ダイハツ タント(4代目・現行型)▲軽自動車は、全長3.4m以下×全幅1.48m以下×全高2m以下というミニマルなボディが特徴。大人気のカテゴリーだけにラインナップも多様だが……。画像はダイハツ タント(4代目・現行型)

「買ってはいけない軽自動車」を考察。軽自動車選びのコツも解説

小柄なボディとリーズナブルさ、多様なボディタイプで幅広い層から支持を集める軽自動車。今や日本で最も売れている自動車となったが、軽自動車の情報をネットで収集しているとネガティブな意見を目にすることも。

中には「買ってはいけない軽自動車」という気になるフレーズもあり、戸惑いやためらいを感じる人もいるだろう。そんな不安を解消するべく、今回は「買ってはいけない軽自動車」について検証・考察。併せて失敗しない軽自動車の選び方や、オススメの車種を紹介する。
 

 
 

買ってはいけない軽自動車とは? 存在する?

結論から言おう。「買ってはいけない軽自動車」と断言できる車は存在しない。最近の軽自動車は走行性能が高く、装備も充実。年式が古くても、きちんとメンテナンスされていれば問題なく走行し、日常使いには十分だ。

では、どうして「買ってはいけない軽自動車」という言葉が生まれたのか? それは、自分の暮らしや用途と合っていない軽自動車を選んだことによる失敗が原因だろう。実際、車と用途のミスマッチによる事例が「買ってはいけない軽自動車」の失敗談として語られており、車種レベルの問題は見つからなかった。

事例1:少人数&小荷物での移動が多いのに軽スーパートールワゴンを選択
室内が広さに魅力を感じて軽スーパートールワゴンを選ぶ人は多い。積載性などメリットの多いボディタイプだが、一方でデメリットも存在する。背が高いため、他の軽自動車と比べると横風にあおられやすく、コーナリングでも不安定になりやすい。車両価格も高い傾向にある。

そのため、人によっては軽スーパートールワゴンの長所を生かせず不満を感じてしまうこともある。乗車人数が1~2名、荷物も日常の買い物や小旅行用のバッグ程度なら、比較的リーズナブルで走行性能が高い軽トールワゴンなどの方が向いている。
 

スズキ スペーシア(3代目・現行型)▲最新の軽スーパートールワゴンは走行性能が向上し、安定性も高められている。こちらはスズキ スペーシア(3代目・現行型)

事例2:家族の送り迎えがメインなのに軽セダンを購入
近所で家族を送迎する場合、経済的な軽自動車は悪くない選択だ。移動時間が短いからと燃費性能優先で軽セダンを選ぶと後悔することがある。走行性能や燃費性能に優れる軽セダンだが、背が低いので室内は狭め。ドア開口部も広くはなく、小さな子供やお年寄りだと乗り降りにしくいことも。

短距離の移動が多かったとしても、家族を送り迎えするなら軽スーパートールワゴンが妥当。スライドドアを備えており、開口部も一般的なコンパクトカーより広いため、不満を感じることは少ないだろう。
 

ダイハツ ミライース(2代目・現行型)▲ミニマルなボディの軽セダンだが、日常の足としては不便さを感じることはないだろう。画像はダイハツ ミライース(2代目・現行型)

事例3:坂道や高速道路も走るのにノンターボの軽自動車をセレクト
軽自動車でも坂道や高速道路を問題なく走れるが、場合によっては通常より大きなパワーを求められることもある。そういったシーンが多い人でノンターボ車を選んでいると、物足りなさを感じかねない。

軽自動車は「64馬力」の自主規制を敷いているが、車種によって最高出力と最大トルクに差がある。特にターボ車とノンターボ車の差は顕著なので、パワーが必要ならターボ車を選ぼう。それでも走行性能が足りないと感じたなら、乗用車の方がマッチするはずだ。
 

スズキ アルトワークス(8代目)▲軽自動車はパワーが少なくともボディが軽量なので、軽やかに加速する車種も存在する。画像はスズキ アルトワークス(8代目)
 

世間で言われる「買ってはいけない理由」は本当?

買ってはいけない軽自動車は「存在しない」と断言したが、それでもまだ不安を感じている人がいるかもしれない。というわけで、世間で「買ってはいけない」と言われている軽自動車について調べてみた。

・年式がかなり古い軽自動車
・先進安全装備が付いていない軽自動車
・リセールバリューが高い軽自動車


これらは「買ってはいけない軽自動車」として挙げるのは適切でない。人によっては避けるべきかもしれないが、一部の人にとっては選択肢となり得るからだ。以下その理由について説明していく。

年式が古すぎる軽自動車は買ってはいけない?
年式が古すぎると買ってはいけない理由としては「性能の低さ」と「故障しやすいこと」が挙げられる。ここ十数年の軽自動車の進化は目覚ましく、以前の車種と性能差を感じやすい。また、年式が古いモデルは、現行型と比べるとトラブルの可能性も高くなることも否定はできない。

ただ、それは軽自動車に限らないし、きちんとメンテナンスされていれば故障も起こりにくい。軽自動車は新しめの車種も比較的リーズナブルに購入できるため、多くの人にとって古い車種は避けるべきかもしれないが、レトロな車が好きな人や、昔ながらの2ストエンジンを味わいたい人などもいる。古いからといって「買ってはいけない」とは断言できない。
 

ホンダ S660(初代)▲最近の車では少なくなったMT車に乗りたいなら、絶版車に目を向けるのも手。こちらはホンダ S660(初代)

先進安全装備が付いていない軽自動車は買ってはいけない?
軽自動車では先進安全装備がおおむね十年前から採用されるようになり、ここ数年で標準装備として一気に普及した。当然、安全性能は高い方が良く、先進安全装備を望む人は大多数だろう。

