トヨタ プログレ

日本のヒップホップシーン最前線でフレッシュな名曲を作り続けているスチャダラパーのMC、Boseがカーセンサーで気になる中古車を探して実際に見に行く本企画。

今回はDEEPでUNDERGROUNDな中古車をたくさん扱う販売店で、珍しい中古車、懐かしい中古車をチェック!
 

Bose

スチャダラパー

Bose

1990年にデビューし、「今夜はブギー・バック」などの名曲を生み出してきたスチャダラパーのMC。ヒップホップ最前線で、フレッシュな名曲を作りつづけている。デビュー記念日となる5月5日、LINE CUBE SHIBUYAにて、『スチャダラパー30周年記念公演 スチャダラ2020"アメージングヒューマンレガシー"』を開催! 詳しくは公式HPへ。愛車はフォルクスワーゲン ゴルフIIとフィアット ウーノターボ
 

編集部 Boseさん、本日は埼玉県にあるマルミオートにお邪魔します。ここは1980年代~2000年代のおもしろい車を扱っているんですよね。人気モデルはもちろん、ちょっと変わった中古車も扱っていることで有名なお店です。

Bose この企画がスタートした頃にも一度遊びに来たよね。実は少し前に、友だちのミュージシャンが「初代シティカブリオレを買った」と教えてくれたの。詳しく話を聞いたら、マルミオートで買ったと言ってた。やっぱり、って思ったよ(笑)。

マルミオート 簑島社長(以下、簑島社長) Boseさん、お久しぶりです。以前お越しいただいたときとは大分変った形でいろんな車を展示しているので、ゆっくり見ていってください。

Bose ご無沙汰しています。このお店はいつ来ても、他ではなかなか見ることがない懐かしい車がたくさんありますよね。今回も展示場を隅々まで見せてもらいます!

簑島社長 最近は他の社員から「社長ものすごいのは……ちょっと」と言われちゃっているから癖が強いものは少ないですが(笑)、それでもいろいろありますよ。

Bose そういう車はパーツ探しも大変だろうからね。マルミオートは200万円以内で楽しめる車がいっぱいあるからいいですよね。この時代の車も最近は相場が跳ね上がって、気づいたら300万円以上の高級車になっているものが増えているから。気軽に選べない。その点、これから見ていく車はパーツの有無は置いておいて、価格的には手に入れやすいと思うよ。


●三菱 ランサーGSR(1986年式)

三菱 ランサーGSR

編集部 最初に選んでもらったのは三菱 ランサー。まだランエボが登場する前の、1979年に登場したモデルです。

Bose ランエボよりも普通っぽく見えるし、なによりこのサイズ感、たまらないなあ。4ドアっていうのもいいよね。走りと利便性を両立できる。四角い雰囲気が今の車にはないもんね。

編集部 スポーツグレードのGSRです。ランサーはWRCにも参戦していたそうですよ。価格は約200万円。結構しますね。

Bose これもフロントのフォグランプや金色のホイールでラリー感を演出している。すごくいい雰囲気! 当時はラリーの影響力が大きかったしカッコいいという感じだったと思うけれど、今見ると一周回ってかわいく見えるね。ボディのカクカク感がたまらない。女の子からのウケもいいんじゃないかな。

●日産 スカイラインクーペ RS-Xターボ(1983年式)

日産 スカイラインクーペ

Bose このスカイラインは今でも人気があると思うけれど、これはすごい配色だなあ。シルバーとえんじ色。なかなか見ないよ。

簑島社長 これは日産の創立50周年を記念したアニバーサリーモデルなんですよ。かなりレアな1台です。

Bose こういう色の組み合わせが流行った時期があったんだね。このレア感、さすがマルミオートだよ(笑)。

編集部 R30は前期型、後期型、どちらもコアなファンがいるモデルです。

Bose 車両本体価格は249万円(原稿執筆時点2020年1月28日)。スカイラインは海外からの人気もあるから相場がかなり高くなっているのを感じるな。でも好きな人は是が非でも手に入れたいモデルでしょう。
 

●マツダ ファミリアセダン マツダスピード(2001年式)

マツダ ファミリアセダン

編集部 これは希少ですね! 最終型ファミリアセダンのマツダスピードバージョンですよ。最初に100台限定で発売されて、あまりの人気に急きょ100台追加販売されたモデルです。このルックスと色で、一瞬スバルのインプレッサWRXと見間違えてしまいました。

Bose ランティスとかと同じ位置付けなのかな。車両本体価格が89万円というのはかなりお買い得な気がする。周りに乗っている人がいなくて、値段も手ごろ。そしてマツダスピードだから走らせるとすごく速いわけでしょう。面白い選択だと思う。

編集部 ファミリアはこの代で生産が終わってアクセラ(現在のMazda3)へとバトンタッチします。その意味でも希少ですね。

Bose 子育てが終わったくらいの人が遊べる中古車を欲しいと思ったら、こういう車がちょうどいいんじゃないかな。今どき、MTで遊びたい人がどれくらいいるかわからないけれど(笑)。
 

●トヨタ セリカGT-FOUR(1989年式)

トヨタ セリカGT-FOUR

簑島社長 これ、Boseさんくらいの世代だと懐かしいでしょう! 原田知世さん主演の映画『私をスキーに連れてって』に出ていたモデルです。

編集部 ゲレンデや山の中をセリカが爆走するシーンはたまらなかったです! 高橋ひとみさんの「凍ってるね」は、名セリフですよ!!!

Bose 何一人で興奮してるのさ……。確かに当時の振り返り動画を作りたいと思ったら欠かせない存在。でもこの車も200万円もするんだ。このあたりの人気モデルは軒並み相場が上がっているんだな。

編集部 Boseさんはこの車が新車だった頃、セリカには興味あったんですか?

Bose 自分で買って乗りたい! という感じではなかったかな。とくにGT-FOURは、ちょっとお金を持っている人が乗っている車だったからね。「おじさん、この車で若い子にモテたいんでしょ?」って思ってた(笑)。当時は手が届かなかったけれど、今こそ、 その夢をかなえたい人にとっては最後のチャンスかもよ!
 

●マツダ ロードスター M2 1028(1994年式)

マツダ ロードスター

簑島社長 これは今うちに並んでいる車の中でもかなりレアな1台ですよ。NAロードスターをマツダの子会社であるM2がチューンしたコンプリートカーです。

Bose 存在は知っていたけれど、初めて実車を見たよ。走らせるとかなり速いのかな。

編集部 あまりにもレアで僕らも走らせたことはないですが、エンジンや排気系、足回りをいじっていて、ボディも軽量化が施されていたはずです。ノーマルと比べるとかなり速いと思いますよ。

Bose NAロードスターもデビューから30年たって、だいぶ相場が上がってきているのかな。

編集部 安い中古車もありますが、状態がいいものだと200万円前後するものもありますね。

Bose NAロードスターはかわいいし僕も手に入れたいモデルのひとつ。僕は普通のやつで十分満足できるけれど、わざわざ限定モデル、しかもM2を手に入れたいと思う人はすごい思い入れをもった人もいるだろうね。
 


というわけで、これまで5台のBoseさん好みのレア中古車を駆け足で見てきましたが、まだまだ珍しい車がたくさん! 続きは【後編】でお届けします!

文/高橋 満(BRIDGE MAN)、写真/篠原晃一