【高そうに見えて意外と安い?】現行フィアット 500は低走行物件だって軽よりお安い総額70万円くらいから!
カテゴリー: 特選車
タグ: フィアット / 2BOX / 500(チンクエチェント) / 高そうに見えて意外と安い? / 伊達軍曹
2019/01/16
結婚を機に「軽自動車購入」を迫られ苦悩するオシャレ青年
筆者にはQ君という28歳の年若な友人がいる。
大層オシャレな男だ。
そんなQ君と過日会った際、どうにも浮かない表情をしている。
何かあったのか? と聞くと
「実はこの3月に結婚するのです」と言う。
結婚という慶事に対してそれほどまでに浮かぬ顔をしているということは、お相手のことを真に愛しているのではなく、おそらくは何らかの謀略によってハメられたのだろう。
わたしは人生の先輩として「そんな結婚はやめたまえ。今ならまだ間に合う」とQ君にアドバイスした。
だがQ君は涙ながらにこう言った。
「何を言うのですか、ふざけないでください。僕は花子を愛しています。ただ……」
Q君が続けて言った内容はおおむね以下のとおりだった。
現在は都心部に近い1DKのデザイナーズ賃貸マンションに住んでいるQ君。
花子の意向により結婚後はけっこうな郊外にある2DKの賃貸アパートに引っ越すのだそうだ。
2人の将来を見据えて貯蓄等に励むためである。
郊外への転居については異論のないQ君だが、問題は「車」なのだという。
「郊外へ行けば、自家用車なしでの生活はほぼ不可能。とはいえ貯蓄等のプランを考えると高い車は買うべきではない。ということで本日、軽自動車のカタログをもらってきました。さあ、どうぞ選んでください」
と昨日、花子が軽のカタログをQ君宅のおしゃれなテーブル上にドサッと置いたのだそうだ。
「最近の軽がなかなか高性能であることは聞いてますが、軽自動車に乗っている自分が許せないのです、アレには死んでも乗りたくないのです」
と、Q君はむせび泣く。
オシャレなシャツの袖で涙をぬぐいながら。
わたしは友人として、そして中古車専門記者として、Q君に尋ねた。
で、予算はいくらぐらいと考えているのだ?
「……ぶっちゃけ総額100万円以下か、もしくは100万円ちょうどとか、そのぐらいです」
ならば、とわたしは言った。
「ならば何の心配もいらない。フィアット 500の中古車を買いたまえ。それですべてが解決する」
以下は、この後わたしがQ君に行った詳細な説明の要約版である。
様々な仕様があるが、エンジンは基本3種類
まずはフィアット 500という車についてごくごく簡単にご説明しよう。
アニメ「ルパン三世」でもお馴染みのフィアット NUOVA 500という往年のイタリア製コンパクトカーを、現代の技術とデザインセンスでもってリバイバルさせたのが現代版のフィアット 500だ。
その登場は2007年である。
見てのとおりの大変しゃれたエクステリアおよびインテリアデザインであるため女性陣に人気だが、ユニセックス系のデザインゆえ、Q君のようなおしゃれ男性にも似合う。
そして走りもなかなか小気味よくステキである。
様々なグレードと特別仕様車が存在するフィアット 500だが、そのグレード展開をざっくり分けるなら以下のとおりだ。
●1.2 8V
比較的ローパワーな1.2Lエンジンを積むエントリーグレード。標準的な装備内容の「ポップ」と、より充実した装備の「ラウンジ」、スポーティな装備をもつ「スポーツ」に分かれる。
●1.4 16V
普通ぐらいにパワフルな1.4Lエンジンを積むグレード。こちらも「ポップ」「ラウンジ」「スポーツ」に分かれる。
●ツインエア
「0.9Lの2気筒」という独特なエンジンを積むグレード。どこか有機的なビート感がかなり魅力的。こちらも「ポップ」「ラウンジ」「スポーツ」に分かれる。
この他に上記をベースに作られた特別仕様車がたくさんあり、また2016年1月にはマイナーチェンジも行われたのだが、大まかな解説としては以上のとおりとなる。
この場合のオススメはズバリ走行距離少なめの1.4 16V!
だがここでQ君から横槍が入った。
「……そんな能書きはどうでもいいんです。結局、どれが僕にオススメなんですか? で、それはいくらで買えるんですか? そしてその中古車は壊れまくってカネがかかり、花子に怒られたりはしないのですか? 僕が知りたいのはその3点です!」
……こんな大声を出すQ君を初めて見た。
花子からのプレッシャーゆえだろうか?
わからないが、まぁお答えしよう。
まず、この場合の「オススメ」はズバリ1.4 16Vだ。ポップかラウンジかは、好みとご縁で決めれば良いだけの問題である。
エントリーグレードの1.2 8Vであれば低走行な中古車も総額60万円付近から探せるのだが、いかんせんやや非力ゆえ、坂道も多そうな郊外ではストレスがたまってしまう可能性もある。
また個人的なイチ推しは0.9L 2気筒のツインエアなのだが、こちらの低走行中古車は総額120万円ぐらいからと、Q君の予算からするとまだ少々お高い。
それゆえ、低走行物件であっても総額80万円前後から狙え、それでいて普通ぐらいにはパワフルな1.4 16Vが狙い目となるのである。
そしてQ君が(というか花子が?)恐れている「故障」についてだが、これもさほど心配はいらない。
もちろん機械ゆえ、特にイタリア物の機械ゆえ「絶対大丈夫!」などと確約はできないが、フィアット 500は決して壊れやすくて閉口してしまうタイプのイタリア車ではない。
たしかに走行距離が増えてくると、「デュアロジック」というセミATにトラブルが発生する可能性はやや高まる。
だが走行距離少なめで、なおかつ正規ディーラーでデュアロジックオイルの交換などをしっかり受けてきた個体を選びさえすれば、さほど神経質に考える必要はないのだ。
……と、以上のような説明をわたしはQ君に対して行った。
Q君は予算的にも、またビジュアルの面でも、フィアット 500のことがかなり気に入ったようだ。
目に生気が戻っている。
あとはQ君に軽自動車を買わせる気満々の花子がどう言うかだが、そこについても筆者はさほど心配していない。
なぜならば、花子だって「実は総額80万円ぐらいでコレに乗る生活が始まる」と知り、そしてイメージしてみれば、ソッコーで宗旨変えをする可能性も大であるはずからだ。
▼検索条件
フィアット 500×3万㎞未満×修復歴なし×総額100万円以下この記事で紹介している物件
あわせて読みたい
- 植田圭輔さんが、真っ赤なポルシェで緑の中を駆け抜ける!
- 手にするものはすべてがアート。自然を愛するアーティストは世界で1台だけのメルセデス・ベンツ Gクラスに乗る
- アルピナ B8 4.6リムジン。それはある意味「永遠の命」をもつ希少名車だった。【NEXT EDGE CAR】
- おでかけは、あえて2台で。家族のようなランドローバー ディフェンダー90とルノー カングー
- 「燃費」から「愛着」へ。エコ視点で選んだのは、中古のボルボ XC60だった
- 【松岡充さんと行く!】ヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル2021」レポート(後編)
- 【松岡充さんと行く!】ヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル2021」レポート(中編)
- 【松岡充さんと行く!】ヘリテージカーの祭典「オートモビルカウンシル2021」レポート(前編)
- 04 Limited Sazabys GENさんが、二輪から四輪に乗り替え!? 新型ディフェンダーでオフロード走行
- トヨタ カレンとの出会いは偶然に。父が教えてくれた運転の楽しさを胸に走る青年