しかし、ごく短距離の移動が多い人や、購入費用をとにかく抑えたい人にとっては先進安全装備の優先順位は低いだろう。また、過去の名車などに乗りたい場合、条件に入らない人もいるはず。先進安全装備が付いているに越したことはないことが、搭載していない軽自動車を「買ってはいけない」とするのは言いすぎだろう。
 

スズキ ワゴンRスマイル(初代・現行型)<ー▲先進安全装備を優先したい人は、できるだけ新しい車種を狙いたいところ。ただ、車両価格が高くなるので、予算とのバランスを考慮したい。こちらはスズキ ワゴンRスマイル(初代・現行型)

リセールバリューが高い軽自動車は買ってはいけない?
一部では「リセールバリューが高い車は販売価格も高い。中古車でも新車時価格と変わらないので避けるべき」という意見もあった。だが、高く買って高く売れるならトータルでは損することはないだろう。

新車と中古車は別の商品であり、そもそも比較するのが難しいが、納車が早いのは中古車ならではのメリットだ。新車と車両価格が同程度でも、自分の条件に合っているなら、納車を待たない中古車を選ぶ人もいるはず。リセールバリューが高いから軽自動車を買ってはいけないというのは、いささか無理がある。
 

スズキ ジムニー(4代目・現行型)▲リセールバリューが高いのはSUVで、それは軽自動車であっても同様だ。こちらはスズキ ジムニー(4代目・現行型)
 

失敗・後悔しない軽自動車の選び方

軽自動車選びでは、自分のライフスタイルから車に求めるニーズを具体化することが第一。そのうえで次の3つに注目すれば、「こんなはずではなかった!」という失敗は防げるはずだ。

ポイント1:ボディタイプ
実は軽自動車には多様なボディタイプが存在し、特徴がそれぞれ異なる。以下に主なボディタイプをまとめたので、まずは自分のニーズに適したタイプを見極めること。そのうえで、より用途や予算に合った車種を選んでいくと良いだろう。
 

ホンダのNシリーズ▲軽自動車選びでは、まずボディタイプを決めること。画像はホンダのNシリーズ

ポイント2:パワートレイン&駆動方式
パワートレインと駆動方式は、走りの特性を左右する。軽自動車で搭載されるパワーユニットは、主に5種類。ガソリンエンジンは最もリーズナブルで、同ターボはパワーに優れている。モーターでエンジンをアシストするマイルドハイブリッドは、走行性能と燃費性能を両立。ハイブリッドとモーターはよりパワフルかつ低燃費となる。

オススメなのはバランスが良いマイルドハイブリッドと力強いガソリンターボだが、購入費を抑えたいならガソリンエンジンがベター。ハイブリッドとモーターは選択肢が少ないが、高性能なので採用車種が自分にマッチするなら積極的に検討したい。駆動方式は、基本的に低燃費なFFが無難。ただ、走行安定性を優先したい人や、坂道や雪道、オフロードなどをよく走る人には4WDが有力だ。
 

日産 サクラ(初代・現行型)▲モーターのみで走行する軽EVは、まだまだレア。こちらは日産 サクラ(初代・現行型)

ポイント3:快適・安全装備
軽自動車は車種によって装備類がけっこう異なるので、自分に必要な装備が採用されているか要チェックだ。例えば、電動スライドドアや防水・防汚タイプのシート表皮・荷室、ラゲージアンダーボックスなどは付いていると便利だろう。また、大開口のスライドドアや大型ガラスルーフなど、その車種ならではの装備もあるので、注目すると満足度が上がるはず。

もちろん、先進安全装備にも注目したい。最近の軽自動車には標準化されているが、メーカーや車種によって搭載する機能は異なる。特に駐車支援システムや全周囲モニター、ヘッドアップディスプレイなどは車種によってマチマチ。必要なら、気にかけてみると良いだろう。
 

スズキ ワゴンR(6代目・現行型)▲同じ衝突回避支援ブレーキでも、少し前のモデルは最新モデルより検出範囲が少ない。先進安全装備にこだわるなら注意しよう。画像はスズキ ワゴンR(6代目・現行型)
 

広くて快適なスライドドア付きオススメ軽自動車5選

ここからは軽自動車のオススメ車種を紹介していく。まずはファミリー層に人気のスライドドア搭載車を5つセレクトした。
 

 

1.ホンダ N-BOX(3代目・現行型)|軽トップクラスの広い室内

1.ホンダ N-BOX(3代目・現行型)▲10年連続で軽販売台数1位を達成したN-BOX。2023年10月に登場した3代目モデルでは、フロントグリルに丸穴デザインが採用される

軽ハイトワゴンで圧倒的な人気を誇るN-BOX。人気の理由は見た目の可愛らしさ……だけでない。軽乗用車最大級の車内空間や、どの席に座っても見晴らしが良いシートレイアウトの良さなど、実力あってのものだ。

現行型となる3代目では丸穴デザインびフロントグリルと、ヒトの瞳に似せた形のヘッドライトを採用。身近さと親しみやすいルックスとなっている。

標準装備される先進の安全運転支援システム「ホンダ センシング」は近距離衝突軽減ブレーキと急アクセル抑制機能も搭載。新世代コネクテッド技術を搭載する「ホンダコネクト」もホンダの軽自動車として初めて採用されるなど、安全性能と快適性が充実している。
 

1.ホンダ N-BOX(3代目・現行型)▲独自技術の「センタータンクレイアウト」で居住空間が拡大。前後シート間隔は2.0Lミニバン並みで、大人が足を組んでくつろぐこともできる

カーセンサーの掲載台数は約5800台(2025年2月9日現在)。比較的新しいモデルのため、掲載車両のほとんどが走行距離5000km未満となっている。

車両平均価格は約176万円。「ファッションスタイル」や「カスタム」などの上位グレードは、やはり中古車でも価格が高い傾向にある。ただし、グレードにこだわりがなければ、総額150万円以内でも低走行車を狙うことが可能だ。
 

