・ゲーマー出身レーサーだけのチーム初戦としては最上位の総合5位、Pro-Am(プロ-アマ)クラスでは2位に
・プレイステーションのゲーマーが、550馬力を誇るNISSAN GT-R NISMO GT3で現実のレースに挑戦

ドバイ24時間レース


GTアカデミー勝者


2015年1月10日 ドバイ(UAE=アラブ首長国連邦)

ニスモ/プレイステーションGTアカデミーは、プレイステーションのゲーム、グランツーリスモの世界からレーサーを発掘するという偉業を続けています。今回は、ゲーマー出身レーサーばかりのチームで参戦した2015年ドバイ24時間レースで、Pro-Am(プロ-アマ)クラス2位、総合でも見事5位に入る大健闘を見せました。

2014年GTアカデミー優勝の特典として、フルレーシングスペックの550馬力NISSAN GT-R NISMO GT3で名門の国際レースに参戦したのは、ゲイタン・パルトウ(フランス)、アメッド・ビンーカーネン(サウジアラビア)、リカルド・サンチェス(メキシコ)、ニコラス・ハーマン(米国)です。GTアカデミーによる最先端のドライバー育成プログラムでわずか3ヶ月のトレーニングを積んだだけのメンバーが、快挙をもたらしました。新人ドライバーたちと共に、2013年GTアカデミー・ドイツの勝者、フローリアン・ストラウスが、1年半に渡るレース経験を積んだ“プロフェッショナル”としてチームに合流しました。

10回目の開催を迎えたドバイ24時間は、GTアカデミー勝者ドライバーの新人たちが初めて経験する国際レースとなりましたが、ゲーマー出身のレーサーたちがドバイで最高峰のA6カテゴリーに参戦するのも今回が初めてとなりました。今回のゲーマー出身レーサーたちは、規律正しく、コントロールされた落ち着きのある走りを見せ、さらに表彰台に上がるに十分な速さをも披露してみせました。Pro-Amクラスで彼らより上に行ったのは、ふたりのプロフェッショナルドライバーを擁する1チームだけ。このうちのひとりは、GTアカデミーの審査員、ロブ・バーフでした。

ストラウスは、木曜日の予選で23号車を総合14位、Pro-Amクラストップにつけました。ストラウスは金曜日、95台がグリッドに並んだレースのスタートも担いました。ストラウスはヨーロッパ地域勝者のパルトウに交替、その後ドバイの埃が舞う中で、中東地域勝者のビンーカーネンにステアリングを託します。インターナショナル大会勝者のサンチェスと北米地域チャンピオンのハーマンは、5.39kmのサーキットが暗闇に包まれてから最初のスティントを迎えました。

GTアカデミーチームは夜間走行中には、ドライバー交替のタイミングがベストでなかったほか、ドライブスルーペナルティを数回受けたことでタイムをロスしました。しかし陽が上がると、ハーマンから交替したシュトラウスが猛追を見せてクラス2位、総合5位に浮上。続くパルトウが直近のライバルに5周の差をつけて位置を固め、サンチェスに交替しました。その後、#23 NISSAN GT-R NISMO GT3を確実にフィニッシュさせるようチームオーダーが伝えられ、先輩格のストラウスが忠実に指示を完遂して、1年半のレース経験の中で4度目となる24時間レースのチェッカーを受けました。

ドバイは、GTアカデミー勝者たちがプロフェッショナルレーシングの中で成長していくための、大きな一歩です。このレースに挑むことで、プレイステーション3用ゲームソフト、グランツーリスモで培ったスキルを発揮し、ここから広範囲に渡って一気に育成を進めるGTアカデミー・ドライバー育成プログラムによるトップレベルのドライビング、レーシングマシン、体力、精神力を養う修業が本格的に始まっていくのです。相応の速さ、資質、ポテンシャルを見せていけば、ストラウス、ヤン・マーデンボロー、ルーカス・オルドネスのように今では日産のモータースポーツプログラムの重要なメンバーであるニスモアスリートの一員として認められるかもしれません。

ニスモのグローバルヘッドオブブランド・マーケティング&セールス、ダレン・コックスは「素晴らしいパフォーマンスでした。24時間レースは通常、疲労が重なる上にドラマと興奮の連続です。それでも、チームのプロフェッショナリズムを感じることができましたし、我々のマシンの信頼性と速さ、このイベントへの参戦に向けてのドライバーたちの徹底的な準備は、非常に素晴らしいリザルトをもたらすことができました。チームは3トンのスペアパーツをこのイベントに持ち込んで来ましたが、3トンのままチーム拠点に持ち帰ることになるのだと、大声で自慢できますね」と述べました。

「彼らのような若者がゲームで見せた純粋な才能を、現実の世界でのレースに投入するノウハウを通して、GTアカデミーは非常に短い時間の中で素晴らしい才能を秘めたドライバーを発掘し育成することを続けていきます。彼らはいずれも、ドバイで素晴らしい活躍を見せましたし、私たちのレーシングプログラムが成長する中で、GTアカデミーは実に多くの才能ある若手に、厳しくも貴重なチャンスを与え続けるのです。いつものようにGTアカデミーを実現させ、過酷な24時間レースに参加することで注目を集めてくれた偉大なプロフェッショナルチームと、ボブ・ネビル、ニッサンGTアカデミー・チームRJNを誇りに思います」

