▲クリーンディーゼルで、iDriveナビもLEDヘッドライトも、自動ブレーキをはじめとするドライブアシストも全部標準装備して、218d Mスポーツで426万円。安くはないが、家族会議の俎上に載せられるか否かは、奥様へのプレゼン次第か ▲クリーンディーゼルで、iDriveナビもLEDヘッドライトも、自動ブレーキをはじめとするドライブアシストも全部標準装備して、218d Mスポーツで426万円。安くはないが、家族会議の俎上に載せられるか否かは、奥様へのプレゼン次第か

ミニバンというよりは、5座ツアラー

車好き、BMW好きなら誰しもが思うであろう「BMWよお前もか」と。その2大要素である“FFの前輪駆動”と“ミニバン”を組み合わせたモデルが2シリーズグランツアラーだ。この車の購入者の7割以上がディーゼルを選んでいるそうで、試乗車にもその218dが用意された。

新世代の2Lターボディーゼルは、先にミニ・クロスオーバーに搭載されている2Lディーゼルよりも150ps/330Nmとパワフルかつトルクフルでしかも明らかに静粛性が高い。また8速ATが組み合わされることで、走りだせばディーゼルであることを忘れさせるくらいスムーズに走る。

全長は4565mm(218d)とトヨタ ウィッシュやホンダ ジェイドよりもわずかに小さく、したがって3列目シートはお世辞にも広いとは言えない。あくまで子供用かエマージェンシーなものとみるべきだろう。それよりはトノカバーが床下収納できるような機転が利いており、また3列目シートのリリーススイッチが荷室に備わるなどシートアレンジも容易で、通常は3列目シートを格納して、より荷室の広くなった“アクティブツアラー”として使うと考えた方が合点がいく。

驚くべきはそのハンドリング性能で、グレードがMスポーツだったこともあり、ミニバンとは思えないほど軽快に走る。またアクティブツアラーに対して110mm延ばされたホイールベースもあって、乗り心地がいい。この後にマイチェンした1シリーズの118iと乗り比べてみたのだが、ディーゼルエンジンのパワフルさも相まって、FRのハッチバックよりもこちらのミニバンの方が“駆けぬける歓び”にあふれているというなんともなオチがついたくらいだ。

▲CD値0.28を達成した空力性能や低重心化など走りにも注力。パフォーマンスコントロールなども備えた ▲CD値0.28を達成した空力性能や低重心化など走りにも注力。パフォーマンスコントロールなども備えた
▲他モデル同様、ドライバー・オリエンテッドな運転席。着座位置がやや高いセミ・コマンド・ポジションとされた ▲前席は乗員を包み込むような形状、シート位置を低くしスポーツカーのようなポジションに
▲簡単な操作でシートアレンジが可能に。ラゲージ容量は3列目を倒すと560L、2列目までで1820Lに ▲簡単な操作でシートアレンジが可能に。ラゲージ容量は3列目を倒すと560L、2列目までで1820Lに

【SPECIFICATIONS】
■グレード:218d GRAN TOURER M Sport ■乗車定員:7名
■エンジン種類:直4DOHC ■総排気量:1995cc
■最高出力:150/4000[ps/rpm]
■最大トルク:330/2750[n・m/rpm]
■駆動方式:FF ■トランスミッション:8AT
■全長×全幅×全高:4570×1800×1640(mm) ■ホイールベース:2780mm
■車両重量: 1610kg
■車両本体価格:426万円(税込)

text/藤野太一 photo/郡大二郎