斜め柱の家+佐藤 宏尚(前編)
カテゴリー: カーライフ
タグ: EDGEが効いている / ガレージハウス
2010/09/28

ピットのような書斎を持つガレージ
アルファスパイダーの後ろ姿に惹かれるというMさん。愛車を収めるガレージには、そんなMさんのための書斎が設けられているが、そこには独創的な仕掛けが施されていた
路地や公園に囲まれた開放的な土地に建つ家
この連載も回を重ねているが、最近は隠れ家的なガレージハウスが多くなってきたように思う。広い土地に思うがままガレージを作れる環境ならば話は別だが、限られた空間で居住スペースとの両立を図るならば、実用性と趣味性をバランスさせる必要がある。そこに工夫を凝らした結果、「一日中いられる…」と施主にいわしめる、居心地のいい隠れ家的な空間が出来上がる。
今回訪れたM邸はその好例である。場所は東京都心。山手線のサークルからは少し外側に位置するが、高級住宅街と古き良き街並みが融合した立地だ。幹線道路からわずか2ブロック入っただけで、その喧騒はシャットアウトされている。周囲には昭和を感じさせる木造住宅やモダンなデザインのマンションが建ち並び、古くからの商店や入り組んだ路地と相まって暮らしやすさを想像させる。
路地の突き当たり近くに建つM邸は、正面の路地、裏手の公園、公園への通路、そして空き地と、開放的な四方で囲まれていることが特徴。M氏がこの土地を選んだのも、そんな立地が最大の理由だ。建物自体、外観に華美な印象はない。あくまでも周囲との調和を優先させた形や色合いをもつ。しかし、正面のガレージシャッターを開け放った瞬間、そのイメージはガラリと変わった。

斜め柱の家
建築家:佐藤 宏尚
佐藤宏尚建築デザイン事務所
tel.03-5443-0595 http://www.synapse-net.jp/
所在地:東京都目黒区 主要用途:住宅 家族構成:夫婦
構造:木造 規模:3階建 敷地面積:65.27㎡ 延床面積:109.13㎡
設計・監理:佐藤宏尚建築デザイン事務所/佐藤 宏尚
文・菊谷 聡 text / KIKUTANI Satoshi
写真・木村 博道 photos / KIMURA Hiromichi
構成・石井 隆 editorial / ISHII Takashi

路地の奥に佇むM邸。白い外壁と黒い窓枠が作り出すコントラストが目を惹くが、建物外観のデザインはいたってシンプルで、周囲の景色に溶け込む自然な佇まいを見せる

玄関の扉を開けると、ガレージ内に通じる作り。その隣に階段が設けられていた

奥の書斎はフロアレベルを変えることで、間仕切りなしに空間を分けている

ガラスケースとその上にある船舶用の窓が独特の雰囲気を醸し出す
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