Q.純正品を希望していたのに実際はそれよりも高い社外品だった。
この場合、ホイールは取り替えてもらえるの?

付属品はすべて純正と聞いていたので購入したのですが、車に詳しい友人にホイールが純正ではないと指摘されました。普通の車がよかったので、販売店にホイールの交換を申し出ると「純正ホイールがない」という理由で断られました。それなら値引きをしてくれというと「今のホイールのほうが高いから無理」とのこと。なんだか納得がいきません。

A.純正品よりも価値が高かったら、取り替えてもらうのは難しいでしょう

付属品はすべて純正と広告していた場合は不当表示となるので、差額分の返金を求めることは可能です。もし、純正ホイールを装着していたほうが、車としての価値があがるのであれば差額分は返金の対象となるでしょう。例えば、あなたが純正ホイールのデザインを気に入っており、かつ世間的にも純正ホイールの価値が認められ、それを別のものに交換してしまうと車としての価値が下がってしまうケースです。

ただ、難しいのは、純正ではないホイールを装着することで、車の価値が上がっている場合です。レーシングメーカーや有名なホイールメーカーの製品などではおおいにあり得ることです。この場合は、現実問題として、純正ホイールでなくても損害がないということになります。

例えば、車を買ったときに手違いで高いグレードが納車された。中古車なので、新車と違い別の車に交換することもできない。このときに損害を被るのは販売店です。客のほうから「グレードが高いから損害賠償を払え」は通用しないと考えられます。気持ち的にどうしても下のグレードがいいといっても、何らかの合理的な理由がないかぎり、錯誤による無効の主張や慰謝料の請求はなかなか認められないのが現状です。

まずは、買い取り店などで査定をしてもらい、もし純正ホイールだったら買い取り額はどう変化するかを調べてみましょう。買い取り額が上がるようなら、その差額分を販売店に請求できます

第78回:純正品だと思って購入したパーツが実は社外品だった!?|渋滞ができる法律相談所
illustration/もりいくすお

■ワンポイント法律用語■

不当表示(ふとうひょうじ)
一般消費者に誤認されることによって不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示のこと。実在の商品より取引条件や性能などが優れているかのように表示し、一般消費者に誤った商品選択をさせることを禁じている