▼検索条件

ホンダ N-BOX(3代目・現行型) × 全国

【3代目N-BOXの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1790~1815mm
室内寸法:室内長2125mm×室内幅1350mm×室内高1400mm
燃費(WLTCモード):18.4~21.6km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンエンジン/同ターボ
排気量:658cc
エンジン最高出力:58~64ps
エンジン最大トルク:65~104N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:164.9万~238.3万円
中古車の車両価格帯:119.8万~288.1万円
※データは福祉車両も含む(以下略)
 

 

2.ダイハツ タント(4代目・現行型)|超使いやすい「奇跡のドア」

ダイハツ タント(4代目・現行型)▲2019年7月に新世代の設計思想でフルモデルチェンジされた4代目タント。標準モデルには「L」「X」「Xターボ」の3グレードをラインナップ

軽スーパーハイトワゴンというジャンルを築いた立役者といえばタントだ。現行型となる4代目でも、広い室内と利便性の高さが魅力だ。

助手席側がピラーレスとして開口部を拡大した「ミラクルオープンドア」に加えて、運転席を最大540mmのスライドが可能なロングスライドシートも採用。小さな子供のいるファミリーはもちろん、シニアや荷物をたくさん載せたい人にとっても使い勝手が良い。

走行性能も進化している。サスペンションの配置を最優先させたシャシー設計は乗り心地のよさに直結。エンジンも新機構のCVTを採用するなどしてWLTCモードで18.2~22.7km/Lという低燃費と加速性能が両立されている。
 

ダイハツ タント(4代目・現行型)▲「助手席イージークローザー」「タッチ&ゴー機能」「ウエルカムオープン機能」などファミリーにうれしい機能を多数備える

カーセンサー掲載台数は約6140台と豊富。年式では2023年式以降が充実しており、およそ1/3が走行距離1万km未満となっている。

車両平均価格は約152万円。デビュー直後の2019年式なら低走行車でも総額100万円以下で見つけられる。ただし、2022年9月以前だと、先進安全装備である「スマートアシスト」が非装着の物件があることは理解しておこう。
 

▼検索条件

ダイハツ タント(4代目・現行型) × 全国

【4代目タントの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1755~1805mm
室内寸法:室内長2125mm×室内幅1350mm×室内高1370mm
燃費(WLTCモード):18.2~22.7km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンエンジン/同ターボ
排気量:658cc
エンジン最高出力:52~64ps
エンジン最大トルク:60~100N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:122万~208.5万円
中古車の車両価格帯:32万~270万円
 

 

3.スズキ スペーシア(3代目・現行型)|使い勝手と個性を両立

スズキ スペーシア(3代目・現行型)▲2023年11月に登場した3代目スペーシア。2024年5月には新グレードとして「ギア」が加わった

スペーシアは車内空間の広さや基本性能の高さに加え、デザインにもこだわった軽ハイトワゴン。現行型となる3代目は標準モデル、「カスタム」、「ギア」と外観の異なる3つのスタイルが展開されている。

愛らしいルックスの標準モデルに対して、上位グレードに位置づけられるカスタムは大型フロントグリルなどで迫力満点。もう一方のギアはSUV風のスタイルで、たくましさを演出している。

インテリアでは、広い室内とシートアレンジの多彩さが特徴。後席に備わるマルチユースフラップも便利だ。オットマンとしてだけでなく、荷物の落下を防ぐストッパーとしても使え、快適性と利便性を兼ね備えている。
 

スズキ スペーシア(3代目・現行型)▲シートバック中央部を前に倒すと左右独立した後席アームレストになる

カーセンサーには約3980台を掲載。スタイル別では標準モデルよりカスタムの方が若干多い。しかし、ギアは全体の1割弱といまだ少なめ。年式別では、2024年式が全体の7割近くとなっている。

車両平均価格は約183万円と高値をキープ。デビューから1年ほどしか経っていないことに加えて、届出済未使用車が約2020台と半数以上を占めているのが要因だろう。一方でリーズナブルな物件も存在し、総額120万円前後から狙うことができる。
 

▼検索条件

スズキ スペーシア(3代目・現行型) × 全国

【3代目スペーシアの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1785~1800mm
室内寸法:室内長2170mm×室内幅1345mm×室内高1415mm
燃費(WLTCモード):19.8~25.1km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:マイルドハイブリッド(ガソリンエンジン/同ターボ)
排気量:657~658cc
エンジン最高出力:49~64ps
エンジン最大トルク:58~98N・m
モーター最高出力:2.6~3.1ps
モーター最大トルク:40~50N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:153万~219.3万円
中古車の車両価格帯:105.8万~294万円
 

 

4.ダイハツ ムーヴキャンバス(2代目・現行型)|可愛いけど実力派

ダイハツ ムーヴキャンバス(2代目・現行型)▲2022年7月に登場した2代目ムーヴキャンバスは、イメージの異なる2種類のスタイルが設定されている

ムーヴキャンバスはレトロ感あるデザイン性で人気。運転のしやすさ、乗り心地のよさでも定評がある。両側スライドドア採用による乗降性の良さも魅力だ。

現行型となる2代目の外観は「ストライプス」と「セオリー」の2種類が設定されている。ストライプスは、ツートーンカラーの採用など可愛らしさを強調したスタイル。セオリーはシックな色使いとメッキ加飾で、大人のムードとしている。

