完成度の高いハイブリッドカーの代名詞

トヨタの新型プリウス、オーダーが11万台を超えるなど大人気のようですね。インサイトの影響もあるのでしょうが、205万円~という価格には驚きました。しかし、今注文しても納車は秋以降なんて話も出ています。そこでオススメしたいのが、2代目となる同じトヨタのプリウスです。

前述したとおり、新型は205万円という破格の価格で登場しましたが、それでも2代目の旧型プリウスならもっと安く手に入ります。気になる燃費にしても、両車の 10・15モード燃費を比較してみると、新型(1.8L)が38.0km/L、旧型(1.5S)が35.5km/L。そう大きくは変わらないんです。この差をガソリン代に換算したら、車両価格の差を埋め合わせることなど到底不可能です。
  • トヨタ プリウス 外観(フロント)|おいしい中古車
  • トヨタ プリウス 外観(リア)|おいしい中古車
↑デザインモチーフは、キャビンを中心としたトライアングル(三角形) ルーフは中央部が低い形とするなど、優れた空力特性(Cd値0.26)を実現した(左右)
新型プリウスの実用燃費は発売されたばかりでまだわかりませんが、旧型だってかなりのもの。以前「プリウス無給油の旅」と称して、下道を使って東京からどこまで行けるかを検証したことがありました。その結果は、福岡まで。走行距離は1257km、燃費は26.2km/Lを記録しました。

無給油で福岡県まで行けちゃうんです。燃費が大きく変わらないのであれば、遥かに安い旧型を買って、残りは別のことに使うほうがよっぽど賢い選択だと思いませんか?

確かに新型のデキが良いことは間違いありません。燃費だって新型のほうが上です。もらえるとしたらどっち? と聞かれれば、誰だって新型を選ぶでしょう。しかし当然ながらそんなことはありえません。どう考えてもお金を払う必要がありますからね。

100万円でお釣りがくる中古車も

「燃費はわかった、じゃあ装備はどうなんだ?」と。これも新型が優れているのは間違いありません。新型には、ムーンルーフに設置されたソーラーパネルで発電した電力を用いて、室内の換気を行うソーラーベンチレーションシステムなど先進的装備が採用されています。走行モードに関しても、標準の走行モードに加え、「エコドライブモード」「パワーモード」「EVドライブモード」が選択できます。

これらのモード、最初は確かにどうなんだろう? と使うでしょう。しかし、しばらくすれば面倒くさくなって、常に標準モードでというのがオチです。唯一使うとすれば、モーターのみで走行できる「EVモード」でしょうか。深夜の帰宅時などには重宝しそうです。しかし、このEVモード、しっかり旧型にも付いています。確かに装備は新型のほうが上ですが、旧型だって負けてはいないのです。
  • トヨタ プリウス インパネ|おいしい中古車
  • トヨタ プリウス ラゲージ|おいしい中古車
  • トヨタ プリウス EVモード|おいしい中古車
↑伝統のセンターメーターはより見やすく進化(左) 後席を倒すことで広大なラゲージが得られる(中) モーターを駆動させ走行できるEVモードを搭載(右)
さて、そんなプリウスですが、もう100万円以下で購入することが可能です。なかには走行距離7万kmで、修復歴なしの物件が59.5万円なんてのもあります。新型が進化したのは事実ですが、旧型の価格を知ってしまうと、輝くのは断然旧型。

新型プリウスに乗って良い気分に浸れるのなんてほんの一瞬です。今の受注ペースを考えれば、すぐに街中は新型プリウスであふれかえるはずですから。そんな時、旧型でシレーっと横を通り過ぎるなんて、かなりクールだと思うのはボクだけでしょうか。

Text/金子剛士