トヨタ ノア/ヴォクシー▲モデルチェンジで4代目に生まれ変わったノアとヴォクシー。左から順にノアのエアロ仕様、ノア標準車、エアロ仕様のみが用意されているヴォクシー

任意の位置で保持できる世界初のハッチゲート

トヨタは、1月13日にノア/ヴォクシーをモデルチェンジし、全国で発売した。月販目標台数はノアが8100台、ヴォクシーが5400台。設定グレードと税込み価格は下記のとおり。

【ノア2Lガソリン 2WD/4WDの順に表記。とくに注記がない場合は7人乗りと8人乗りを同価格で設定】
・X 267.0万円/286.8万円
・G 297.0万円/316.8万円
・Z(7人乗りのみ) 324.0万円/343.8万円
・S-G 304.0万円/323.8万円
・S-Z(7人乗りのみ) 332.0万円/351.8万円

【ノア1.8Lハイブリッド 2WD/4WDの順に表記。とくに注記がない場合は7人乗りと8人乗りを同価格で設定】
・X 305.0万円/327.0万円(4WDは7人乗りのみ)
・G 332.0万円/354.0万円(4WDは7人乗りのみ)
・Z(7人乗りのみ) 359.0万円/381.0万円
・S-G 339.0万円/361.0万円(4WDは7人乗りのみ)
・S-Z(7人乗りのみ) 367.0万円/389.0万円

【ヴォクシー2Lガソリン 2WD/4WDの順に表記。とくに注記がない場合は7人乗りと8人乗りを同価格で設定】
・S-G 309.0万円/328.8万円
・S-Z(7人乗りのみ) 339.0万円/358.8万円

【ヴォクシー1.8Lハイブリッド 2WD/4WDの順に表記。とくに注記がない場合は7人乗りと8人乗りを同価格で設定】
・S-G 344.0万円/366.0万円(4WDは7人乗りのみ)
・S-Z(7人乗りのみ) 374.0万円/396.0万円

新型ノア/ヴォクシーは、ボディ骨格の最適化によって左右のCピラー間隔が従来より75mm広い1295mmに設定され、1405mmの室内高と相まって開放感のあるキャビンを創出。床下収納スペースであるスーパーラゲージボックスは104Lの大容量を誇り、背の高い荷物を載せるときに重宝する。

7人乗りモデルの2列目には、キャプテンシートが採用されている。クラス初のオットマンとヒーターがオプション設定されており、折りたたみ式サイドテーブルも用意。745mmの超ロングスライドは、シートを横にスライドさせることなく行えるようになった。
 

トヨタ ノア/ヴォクシー▲2列目キャプテンシートに745mmの超ロングスライド機構が備わる7人乗りのキャビン。クラス初の2列目オットマンとシートヒーターも用意されている

8人乗りモデルの2列目には、6:4分割式の3人掛けチップアップシートが備わる。こちらのスライド量は705mmだ。また、オプションで2人掛けベンチシートも用意されており、選択時にはシート左側に乗降スペースが確保されて3列目への乗降が容易に行える(選択時の乗車定員は7人に減る)。
 

トヨタ ノア/ヴォクシー▲2列目にチップアップ式ベンチシートが採用されている8人乗りのキャビン。明るく開放的なフロマージュ内装はノア標準車のみに設定されている

電動スライドドア装着車の助手席側には、ユニバーサルステップが設定されている。これは、ドア開閉に合わせて機械式ステップが展開&格納する仕組みで、地面からステップまでの高さは200mmに設定。

また、左右Bピラーにはロングアシストグリップが装備されており、上部と下部でグリップの太さを変えることで、子供から大人まで掴みやすい。

さらに、ドア下方に足をかざすだけでスライドドアを開け閉めできる、ハンズフリー仕様も用意されている。両手がふさがっているときに便利だ。

この電動スライドドアには、後方からの接近車両を検知すると車内に注意喚起を行い、途中で停止またはオープン操作をキャンセル安心降車アシストもオプションで用意されている。
 

トヨタ ノア/ヴォクシー▲Bピラーには上下に長いロングアシストグリップが装備されている。さらに、助手席側には3万3000円でユニバーサルステップをオプション装着できる

ハッチゲートには、「からくり」によって任意の角度で保持できるフリーストップ機構を世界初採用。壁際に寄せて駐車した際にも荷物が出し入れしやすい。また、オプション設定の電動ハッチゲート装着時にはボディ左右に開閉スイッチが設けられる。
 

渋滞中のステアリング操作や車線変更アシストなど、ドライバーをサポート

安全装備のパッケージであるセーフティセンスは、最新版にアップデート。車両や歩行者、自転車の検知範囲が拡張され、衝突回避および被害軽減に寄与する。また、交差点右折時にも対向車や横断歩行者および自転車を検知する。

低速走行時に自車の前を横切る歩行者や自転車、車両を検知すると加速を抑制する低速時加速抑制機能は、パーキングサポートブレーキとともに低速域での検知対象を拡大。

緊急時操舵支援機能は、万一の際ドライバーの操作がなくても、システムが危険と判断した場合にはプリクラッシュ・ブレーキと操舵制御を行う。
 

トヨタ ノア/ヴォクシー▲セーフティセンスは、右折時にも対向車両や横断歩行者を検知してドライバーに注意を促し、必要に応じて自動ブレーキが作動する

トヨタブランドの車で初設定されるプロアクティブドライビングアシストは、リスクを先読みして歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようステアリングとブレーキ操作をサポートする。先行車やカーブに対しても減速操作をサポートし、ペダルの踏み替え頻度を低減する。