後席前の足元スペースに買い物袋などをさっと放り込める「置きラクボックス」や保温機能を備えたカップホルダーなど、日常で役立つ装備も満載だ。
 

ダイハツ ムーヴキャンバス(2代目・現行型)▲「置きラクボックス」とスライドドアの組み合わせで、毎日の買い物が楽チンに

カーセンサーの掲載台数は約2320台。スタイル別で見るとストライプスが約1660台と多く、セオリーは660台ほどとなっている。

車両平均価格は約160万円。全体の6割以上が走行距離500km未満であることも影響し、やや高めの水準となっている。150万~170万円がボリュームゾーンだが、総額130万円前後から狙うことが可能だ。
 

▼検索条件

ダイハツ ムーヴキャンバス(2代目・現行型) × 全国

【2代目ムーヴキャンバスの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1655~1675mm
室内寸法:室内長2180mm×室内幅1345mm×室内高1275mm
燃費(WLTCモード):18.2~22.9km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンエンジン/同ターボ
排気量:658cc
エンジン最高出力:52~64ps
エンジン最大トルク:60~100N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:146.3万~192万円
中古車の車両価格帯:105.9万~219.8万円
 

 

5.三菱 デリカミニ(初代・現行型)|アウトドアもお任せあれ!

三菱 デリカミニ(初代・現行型)▲2023年5月に登場した軽スーパーハイトワゴンのデリカ ミニ。デリカの血脈を感じるフロントフェイスが特徴だ

日常使いからアウトドアユースまで考えるアクティブユーザーなら、ぜひ選択肢に入れたいのがデリカミニだ。

現行型となる初代のエクステリアはSUVテイスト。デリカ・シリーズらしいギア感が演出されている。4WD車には大径15インチタイヤと専用ショックアブソーバーを採用。見た目だけでなく走行性能も高められている。

プラットフォームは「eKクロススペース」と共通なので、室内も広め。汚れがつきにくく通気性の良い撥水シートなど、アウトドアでの使い勝手も考慮されている。
 

三菱 デリカミニ(初代・現行型)▲後席は320mmのスライド幅を確保。乗車人数や荷物量に応じて多彩なシートアレンジができる

カーセンサー掲載台数は約1320台。そのほとんどが2024年式で、走行距離500km未満と低走行車を見つけやすい。駆動方式別では4WDが約560台と多く、この車の特徴を表しているだろう。

車両平均価格は約208万円。2WDなら総額170万円前後、4WDが総額190万円前後から見つけることができる。
 

▼検索条件

三菱 デリカミニ(初代・現行型) × 全国

【初代デリカミニの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1800~1830mm
室内寸法:室内長2200mm×室内幅1355mm×室内高1390~1400mm
燃費(WLTCモード):17.5~20.9km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンエンジン/同ターボ
排気量:659cc
エンジン最高出力:52~64ps
エンジン最大トルク:60~100N・m
モーター最高出力:2.7ps
モーター最大トルク:40N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯: 180.4万~227.2万円
中古車の車両価格帯:140.5万~356万円
 

 

走りと使い勝手を両立したオススメ軽自動車5選

続いて、走りと使い勝手を両立した軽自動車をピックアップ。選出した5車種は、ならではの魅力をもっているので、ぜひ注目してほしい。
 

 

1.スズキ アルト(9代目・現行型)|最良のシティコミューター

スズキ アルト(9代目・現行型)▲2021年12月に登場した9代目アルト。新たにマイルドハイブリッド採用車がラインナップに加わった

現行型となる9代目アルトはルックスも魅力。丸みを帯びた柔らかなフォルムの中に楕円形のモチーフを取り入れ、親しみやすいデザインとなっている。

インテリアではデニム調のシート表皮など個性も強調。居心地のよさに加えて、ジーンズを履くようにカジュアルに乗れる雰囲気が演出されている。

従来の特徴である走りの良さも健在。マイルドハイブリッド車ではWLTCモードで27.7km/Lという低燃費も達成している。現代のシティコミューターとして求められる要素がさらに進化している。
 

スズキ アルト(9代目・現行型)▲インパネとドアトリムの一部にはネイビーカラーを採用。質感も決して悪くない

カーセンサー掲載台数は約910台で、そのうち約290台がマイルドハイブリッド車となっている。グレード別では、ガソリン車の上級グレードである「L」および「L アップグレードパッケージ装着車」が最多となっている。

車両平均価格は約103万円。ガソリン車は総額70万円前後から狙えるのに対して、マイルドハイブリッド車は総額100万円前後から狙える。年間の走行距離、使用年数などを想定して、どちらが合理的か判断するのが良いだろう。
 

▼検索条件

スズキ アルト(9代目・現行型) × 全国

【9代目アルトの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1525mm
室内寸法:室内長1960~2015mm×室内幅1280mm×室内高1260mm
燃費(WLTCモード):23.5~27.7km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンエンジン/マイルドハイブリッド(ガソリンエンジン)
排気量:657~658cc
エンジン最高出力:46~49ps
エンジン最大トルク:55~58N・m
モーター最高出力:2.6ps
モーター最大トルク:40N・m
駆動方式:FF/4WD
新車時の車両価格帯:94.4万~161.3万円
中古車の車両価格帯:60.3万~156.5万円
 

 

2.スズキ ワゴンR(6代目・現行型)|3つのスタイルを選べる

スズキ ワゴンR(6代目・現行型)▲トールワゴン・ブームの火付け役となったワゴンR。現行型の6代目は2017年2月に登場した

外装にバリエーションを持たせていることは、6代目ワゴンRの特徴だ。当初は標準モデルと「スティングレー」、「ハイブリッドFZ」の3タイプだったが、2022年8月からは内外装のテイストをそのままにハイブリッドFZを「カスタムZ」に改称している。

標準モデルは端正で、万人受けする顔立ちだ。スティングレーは、ボディ後方に向かって伸びるヘッドライトなどで存在感がある装い。ハイブリッドFZおよびカスタムZは2段ヘッドライトを採用し、スポーティに仕上げられている。

