※この記事はカーセンサー関東版20号2000年6月1日発売号に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです

新システムによりSUVテイストをキープしつつ、洗練度を増した走りに

  • いすゞ ウィザード 走り|ニューモデル試乗
  • いすゞ ウィザード リアスタイル|ニューモデル試乗
↑荒れたコーナーのアプローチなどでもピッチングなく進入から立ち上がりまでこなす(左)リアガラスハッチは便利だが、左ヒンジのリアゲートはアメリカン?だ(右)
いすゞのSUVウィザードがマイナーチェンジされた。4WDモデルに最上級グレードLSEを新設定して従来のタイプXをLSとし、タイプSをSと変更した。なお、ショートボディのミューでは、オープントップの搭載エンジンがディーゼルからV6ガソリンに変更されている。

新メカニズムでは、スカイフック制御のセミアクティブサスペンションとフルスイッチコントロール式のTOD(可変トルク配分4WD)システムをそれぞれLSEに標準装備し、LSにオプション設定としている。

ディーゼルエンジンと新メカニズムの相性は良く、比較的重いはずのフロントをフラットに制御し、ステアリングに遅れることなく回頭し、荒れたコーナーのアプローチなどでもピッチングなく進入から立ち上がりまでをこなす。 TOD本来の活躍は雨や雪道などとなるが、存在を主張せずともしっかり働く安心感はありがたい。

乗降性は良く、室内空間もステーションワゴン以上に実用性が高い

  • いすゞ ウィザード インパネ|ニューモデル試乗
  • いすゞ ウィザード エンジン|ニューモデル試乗
↑シルバー基調でスポーティな印象を向上させたインパネは視認性も良好(左)3L直4コモンレール式・直噴ディーゼルは動力性能もクリーン度も高い(右)
セミアクティブサスペンションはコンフォートとスポーツの2モードが選択でき、17段階にデリケートにダンピングを電子制御しているとのこと。クルージングも滑らかにこなし、ワインディングではシャキッとした乗り味と、SUVテイストをしっかりとキープしつつ洗練度を増している。

直噴ディーゼルエンジンは低燃費ながら、力強いパワー&トルクを両立させている。高回転域もこなすが、厚いトルクに乗せた走りが持ち味で、クルージングでの静粛性も高いレベルを確保している。 SUVながらも、高すぎないフロアは乗降性も良く、室内のスペースはステーションワゴン以上に実用性が高い。

SPECIFICATIONS

主要諸元のグレード ディーゼルLSE
駆動方式 4WD
トランスミッション 4AT
全長×全幅×全高(mm) 4515×1785×1740
ホイールベース(mm) 2700
車両重量(kg) 1900
乗車定員(人) 5
エンジン種類 直4DOHCディーゼルターボ
総排気量(cc) 2999
最高出力[ps/rpm] 145ps/4100rpm
最大トルク[kg-m/rpm] 30.0kg-m/2000rpm
10・15モード燃費(km/L) 10.8
ガソリン種類/容量(L) 軽油/80
車両本体価格 306.7万円

根本 純の責任採点

コンセプト 3点 取り回し 5点 加速性能 4点 ブレーキ性能 3点
フィニッシュ 3点 操作系の使い勝手 3点 乗り心地 4点 環境対策 3点
前席居住性 3点 ラゲージルーム 3点 操縦安定性 4点 燃費 4点
後席居住性 3点 パワー感 4点 高速安定性 4点 ステータス 3点
内装の質感 3点 トルク感 4点 しっかり感 3点 コストパフォーマンス 4点
得点合計 70/100
(Tester/根本 純 Photo/桜井 健雄)