本家エボより断然お買い得なエボワゴン
一昔前、三菱にはレグナムVR-4というカッ飛びワゴンがありました。V6の2.5Lをターボで武装したエンジンの最高出力は、なんと280馬力! ステーションワゴンなのに…なんて言葉はこの車には無意味だったのです。そんなレグナムも惜しまれつつ、2002年8月にその歴史に幕を下ろしました。

時は流れて2005年9月。その桁外れな快足ワゴンの後継ともいうべきランエボワゴンが登場します。ランエボIXの卓越した運動性能とランサーワゴンの実用性。その2つが見事に融合した車です。
三菱 ランサーエボリューションワゴン フロント|おいしい中古車 三菱 ランサーエボリューションワゴン リア|おいしい中古車
↑フロントマスクは、ランエボそのものだが、リアスタイルは従来のランサーワゴンとは一線を画す、戦闘力を静かに主張するスタイリングとなっている(左右)
フロントマスクはほぼランエボIXのまま。リアはランサーワゴンとは趣が異なり、リアブリスターフェンダーとリアバンパーを採用。いかにもというほどではないにしても、ただ者じゃないオーラを感じさせます。

グレードは、エンジン&ミッションによって異なる2種類。4G63型MIVECインタークーラーターボエンジンに6MTを組み合わせた「2.0GT」と、4G63型インタークーラーターボエンジンに5ATを搭載した「2.0GT-A」です。気になる動力性能は、2.0GTが280ps/40.0kg-m、2.0GT-Aが272ps/35.0kg-mとなっています。本当は、このエボワゴンデビューの後に登場したMRバージョンもあるのですが、流通が1台しかない上に、まだお高いので、ここでは省略します。

エボ譲りの走行性能+ワゴンのユーティリティ
4WDシステムには、フルタイム4WDシステムをベースとしており、センターデフには、ハンドリング性能とトラクション性能を高い次元で両立するACD(アクティブ・センター・ディファレンシャル)を採用。リアデフにはあらゆる路面状況でも優れた直進安定性を発揮しつつ、トラクション性能も高める機械式LSDが奢られています。

サスペンションやブレーキに関してもランエボIXを踏襲。マクファーソンストラット倒立式とマルチリンク式リアサスペンションで、ショックアブソーバーはビルシュタイン社との共同開発のものが採用されています。ブレーキは言うまでもなくブレンボ製です。
三菱 ランサーエボリューションワゴン インパネ|おいしい中古車 三菱 ランサーエボリューションワゴン エンジン|おいしい中古車 三菱 ランサーエボリューションワゴン 装備|おいしい中古車
↑黒を基調とし、スパルタンな印象のインパネ(左) ランエボ伝統の4G63エンジンを搭載(中) ビルシュタイン、ブレンボなど“ならでは”の装備はそのまま(右)
このランエボワゴンがスゴイのは、単にランエボIXにワゴンの“ガワ”を付けただけではないということ。ワゴンの大きな弱点として、リアの開口部の広さによる剛性不足が挙げられますが、このエボワゴン、リア回りを重点的に補強し、剛性を高めているのです。テールゲート開口部には50点余りにも及ぶスポット溶接を打ち増しし、必要最低限の重量増で効果的な補強を行っています。

さて、このワゴン版ランエボ。2500台限定ということで知名度が低かったのか、それともどうせ買うなら、動力性能に優れるセダンという人が多かったのかはわかりませんが、セダンのランエボIXに比べ、とてもお安く売られているのです。ワゴンの新車時価格は342万円(2.0GT-A)ですが、最安値は158万円。これに対し、セダンのランエボIX(2.0GSR)は208万円(新車時価格357万円)。ワゴンのほうは、もう200万円近く値落ちしているのです。

ランエボほどガツガツしなくてもいいけど、速い車が欲しい、あるいは人とは違ったランエボが欲しいという人にはオススメの一台です。ワゴンだけあって、セダンに勝る実用性を兼ね備えているのは周知の通り。限定だけに、あと数年したら価値が上がるかもしれません。そうなる前に、安い今のウチに狙ってみてはいかがでしょうか。

Text/金子剛士

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