「プレイステーションを通じて500万人がレーシングマシンにかける夢を追い求めるGTアカデミーは、毎年のように成功を続けています」とソニー・コンピューター・エンタテイメント・ヨーロッパのシニア・ヨーロピアン・ブランド・マネージャー、ペンローズ・タッキーは述べました。「GTアカデミーは、まさに歴史を生み出しており、グランツーリズモのゲーマーたちの人生を実際に変えているのを目の当たりにしています。彼らはここで素晴らしい活躍を収めましたし、このプロジェクトに関わるすべてのスタッフは、この結果に誇りを持っていいと思います」

ニッサンGTアカデミー・チーム RJN チーム代表
ボブ・ネビル

「プロジェクトの初期段階からGTアカデミーに関わってきたので、このようなリザルトを収めてももはや驚くべきではないのかもしれません。しかし、我々の相手となる面々をエントリーリストで見て、やはり驚いてしまいました。本当に素晴らしいリザルトです。ささいなことでペナルティをいくつか受けてしまい、ドライバー交替がタイミングの悪い時に当たってしまう不運もありましたが、それ以外はチームもドライバーも、パフォーマンスにはほぼ問題がありませんでした。このクラスでの2位という結果は実に見事なものですし、大いに満足できる内容です。GTアカデミー卒業生の新人たちと共に参戦することは、いつものようにとても楽しいものになりました」

ゲイタン・パルトウ(フランス)

「素晴らしいリザルトを収めることができてとてもうれしいのです。自分のキャリアの中で、こんなに早くGT-R GT3をドライビングすることになるとは予想していなかったので、今回参戦して多くのプロドライバーたちを相手に表彰台に上がることができて、信じられない気持ちです。チームの素晴らしい努力のおかげでマシンはまったく問題がありませんでしたし、私たちはみんな順調に走行することができ、95台もひしめく難しい状況の中でも接触を避け切ることができました。GTアカデミーで、私の人生は一転しました。5ヶ月前の自分とは、精神面でも体力面でもまったく違う人間になりました。実に多くのことを学び、誰に対しても感謝の気持ちでいっぱいです。今後も、さらにレースの機会を与えていただければと願っています」

リカルド・サンチェス(メキシコ)

「私の父がショッピングセンターでGTアカデミーのライブイベントを見なければ、私はここにいませんでした。ですから、私の家族みんなに心から感謝しています。私が生まれて初めて参戦する国際レースでGT-R GT3をドライブするチャンスを得られたのは、本当に素晴らしい機会でした。370Zでのレースとは、ダウンフォースもブレーキングも段違いで、世界トップのスポーツカードライバーを相手にレースをするのは、最高です。我々ゲーマーチームは、両手を上げて“ついにここに来たんだ!”と叫びました。今後も、誰もが誇りに思えるような活躍を続けることができればと思います」

アメッド・ビンーカーネン(サウジアラビア)

「最高です。私の母国からそれほど離れていないので、家族や友人、多くの人々が私の名前を叫んでくれて、素晴らしい気分です。6ヶ月前にはソファの上でプレイステーションをしていた私が、名門レースで世界トップクラスのドライバーを相手に表彰台に上がっているなんて、信じられません。私たちを信じて、このような大きなイベントでGT-Rを走らせてくれたRJNに感謝しています。間違いなく正しい選択だったと思います」

ニコラス・ハーマン(米国)

「信じられません! この機会を与えてくれた日産とプレイステーションには、本当に感謝しています。今日は、GTアカデミーの素晴らしさを大いに見せることができたと思います。このクラスで私たちにチャンスがあるなんて誰も思わなかったと思いますが、RJNチームをはじめみんなが素晴らしい仕事をしました。レースも長いとは感じませんでした。マシンの中で一周一周を走るのはあっという間でした。もう家に帰らなくてはならないのが名残惜しいくらいです」

フローリアン・ストラウス(ドイツ)

「この結果をうれしく思います。レースのスタートはとてもプレッシャーを感じていましたが、すぐにいいリズムをつかむことができました。新人のみんなも同様です。そして、素晴らしい走りをしました。夜の間はするべきことをして、私がペースを上げてゲイタンが差を広げてくれたので、後はプレッシャーを感じることなく安全にマシンをフィニッシュさせるだけでした。今回は、私にとってこの1年半で4回目の24時間レースでした。いつも厳しいのですが、私は大好きです。とてもエキサイティングですし、今朝のダブルスティントでもマシンのフィーリングはとてもよく、あと2時間はそのまま走っていられそうなほどでした。新人ドライバーたちもがんばりましたし、みんなとても速かったので、これからも目を離すことができませんね」

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「日産モータースポーツ」サイト