加速性能と燃費を両立させるVCMや可変ステアリングなどで
走りの性能を高め、280psセダンに進化

(Photo/篠原晃一)
ホンダ インスパイア
↑全長は4940mm、全幅は1845mm、ホイールベースは2800mmと、もはやアッパークラスに引けを取らないビッグサイズとなったニューモデル

コンセプト
状況に応じ、6/4/3気筒を燃焼させるVCMを装える
ボディサイズはさらに拡大し、5mに迫る勢いだ

ホンダの上質なミドルクラスセダン、インスパイアがフルモデルチェンジされた。世界的な動向を反映して、さらにサイズは拡大され、全長は5mに届こうかという勢い。従来モデルと較べると、全長で+85mm、全幅で+25mmの拡大だ。エンジンはVCM機構を備えた3.5L・V6。これまでクルーズ走行時に6気筒のうち3気筒を自動的に休ませることで省燃費が図られていたが、さらに2気筒休ませるという3つ目のモードが用意され、加速性能と低燃費化がいっそう図れれることになった。最高出力はレギュラー仕様ながら280ps。またVCMの特性を活かすようにギアレシオが見直され、不要な変速がなくなった新5速ATが組み合わされる。さらに操舵量を適切に変化させるVGR(可変ステアリングギアレシオ)も装備した。

バリエーション
危険を予測して減速させるCMBS
車内のこもり音を打ち消すアクティブノイズコントロールを装備

グレードは35iLと35TLの2つ。ともに3.5LのV6を搭載する。6エアバッグや横滑り防止装置、電動シート、左右独立エアコン、リア電動サンシェード、助手席側ドアミラーリバースなどは全車標準装備。クルーズコントロールも標準だが、「35iL」はミリ波レーダーによって前方の車両との距離を自動制御するACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)機能が備わる。同様に、ミリ波レーダーを使うことで追突を予測し、ドライバーに危険を知らせるとともに追突速度を低減するCMBS(追突軽減ブレーキ)も35iLに標準だ。また車内の静粛性を高めるためにエンジン振動を予測して打ち消すアクティブコントロールエンジンマウント、さらにエンジンからのこもり音を打ち消すために逆位相の音を発生して打ち消すというアクティブノイズコントロールも全車に備わる。

内外装
サイドのキャラクターラインが鮮烈な外観
低床化で広々とした居住空間がウリ!

フロントノーズからリアデッキにかけて、彫刻刀で彫り込んだようなキャラクターラインが特徴のエクステリア。そして厚みを持たせたノーズと短いルーフで、スポーティなプロポーションを演出。6角形の大型グリルも存在感抜群。また外まわり以上に進化しているのがインテリア。乗員の前後左右の距離が25mm広げられ、ゆとりある空間が作り出されている。これは単にサイズ拡大によるものだけではなく、新設計フロアにより低床化が図られていることも大きな要因。チルト&テレスコピック機構付きステアリングや電動調整シートでドラポジも文句なし。スマートキー(イモビつき)や親水ドアミラー、そしてHIDライトも標準。トランクは510Lを確保。新型インスパイアには、大人の車好きのための心地良い空間が備わっている。
POINT

[1]ボディ前後を絞り込むことで
フェンダーまわりのボリュームを演出
ホンダ インスパイア リアエクステリア
[2]静粛性を高める機構を備えく
高級感+スポーティな演出が施された
ホンダ インスパイア インパネ
[3]15mmの低床化やボディの拡大で
広々とした快適な空間を確保
ホンダ インスパイア シート
[4] 気筒休止機能を進化させた
280psの3.5LV6エンジン
ホンダ インスパイア エンジン


グレード 35iL 35TL
駆動方式 2WD(FF)
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4940×1845×1475
ホイールベース(mm) 2800
車両重量(kg) 1610 1600
乗車定員(人) 5
エンジン種類 V6SOHC
総排気量(cc) 3471
最高出力[kW(ps)rpm] 206(280)/6200
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 342(34.9)/5000
10・15モード燃費(km/L) 9.8
ガソリン種類/容量(L) レギュラー/70
車両本体価格(万円) 390.0 330.0
発表日:平成19年12月20日 取り扱い:ホンダカーズ