5月14(金)-17日(日)、ドイツ・ニュルブルクリンクでニュルブルクリンク24時間耐久レースが開催された。1970年に始まり、今年で43回目を迎えたニュルブルクリンク24時間耐久レース。1周約25km、高低差約300mという過酷なコースを、排気量やサイズ・改造の度合いなど性能差のあるマシンが一斉に走行し24時間を戦い抜く。
TOYOTA GAZOO Racingは、人材育成と車両開発を目的として2007年から参戦。当初からチームのメカニックはトヨタ自動車社員で構成している。9年目の挑戦となる今年は、LEXUS LFA Code X(53号車・SP-PROクラス)とLEXUS RC(187号車・SP-3Tクラス)の2台で参戦した。

ランデブー走行でチェッカーを受ける、LEXUS RC(左)とLEXUS LFA Code X(右) ランデブー走行でチェッカーを受ける、LEXUS RC(左)とLEXUS LFA Code X(右)
メカニックはトヨタ自動車社員で構成 メカニックはトヨタ自動車社員で構成


14日(木)の予選1回目は4時間。ちょうど日没からナイトセッションの中での走行となった。フリー走行終了間際から降り始めた雨によりウェット路面の中でタイムアタックを行うも、予選途中に雨はやみ、ドライに変化。LEXUS LFA Code Xは10分01秒614でSP-PROクラス2位、LEXUS RCは11分24秒255でSP-3Tクラス5位を獲得した。

15日(金)は予選2回目とトップ30予選が行われた。予選2回目は2時間。LEXUS RCは蒲生/松井選手が走行を行い、10分00秒116でSP-3Tクラス4位という結果となった。
LEXUS LFA Code Xはすでに4月12日に行われた予選レースでSP-PROクラス優勝しており、トップ30予選出場権を獲得。石浦選手のアタックで8分26秒280を記録し、総合23位で決勝を迎えた。

16日(土)現地時間16時に決勝レースはスタート。スタートドライバーはLEXUS LFA Code Xが大嶋選手、LEXUS RCは木下選手がステアリングを握った。
途中コースの一部で降雨が見られたため、タイヤ交換のためにピットインを重ねるものの、2台は順調に走行を続けた。

完全に日も落ちた23時、LEXUS LFA Code Xに乗る石浦選手から「マーシャルカーと接触し右リアが破損」の連絡が入るが、4本のタイヤ交換とパネルの応急処置を行い、ピット作業を約8分で終えピットアウト。そこから2台は、『何もないことが怖いくらい』と言う言葉がメカニックから出るほどの安定感でナイトセクションの走行を続けた。

日が出始めた6時、2台は危険なナイトセクションでも他車に接触されることなく朝を迎え、マシンはすこぶる順調。9時を過ぎる頃には、LEXUS LFA Code XはSP-PROクラストップで順位を上げ、総合17位。LEXUS RCはSP3Tクラス2位、総合37位まで浮上した。
しかし、ゴールまで残り2時間となった14時、それまで順調に走行していた2台に突如トラブルが襲った。LEXUS LFA Code Xは駆動系のトラブルで6速が入らなくなるも、5速までで問題なしと判断しそのまま走行。LEXUS RCは突然電源が落ちる兆候があったが、原因を突き止め対策を施してコースへ復帰させている。

最終スティントは、LEXUS LFA Code Xは井口選手、LEXUS RCは佐藤選手がドライブ。16時にチェッカーフラッグが振られ、2台はランデブー走行でゴールラインを通過。結果はLEXUS LFA Code Xが総合14位でSP-PROクラス優勝、LEXUS RCは総合39位でSP3Tクラス4位を獲得した。

井口選手は「自分がチェッカードライバーになるとは思わなかったので光栄でした。6速ギアがない中での2周は長かったですが、大嶋選手のアドバイスがあったので上手く走り切れました。ファイナルラップは走り切ったドライバーにコースサイドから観客の皆さんが手を振ってくれるんです。それを見て、24時間走り切ってよかったことを実感しました」。
また、佐藤選手は「最後にトラブルがでてドキドキしましたが、大事に走らせたので大丈夫でした。疲れたけれど完走できてよかったです。クルマはエンジンも何も問題なく、上出来だったと思います」と共に喜びを語ってくれた。

チーム代表のモリゾウは「私の場合は順位よりも、本当にみんなでマシンを仕上げ、最後まで2台揃って完走できたことが嬉しいです。みんなの顔つきを見ると、この活動を続けてきてよかったなと思うのと同時に、これからも続けていかなければ…という気持ちが芽生えました。」とチームを祝福。

TOYOTA GAZOO Racingのニュルブルク24時間耐久レースへの挑戦は、これからも続いていく。


【ニュルブルクリンク24時間耐久レース2015】

エントリー:152台/決勝出走:151台/完走:102台/リタイア49台
号車:車両:クラス:ドライバー:周回数:総合順位:クラス順位
■53:LEXUS LFA Code X:SP-PRO:影山 正彦 石浦 宏明 大嶋 和也 井口 卓人:147:14位:優勝
■187:LEXUS RC:SP-3T:木下 隆之 佐藤 久実 蒲生 尚弥 松井 孝允:131:39位:4位

・予選1回目 レポート http://gazooracing.com/detail/7887650
・予選2回目 レポート http://gazooracing.com/detail/7898209
・決勝レース 速報 http://gazooracing.com/detail/7900055