BMW Z3クーペ 3.0i 【プレイバック試乗記】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
タグ: クーペ
2009/04/10
※この記事はカーセンサー関東版35号(2000年9月21日発売)に掲載されていたものをWEB用に再構成したものです
同じエンジンでもZ3でしか味わえない、パンチの利いたチューニング
↑パンチの利いたエンジンに加え、フロントの接地感が増したハンドリングも好印象(左)グリルのバー部分やテールゲートハンドルなどにクロームを使用し高級感を演出(右)
カブリオレが3Lエンジンを搭載した330で登場したことで、ツーリングを除くすべての3シリーズに3Lエンジンが用意された。このエンジンはパワフルという印象よりも、洗練されたというほうが正しい。ただし、それはE46に限った話。Z3クーペでは違うエンジンか、と思うほどパワフルで豪快なイメージになる。同じエンジンでもなぜか印象が異なるのがZ3の常である。
従来のZ3 2.8(クーペ、ロードスターともに)はエンジンがトロくて眠くて、他の328と同じエンジンを搭載しているとは思えない状態だった。ところが今回の3.0iの変貌ぶりは、200ccでこんなにも変わるのか、と驚かずにはいられないレベルだ。
3L化により加速感やレスポンスなどが劇的に変化
↑クーペのセンターコンソールはロードスターと同じデザインに変更された(左)2.8Lエンジンをベースにストロークアップやマネージメントの見直しが行われた(右)
ともかく出足から軽いし、少しでも右足を動かせば明確に後ろから押し出される加速感がある。レスポンスの良さは4速から5速に変わったATにも関係があるが、それ以上にエンジン単体のパフォーマンスが違うのだ。直6らしい整ったサウンドは豪快さを増しているし、リミットまでのパワー感を伴うフケ切りの鋭さも、3シリーズに登載される3Lエンジンとはイメージが違うのだ。サウンドに関しては排気系の長さと取り回しの違いから想像できる。がパワフルな印象にもそれが利いているのかどうかは「?」だ。
Z3クーペというより、Mクーペの3L AT版という感じ。それくらいパンチにあふれるエンジンといえるし、フロントの接地感が増したハンドリングも好印象。ブレーキの利き味もペダルにダイレクトだし、さらに強力になっている。 今回の3L化で劇的な変化を実感できるのは、このZ3クーペとロードスターだ。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | クーペ3.0i |
駆動方式 | 2WD |
トランスミッション | 5AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4035×1740×1305 |
ホイールベース(mm) | 2445 |
車両重量(kg) | 1350 |
乗車定員(人) | 2 |
エンジン種類 | 直6DOHC |
総排気量(cc) | 2979 |
最高出力[ps/rpm] | 231ps/5900rpm |
最大トルク[kg-m/rpm] | 30.6kg-m/4400rpm |
10・15モード燃費(km/L) | ー |
ガソリン種類/容量(L) | 無鉛プレミアム/51 |
車両本体価格 | 499.0万円 |
桂 伸一の責任採点
コンセプト | 4点 | 取り回し | 3点 | 加速性能 | 5点 | ブレーキ性能 | 5点 |
フィニッシュ | 3点 | 操作系の使い勝手 | 3点 | 乗り心地 | 4点 | 環境対策 | 5点 |
前席居住性 | 4点 | ラゲージルーム | 2点 | 操縦安定性 | 5点 | 燃費 | 4点 |
後席居住性 | ー点 | パワー感 | 5点 | 高速安定性 | 5点 | ステータス | 3点 |
内装の質感 | 3点 | トルク感 | 5点 | しっかり感 | 4点 | コストパフォーマンス | 3点 |
得点合計 | 75/95 |
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