フォルクスワーゲン パサート【プレイバック試乗】
カテゴリー: フォルクスワーゲンの試乗レポート
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2010/03/09
コンセプト
現行モデルのMCだが計2315カ所も変更
フォルクスワーゲン(以下、VW)は、ゴルフやポロなどコンパクトクラスを中心としたドイツ最大の自動車メーカーとして知られている。しかし当のVW自身はその評価に満足しておらず、ベントレーやブガッティなど高級車ブランドを次々と傘下に収めてきた。そしてついに、自社ブランドでの高級車を手がけることに。その一番手がこのパサートのマイナーチェンジ(以下、MC)だ。高級志向に仕立て直すため、例えば外観ではドアとルーフ以外はすべて新型とするなど、計2315カ所も仕様変更した。しかしこれだけの大変更でも、ベースが同じなので、MCという。
エンジンは新たにV型5気筒の2.3Lが加わった。さらに来春にはW型8気筒の4Lという、珍しいエンジンも搭載される予定だ。
室内&荷室空間
室内空間はMC前と同様 安全装備はさらに充実
ホイールベースなどはMC前と同様なので、室内空間の広さは変わっていない。フロントシートのヘッドスペースはたっぷりと取られており、リアシートはやや高めの着座位置で、レッグスペースの広さも十分だ。掛け心地もよい。安全性に関しては、カーテンエアバッグや緊急時にブレーキを補助するアシストシステム、さらに空転した駆動輪にブレーキをかけて駆動力を回復させるEDSシステムが装着された。
今回のパサートにはMC前と同様に、4ドアセダンに加えステーションワゴンも用意されている。ワゴンの荷室はリアシートを倒すとフラットで広いスペースが得られた。セダンの荷室での一番のトピックスは、ワゴンに加えトランク内に12V用コンセントが装備された点だ。
ドライブフィール
低速で重く高速で軽いステアリングフィール
V5モデルはFFのみ。対してV6モデルはフルタイム4WDをメインとし、FFは受注生産となる。新開発のV5エンジンだが、1000~3000rpmという低回転域のトルクは太く感じた。しかしそれ以上の回転域でのトルクの盛り上がりはイマイチ。0→100km/h加速が12秒台というのは、排気量2.3Lとしてはやや遅めだ。エンジン音は全体に大きめ。ただしDレンジでの100km/h巡航の回転域は2000rpmだったので、高速走行でのエンジン音は気にならない。
60km/h以下でのステアリングフィールは重め。それ以上の速度域でやや軽めとなるセッティングだった。コーナーでのロールも大きめだ。V6モデルとV5モデルの走りを比べると、V6モデルのほうが好ましく思えた。
こんな人にオススメ
V5エンジンは高回転時より低回転時のほうが扱いやすいので、シティユース向き。V6エンジンは、トルクフルで、フルタイム4WDらしく走りも安定しているので、高速から峠まで楽しめるだろう。ゴルフが代表するVWテイストを知って車人生を歩み、生活が落ち着いた人へ。SPECIFICATIONS
グレード | V5セダン |
駆動方式 | FF |
トランスミッション | 5AT |
全長×全幅×全高(mm) | 4700 x 1745 x 1460 |
ホイールベース(mm) | 2705 |
車両重量(kg) | 1520 |
乗車定員 | 5人 |
エンジン種類 | V型5気筒SOHC |
総排気量(cc) | 2324 |
最高出力 | 125kW(170ps)/6200rpm |
最大トルク | 220N・m(22.4kg-m)/3200rpm |
車両本体価格 | 349万円 |
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