ドライバーのウインカー操作をキッカケにして操舵を行うレーンチェンジアシスト、左右からの接近車両を検知して表示と警告音でドライバーに注意を喚起するフロントクロストラフィックアラートは、大半のグレードにオプション設定。

アドバンスト・ドライブは、渋滞中(約40km/h以下)にレーダー式クルーズコントロールとレーントレーシングアシストを作動させているとき、ドライバーが前方を向いているなど条件が満たされるとステアリング操作を支援する。

アドバンスト・パークは、後退駐車に加えて前向き駐車&後退出庫にも対応。ハイブリッド車には専用アプリをインストールしたスマホを使って車外から遠隔操作できるリモート機能も備わる。
 

トヨタ ノア/ヴォクシー▲駐車時にステアリング操作や車速をアシストするアドバンスト・パークはオプション設定。ハイブリッド仕様はスマホを介して車外からも遠隔操作できる

システムが刷新されたハイブリッド仕様にも4WD車を新設定

外観は「堂々・躍動的な力強いハコ」をテーマにデザインされた。ノアはシンプルさが追求され、ボディ同色のグリルとキレのあるランプ類でモダンなスタイルを実現。メッキグリルで強い押し出し感が演出され、ワイド&ローに見える後ろ姿も魅力のエアロ仕様も用意されている。
 

トヨタ ノア/ヴォクシー▲ワイド&ローに見えるよう設計されたノア エアロ仕様のリアビュー。ハッチゲート側のテールランプは上級グレードのみ点灯する

ヴォクシーは、先鋭かつ独創的なスタイルを追求。ラウンドしたアッパー部分とスクエアなロア部分で構成されたフロントマスクが特徴的だ。

新色として、ノアのエアロ仕様にはグリッターブラックガラスフレークを、ヴォクシーにはマッシブグレーを設定。
 

トヨタ ノア/ヴォクシー▲ノアとはリアコンビランプの色調が異なるヴォクシーのリアビュー。写真のマッシブグレーは新開発されたボディカラーである
トヨタ ノア/ヴォクシー▲内装はブラックアウトされた細いフロントピラーと、水平基調で低くワイドに構えたインパネによって見晴らしの良さが実現されている

シャシーには、GA-Cプラットフォームを採用。全高を感じさせない上質な乗り心地と優れた操縦安定性がもたらされる。また、高剛性ボディに対し、前後サスペンションのジオメトリーを最適化。前輪にはストラット式、後輪にはトーションビーム式のサスペンションが採用されてフラットな走りが追求された。

ハイブリッド仕様は、電動モジュールをすべて刷新。モーターおよびバッテリーの高出力化とシステムの高効率化によって、心地よい加速と優れた燃費が両立されている。WLTCモード燃費は23.4km/L。

さらに、E-Four(4WD)モデルを新設定。コーナリング中も前後トルク配分が最適配分されて高い操縦安定性が確保される他、後輪トルクを上げることで降雪時でも上り坂で安心して発進できる。
 

トヨタ ノア/ヴォクシー▲電動モジュールが一新されたハイブリッド仕様。1.8Lエンジンとモーターが発揮するシステム出力は140ps

ガソリン車には、2Lダイナミックフォース・エンジンとCVTが搭載され、WLTCモード燃費でクラストップレベルの15.1km/Lを実現。CVTにはマニュアル感覚で扱える10速シーケンシャル・シフトマチックが備わっている。

高精細HDワイドディスプレイ(8インチまたは10.5インチ)採用のオーディオは、コネクティッドナビに対応している。車両搭載の地図情報に加え、データセンターから通信で取得した新しい地図や施設情報を用いて目的地検索とルート設定が行える。音声認識サービスでの目的地設定も可能。初度登録日から5年間無料で使え、6年目以降は有償で継続採用できる。

車がWi-Fiスポットになる車内Wi-Fiをトヨタ・ブランドで初採用。全車に標準装備されているDCM(車載通信機)を通じてデータ通信容量無制限でスマホなどの通信機器がインターネットに接続できる。
 

トヨタ ノア/ヴォクシー▲ディスプレイ画面は車載の地図情報と通信で得られる情報が併用されるコネクティッドナビに対応している。写真のようにスマホを連携させることも可能だ

福祉車両のウェルキャブには、車いす仕様車やサイドリフトアップチルトシート装着車など持ち込み登録が不要な5モデルと、持ち込み登録の2モデルが用意されている。一部モデルにはハイブリッド仕様も設定。

車いす仕様車は、乗車から固定までの操作がシンプルに行える新機構の採用によって乗降性が向上した。併せて架装部分の価格が見直されて購入者の負担が軽減された。
 

トヨタ ノア/ヴォクシー▲シンプルな機構で操作性が向上した車いす仕様車をはじめ、福祉車両には複数のタイプがラインナップされている。一部のモデルは持ち込み登録が不要
文/マガジンX編集部、写真/トヨタ