備されるなど機能的です。また、センターメーターには4.3インチの液晶画面が2つレイアウトされ、ここにハイブリッドシステムの稼働状況などが表示されます。

ラゲージの荷室容量は502L(2WD)。シート肩口のレバーを引いてそのままシートバックを前に倒せば、さらにワイドに使うことができます。

▲前期モデルのインパネ。インパネ中央に配置されるエレクトロシフトマチックと呼ばれるスイッチ式のシフトレバーです ▲前期モデルのインパネ。インパネ中央に配置されるエレクトロシフトマチックと呼ばれるスイッチ式のシフトレバーです
▲プリウスのリアシートは天井形状を工夫することで、フロントと同等のヘッドクリアランスを確保 ▲プリウスのリアシートは天井形状を工夫することで、フロントと同等のヘッドクリアランスを確保
 

【スペック】サイズ感や室内長などをチェック

型式 DAA-ZVW51 最小回転半径 5.1m
駆動方式 FF 全長×全幅×全高 4.58m×1.76m×1.47m
ドア数 5 ホイールベース 2.7m
ミッション CVT 前トレッド/後トレッド 1.53m/1.54m
AI-SHIFT - 室内(全長×全幅×全高) 2.11m×1.49m×1.2m
4WS - 車両重量 1360kg
シート列数 2 最大積載量 -kg
乗車定員 5名 車両総重量 1635kg
ミッション位置 インパネ 最低地上高 0.13m
マニュアルモード -    
標準色

スーパーホワイトII、シルバーメタリック、グレーメタリック、アティチュードブラックマイカ、スティールブロンドメタリック、ブルーメタリック

オプション色

ホワイトパールクリスタルシャイン、サーモテクトライムグリーン、エモーショナルレッドII

掲載コメント

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型式 DAA-ZVW51
駆動方式 FF
ドア数 5
ミッション CVT
AI-SHIFT -
4WS -
標準色 スーパーホワイトII、シルバーメタリック、グレーメタリック、アティチュードブラックマイカ、スティールブロンドメタリック、ブルーメタリック
オプション色 ホワイトパールクリスタルシャイン、サーモテクトライムグリーン、エモーショナルレッドII
シート列数 2
乗車定員 5名
ミッション
位置
インパネ
マニュアル
モード
-
最小回転半径 5.1m
全長×全幅×
全高
4.58m×1.76m×1.47m
ホイール
ベース
2.7m
前トレッド/
後トレッド
1.53m/1.54m
室内(全長×全幅×全高) 2.11m×1.49m×1.2m
車両重量 1360kg
最大積載量 -kg
車両総重量 1635kg
最低地上高 0.13m
掲載用コメント -

※2018年12月~生産中の1.8E

 

【メカニズム】注目はハイブリッドシステムと4WDシステム

ハイブリッドシステム
エンジンユニットは1.8L直列4気筒の2ZR-FXE型。エンジン型式こそ先代プリウスと同じだが、ガソリン車などに搭載されるガソリンエンジンとの共通部品を減らし、ハイブリッド専用の設計を拡大して効率アップと軽量化に成功しました。ハイブリッドシステムもトランスアクスルやモーター、そして制御系のすべてをスリムにして小型軽量化。燃費向上に大きく寄与しました。

▲全体として小型軽量化を実現した4代目プリウスのハイブリッドシステム。駆動用バッテリーは後部座席下に配置されます ▲全体として小型軽量化を実現した4代目プリウスのハイブリッドシステム。駆動用バッテリーは後部座席下に配置されます

4WDシステム「E-Four」
4代目プリウス最大のトピックスのひとつ。従来型は前輪が舵取りと駆動を担うFFのみでした。FFは雪道に比較的強いが、降雪エリアでは4WDが待ち望まれていました。そんなニーズに応えてか、トヨタ自慢の4WD「E-Four」が採用されました。

E-Fourは必要なときにだけ後輪も駆動する、いわゆる「オンデマンド4WD」。SUVでも一般的な4WD方式で、通常走行時はFFで走るため駆動ロスが少なく、燃費に悪影響を及ぼさないのがメリットです。同じSグレードで比較してもFFモデルは37.2km/Lなの4WDモデルでも34.0km/L(いずれもJC08モード)。その差は10%以下! 実燃費では、その差がさらに縮まるはずなので、燃費の悪化を気にせずに選べます 。

▲ちなみに「E-Four」仕様では全グレードのバッテリーはニッケルになります。これはニッケルの方が低温にも強いことためです ▲ちなみに「E-Four」仕様では全グレードのバッテリーはニッケルになります。これはニッケルの方が低温にも強いことためです
 

【走行性能】ドライバーの操作と車の動きにズレが少なくなった

新しくなったプラットフォームで、運転席の座面は従来型に比べるて60mm近く下がりました。3代目がミニバンから乗り替えても違和感がない高さだとすれば、4代目プリウスは欧州セダンから乗り替えても違和感のないシート位置になっています。先代プリウスから乗り替えるオーナーなら、ここは真っ先に気づく違いでしょう。

