低床化が効いている!その走りは高級乗用車そのもの

(Tester/家村浩明 Photo/尾形和美)

コンセプト
ネッツ店向けにキャラの違うヴェルファイアを投入

トヨタ アルファード フロントスタイル|ニューモデル試乗トヨタ アルファード リアスタイル|ニューモデル試乗トヨタ ヴェルファイア フロントスタイル|ニューモデル試乗
ミニバンの頂点というそのポジションを誇示しつつ、人気のアルファードがフルモデルチェンジ。今回はネッツ店扱い機種は「ヴェルファイア」という名になり、異なるエクステリアをもつ2つのモデルとして登場している。キャラとしては、堂々たるアルファードのコンサバモードに対して、お目立ちアグレッシブ路線のヴェルファイアという作り分けか。ヴェルファイアの印象的な“2段積み”ヘッドライトは、リア回りのデザインでも同様に適用され、新しい車名のアピールに一役買っている。この2キャラの分け方は、エアロモデルでも同様だ。
人気の高い初代だが、そのユーザーにこの2代目を見せて「買い替えさせたい! 」というのが開発陣のひそかな狙い。果たして!?

室内&荷室空間
車のシートもここまで来た!その作りにただ脱帽

トヨタ アルファード フロントシート|ニューモデル試乗トヨタ アルファード セカンドシート|ニューモデル試乗トヨタ アルファード サードシート|ニューモデル試乗
7人乗りミニバンの場合、セカンドシートは独立のキャプテンタイプというのが定番だが、新アルファード/ヴェルファイアではそこに、V6搭載の上級仕様で「エグゼクティブ・パワーシート」が装備された。これは電動パワーでオットマンが始動し、シートバックも航空機のファーストクラスのように、ほとんど水平にまで倒せて、さらに前席背もたれに付属するフットレストと組み合わせられるというもの。ヘッドレストも大型で、これまた3分割で頭を支えるようになっている。
またサードシートは、左右スペースアップ式だが、その際に内蔵されたバネが作動し、チカラいらずの“キカイまかせ収納”が可能。ミニバンにおける快適・親切の探究は休むことなくつづく…!

ドライブフィール
これはイケル、過不足ない2.4Lの走り&余裕の3.5L

トヨタ アルファード 走り|ニューモデル試乗トヨタ アルファード エンジン|ニューモデル試乗トヨタ ヴェルファイア タイヤ|ニューモデル試乗
エンジンは、V6は新搭載の3.5Lが280ps。直4は2.4Lの継承だがパワー/トルクともに向上している(出力は170psへアップ)。この4気筒はCVTと組み合わされるが、トルクの引き出し方が巧みで、低中速域でのアクセルレスポンスが良く、一般的な走行ではストレスのない走りができる。一方のV6エンジンは、高回転域でのスムーズさが特徴で、上り坂などもまったく苦にしないパワー走行を楽しめる。
こうした走りを可能にしてくれるのがしっかりしたサスペンションで、乗り心地を確保しつつ、ステアリングに対するシュアな応答や、コーナーでの安定した挙動が光る。アルファードの2代目は、ミニバン、その走りに乗用車感覚をたっぷり盛ったと評価できる。

こんな人にオススメ

ジャンル問わず、ともかく「トップエンド商品欲しがり症候群」である、という方々に好適。そして、そういうトップなモノはデザインはむしろ“保守”がいいのヨというならアルファード。いやいや、そんな頂点モデルだからこそ、外観的にも攻めたいのだ!! ということなら、他人様に先駆けるチョイスとして、新車種のヴェルファイアをオススメいたしますぞ。
主要諸元のグレード 350G“Lパッケージ”
駆動方式 FF
トランスミッション 6AT
全長×全幅×全高(mm) 4850×1830×1890
ホイールベース(mm) 2950
車両重量(kg) 2030
乗車定員(人) 7
エンジン種類 V6DOHC
総排気量(cc) 3564
最高出力[kW(ps)rpm] 206kW(280ps)/6200rpm
最大トルク[N・m/rpm] 344N・m(35.1kg-m)/4700rpm
10・15モード燃費(km/L) 9.2
ガソリン種類/容量(L) 無鉛プレミアム/65
車両本体価格 450.0万円