高速道路でもふらつきの少ないエアロ系の足回りに注目
(Tester/松下宏 Photo/尾形和美)

トヨタ ヴォクシー 走り|ニューモデル試乗 トヨタ ヴォクシー リアスタイル|ニューモデル試乗 トヨタ ノア リアスタイル|ニューモデル試乗
テスト車両:ヴォクシーZS 245万7000円
ノアG 260万4000円
■主要諸元:ヴォクシー ZS
●駆動方式:FF
●トランスミッション:CVT
●全長4640×全幅1720×全高1850㎜
●ホイールベース:2825㎜
●車両重量:1590㎏
●乗車定員:8人
●エンジン種類:直4DOHC
●総排気量:1986㏄
●最高出力:116kW(158ps)/6200rpm
●最大トルク:196N・m(20.0kg-m)/4400rpm
●使用燃料:無鉛レギュラー
●燃料タンク容量:60L
●10・15モード燃費:14.2㎞/L
●タイヤサイズ:205/60R16


コンセプト
初代モデルを正常進化させ標準系とエアロ系を設定

トヨタ ヴォクシー/ノア|ニューモデル試乗 トヨタ ヴォクシー/ノア フロント|ニューモデル試乗 トヨタ ヴォクシー/ノア エンブレム|ニューモデル試乗
日本で車の大きな売れ筋となっているのが5ナンバーサイズの小型ミニバン。このジャンルで最大のヒットモデルとなっていたのがヴォクシー/ノアだ。今回から販売台数の多かったヴォクシーを先にしてヴォクシー/ノアと呼ぶようになったが、いずれにしても大ヒットモデルを正常進化させた2代目モデルが登場した。

基本的にはキープコンセプトで作られたが、乗る人みんなの快適性を重視して、後席への乗降性や使い勝手が大きく改善された。外観デザインはクールなヴォクシーと親しみやすノアという、それぞれの個性がさらに強調されるとともに、ヴォクシーとノアの両方に標準系とエアロ系のモデルが設定され、エアロ系には3ナンバーボディが与えられた。

室内&荷室空間
後席への乗り降りが容易で3列目シートの機構に注目

トヨタ ヴォクシー/ノア インパネ|ニューモデル試乗 トヨタ ヴォクシー/ノア フロントシート|ニューモデル試乗 トヨタ ヴォクシー/ノア リアシート|ニューモデル試乗
1.5BOX系ミニバンのため運転席のシートはやや高め。体形によっては乗り降りするときにAピラーのアシストグリップをつかむ形になる。運転席に座ると、視界の開けた運転のしやすい車という印象がある。Aピラーの角度やその根元部分の三角窓などが開けた視界を実現している。スライドドアには低い位置にチャルドグリップを装備、後席への乗り降りのしやすさも大きなポイントだ。

室内空間の広さは1.5BOX系ミニバンらしいもの。それ以上に注目されるのが新しく用意された機構。60度回転してチャイルドシートの子供を乗せ降ろしするのを手助けする2列目のシートや、ごく簡単な操作で3列目シートの跳ね上げができるワンタッチスペースアップシートは大注目だ。

ドライブフィール
バルブマチック搭載車は走りや燃費の実力も優れる

トヨタ ヴォクシー/ノア エンジン|ニューモデル試乗 トヨタ ヴォクシー/ノア パドルシフト|ニューモデル試乗 トヨタ ヴォクシー/ノア サンルーフ|ニューモデル試乗
搭載エンジンはいずれも新世代の直列4気筒2Lで、標準的なハイメカツインカムとトヨタ初となるバルブマチックという新機構を組 み込んだタイプの2機種。

標準エンジンはZSやSi以外の幅広いグレードに搭載されているが、こちらはいかにもごく普通のミニバンといった印象。スーパーCVT-iとの組み合わせでそこそこスムーズな走りが得られるが、特徴に欠ける感じ。柔らかめの乗り心地は大きなロールを感じさせるし、室内では騒音レベルも高めに感じられた。

それに比べるとエアロ系の最上級グレードは、動力性能と燃費が高次元でバランスされるだけでなく、タイヤと足回りの違いによるしっかりした走りに好感がもてる。静粛性の面でも優位に立つ。

こんな人にオススメ

多人数乗車をする機会の多いファミリィユーザーにオススメ。現在では必要性の低い人までミニバンを選んでいるが、本当に必要な人だけが選べば良いと思う。2~3列目のシートには優れた機能が加えられたが、中央席には3点式シートベルトやヘッドレストが用意されていない。安全面のことも考え、今後は全席標準装備に期待したい。