全スタイルにモーターのみで走行できるマイルドハイブリッド車を設定。ガソリンエンジンだけでなく、同ターボとも組み合わされる。パワートレインが充実しているのも、6代目ワゴンRの利点だろう。
 

スズキ ワゴンR(6代目・現行型)▲標準モデルでは、内装色に落ち着いたベージュを採用。他の2タイプはブラックが基調で、差別化が図られている

カーセンサーでの掲載台数は約3560台と豊富。登場から8年経っていることもあり、年式や走行距離は物件によって様々だ。デビュー直後の年式よりもむしろ、2023~2024年式が充実している。

車両平均価格は約106万円だが、走行距離5万km以内の物件が総額50万円前後から狙える。ただ、リーズナブルなのは基本的に2017~2019式。2019年12月と2022年8月のマイナーチェンジで先進安全装備が拡張しているため、これらを重視するなら注意が必要だ。
 

▼検索条件

スズキ ワゴンR(6代目・現行型) × 全国

【6代目ワゴンRの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1650mm
室内寸法:室内長2450mm×室内幅1355mm×室内高1265mm
燃費(WLTCモード):20.9~25.2km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンエンジン/マイルドハイブリッド(ガソリンエンジン/同ターボ)
排気量:657~658cc
エンジン最高出力:49~64ps
エンジン最大トルク:58~98N・m
モーター最高出力:2.6~3.1ps
モーターエンジン最大トルク:40~50N・m
駆動方式:FF/4WD
新車時の車両価格帯:107.9万~188.9万円
中古車の車両価格帯:20万~193万円
 

 

3.日産 サクラ(初代・現行型)|上質さがウリの軽EV

日産 サクラ(初代・現行型)▲2022年6月に登場した初代サクラ。外観は日本の伝統的な美が意識された

軽のEV(電気自動車)は古くからあるが、ここまで広く普及させたことはサクラの偉業と言っていい。日産がリーフ開発で培った技術をフル投入して作った初代サクラは、EVならではの高い静粛性と力強い加速が魅力だ。

モーターは最大195N・mのトルクを発揮。制御技術も高度で、高速道路の合流もスムーズにこなせる。航続距離もWLTCモードで最大180kmと、日常生活においては必要十分だ。

さらに、「プロパイロット」や「プロパイロットパーキング」など先進的な安全運転支援システムも搭載。内外装の質感も高く、乗用車から乗り替えても不満を感じさせないだろう。
 

日産 サクラ(初代・現行型)▲ソファタイプのシートとすっきりしたインテリアで、車内空間にもゆとりが感じられる

カーセンサー掲載台は約820台。グレード別に見ると中級グレードの「X」が大半を占める。次に最上級の「G」が多く、Xをベースとした特別仕様車も豊富。ただ、最廉価の「S」は少数派だ。

車両平均価格は約169万円で、総額130万円前後から狙うことが可能。年式では2023~2024年が充実しているところを見ると、今後の動向にも期待できそうだ。
 

▼検索条件

日産 サクラ(初代・現行型) × 全国

【初代サクラの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1655mm
室内寸法:室内長2115mm×室内幅1340mm×室内高1270mm
交流電力量消費率(WLTCモード):124Wh/km
乗車定員:4名
パワーユニット:モーター
モーター最高出力:64ps
モーター最大トルク:195N・m
駆動方式:FF
新車の車両価格帯:233.3万~308.2万円
中古車の車両価格帯:109万~287.8万円
 

 

4.スズキ ハスラー(2代目・現行型)|日常でも大活躍な「遊べる軽」

スズキ ハスラー(2代目・現行型)▲初代の特徴を継承しつつ、より洗練された2代目ハスラー。2019年12月に登場

軽ワゴンとSUVを融合させた軽クロスオーバーのハスラー。ワクワク感や遊び心をかき立てるデザイン、使い勝手の良い室内が人気の理由だ。

現行型となる2代目では、初代より直線的なフォルムを採用。ピラーをあえて強調したデザインで、タフなイメージを演出している。

室内では、ホイールベースを最大限に長くすることで、後席の足元にもゆとりがある。荷室からも後席をスライドできる機構を設けるなど、使い勝手も優秀。アイポイントも高く、見晴らしが良いのも美点だ。
 

スズキ ハスラー(2代目・現行型)▲後席の背面や荷室には防汚素材を採用。アウトドアでも気兼ねなく使える

カーセンサーでの掲載台数は約5010台。グレード別では「ハイブリッドG」が約2900台と最多で、「タフワイルド」が約900台と続く。ルーフレールや専用のメッキフロントグリルなどを備えた特別仕様車「Jスタイル」も700台ほど掲載されている。

車両平均価格は約158万円で、130万~190万円がボリュームゾーン。しかし、走行距離5万km以内の物件が総額100万円前後から見つけられる。
 

▼検索条件

スズキ ハスラー(2代目・現行型) × 全国

【2代目ハスラーの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1680mm
室内寸法:室内長2215mm×室内幅1330mm×室内高1270mm
燃費(WLTCモード):20.8~25.0km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:マイルドハイブリッド(ガソリンエンジン/同ターボ)
排気量:657~658cc
エンジン最高出力:49~64ps
エンジン最大トルク:58~98N・m
モーター最高出力:2.6~3.1ps
モーター最大トルク:40~50N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:128万~197.2万円
中古車の車両価格帯:69.8万~286.9万円
 

 

