総額200万円台半ばまでで考える「快活な小金持ち」に見える輸入SUV選手権!
2018/02/21

インドア派でド庶民な筆者でも高年式SUVに乗るとなぜか……
私事で恐縮だが、筆者は昨年末に現行スバル XV(3代目)なるSUVを購入した。そしてそれに乗るうちに、ひとつの現象に気づいてしまった。
それは「新しめのSUVまたはクロスオーバー車に乗っている者は、なぜか知らぬが快活でイケてる小金持ちに見える」という怪現象である。いや小金持ちは言いすぎかもしれないが、少なくとも「困窮生活を送っているインドア派」には見えにくい。
実際の筆者は困窮気味のインドア中年で、運動神経はゼロに近い。しかし所用があってXVに乗り込むと、ルームミラーには「スノボが上手で、経済的にもまあまあ余裕がありそうなそうなナイスミドル」が映っているではないか。
……まさに怪奇現象だが、これがSUVすなわち「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」というジャンルそのものが持つ魔力なのだろう。

この仮説が間違っている(ただの勘違い)という可能性もあるが、とりあえずは「正しい」という前提で話を進めると、さらなる展開も見えてくる。
それは「新しめの国産SUVもそうだが、新しめの輸入SUVであれば(たぶん)より一層の快活系小金持ちに見える」ということだ。
や、これは国産車と輸入車の様々な優劣についての議論ではなく、「まぁ世の中そんなもんだから」という部分でのみの話である。
筆者自身、最近はスバル車愛好家なので「輸入車の方がエラい、カッコいい」みたいな古くさい風潮には憤りを感じているわけだが。
いずれにせよ今、快活でイケてる小金持ちに見られたい者は、果たしてどんな輸入SUVないしはクロスオーバーに乗るべきなのだろうか?
もちろん、金に糸目をつけないなら「最新のポルシェ カイエンとかメルセデスのGLEクーペとか」になるのだろう。しかしあいにく筆者はそんなモノが買えるほどの金は持っておらず、日本国民のざっと8割は筆者とおおむね同傾向かと推測している。
であるならば、ここはひとつ支払総額200万円以内とか、せいぜい200万円台半ばぐらいまでの範囲にて物事を考えてみるべきだろう。

中型ぐらいの高年式輸入SUVだとやや予算オーバーか?
で、まずは旧型ボルボ XC60(初代)について考えた。
2017年10月に登場した現行型のXC60(2代目)は「日本カー・オブ・ザ・イヤー2017-2018」を受賞したことで(ちょこっと)有名だが、ここで挙げているのはそれではなく「1コ前」のやつだ。

2009年から2017年までの長きにわたり販売された車だけあって、初期年式の中古車はそれこそ総額100万円ちょいから探すこともできる。
それはそれで悪くないが、「アクティブで小金持ちなナイスミドルまたは好青年」に見えることを主眼に置くならば、選ぶべきはやはり2013年8月以降のシュッとした後期型だろう。
だがその場合の支払総額は安くても280万円以上の場合が多く、メインどころは総額300万円以上。
……それだけのお金を、後期型とはいえ「旧型」に投じるのってどうなのか?
それならいっそ現行型を頑張って(ローンとかで)買った方がいいのかも……などと旧型XC60は今、そんな様々の自問自答を招いてしまうタイミングなのかもしれない。
ならばXC60よりもうちょい小さめなサイズで考えてみることにしよう。例えば、現行型アウディ Q3(初代)だ。

2012年登場のQ3は、アウディとしては初のコンパクト・プレミアムSUVだが、デザインや存在感という面での「個性」や「押しの強さ」は、個人的にはやや薄めと感じる。だが今や「アウディ=おしゃれで小金持ちっぽい輸入車の代名詞」ゆえ、そこに賭けてみる価値は大であろう。
その中古車相場を見ると、走行3万km台までの物件に限って言えば、支払総額は安くても240万円からといったイメージで、中心となるのは総額270万円以上。マイナーチェンジが行われた2015年5月以降の世代となると、総額はおおむね290万円からとなる。
もちろん各自の価値観次第ではあるが、モデル末期にさしかかっている車にそれだけの対価を払うのはやや微妙なのかも? という考え方も浮かんできてしまう。……なんとも迷いが生じるQ3である。
想定予算内で行くならボディサイズはどうしても小さめに?
こうなってくると、おそらく正解は「中途半端にサイズ感は追わず、小ぶりでもいいからとにかく高年式で低走行な輸入SUVを買い、キレイに乗る」という方向性なのではないかと推測される。
ならばボルボ V40クロスカントリー(初代)でどうか?

ご承知のとおりそれは、コンパクトワゴンと言える現行ボルボ V40にアウトドアテイストを散りばめたクロスオーバー車。駆動方式は4WDの他にFFも用意されている。
最新バージョンでは1.5Lの直4ダウンサイジングターボや2Lディーゼルターボもあるが、ここで指針としている「せいぜい総額200万円台半ばぐらいまで」で狙えるのは、2L直5ターボ+6速ATの前期T5 AWDが中心だ。
該当する年式は2013年式から2015年式付近で、走行距離は、もちろん個体によるが1万km台から2万km台の低走行系も豊富。欲を言えば同じT5 AWDでも直4ターボ+8速ATとなった後期型で行きたいところではあるが、前期T5 AWDも決して悪くないステキなクロスオーバー車だ。
比較的小ぶりゆえに、いわゆる「押し出し感」には欠けるというか、ほぼ皆無かもしれない。しかしそこを逆に「知性的」「奥ゆかしい」と捉えられる人にとっては、なかなかハマる1台となるだろう。
またあるいは現行型メルセデス・ベンツ GLA(初代)か。

メルセデスのGLAクラスは現行Aクラスに使われているFF専用プラットフォームをベースに開発されたコンパクトSUVで、登場は2014年5月。駆動方式はベースグレードに相当するGLA180がFFで、それ以外のグレードは4WDだ。
ボルボ V40クロスカントリーの場合は総額200万円以下でも余裕で探せるが、GLAの場合、それはちょっと無理。GLAは今のところ「安くても総額230万円ぐらいから」というのがひとつの目安だ。
比較的低走行な個体を探すとなると、総額280万円以上となってしまう場合が多い。
その総額を、この小ぶりなクロスオーバーに投じても良いと考える人にとってはもちろん素晴らしい車だ。
「ベンツ」というある種の印籠も、場合によってはいろいろと効くだろう。
ただしその印籠のせいもあってか、まだまだ少々お高めの中古車相場であるのが難点かもしれない。また、お手頃相場な中古車はFFのGLA180系にほぼ限られるため、4WDを必要とするユーザーには(今回の想定予算で考える場合は)不向きとなろう。

この他「小ぶりでも構わなければ高年式・低走行物件が狙える輸入クロスオーバー」としてはミニのミニ クロスオーバーやフィアット 500X、ジープ レネゲードなどがあるが、さすがに長くなるのでそれらについての検討は「ご興味があれば各自で」ということにさせていただきたい。
いずれにせよ言えるのは、総額200万円とか200万円台半ばぐらいまでの現実的予算でイケてる輸入SUVを探すのであれば、「サイズ感の追求」は避けた方がおそらくは無難であるということだ。
……いささか盛り上がりに欠ける結論になってしまった感もあるが、ご興味のある方は参考にしていただけたら幸いだ。
▼検索条件
ボルボ XC60(初代)/アウディ Q3(初代)/ボルボ V40クロスカントリー(初代)/メルセデス・ベンツ GLAクラス(初代)×走行距離3万km未満×総額260万円未満×支払総額あり×修復歴なしこの記事で紹介している物件
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