「なんで速く走りたいの?」 ペーパードライバー女子がジムカーナに明け暮れる自動車部にその理由を聞いてきた
カテゴリー: クルマ
タグ: トヨタ / 86 / カーセンサー学生編集部員
2024/01/12
カーセンサー学生編集部の竹内です。
皆さん「ジムカーナ」って知っていますか?
うわさによると車を使った競技「モータースポーツ」のひとつで、「車の速さ」を競うらしいのですが……。女子大生かつペーパードライバーの私にとっては初めて聞いた言葉でした。
車に乗るときは安全運転しか心がけたことがないので、車で速さを競うという感覚が正直よく分からない……。
「ジムカーナって何?」
「なんで速く走りたいの?」
「何がそんなに楽しいの?」
そんな私が抱いた疑問を解明すべく、今回はジムカーナに明け暮れているという近畿大学自動車部に、その魅力をペーパードライバー目線で取材してきました!
ジムカーナってどんな競技?
高田 確かに明け暮れていますね(笑)。ジムカーナはレースとかと違い、競技車一台ずつ走行しベストタイムを競う競技です。ので、正直言って見た目は地味かもしれません。自分が思うジムカーナの魅力は「安全性」と「お金がかからない」ところです。他競技のレースやダートは車が壊れることが多いんだけど、ジムカーナは1台しか走らないし、道が舗装されているから事故で故障する可能性が比較的低いんです。
高田 んーピンキリだけど。JAF戦(JAF全日本ジムカーナ選手権)で一番安く済ませるとすると、出場用のマニュアル車を買ってきてカスタムせずに使用して50万円くらいかな。でも、それじゃ絶対勝てない。勝てるぐらいのスペックまでカスタムすると500万円はかかります。
窪崎 これに車両代を入れたらもう少しかかりますね。
高田 これに加えて、ルールが変わることもあって、今まではスペックが良かった車がルール変更を機に弱くなったり、使えなくなることもあります。なので、そのときのルールで勝てる車を探してきてって感じです。
高田 レギュレーションって言うんですが、年に1回ルールの見直しが絶対あるんです。大幅に変わったりはしないけど、車のカスタムをしてよい箇所が変わったりします。そのレギュレーションの中で、予算と相談して自分たちが思う一番速い車を作って練習しています。
高田 新しい部品を付けてるときは楽しいです。これでどうなるんだろうとか考えるとワクワクします。ちなみに、ジムカーナで使う車はこれです。
高田 もともと市販されているスポーツカーだったんですけど、重量を軽くして速く走れるように内装とかはすべて剥がして、このロールケージを付けてます。これは、万が一事故が起きた際に乗員がつぶれないように守ったり、車の剛性を高めるためです。
高田 これはメーター類です。これももともとこんなに付いてないんです。だけど、スポーツ走行するとエンジンがけっこう熱をもつんで、それを確認するために全部メーターを付けてます。
高田 これは速く走るためです。車って速く走ると浮き上がろうとするんだけど、それじゃタイヤのパワーをうまく使えない。だから風の力を利用して、車を下に押し付けてタイヤのパワーが地面に伝わるようにするんです。飛行機の羽の形と逆向きになっているので、上じゃなくて下に押し付けられるようになってます。
どうしてそんなに速く走りたいの?
高田 “アイツは速い”みたいな。この中だったらアイツが一番速い。の「アイツ」になりたいんですよね。一緒には走らないけど、競技やからどうしても他の人とタイムを競いたいからかな。
高田 んー、練習会での待ち時間かな。ジムカーナの練習って運転する時間も長いけど、待ち時間も結構あって。そのときに、速い車見てるとやっぱり「かっこええー!」ってなるし、自分もそうなりたいって思うんですよね。
窪崎 僕の場合は、本気になるものは案外なんでもよくて、たまたまそれが車だっただけです。もともと車に全く興味なかったんです。高田に連れてこられて自動車部に入るまでは、車は移動のためだけの足でしかなかったです(笑)。高田に連れられてやってるうちに、おもろいなーと思ってハマっちゃった感じです。
窪崎 もちろんです! 負けたくないので。上には上がいて、勝てないと「もっと速く走りたい」って思うんです。「誰よりも俺が速く走りたい」という気持ちが強いですね。ちなみに、1000分の4秒で勝敗が決まる世界なので、ミスが許されないんです。だから、動画で本当にうまい人はどうやって車を動かしているかを研究したりしてます。
窪崎 そのとおりりです(笑)。あと、男の子ってこういうの好きな人多い気もします。
高田 そうそう、男の子って乗り物や誰かと勝ち負け決めるのも好きじゃん。
高田 俺は結構メカ、機械とか鉄の塊が動くことが好きなんです。飛行機とかも好きだし。機械が好きっていうのもあるかもね。あと絶対、ウサイン・ボルトでも車の速度には勝てないから、その速度で走れるのも楽しいし。
高田 なんかロマンがあるんです。速い、カッコいいという。エンジン付いてたら正味なんでもいいかなって思う時もあります。
【記事について】
この記事は、近畿大学経営学部松本ゼミ所属の竹内由希乃が、企画やインタビュー、執筆を担当しました。