5.ダイハツ タフト(2代目・現行型)|大型サンルーフで開放感抜群

ダイハツ タフト(初代・現行型)▲2020年6月に登場したタフト。初代とは全く異なるクロスオーバーSUVであり、全くの新型車として生まれ変わった

四角いフォルムが印象的な2代目タフト。力強い形状のバンパーや大径タイヤなどでSUVらしさを演出するだけでなく、十分以上の悪路走破性を備えている。

最低地上高は190mmとミドルサイズSUV並み。タイヤ空転時に作動する「グリップサポート制御」も搭載し、ちょっとした道なら問題なく走行できる。

インテリアもユニークだ。操作しやすいシフトやスイッチなどインパネは機能的。シートもホールド性が高く、運転の疲れを軽減してくれる。

特筆すべきは、全車に標準装備されている「スカイフィールトップ」。天井が前から後ろまで大きく開き、開放感抜群だ。
 

ダイハツ タフト(初代・現行型)▲ブラックを基調としてオレンジの差し色が入るインテリア

カーセンサー掲載台数は約3320台で、そのうち約700台がターボ車。上級グレードに該当する「G」系が多く、より精悍な特別仕様車「クロムベンチャー」が約840台、さらにタフさを強調した「ダーククロムベンチャー」で約640台も掲載されている。

車両平均価格は約149万円。走行距離5万km以内の物件がガソリン車なら総額110万円前後、同ターボ車なら総額130万円から探すことができる。
 

▼検索条件

ダイハツ タフト(2代目・現行型) × 全国

【2代目タフトの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1630mm
室内寸法:室内長2050mm×室内幅1305mm×室内高1270mm
燃費(WLTCモード):18.2~21.4km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンエンジン/同ターボ
排気量:658cc
エンジン最高出力:52~64ps
エンジン最大トルク:60~100N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:132万~188.7万円
中古車の車両価格帯:79万~248.8万円
 

 

趣味・ビジネスシーンで大活躍してくれるオススメ軽自動車5選

趣味・ビジネスシーンで大活躍してくれる軽自動車を5車種チョイス。いずれもとがった個性をもっているからこそ、ニーズにハマれば大満足間違いなしだ。
 

 

1.スズキ ジムニー(4代目・現行型)|小さな本格オフローダー

スズキ ジムニー(4代目・現行型)▲約20年の長いモデルライフを誇った3代目に代わって2018年7月に登場した4代目/JB64型ジムニー

趣味に出かける足になってくれるのはもちろん、運転すること自体が趣味になる。ジムニーはそんな車だ。

現行型となる4代目でも丸いヘッドライトや5スロットのフロントグリルなど、オフローダーの伝統的スタイルを継承。強固なラダーフレーム構造のボディに、トラクションコントロールなどの電子デバイスを搭載し、頭抜けた悪路走破性も健在だ。

一方で、従来型よりも居住性は進化。軽トールワゴンと比べると手狭だが、日常使いには必要十分な広さを確保している。荷室容量は4名乗車だとミニマルだが、後席を折りたためば長尺ものも積載可能。バックドアは横開き式なので、荷物の積み降ろしに便利だ。
 

スズキ ジムニー(4代目・現行型)▲厚いシート座面を採用するとともにシートフレームの剛性もアップ。4代目ジムニーはシートの座り心地も決して悪くない

カーセンサー掲載台数は約2450台。そのうち約520台がMT車と、趣味性の高さを反映している。年式別では比較的満遍なく分布しているが、展示車やショップコンプリートカーが多いためか、2024年モデルが多めとなっている。

車両平均価格は約228万円。走行距離5万km以内の物件が総額170万円前後から狙えるが、リーズナブルな物件はほとんどが2019~2021年式。先進安全装備の「スズキ セーフティサポート」が全グレードに標準装備されたのは2022年7月以降なので、安全性を重視する人は留意しておこう。
 

▼検索条件

スズキ ジムニー(4代目・現行型) × 全国

【4代目ジムニーの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1725mm
室内寸法:室内長1795mm×室内幅1300mm×室内高1200mm
燃費(WLTCモード):13.2~16.6km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンターボ
排気量:658cc
エンジン最高出力:64ps
エンジン最大トルク:96N・m
駆動方式:4WD
新車の車両価格帯:145.8万~200.2万円
中古車の車両価格帯:132万~650万円
 

 

2.ダイハツ コペン(2代目・現行型)|現行型唯一の軽オープン

ダイハツ コペン(2代目・現行型)▲2代目コペンは、初代の生産終了から1年10ヵ月後の2014年6月に復活

現行型で唯一の軽オープンスポーツカーが2代目コペンだ。趣味性の高い車だけに、4つのスタイルを設定。スポーティな「ローブ」、SUV風の「エクスプレイ」、レトロな「セロ」、そして「GRスポーツ」と、自分好みの1台を選ぶことができるのもうれしいところだろう。

もちろん、スポーツカーとしての素養も高い。巧みなシャシー設計によって、素早い応答性や優れた接地性、直進安定性などを実現としている。

搭載エンジンは全モデル660ccターボ。5速MTまたは7速スーパーアクティブシフト付きのCVTが組み合わされる。出力特性はもちろん、排気音にもこだわってチューニングされており、オープンカーならではの爽快さを堪能できる。
 

ダイハツ コペン(2代目・現行型)▲ルーフは電動式メタルトップ。約20秒で全開、全閉できる

カーセンサー掲載台数は約840台で、そのうち半数以上をローブが占める。次に多いのはセロで、GRスポーツ、エクスプレイの順で続く。年式別に見ると、デビュー直後の2014~2015年が多いものの、比較的新しい2022年あたりも充実している。

車両平均価格は約163万円。走行距離5万km未満の物件でも総額110万円前後から狙うことができる。
 

▼検索条件

ダイハツ コペン(2代目・現行型) × 全国

【2代目コペンの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1280mm
室内寸法:室内長910mm×室内幅1250mm×室内高1040mm
燃費(WLTCモード):18.6~19.2km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンターボ
排気量:658cc
エンジン最高出力:64ps
エンジン最大トルク:92N・m
駆動方式:FF
新車の車両価格帯:179.8万~255.6万円
中古車の車両価格帯:59.5万~291万円
 

