価格もボディもシェイプアップ。軽快感満点の一台だ

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コンセプト

軽く、安く、カジュアルにフランスの日常が味わえる!

307は日本デビュー当初2Lモデルだけを導入していた。これは、306時代からひと回りボディが大きくなり、かつ、すでに日本でブレイクしていた206との差別化を図るためのものだった。今回307に追加というカタチで登場したのが1.6Lエンジン搭載の「スタイル」。

追加というと添え物のようなイメージがあるが、実はこの1.6Lこそ一番307らしい車だと言っていい。エンジン部分をメインに30kg軽くなった車重と、30万円も安くなった価格。カジュアルに乗りこなすにはもってこいのシェイプアップである。エンジンパワーが少なくなった分、エンジン回転数を上げながら攻撃的に走れるので、プジョーのプジョーらしい部分をより楽しめる。かなりお買い得&フランスの日常が味わえる車に仕上がった。
室内&荷室空間

細かい変更点はあるが307の魅力はそのまま

外観上の大きな変更はほとんどなし。フロントフォグランプがなくなったのと、タイヤ&アルミが15インチになったため、ホイールのデザインが変わっているくらい。インテリアについては、2LのXSと基本的には同じだが、ステアリングとシフトレバー部分が本革からウレタンへと変更されている。しかし、ウレタンになったとはいえ握り心地は悪くない。パワステは心地いい手応えがあり操作しやすい。ステアリングもチルト&テレスコの調整機能があるためドラポジが正確に合わせられ、操作性を向上させている。

改めて感じるのは307の天井の高さ。ボディサイズはそれぞれ好みがあると思うが、この空間の広さはゆとりを感じる。リアシートの広さもしかり。トランクも広く、多目的に使いやすい。
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ドライブフィール

しなやかで軽快なプジョーらしい乗り心地

エンジンが軽くなったためコーナリングが気持ちよく決まる。ステアリングを切り返したときの揺り返しが少なく、素直に反応してくれるのが気持ちいい。これが1.6Lのいいところである。そしてタイヤが15インチになったため、乗り心地もよくなった。路面への当たりがソフトで、ゴツゴツ感がない。2Lはドイツ車を意識しすぎてどうしてもカチカチの足なのだがこの「スタイル」はタイヤに加え、リアのサスペンションのチューニングも少し柔らかめのセッティングになっている。とてもしなやかな、まさに「プジョーらしい」乗り心地に仕上がっている。

エンジンは思ったほどパワーダウンという感じはない。MTは小気味いいし、ATの場合でもマニュアルモードにすれば軽快感は十分に感じられるはずだ。
こんな人にオススメ
基本的に乗るのは一人が多いけど、家族や友人を乗せることもあるから、ちょっとゆったりサイズの車がいい。さらにトランクも大きければなおいい、という人にオススメ。また、ありきたりのデザインのコンパクトカーはいや、ミニバンなんて絶対いや!という、生活臭のしない生活に憧れたり、すでに実践している人にもオススメしたい。
SPECIFICATIONS
グレード スタイル
駆動方式 FF
トランスミッション 5MT/4AT
全長×全幅×全高(mm) 4210×1760×1530
ホイールベース(mm) 2610
車両重量(kg) 1270
乗車定員 5人
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1587
最高出力 80kW(108ps)/ 5800rpm
最大トルク 147N・m(15.0kg-m)/4000rpm
車両本体価格 207.0万円(5MT)/217.0万円(4AT) 
写真:橋本 玲 文:岩貞るみこ