自動車ライターのフナタンが、カーセンサーを見て気になった中古車を見に行く雑誌版カーセンサーの連載、“気になるクルマに会いに行こう!” その取材中にたまたま目に入って「気になっちゃった」別の車を紹介しちゃいます!

▲取材そっちのけで他の中古車に見入ってしまうフナタン。今回気になっちゃったのは…… ▲取材そっちのけで他の中古車に見入ってしまうフナタン。今回気になっちゃったのは……

中古車との出会いは一期一会

“中古車は1台として同じものはない”なんて言葉がありますが、まさに中古車との出会いは一期一会。ネットで見つけた中古車を見に行ったはずなのに、別の車両を契約して帰ってきた……ということも実は少なくありません。

ということで、今回は取材でお邪魔した中古車店でたまたま見つけた「気になっちゃった」車をご紹介しましょう。

▲気になっちゃった中古車は、2003年式のダイハツ ネイキッドです。マイナーチェンジ後の後期型になります ▲気になっちゃった中古車は、2003年式のダイハツ ネイキッドです。マイナーチェンジ後の後期型になります

今回気になっちゃった中古車はコチラ。ダイハツ ネイキッドという軽自動車です。

2003年式の走行距離5.4万kmで、車両本体価格は18.0万円(支払総額31.6万円)と、ネイキッドの中古車の中ではボリュームゾーンに位置する物件になります。

ネイキッドの中古車は2018年7月中旬時点で約360台の物件が掲載されており、決して珍しいモデルではありません。

私が今回注目したのは、「角目ヘッドライト」になった後期型だったということです。この後期型に絞って検索してみると、掲載台数は1/3以下の約100台ほどになってしまいます。

さらには、今回訪問した販売店がある東京都内に限定して検索すると……なんと! 後期型のネイキッドは今回見つけた1台しか掲載されておりません!!

やはり中古車との出会いは、一期一会なのです。

事前反響は大きかったが人気は奮わなかった悲運のモデル

元々は1997年に開催された第32回東京モーターショーに「ネイキッドX070」として参考出展された車両で、どこまで市販予定があったのかは分かりませんが、反響が大きかったために市販化されたといわれています。

ネイキッドの最大の特徴は取り付けボルトがむきだしのままのボディパネル。

このボルトは飾りではなく実際に取り外しが可能であり、オプション品で用意されていた別のボディパネルに交換できたり、破損したときの交換が容易だったりとデザイン性だけではないメリットがあるものでした。

そういえば現行型のコペンも外板パネルを交換できるようになっていますし、もしかしたらネイキッドのときの経験(と反省)が生きているのかもしれません。

▲ご覧のように取り付けボルトがむき出しのボディパネル。見た目だけではなく、実際に取り外せるのがいいですね! ▲ご覧のように取り付けボルトがむき出しのボディパネル。見た目だけではなく、実際に取り外せるのがいいですね!

また内装にも工夫が施されており、天井にはつっぱり棒を取り付けられる穴があいており、頭上のスペースも有効利用できるようになっていたり、トランクルームにはアイボルトが取り付けられるナット穴が用意されていたりと、ユーザーによって様々な使い方ができるようになっていたのも先見性を感じるポイントですね。

▲今回の中古車には、荷物を収納することができるネットが取り付けられていました ▲今回の中古車には、荷物を収納することができるネットが取り付けられていました

なお、見た目は背の高いハイトワゴン軽に見えるかもしれませんが、全高は一般的なタワーパーキングに入れる1550mmに抑えられているのです。

こういったように、今見てもとても魅力的に思えるモデルですが、なぜか当時はそれほど人気車種とはならず、2002年には、今回見つけた中古車と同じ角形ヘッドライト仕様も追加されましたが、起爆剤にはならず……。2004年には生産が終了してしまいました。

▲こちらが1999年11月~2001年12月まで生産された丸型ヘッドライトモデルです ▲こちらが1999年11月~2001年12月まで生産された丸型ヘッドライトモデルです

残念ながら後継車種はありませんでしたが、先日発表されたばかりのミラトコットが水平なベルトラインやシンプルなルックス、ドアに付けられたキャラクターラインなどにネイキッドの面影が見え隠れしていて勝手に注目しております。

ちなみにネイキッドはショーモデルのまま市販されたように見えますが、97年の東京モーターショーから99年の販売開始までの間に軽自動車の規格が改定されたことで、市販車版はキッチリ新規格に合致するサイズに手直しがされているところにダイハツの真面目さが見え隠れしていますね。

いかがでしょうか。もし私と同じように気になっちゃった方がいらっしゃいましたら、ぜひカーセンサーnetでチェックして販売店へ足を運んでみてくださいね!

text/フナタン(小鮒康一)
photo/尾形和美、カーセンサーnet