▲ホンダがインサイト後継車として開発している新型ハイブリッド&レンジエクステンダー。デザインに関しては詳しい情報は得られていない ▲ホンダがインサイト後継車として開発している新型ハイブリッド&レンジエクステンダー。デザインに関しては詳しい情報は得られていない

ホンダが新型ハイブリッド車とレンジエクステンダーを同時開発

ハイブリッドカーの分野に価格破壊をもたらしたインサイトをはじめ、トヨタの独壇場を脅かしてきたホンダが再び戦いを仕掛けるようだ。その次世代ホンダ環境対応車に迫る。

インサイトは二度目の生産終了に追い込まれたが、ホンダは環境対応車を諦めたわけではない。水素を使って走る燃料電池車とは別に、インサイト後継車とも言える新型ハイブリッドカーと、レンジエクステンダー(電気自動車に発電専用エンジンを搭載したもの)をセットで開発していることが発覚した。

この2車には多くの共通項がある。中でも驚きなのが1.5Lエンジンを共有することだ。他社が開発および販売しているレンジエクステンダーを見ると、エンジンには発電に必要十分な小排気量ユニットを起用している。しかし、ホンダは贅沢にも(?)1.5Lアトキンソンサイクルエンジンを用いるようだ。レンジエクステンダー専用のエンジンを開発するよりも他車と共有した方がコストを抑えられると考えたのだろう。

▲両車に共用されるのはフィットに搭載済みの1.5Lアトキンソンサイクルエンジン。随所に改良が施され効率がアップする ▲両車に共用されるのはフィットに搭載済みの1.5Lアトキンソンサイクルエンジン。随所に改良が施され効率がアップする

ハイブリッドは、このエンジンを大幅改良。排熱回収システムの搭載や、水温管理に役立つグリルシャッターの採用、超低粘度オイルの使用などにより、熱効率(熱エネルギーが電力などに変換される割合)40%を実現するという。

駆動系にはアコードと同じi-MMD、すなわち2モーター方式の電動システムが採用される。モーターならではの力強い走りが前面に打ち出され、レンジエクステンダーは0-100km/h加速で8秒を目指すという。

満充電での航続距離は約80kmで、ライバルのシボレー ボルト(61km)や次期プリウスPHV(60km)を凌駕。リチウムイオン電池が床下に搭載され、空調にヒートポンプ式を用いて電力消費を抑える。

▲4ハイブリッド機構には、アコードと同じ2モーター式のi-MMDが用いられる。暖房はヒートポンプ式にすることで電力消費が抑えられるだろう ▲ハイブリッド機構には、アコードと同じ2モーター式のi-MMDが用いられる。暖房はヒートポンプ式にすることで電力消費が抑えられるだろう

ハイブリッドはレンジエクステンダーとは違い、リチウムイオン電池をリアシート下に配置。直流電圧を自由に変換できるDC-DCコンバーターも小型化され埋め込まれる予定だ。

もちろん燃費向上のため、軽量化も図られる。主戦場となるアメリカの複合燃費で61mpg(約26km/L)が目指される。ライバルであるプリウスは50mpg(約21km/L)ということからも、いかに高効率な車になるかがわかるはずだ。

量産開始はレンジエクステンダーの方が早く、2016年7月中に埼玉県・狹山工場にてラインオフされる。ハイブリッドカーは2017年春から北米インディアナ工場をメインに生産。国内向けも北米で作られる予定だ。

※2014年8月26日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

■予想発表時期:2016年7月
■全長×全幅×全高:4450×1750×1435(mm)
■搭載エンジン:1.5L+モーター

text&photo/マガジンX編集部