トヨタがロボットを開発していることをご存じだろうか? 9月21日に発表された「HSR(ヒューマン サポート ロボット)」は手足の不自由な人などが自立した生活を送れるようアシストするために開発された生活支援ロボットだ。HSRの遠隔操作機能の開発など、様々な研究機関や介護・医療関係者などと協力し、実用化に向けて取り組んでいくという。

HSRは音声やタブレット端末で簡単に操作することができる。さらに、人に触れることを前提に、ボディやアームの駆動部が大きな力を生じさせないよう安全へ配慮された設計となっている。

トヨタはこれまでも家事や介護、医療、製造、近距離移動などの支援を実現すべくロボットを開発してきた。施設案内ロボット「ロビーナ」や繊細な手の動きを実現したバイオリン演奏ロボット、移動支援用のモビリティロボット、医療用の歩行アシストロボットなどはその一例だ。

トヨタのロボット開発のテーマは“人との共生”。自動車工場で培ってきた産業ロボットの技術と自動車開発技術に最先端ITなどを組み合わせたトヨタならではの「人をサポートするパートナーロボット」の開発。「モノづくりを通じての豊かな社会づくり」というトヨタの理念に基づき、ロボット開発はこれからも続けられる。

HSRは小回りの利く円筒型の小型・軽量ボディに、折畳み式のアームを備える。「床の上の物をつかんで拾う」「薄い物を吸引して拾う」「棚、机の上、高い所から物を取ってくる」「カーテンを開ける」といった行為ができる

HSRは小回りの利く円筒型の小型・軽量ボディに、折畳み式のアームを備える。「床の上の物をつかんで拾う」「薄い物を吸引して拾う」「棚、机の上、高い所から物を取ってくる」「カーテンを開ける」といった行為ができる

大腿部姿勢制御センサーと足裏荷重センサーで歩行意図を推定することにより、膝の振り出しをアシストする「自立歩行アシスト」ロボット

大腿部姿勢制御センサーと足裏荷重センサーで歩行意図を推定することにより、膝の振り出しをアシストする「自立歩行アシスト」ロボット