RC ▲2014年から長きにわたって愛されてきたレクサス RCが、ついに生産終了。まだまだ新車を買える状態ではあるが、在庫がなくなってしまった場合に備え、同じぐらいの予算で狙える「レクサス RCの代わり」になり得る素敵なクーペを今のうちにピックアップした

2025年11月、ついにRCが生産終了予定へ

2014年に発売されて以降、「孤高の国産ハイクオリティFRスポーツクーペ」としてたび重なる改良を受けながら、静かに愛され続けてきたレクサス RC。しかし、そんなレクサス RCにもついに「ファイナルエディション」が登場し、2025年11月には生産終了予定であることが発表されました。

そんなファイナルエディションを、まだまだ新車として購入できるレクサス RCではあります。しかし新車在庫がなくなってしまった場合に備え、中間グレードである「300h」の新車総額とおおむね同じ総額700万円台半ばまでの予算で狙える「レクサス RCの代わりになり得るハイクオリティFRスポーツクーペ」をピックアップしておくことにしましょう!
 

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レクサス RCの代わり①|BMW 4シリーズクーペ(2代目)
→想定予算:総額570万~730万円

2014年に登場したレクサス RCは、そもそも当時の初代BMW 4シリークーペ(F32型)を仮想敵のひとつとして開発されたFRクーペでした。

で、その後BMW 4シリーズクーペは2020年10月に現行G22型へとフルモデルチェンジされたわけですが、総額700万円半ばまでの予算を想定するのであれば、そんな最新世代の4シリーズクーペの低走行物件を狙うことができます。
 

4シリーズクーペ▲こちらが現行型となる2代目BMW 4シリーズクーペ

2020年10月に上陸した2代目の4シリーズクーペは、縦長になったキドニーグリルが当初物議を醸しましたが、今となってはすっかり見慣れた感もあります。

そしてその結果、サスペンションの取り付け剛性やボディ剛性の高さがもたらす走りの良さや、60km/hまでの手放し運転が可能となる「ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能」に代表される先進安全装備の充実ぶりばかりが目立つ結果となりました。

とはいえ、そんな現行型4シリーズクーペもベースグレードである「420i」系ですと、2L 直4ターボエンジンは最高出力184psでしかないため、2.5Lハイブリッドによってシステム最高出力220psを発揮するレクサス RC 300hと比べて若干見劣りしてしまうかもしれません。

しかし、同387psの3L 直6ターボを搭載する「M440i xドライブ」であれば、レクサス RCのことはとりあえず忘れてしまってもいいぐらいの満足度を、その動力性能とフィーリング、そしてインテリアのしつらえの良さなどを通じて得られるはずです。
 

4シリーズクーペ▲この世代のBMW各モデルにおおむね共通するデザインテイストの、プレーンでありながら上質感もたっぷりなインテリア。各部の質感はレクサスに決して負けていない

2024年7月にエクステリア中心のマイナーチェンジを行った世代の中古車は、まだほとんど流通していません。

ですが、それ以前の世代であれば走行距離1万km台の物件が総額600万円前後、走行距離数千kmレベルの物件でも総額680万~730万円付近で見つけることが可能です。
 

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レクサス RCの代わり②|日産 フェアレディZ(7代目)
→想定予算:総額600万~700万円

2022年夏にフルモデルチェンジを受けて登場し、車好き界隈の話題をかっさらったといっても過言ではない7代目の日産 フェアレディZ。

そんな最新世代のZも総額700万円台半ばの予算があれば、いやそれ以下の予算にて、走行距離1万km台までの物件が選びたい放題です。
 

フェアレディZ▲登場時はかなり大きな話題となった現行型となる7代目日産 フェアレディZ

通算7代目となった現行型フェアレディZは、全4種類のグレードと、6速MTと9速ATという2種類のトランスミッションを用意。

パワーユニットは全車共通となる最高出力405psの3L V6ツインターボで、これは「GT-R」のVR38DETTを除けば、現在の日産の最強ユニット。とはいえ、エンジンそのものは「スカイライン400R」と基本的に共通で、最高出力と最大トルクの値も同じですが、加減速レスポンスはより向上しており、フライホイールやエンジン制御もZ専用です。

そしてエクステリアとインテリアのデザインおよび質感もレクサス RCに負けていないというか、むしろ上回っている部分もあるかもしれませんが、それでいて中古車価格は(レクサス RCの新車価格と比べれば)お安い水準です。
 

フェアレディZ▲フル液晶のディスプレイやバイ・ワイヤーのシフトセレクターなどのデジタル化も進んだが、アナログな要素もあえて残している現行型日産 フェアレディZのコックピット

具体的には、走行距離1万km台までの物件の価格目安は下記のとおりです。

・ベースグレード:総額600万~690万円
・バージョンS:総額640万~760万円
・バージョンST:総額610万~830万円
・バージョンT:総額630万~750万円

流通量が最も豊富なのは、最上級グレードである「バージョンST」。総額600万円台後半のゾーンにて、かなり好条件な物件を「よりどりみどり」といったニュアンスで選ぶことができるでしょう。
 

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レクサス RCの代わり③|トヨタ スープラ(3代目)
→想定予算:総額600万~700万円

2019年に17年ぶりに復活したFRスポーツである現行型となる3代目トヨタ スープラも、この予算にて余裕で見つけることができます。
 

スープラ▲BMWとの協業によって17年ぶりの復活を遂げたスープラ

3代目のスープラは、トヨタとBMWの包括提携によって誕生した2シーターFRクーペで、 ボディサイズは全長4380mm×全幅1865mm×全高1290mm。ロングノーズ&ショートキャビンのシルエットは古典的な美しさに満ちており、インテリアも、スポーティでありながら上質な世界観を伴っています。

