究極の悪路走破性能を手に入れたモンスター軽トラック【東京オートサロン2020】
2020/01/31

サスとタイヤで20インチも車高アップ
2020年1月10日~12日まで千葉県にある幕張メッセ行われていたチューニングカーの祭典『東京オートサロン2020』。展示車両の中で「あっ!」と驚くようなカスタムが施された車両にフォーカスしレポートする。
モンスター・トラックといえば、アメリカのスタジアムレースなどに登場する排気量10L級のどでかいマシンを想像してしまうが、大阪の老舗4WDショップ、プロ・スタッフが手がけたモンスター・トラックはちょっと違う。
誰もが知っている国民的軽トラック、スズキ キャリイトラック(10代目DA63T型)がベース車両なのだ!
まずは、このたくましいルックスに注目したい。サスペンションの変更と超大径タイヤ装着で、車高はノーマルより約20インチもアップ。
転倒や接触などの危険から乗員とボディを守るアウターロールケージの存在も頼もしい。
現状のままでは公道を走れないが、遊びグルマとしてぜひとも手に入れたくなる1台だ。

ところで軽トラ通(?)の方ならご存じのとおり、キャリイの骨格はモノコック構造。
また、フロントサスペンションも独立懸架であるため、本格四駆で採られるようなスプリング&ショック交換だけでは、車高アップできない。
そのため、プロ・スタッフではキャリイのモノコック・ボディにジムニー(3代目JB23型)のサスペンション一式を装着するためのサブフレームと、コンバートキットをまず開発した。

ただ、その時点ではノーマルのジムニーになっただけなので、ロングコイルスプリング&専用セッティングのFOX製ショックアブソーバーを装着して大きく車高アップ。
さらに、リアサスのストローク自由度を増すため、ノーマル・ジムニーでは3リンク式であるところを5リンク式に変更……と、何段階にも及ぶ施術が行われている。


ウニモグやハマーと同じ門型アクスルを採用
だが、ここまではプロ・スタッフからすでに市販されている製品で実現できるカスタマイズ・メニューだ。
今回は“究極の4×4”というテーマに相応しい走破性を手に入れるため、前後のアクスルハウジングをポータルアクスルに変更。
ポータルアクスルとは、メルセデスベンツ・ウニモグやハマー H1などごく一部の車にしか採用されていない門型車軸のことで、路面とのクリアランスを大幅に拡大するとともに、内部のリダクションギアによってローギア化まで果たしてくれるもの。
後付けキットも存在するが、部品代だけで軽く200万円超! 本格四駆カスタマイズの中でも、飛び抜けた改造項目と言っていい。
それを軽トラックのキャリイに施してしまうなんて、あまりにも贅沢だ。

その他にも、エンジンをエブリイランディの1300ccへと換装、そのエンジン用にはATしか設定がなかったため、キャリイのMTと接続するためのベルハウジングを新設計。
また、車高アップするとデフに角度が付きすぎてしまうため、アクスルハウジングの角度を補正している。
すると今度はコイルスプリングが弓なりになってしまうので、ソーサーをいったん切り離してから再溶接……と、ワンオフによる施術項目を挙げたらキリがない。
実際、キャリイの車高を上げて、“四駆っぽく”見せるだけなら、ここまで手の込んだカスタマイズは全く必要ない。
オフロードを自由自在に走れる、本物のモンスター・トラックに仕上げることが第一義だったからこそのコダワリ。この車でどんなへき地に出かけようか、と夢が広がるカスタマイズカーだ。
■エンジン系
型式:G13B
排気量:1300cc
■排気系
マフラー:オリジナルワンオフマフラー
■外装関係
ボディカラー:マットガンブルー
ドレスアップ内容&使用パーツ:アウターロールゲージ、スーパージャンボキャビン550
■サスペンション
サスキット名:ZEAL8インチアップKIT JB23ホーシング ポータルアクスル
ショック:FOX
■ホイール
ホイールメーカー・名称:JEEN J-01
サイズ(F):16x6.0J-25
サイズ(R):16x6.0J-25
■タイヤ
タイヤメーカー・名称:BFグットリッチ MUD terrain T/A
サイズ(F):315-75R16
サイズ(R):315-75R16

自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
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