▲見た目重視のハズなれど、取り回しの良さや実用性の高さからすると、「大人の我儘」的な色合いは濃くはない。むしろ大家族でもない限り、奥さまなどは大歓迎してくれそう。とはいえ、だからこそ間口は広く、多くの人に幸せを呼ぶ1台になるのかも? ▲見た目重視のハズなれど、取り回しの良さや実用性の高さからすると、「大人の我儘」的な色合いは濃くはない。むしろ大家族でもない限り、奥さまなどは大歓迎してくれそう。とはいえ、だからこそ間口は広く、多くの人に幸せを呼ぶ1台になるのかも?

意外や実用性も上々なスタイル自慢の1台

扱いやすいサイズの4ドアクーペとして人気のCLAに新たに追加されたシューティングブレークは、単に荷室が広いだけでなく、スタイリッシュな姿がライフスタイルを強く意識させる存在だ。特徴はルーフからリアゲートにかけての弧を描くような美しいライン。前後のバランスはクーペよりもむしろ良く、フォルムはなかなかのまとまりを見せる。

このフォルムは、副産物としてクーペの弱点の解消にもつながっている。後席の頭上スペースが42mm増え、背の高い男性でも普通に座れるようになったのだ。当然、荷室も拡大されており、容量は495~1354Lにも達する。

走りの印象はクーペと変わらない。360万円という価格がインパクト大のCLA180は、良くなったとはいえ低速トルクが薄いのが不満の種。余裕を求めるならCLA250だろう。燃費計を見ている限りでは、実燃費も向上しているような感触を受けた。

速度が高い領域では落ち着いた乗り心地を示すが、低速ではやや硬め。CLA250の試乗車“オレンジアートエディション”はランフラットタイヤを継続しているため、特にその傾向が強い。全般に悪くはないけれど、走りを理由に買うものでもない、というところだ。

CLSシューティングブレークは文句なしにゴージャスな存在だが、CLAの場合は使い勝手で選びたくなる分、そこまでの華やかさはない。思わず、大きく傾斜したリアゲートがカジュアル感を演出していた初代Cクラス ステーションワゴンを想起してしまった。

そういえばそのサイズは、日本にジャストフィットしていた先代Cクラス ステーションワゴンに重なる。なるほど、そのあたりの感覚であまり肩肘張らないで付き合う方が、気持ち良く乗れる1台と言えそうだ。

▲250シュポルト 4マチックはAMGが開発初期から参加したスポーティモデル。レッドアクセントがポイントだ ▲250シュポルト 4マチックはAMGが開発初期から参加したスポーティモデル。レッドアクセントがポイントだ
▲セダンのCLAなどと共通デザインのインテリア。レーダーセーフティパッケージも標準に ▲セダンのCLAなどと共通デザインのインテリア。レーダーセーフティパッケージも標準に
▲ラゲージはフラットな形状や大きな開口部、分割可倒式の後席などで使い勝手を向上させた ▲ラゲージはフラットな形状や大きな開口部、分割可倒式の後席などで使い勝手を向上させた

【SPECIFICATIONS】
■グレード:CLA250 SPORT 4MATIC Shooting Brake ■乗車定員:5名
■エンジン種類:直4DOHCターボ ■総排気量:1991cc
■最高出力:211/5500[ps/rpm]
■最大トルク:350/1200-4000[n・m/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:7DCT
■全長×全幅×全高:4685×1780×1435(mm) ■ホイールベース:2700mm
■車両重量:1580kg
■車両本体価格:545万円(税込)

text/島下泰久 photo/大子香山