当初のパワーユニットは、最上級グレードである「RZ」には最高出力340psの3L 直6ターボエンジンが与えられる他、中間グレードの「SZ-R」は同258psの2L 直4ターボ、エントリーグレードの「SZ」は同じく2L 直4ターボですが、最高出力を197psに抑えた仕様を搭載。

それゆえ「レクサス RCの代わり」として考えるのであれば、SZ-R以上のグレードの方がしっくりくるかもしれません。

当初のトランスミッションは全車8速ATでしたが、2022年4月には「RZ」に6速MTを追加。またRZグレードのエンジンは2020年4月、最高出力387psへとパワーアップされています。
 

スープラ▲上質なレザーが用いられる現行型スープラのインテリア。乗車定員は2名

そんな現行型トヨタ スープラのSZ-RおよびRZの、走行距離1万km台までの物件の中古車価格は2025年2月中旬現在、おおむね下記のとおりです。

・SZ-R:総額550万~600万円
・RZ:総額580万~970万円

流通量が圧倒的に多いのは3L 直6ターボの「RZ」で、8速AT車と6速MT車の比率は半々といったところ。8速AT車の場合は総額650万円前後、6速MT車は総額720万円前後にて、好条件な1台を見つけることが可能です。
 

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レクサス RCの代わり④|ポルシェ 718ケイマン(初代)
→想定予算:総額690万~780万円

輸入車でも差し支えない場合は、いっそのこと「ポルシェ」を選んでしまうという手もあります。

具体的にはFRクーペであるレクサス RCと違ってミッドシップ2シーターにはなりますが、718ケイマンはいかがでしょうか。
 

718ケイマン▲2016年に上陸したポルシェのミッドシップクーペの718ケイマン

ポルシェ 718ケイマンは、ポルシェ謹製の水平対向4気筒エンジンをミッドに搭載する2シーターモデル。ベースグレードである「718ケイマン」には最高出力300psの2L水平対向4気筒ターボが、ひとつ上のグレードである「718ケイマンS」には同350psの2.5Lターボ水平対向4気筒ターボが搭載されています。

その他に同365psを発揮する「GTS」や、同400psをマークする4L水平対向6気筒自然吸気の「GTS 4.0」などもラインナップされていますが、こと動力性能に関しては、ベースグレードまたは718ケイマンSでも十分に「レクサス RCの代わりになる」と評していいでしょう。

ちなみにトランスミッションは7速PDK、または6速MTです。
 

718ケイマン▲ポルシェ 718ケイマンのコックピット。「スポーツクロノモードスイッチ」はステアリングホイールの右下に備わっている

718ケイマン全体としての中古車価格は総額500万~3500万円と、上下に極端に幅広いわけですが、「走行距離3万km台までのベースグレードまたは718ケイマンS」に絞った場合の価格目安はおおむね下記のとおりです。

・718ケイマン(PDK):総額640万~940万円
・718ケイマン(6MT):総額750万~870万円
・718ケイマンS(PDK):総額690万~910万円
・718ケイマンS(6MT):総額940万円(※中古車は希少)

高い物件はけっこうな高額ですが、総額750万円前後のゾーンでも、まずまず好条件な1台は確実に見つかるはずです。
 

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レクサス RCの代わり⑤|アルピーヌ A110(2代目)
→想定予算:総額660万~750万円

こちらも輸入車にはなりますが、そこを特に問題としない人には猛烈にオススメできる1台がアルピーヌ A110です。
 

A110▲2018年に登場した2代目のアルピーヌ A110。2シーターの輸入車でもOKな人には猛烈にオススメしたい!

2018年6月にまずは限定車が先行発売された現行型となる2代目のアルピーヌ A110は、1960年代から70年代にかけてのラリーシーンを席巻した元祖アルピーヌ A110が、約40年の時を経て現代の世に復活した軽量ミッドシップスポーツ。

基本となるパワーユニットは最高出力わずか(?)252psの1.8L 直4ターボでしかありませんが、車両重量1110kgと超軽量でありながら強固なボディのミッドにそれが積まれたとき、このミッドシップクーペは総体として恐ろしいほどの快感を発生させます。

といっても、もちろん「700ps級のスーパーカーみたいに速い」みたいなことはないのですが、低速域から高速域まで、それこそ「意のままに」といったニュアンスで操縦することができ、軽量ゆえの中間加速の気持ち良さは世界的に見てもトップクラスといえるでしょう。

そしてただ軽快で速いだけでなく、写真下のとおりラグジュアリーな世界観ももち合わせており、スポーツカーでありながら乗り心地も良好です。
 

A110▲国産車ではちょっと真似のできない世界観をもっているA110のインテリア。フローティング式のセンターコンソールにはシフトセレクターの他、エンジンの始動ボタンも備わっている

そんな現行型アルピーヌ A110は、のちに高性能グレードである「A110S」なども追加され、2022年1月にはマイナーチェンジも受けましたが、基本的には「前期型の普通のグレード」でも十分以上の快楽を得ることができるでしょうはず。

そしてその中古車価格は、総額660万~750万円といったところ。レクサス RCと違って2人しか乗れないという点はネックになるかもしれませんが、そこが問題にならないのであれば、ぜひ前向きにチェックしてみてほしい選択肢です。
 

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文/伊達軍曹 写真/レクサス、BMW、日産、トヨタ、ポルシェ、アルピーヌ
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。

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