EURO 6:実にシンプル
カテゴリー: パーツ関連ニュース
タグ:
2014/09/19
EURO 6とは何ですか?
EURO 6は、自動車による大気汚染物質の排出規制値を定めたヨーロッパ連合(EU)の規定です。ロバート・ボッシュGmbHのパワートレイン テクノロジー担当取締役のロルフ・ブーランダーはこう述べます。「EURO 6により、ディーゼル車はガソリン車並みにクリーンになります」。EURO 6では、特に粒子状物質(PM)と窒素酸化物(NOx)の排出量の規制値が厳しくなります。2014年9月1日より、許容されるディーゼル車の1 kmあたりの窒素酸化物排出量が、従来は180 mgだったものが、わずか80 mgとなります(ガソリン車は60 mg/km)。さらに2015年1月1日からは、EUで新たに販売される新車はすべて、このEURO 6の規制値をクリアしなくてはならなくなります。
EURO 1が1993年に導入されて以来、路上に排出される有害物質の量は著しく低減しました。ボッシュが提供しているような先進的な自動車機器テクノロジーが、CO2、 窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)の排出量の低減に寄与しているからです。また、パワートレインの技術的進歩も同様の効果をもたらしています。 1990年初頭と比べ、現在のディーゼル エンジンからの粒子状物質の排出量は約99%、窒素酸化物の排出量は約98%抑えられています。電動パワートレインの進化も進み、排出ガスはさらにクリー ンになりつつあります。
EURO 6対応車の価格は、基本的にEURO 5対応モデルと同じレベルに設定されています。ただ、一部のEURO 6対応モデルには異なるトランスミッションやタイヤなどの追加装備パッケージが用意されているものがあり、これが価格の上昇につながっている場合もありま す。車両価格からこうした特別装備の価格を差し引いたとして、EURO 6対応モデルの価格が大きく上昇するようなことはありませんのでご安心ください。
ディーゼル車の場合、EURO 6の厳しい規制値をクリアするために、排出ガス浄化システムを完璧に調整しなくてはなりません。重量が約1,700 kg以下の車両には、NOxを吸着させるタイプの低コストの触媒コンバーターが適しています。ロバート・ボッシュGmbHのディーゼル システム事業部長を務めるマルクス・ハインはさらにこう説明します。「大型車両には、添加剤AdBlueを使用するSCR触媒コンバーターが適していま す」。このSCR触媒コンバーターは、尿素水溶液のAdBlueを利用し、窒素酸化物を水と窒素に変換します。なお、AdBlueの補充は、通常の保守 サービス間隔に行うだけで十分です。
ドイツで貼付が義務付けられている環境ステッカーの割り当ては、EURO 6導入後も変わることはありません。EURO 4やEURO 5に対応し、都市部の通行を許可された環境ステッカーを付与されている車両は、EURO 6が施行される2015年1月1日以降もその環境ステッカーを貼付することになります。
ドイツですでに自動車を所有しているオーナーは、EURO 6の導入により影響を受けることはなく、これまで通り自動車を利用し続けることができます。現状では、EURO 5対応車の自動車税も変更されませんし、環境区域にもこれまでと同じように入れます。ただし、新車を購入する場合は、EURO 6への切り替えを意識し、最新の技術水準にあるモデルを選択すべきでしょう。