 

3.ホンダ N-VAN(初代・現行型)|日常でも使える軽バン

ホンダ N-VAN(初代・現行型)▲2018年7月に登場したN-VAN。当初はロールーフのグレードもあったが、2021年2月以降はハイルーフが標準となっている

N-VANは積載性だけでなく、走行性能や安全性能も追求された商用車だ。現行型となる初代はプラットフォームをN-BOXと共有しているが、商用車に適した設計となっている。

助手席側サイドドアはセンターピラーレスで大開口。助手席にダイブダウン機構も採用して、長尺物も車両側面から楽々積める。また、ホンダ独自の低床化技術「センタータンクレイアウト」によって、背の高い荷物も余裕をもって積むことができる。

ビジネスユース向けなので、多くのグレードで装備がシンプル。ただ、プライベートユースを想定した「+スタイル」「ファン」では内外装がハイグレードになる他、ターボエンジンも設定されている。
 

ホンダ N-VAN(初代・現行型)▲キズや汚れに強い素材を採用するなど、内装も道具としての使い勝手が追求されている

カーセンサー掲載台数は約2100台で、その約3割が2024年式、約半数が「+スタイル」「ファン」系グレードだ。

そのため車両平均価格も140万円前後とやや高めの水準となっているが、デビュー直後の年式なら総額100万円以下で狙える物件もある。

ただし、ビジネスユースを前提としている車だけに、極端に走行距離が多い物件も。コンディションは慎重に見極めたい。
 

▼検索条件

ホンダ N-VAN(初代・現行型) × 全国

【初代N-VANの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1850~1960mm
室内寸法:メーカー非公表
燃費(WLTCモード):17.0~19.8km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンエンジン/ガソリンターボ
排気量:658cc
エンジン最高出力:53~64ps
エンジン最大トルク:64~104N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:119.8万~201.6万円
中古車の車両価格帯:33万~289万円
 

 

4.スズキ スペーシアベース(初代・現行型)|車中泊からテレワークまで対応

スズキ スペーシアベース(初代・現行型)▲2022年8月のデビューした初代スペーシアベース。外観ではフロントグリルやドアハンドルなどをブラックに統一し、重厚感が強調されている

2代目スペーシアの商用車版である初代スペーシアベースは、単にビジネスユースを狙った商用車ではない。仕事にも、遊びにも使える新機軸の軽バンだ。

特徴的なのは全車に標準装備される「マルチボード」。フロア全体をフルフラットにできるだけでなく、上段に設置すればデスク、立てて使えば荷室を前後に分割する隔壁として使える。車中泊やテレワークなど目的によって使い方ができるのが魅力だ。

マイルドハイブリッド仕様はないが、WLTCモードで21.2km/Lと燃費性能も優秀。商用車ながら「スズキセーフティサポート」を全車に標準装備し、上級グレードには「アダプティブクルーズコントロール」も採用される。
 

スズキ スペーシアベース(初代・現行型)▲基本設計がスペーシアと共通だけあって、乗り心地も良好

カーセンサー掲載台数は約470台。グレード別に見ると、上級グレードの「XF」が約400台と大半を占める。年式は2022~2024年まで満遍なく分布。走行距離1万km未満の物件も多いので、走行距離を気にする人にはうれしいところだろう。

車両平均価格は約145万円。総額110万円前後から見つけることができる。
 

▼検索条件

スズキ スペーシアベース(初代・現行型) × 全国

【初代スペーシアベースの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1785~1800mm
室内寸法:メーカー非公表
燃費(WLTCモード):19.9~21.2km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンエンジン
排気量:658cc
エンジン最高出力:52ps
エンジン最大トルク:60N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:139.5万~174.5万円
中古車の車両価格帯:89.8万~192万円
 

 

5.ダイハツ アトレー(6代目・現行型)|これでもかってくらい荷物を積める

ダイハツ アトレー(6代目・現行型)▲2021年12月に登場したされた6代目アトレー。最大積載量は350kgとたっぷり

直線的な外観が頼もしい。アトレーはハイゼットカーゴと基本設計を共有する、プライベートユース向けの軽バン。LEDヘッドランプやメッキフロントグリルを採用するなど、軽バンとしては豪華な仕立てとなっている。

前席下にエンジンを搭載する「キャブオーバー・タイプ」によってキャビンは広々。荷室は防水素材が採用されていて、サーフボードや汚れたアウトドア用品でも気兼ねなく積め込める。

室内の壁面や床面には設けられたナットやフックは荷物を固定できるだけでなく、用途に応じて架装する際にも便利。このあたりは長い歴史をもつ軽バンらしい知恵だろう。
 

ダイハツ アトレー(6代目・現行型)▲後席の背もたれを倒すだけで、広大な荷室が出現。荷物を積むだけでなく、車中泊でも活躍してくれる

カーセンサー掲載台数は約730台で、そのうち約300台が4WD車だ。グレード別で見ると、物件のほとんどがガソリンターボを搭載した「RS」。また、カスタマイズされている物件や架装されている物件が散見されるのも特徴だ。

車両平均価格は約172万円。走行距離5万km以内の物件が総額140万円から見つけることができる。
 

▼検索条件

ダイハツ アトレー(6代目・現行型) × 全国

【6代目アトレーの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1890mm
室内寸法:メーカー非公表
燃費(WLTCモード):14.7km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンターボ
排気量:658cc
エンジン最高出力:64ps
エンジン最大トルク:91N・m
駆動方式:FR/4WD
新車の車両価格帯:156.2万~191.4万円
中古車の車両価格帯:98万~469.8万円
 

