BMW 1シリーズ 【ニューモデル試乗】
カテゴリー: BMWの試乗レポート
タグ: セダン
2011/09/07
クラスNo.1のダイナミックパフォーマンスを守る!
写真は欧州仕様のインテリア。1シリーズとはいえ、他の上位シリーズと遜色ない印象の内装。計器やコントロール類はすべてドライバーに向く、らしいコックピットとした
2004年のデビュー以来、BMWの入門モデルとして、また、貴重なFRのコンパクトカーとして人気を博してきた1シリーズ。累計販売台数はなんと120万台を超え、うち7割を他ブランドから獲得したという。かといって3シリーズとカニバッたわけでもなさそうだから、ブランドのすそ野が狙い通りに広がったということだろう。アウディやメルセデスが(今後)追随したくなるほどの、成功作だったと言っていい。そんな人気モデルゆえ、7年ぶりの進化といえども、ご覧の通りのキープコンセプトと相成った。
先代フォルムを守ったうえでのデザインの熟成や時代の要請であるエフィシェンシーのさらなる向上、車載テレマティクスのアップデート、といったあたりが開発の重要課題だったらしいが、なかでもイチバンに掲げられたのは、ダイナミックパフォーマンス・クラスナンバー1の堅守、だったという。
上級仕様180iに搭載されるのは最高出力170ps、最大トルク250Nmを発揮する1.6Lの直4ツインスクロールターボ。試乗モデルには6MTを設定しているが、日本仕様に
はMTモデルの導入はなく8速ATが予定される。ボディサイズは現行モデルよりも一回り大きくなり、全長85mm、全幅17mm、ホイールベース30mmをそれぞれ拡大している
“エンジン”のビーエムが“シャーシ”のBMWへ
そんなこと言っても、こうも変わり映えしないんじゃなあ、しかもこの顔、ブサ可愛いってやつ? なんだかなあ、とぼやきつつ試乗会会場に向かったが、乗って驚いた。シャーシ性能が極上。微速域でのマナー、段差を乗り越えるときの収め方、交差点でハンドルを切っ たときの反応、中速クルージングでのリズミカルな動き、スポーツシーンでの手応えの確かさ、そして高速域での盤石な安心感…。どれをとってもクラス最高どころか、まるで一つ二つ上。特に、カントリーロードを80~100km/hで流しているときの気持ち良さったら!
ことによると現行3シリーズより上である。その代わり、エンジンの官能フィールはまったくなくなった。性能は良い。けれども気持ち良くはない。これは仕方ない。BMWはエンジンの官能性を諦める代わりに、今まで以上にハンドリングにこだわっていくのだと思う。
SPECIFICATIONS
主要諸元のグレード | 118i | |
全長×全幅×全高(mm) | 4324×1765×1421 | |
車両重量(kg) | 1825 | |
エンジン種類 | 直列4気筒 DOHCターボ | |
総排気量(cc) | 1598 | |
最高出力[ps/rpm] | 170/4800 | |
最大トルク[Nm/rpm] | 250/1500~4500 |
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