7月4~5日 富士スピードウェイ(静岡県)

2015年のスーパー耐久、シリーズ第3戦の「富士SUPER TEC」が静岡県の富士スピードウェイで開催され、ST-Xクラスに出場した#24「スリーボンド日産自動車大学校GT-R」(星野敏/藤井誠暢/高星明誠/佐々木大樹)が2位入賞を飾りました。また、#5「MACH MAKERS GT-R」(白井剛/青木孝行/藤波清斗)が3位に入り、ST-Xクラスの表彰台のうち2つを獲得。ST-3クラスでも#14「岡部自動車KYOSHINマイカーズ Z34」(山崎学/小松一臣/増田芳信/杉林健一)と#15「岡部自動車DIXCEチームテツヤZ34」(長島正明/田中徹/田中哲也/今村大輔)が2位、3位表彰台を獲得しました。

ST-Xクラス表彰台
#24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R

早くもシリーズ中盤戦となったスーパー耐久シリーズ。富士大会はこれまでもシリーズ屈指の長時間の戦いとして知られていましたが、今回はさらに1時間長くなった8時間耐久となり、どんなドラマが待っているのか関心を集めていました。総合優勝を争うST-XクラスにはNissan GT-R NISMO GT3が3台エントリー。日産自動車大学校とKONDO RACINGの共同プロジェクトとして参戦4年目を迎えた#24「スリーボンド日産自動車大学校GT-R」は、プロでプラチナドライバーに認定されている藤井誠暢とジェントルマンドライバーの星野敏、SUPER GTやF3にもレギュラー参戦している若手の高星明誠のレギュラートリオに加えて、今回はDドライバーとしてSUPER GTのGT500クラスで活躍する佐々木大樹が助っ人として加わりました。富士スピードウェイはNissan GT-R NISMO GT3が得意とするサーキットの一つで、ディフェンディングチャンピオンの#1「GTNET ADVAN C-WEST GT-R」や、#5「MACH MAKERS GT-R」の活躍にも期待が高まっていました。

土曜日の午後に行われた公式予選は雨に見舞われました。スーパー耐久では、公式予選でAドライバーとBドライバー、2人がそれぞれマークしたベストラップの合計タイムによって決勝のスターティンググリッドが決定される独特のシステムとなっています。コンディションが刻々と変わっていく難しい状況の中、Nissan GT-R NISMO GT3勢は健闘。#1 GT-Rが予選3番手、#24 GT-Rが4番手でグリッド2列目に並び、#5 GT-Rは7番手につけました。

日曜日の午前9時55分、雨は小止みとなっていましたが路面は完全なウェットコンディションとなっていて、セーフティカー(SC)の先導によってスタート。2周を終えてSCはピットロードに向かい、8時間の長丁場となる決勝レースが始まりました。上位陣は予選と同じオーダーで接近戦を繰り広げることになりましたが、やがてライン上からコースが乾いていくとレインタイヤからスリックへと交換するために予定外のピットインを行いました。ところが、スタートから2時間余りを経過したところで雨が落ち始め、再びピットに戻ってドライバー交替すると同時に、今度はスリックからレインタイヤに戻します。しばらくすると今度は霧が濃くなってSCがコースイン。そしてレースが折り返しを迎えたところでもう一度、コース上にまかれたオイル処理のためにSCがコースイン。ピットインのタイミングやタイヤ交換によって順位が目まぐるしく変わり、さらにSCがコースインしてリードが一気になくなってしまう、まさに予想のつかない展開となりました。
4番手グリッドからスタートした#24 GT-Rは高星から星野、佐々木、そして藤井の4人がバトンを繋ぎながら上位をキープし、最後のスティントを再び高星に託して、チームが素晴らしいピットワークで高星を送り出しました。実は後半をタイヤ無交換にすることで、ピットでの作業時間を抑える作戦で、事実、高星はトップで再スタートすることに成功しました。しかしタイヤを交換したライバルのスピードには抗しがたく、再び抜き返されて2位に落ち着きます。それでも最後まで渾身のドライブを続けた高星は2位でチェッカーを受け、開幕戦以来の表彰台を獲得することになりました。#5 GT-Rが3位で続き、序盤のトラブルから遅れをとった#1 GT-Rもレース中のベストラップをマークする速さを見せ、見事な追い上げで8位入賞を果たしました。

藤井誠暢(#24スリーボンド日産自動車大学校GT-R/決勝2位)

「ドライバーの走行可能な周回数や、義務周回数を計算して作戦を立てましたが、ドライバーもチームも、全くミスをせずパーフェクトな8時間レースを戦うことができました。今日のコンディションではトップとのペースに差があったので、ピットインでのタイムロスを短くするために後半をタイヤ無交換で走りきる作戦に変更しました。それで最後のピットインでは高星選手をトップで送り出すことはできましたが、やはりタイヤ無交換だとペース的に厳しくなり(タイヤを交換した)ライバルを抑えきることはできませんでした。でもこれで3戦連続上位入賞となり、シリーズ後半戦に繋がるレースになりました。このプロジェクトも4年目ですが、4年間でベストなレースで、サポートしてくれた日産自動車大学校の学生さんたちにも、レースの緊迫感に加えて達成感も味わってもらえたと思います。いい結果が残せるよう、後半戦も頑張ります。これからも応援よろしくお願いします」

<第3戦 ST-Xクラス>
▼Pos:No:Machine:Driver:Lap:Time
1:3:ENDLESS・ADVAN・BMW YUKE TANIGUCHI/峰尾恭輔/元嶋佑弥:246:8:01'15.130
2:24:スリーボンド日産自動車大学校GT-R 星野敏/藤井誠暢/高星明誠/佐々木大樹:246:8:02'13.086
3:5:MACH MAKERS GT-R 白井剛/青木孝行/藤波清斗:243:8:02'42.916
8:1:GTNET ADVAN C-WEST GT-R GAMISAN/星野一樹/吉田広樹/安田裕信:222:8:02'29.836

<第3戦 ST-3クラス>
▼Pos:No:Machine:Driver:Lap:Time
1:62:DENSO Le Beausset RC350:嵯峨宏紀/新田守男/中山雄一/山下健太:227:8:01'22.633
2:14:岡部自動車KYOSHINマイカーズZ34:山崎学/小松一臣/増田芳信/杉林健一:227:8:02'46.313
3:15:岡部自動車DIXCEチームテツヤZ34:長島正明/田中徹/田中哲也/今村大輔:227:8:02'54.103
4:195:岡部自動車ZEROSUN195Z34:安宅光徳/小泉和寛/輿水敏明/島澤隆彦:218:8:02'26.629

<関連情報>

「日産モータースポーツ」サイト