 

【最新】軽自動車人気ランキングTOP20

軽自動車の人気車種TOP20を紹介する。直近1年のカーセンサー独自のデータを基にした最新中古車ランキングだ。ぜひ軽自動車選びのヒントとして活用してほしい。
 

順位 メーカー 車種 世代
1位 ホンダ N-BOX 2代目
2位 ホンダ N-BOX 初代
3位 ダイハツ タント 2代目
4位 スズキ ハスラー 2代目・現行型
5位 スズキ ハスラー 初代
6位 スズキ ジムニー JB64・現行型
7位 ダイハツ タント 3代目
8位 日産 デイズルークス 初代
9位 スズキ スペーシア 2代目
10位 スズキ エブリイ 6代目・現行型
11位 日産 デイズ 初代
12位 ダイハツ タント 3代目
13位 ホンダ N-ONE 初代
14位 ホンダ N-VAN 初代・現行型
15位 スズキ ワゴンR 4代目
16位 スズキ ワゴンR 5代目
17位 スズキ スペーシア 初代
18位 ホンダ N-WGN 初代
19位 ホンダ N-BOX 3代目・現行型
20位 日産 ルークス 2代目・現行型
順位 メーカー 車種 世代
1位 ホンダ N-BOX 2代目
2位 ホンダ N-BOX 初代
3位 ダイハツ タント 2代目
4位 スズキ ハスラー 2代目・現行型
5位 スズキ ハスラー 初代
6位 スズキ ジムニー JB64・現行型
7位 ダイハツ タント 3代目
8位 日産 デイズルークス 初代
9位 スズキ スペーシア 2代目
10位 スズキ エブリイ 6代目・現行型
11位 日産 デイズ 初代
12位 ダイハツ タント 4代目・現行型
13位 ホンダ N-ONE 初代
14位 ホンダ N-VAN 初代・現行型
15位 スズキ ワゴンR 4代目
16位 スズキ ワゴンR 5代目
17位 スズキ スペーシア 初代
18位 ホンダ N-WGN 初代
19位 ホンダ N-BOX 3代目・現行型
20位 日産 ルークス 2代目・現行型
 

軽自動車を中古車で買う際のポイント・注意点

軽自動車の中古車を買う際は、内外装のキズ・汚れ、走行中の違和感・異音、電装品の不具合などがないか確かめよう。修復・メンテナンス歴、特に消耗品となるタイヤやバッテリー、ブレーキパッドなどの交換歴や消耗具合も、販売店に確認しておきたい。

スライドドア搭載車なら、動作に不具合がないか見ておくこと。スムーズに閉まるか、異音がしないか必ずチェックする。スポーツカーやクロカンSUVなどハードユースが想定される車種は、ボディ下部や足回りなどが傷みやすいので、とりわけ注視すると良いだろう。

保証の有無と範囲を確認することも忘れないように。万が一の際も保証範囲内なら無料で修理できるので、手厚い保証が付帯されていれば安心できるはずだ。
 

 

【Q&A】軽自動車に関するよくある質問

Q.軽自動車のメリット・デメリットは? 
A.軽自動車のメリットは3つある。1つ目は、低コストであること。車両価格だけでなくメンテナンス費や税金なども、他の車と比べてリーズナブルだ。2つ目は運転のしやすさ。ボディも最小回転半径も小さいので、運転に不慣れでも安心だ。3つ目はラインナップの多彩さ。軽自動車には多様なボディタイプがあるため、多くのニーズに対応できる。

一方でデメリットも3つある。1つ目は乗車定員。法的に4名までしか乗せることができない。2つ目は走行性能。高速道路や坂道でパワー不足を感じるなど、走行面では乗用車より不利となる。3つ目は積載性。一部の車種を除いて、荷物をたっぷり積んでの移動には向いていない。

Q.軽自動車の維持費はどれくらいかかる?
A.軽自動車の維持費は一概には言えない。燃料費・電費やメンテナンス費、駐車代などは人によって異なるからだ。実際、自動車メディアや保険会社などによる試算でも10万~40万円と幅が広い。そのため、ここでは軽自動車にかかる自賠責保険と税金のみ解説する。

まず、自賠責保険は24ヵ月で1万7540円。取得時にかかる「環境性能割」は購入費用の1%または2%の税額が課せられるが、電気自動車など環境性能の高い車は非課税となる。毎年かかる軽自動車税は2015年3月31日以前なら7200円、同年4月1日以降なら1万800円。車検時に課せられる自動車重量税は登録年数と環境性能によって税額が異なる。

Q.軽自動車は本当に安全? 危険じゃない?
A.軽自動車は危険だというイメージは昔からある。衝突時の衝撃を吸収する「クラッシャブルゾーン」が少ないのは事実だが、技術革新によって十分な安全性能を有し、最近では先進安全装備も搭載している。

国土交通省とナスバ(独立行政法人自動車事故対策機構)は「自動車アセスメント」の一環として自動車安全評価も実施しているが、実際軽自動車の評価は低くない。例えば2023年度なら、3代目N-BOXの評価は4代目プリウスと4代目エクストレイルと同等。軽自動車だからといって危険とは言えない。
 

※記事内の情報は2025年2月9日時点のものです。
 

文/綱島剛(DOCUMENT) 写真/篠原晃一、ダイハツ、スズキ、ホンダ、三菱、日産
綱島 剛

自動車ライター・編集

綱島 剛

編集プロダクションを経てカーセンサー編集部に所属。「日刊カーセンサー」のデスクを経て、2016年に独立した。現在は某住宅情報誌の副編集を務めながら、ライター・編集として車や住宅、防災など生活に関わる記事を制作。最近ではキャンピングカーに注目し、情報収集にいそしんでいる。

この記事を読んでいる人にオススメの動画