重心の低さはハンドリングにもダイレクトに影響しています。ステアリングを回し始めて車が向きを変えるときも、自然なフィーリングで曲がるようになりました。ボディのねじり剛性も3代目より約60%もアップ。さらにリアサスペンションにダブルウィッシュボーン形式を採用し、街乗りでも気持ち良く運転できます。もちろん、同乗者も快適です。

プリウスの美点は、走行中の静かさ。ガソリンエンジンとモーター単体で駆動しているとき、その両方で駆動しているのときの境目がほとんど感じられないでしょう。4代目プリウスでは、この点がさらに熟成。ガソリンエンジン自体の静粛性が高まったことで、ごく自然な運転フィーリングに磨きがかかっています。

ブレーキの感触も良くなりました。プリウスのブレーキは回生ブレーキなので、発電のためにモーターを回す抵抗力が利用されています。このため従来型では、ドライバーのブレーキペダルを踏む力と、実際の減速との間にわずかなズレがありました。丁寧にブレーキを踏んでも、信号で止まる寸前でカックンと停車しやすかったんです。この部分の制御が改善され、ズレがほとんど感じらなくなりました。

▲運転したときの気持ち良さは一般的な街乗りでも感じられます ▲運転したときの気持ち良さは一般的な街乗りでも感じられます

ツーリングセレクションは、17インチに採用によって他グレードより走りがキビキビしています。一般的にタイヤは厚いと空気量が多くてクッションが効き(=乗り心地がいい)、薄いと空気量は少ないがヨレないので運動性能が高くなります。17インチタイヤは低偏平で薄いので、走りもハンドリングもシャープになっています。

 

【オプション】アクセサリーコンセントがオススメ

家庭用と同じAC100Vのコンセントが使えるようになる「アクセサリーコンセント」。コンソールボックスとラゲージルームの2ヵ所に設置されています。電気製品やスマホなどの充電に活用できるだけでなく、大規模停電などの非常時にプリウスを一種の発電機として利用できるのがポイントです。

AプレミアムとAプレミアム“ツーリングセレクション”では標準装備ですが、それ以外(E除く)のグレードはオプションとして設定されています。

▲アクセサリーソケットは、コンソールボックスとラゲージルームの2ヵ所に設置されています ▲アクセサリーソケットは、コンソールボックスとラゲージルームの2ヵ所に設置されています
 

【口コミ】ユーザーの評価と、その理由を解説

良かった点

パワー、トルクが申し分なし。(カタログ上のピークパワーは先代よりむしろ若干下がっていますが、)実際乗るとエコモードでも重ったるく感じることが全くありません

引用元 :カーセンサー内『口コミ』  ビールっぱらさん/大阪府

解説:出力値そのものは下がっていますが、減速比を見直したり、電気モーターの定格回転数を引き上げて高回転での出力を改善したりと、様々な理由で運動性能が向上しています。

アフターパーツが豊富で自分の好みでカスタム出来る

引用元 :カーセンサー内『口コミ』  PAIWAさん/栃木県

解説:売れている車はアフターパーツの需要も見込めるので、パーツメーカーも積極的になる傾向があります。プリウスは発売から2019年6月現在まで販売台数がトップ10に入っているので、当然パーツも多く作られています。

気になった点

先代にあった床下収納廃止など、とにかく収納場所が少なくて困る

引用元 :カーセンサー内『口コミ』  ruoka7さん/神奈川県

解説:床下収納が廃止された一方で荷室床を110mm下げています。結果、荷室容量は3代目プリウスに比べて56L増えているので実質的な積載性はアップしています。ただし、「汚れ物などを床下収納に納めたい」といった要望があるのも事実です。

後席のドアの角度が鋭角になった性か同乗者からは、先代より降りづらいとの評価 (原文ママ)

引用元 :カーセンサー内『口コミ』  チャーマンズさん/東京都

解説:全高が20mm下がっているため、後部座席のドアも開口部が低くなっていることなどが理由として挙げられます。後部座席に座ったときの頭上高は3代目と同じです。

 

【中古車】最初期モデルと後期モデルで価格帯に差がアリ

最後に、気になる中古車の平均価格を見てみましょう。2015年12月~2017年10月生産の最初期モデルは約210.5万円、2017年11月~2018年11月も一部改良後は約243.5万円なのに対し、2018年12月以降の後期モデルは約277.4万円(2019年6月5日現在)。なんと、65万円以上の価格差があります。

人気車だけあって発売から3年6ヵ月でカーセンサーの掲載台数は3500台超え。そのうち、9割以上は前期モデルです。4代目の平均走行距離は約2万6165Kmで、過走行の物件は多くありません。「安い」という中古車のメリットを生かすなら最初期モデルを、マイルドな見た目や装備にこだわるなら新車で後期モデルを狙うのもアリでしょう。

text/グラブ
photo/トヨタ

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トヨタ プリウス(4代目) × 修復歴なし