ポルシェ カレラカップ ジャパン(PCCJ)の2015年シーズン第3戦、第4戦公式予選が5月2日(土)富士スピードウェイ(静岡県)で行われた。

ゴールデンウイークまっただ中の富士スピードウェイは上空に青空が広がり、初夏を思わせる爽やかな天気に恵まれた。レース初日の2日は午前中に30分間の公式予選が行われ、11時10分の開始時間になると先月の開幕戦で激しい優勝争いを繰り広げた#78近藤翼と、#15元嶋佑弥が先を争うようにピットレーン出口に向かった。PCCJ参戦2シーズン目、開幕2連勝を飾った元嶋は「決勝は自信がありますが課題は予選です。今回は何としてでもポールポジションからスタートしたい」と、気合い十分。近藤は前日に行われた専有走行でトップタイムを記録したが、開幕2戦連続して元嶋の後塵を拝しているだけに、今回は有利な位置からレースを始めたいところだ。

お互いを強く意識するふたりは予選開始早々に1分43秒台のタイムを刻み、まずは近藤が先行。そして元嶋、#12久保凛太郎が僅差で迫る。しばらくすると元嶋が0.004秒差で近藤を抜きトップに立った。ポールポジションを争うふたりはその後ピットに入ってニュータイヤを装着。他車のタイヤのラバーが乗り路面のグリップが上がる、セッション終盤でのタイムアタックに備えた。

予選終了まで残り約5分というタイミングでまず元嶋がアタックを開始し、ついに1分42秒台に突入。「路面温度はかなり高かったが周回を重ねてもタイヤのグリップは落ちなかった」という元嶋は、1周ごとに着実にタイムを縮めていき、1分42.765秒という孤高のベストタイムを記録した。一方、近藤は終了ぎりぎりまでアクションを起こさず、そのまま元嶋のポールポジションが決まるかと思われた。しかし予選終了間際に最後のアタックを行った近藤は、渾身の走りで1分42.750秒のベストタイムをマーク。最後の最後で元嶋を逆転し、0.015秒差で第3戦のポールポジションを勝ちとった。

予選終了後マシンを降りた近藤は、満面の笑みで元嶋に向けてガッツポーズ。元嶋は「最後にやられた」と、少しだけ悔しさをにじませながらもやはり笑顔で近藤のポール獲得を祝福した。「後の方が有利になると思いタイミングを見計らっていたのですが、なかなかクリアラップがとれず最後の1回しかチャンスがなくなってしまった。何とか間に合って良かったです。」と、近藤。残念ながら自身が去年記録したコースレコードにはわずかに届かなかった。

僅差でポールポジションを逃した元嶋は「前のセッションで走っていたスーパーGTのタイヤのラバーが路面にのりグリップは非常に高かった。昨日の専有走行とはまったく違うコンデイションでした。自分は、おそらくニュータイヤを履くタイミングが1周はやかったと思います。あと1周待てば最高の状態でアタックできたはずなので、それだけが残念です。」と、緊張感に満ちた予選をふり返った。

番手タイムの久保は「最初のほうはあまり差がなく良かったのですが、最終的には差が広がってしまった。とても悔しいですが、どこが遅いのかをちゃんと理解する必要があります。」と冷静にコメント。予選4位の#19永井宏明は「タイムには満足していません。フレッシュタイヤを履いた時にいくつか小さなミスをしてしまった。タイヤのコンデイションが良い時に全体をうまくまとめることができないのが自分の弱点ですね」と謙虚に予選結果を分析した。

ジェントルマンクラスでは#9武井 真司がトップ。そして、#51 ポール イップ、#25内山 清士が続く。武井は「昨日から足まわりの調子が悪く全力でアタックできませんでした。決勝までに原因を究明し問題を解決したいと思います。」と静かに語った。

PCCJ第3戦は、予選終了から4時間20分後の午後4時スタート予定。速さは随一ながらスタンディングスタートをやや苦手とする近藤と、レースでの勝負強さを誇る元嶋の先頭争いに、セカンドローの久保と永井がどのようにからんでくるか。富士スピードウェイでの今季最初のPCCJは、スタートが最初の重要な勝負どころとなる。

ポルシェ カレラカップ ジャパン 2015 第3戦・第4戦(富士)公式予選結果
Pos./Car#/Class-Pos./Driver/Car Name/Best Time/2nd Time
1/78/ /近藤 翼/スカイレーシング/1'42.750/1'43.303
2/15/ /元嶋 佑弥/GARMIN PORSCHE/1'42.765/1'42.838
3/12/ /久保 凛太郎/TEAM KTOUCH PORSCHE/1'43.535/ 1'43.621
4/19/ /永井 宏明/ナインレーシング/1'43.862/1'43.912
5/7/ /星野 敏/D'station HAI 991/1'44.327/1'44.389
6/9/G/武井 真司/ビンゴレーシング/1'44.886/1'44.896
7/51/G/ポール イップ/KCMG ANNIKA 911/1'44.893/1'45.283
8/25/G/内山 清士/NK RACING/1'44.956/1'45.323
9/24/G/剛 覇矢人/みきゃん スペンダーGT3/1'45.032/1'45.092
10/37/G/久保田 克昭/ハナシマレーシング/1'45.207/1'45.271
11/2/G/田島 剛/タジマレーシング/1'45.279/1'45.570
12/98/G/ゴトウ イカリ/チームトーエイスピリット/1'45.902/1'46.075
13/77/G/浜崎 大/Voing Ventiler/1'45.904/1'46.114
14/10/G/齋藤 真紀雄/ビンゴレーシング/1'46.836/1'46.950
15/52/G/春山 次男/はるやまbaby GT3cup/1'47.227/1'48.863
16/11/ /塚本 奈々美/TEAM KTOUCH PORSCHE/1'47.310/ 1'47.457