新型ジムニーノマド受注停止に絶望した人に贈る「このカクカク丸目SUV、5ドアジムニーの代わりにどうですか?」5選
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / 日産 / スズキ / ハマー / ジープ / SUV / ラシーン / ジムニーシエラ / レネゲード / ラングラー / H2 / ジムニー / ハスラー / FJクルーザー / 田端邦彦
2025/02/18

5ドアの新型ジムニーノマド登場に歓喜!しかし数日後、スズキから受注停止アナウンスが……
ファンの間で待望されてきた、ジムニーの5ドア版・ジムニーノマド(以下、ノマド)がついに発売されました。
先代、先々代の時代から、いや初代ジムニーが登場した当初から要望されてきた、と言っても過言ではありません。実に50年来の夢がかなった! というところ。
今回登場したノマドは軽自動車ジムニーをベースにしたものではなく、小型車版であるジムニーシエラを5ドア化したもの。インドなど一部の国では先行発売されていたのですが、それがついに日本市場にもやって来たというわけです。

そもそもジムニーシエラは、素のままでも極悪地形を走れる世界トップレベルの悪路走破性能を備えながらオンロードも普通に走れる、しかもコンパクトで経済的……という類い希な車。それが5ドア化され、ホイールベースが340mm伸びたことで居住空間が拡大し、後席にも余裕をもって座れるようになったのですから、もはや究極の存在と言えるでしょう。
もちろん最大の特長であるオフロード性能はそのまま。先進安全技術である「スズキ セーフティ サポート」はジムニーシエラから一段進化したものが採用されていたりするメリットもあります。
ところが! 2025年1月30日に発表されたわずか数日で受注停止に……。メーカーの予想をはるかに上回る台数の予約があったため、と説明されていますが、今のところ受注再開のめどは立っていません。
いくら魅力的な車でも、注文できないのでは意味なし。仮に受注再開されたとしても、納車までの期間はとてつもなく長くなることでしょう。
それならばいっそのこと視点を変えて、同じような特長を備えた他の選択肢に目を向けてみてはどうでしょう? ノマドの特徴である「カクカクフォルム×丸目」をキーワードに、5モデルのSUVをピックアップしました。ご笑覧くださいませ。

候補1|スズキ ハスラー(2代目)
→予算目安:総額100万~180万円
ノマドと同じスズキから発売されている「カクカクフォルム×丸目」といえば、このハスラー。軽ハイトワゴン×SUVという珍しいタイプのクロスオーバーで、何よりアニメから飛び出してきたような愛らしい外観が魅力です。
現行型は2代目で、大ヒットした初代の特徴的デザインが引き継がれました。その一方でホイールベースを長くし、前後オーバーハングを切り詰めることでキャビンを最大化。オフロードでヒットさせにくいボディ形状とするなど真面目な一面もあります。

自然吸気とターボ、2種類のガソリンエンジンはどちらもスズキ得意のマイルドハイブリッド仕様。FFの他、4WDもちゃんと用意されています。ただクロスオーバーSUVなので、ノマドのように“どんな悪路でも”というわけにはいきません。
4WDシステムは簡易的なスタンバイ方式ですが、雪道でのスリップを抑制する「スノーモード」や「グリップコントロール」、下り坂での速度を一定に保ってくれる「ヒルディセントコントロール」などの電子デバイスを搭載。キャンプ場や積雪路面など一般的に出くわすオフロードなら、何ら心配ありません。
また車内空間の広さは、ノマドを大きくリードするところ。助手席シートバックを前に倒せば、キャビンいっぱいのフラットなスペースができます。長尺物の積載や車中泊も楽ちん。

さて、そんなハスラーは中古車市場の選択肢が豊富なのも魅力のひとつです。デビューから約5年半たった現在の流通台数はおよそ5000台。どの年式も充実していますが、中でも2024年式が断トツで多くなっています。
つまり、予算に応じてリーズナブルな物件も、新車に近いコンディションの物件も選べるということ。デビュー直後の年式なら、走行距離1万km以下でも総額100万円台前半から楽々狙えます。
ちなみに、4WDの比率は全体の2割強。FFよりも10万~20万円ほど相場が高くなりますが、アウトドアでアクティブに遊びたいなら、4WDがオススメです。
▼検索条件
スズキ ハスラー(2代目)×全国候補2|ジープ レネゲード(初代)
→予算目安:総額140万~260万円
SUV専門ブランドとして知られるジープ初のスモールSUVとして、2015年9月に登場したのがレネゲードです。
搭載されるエンジンは1.4Lガソリンターボ・マルチエア(~2019年1月・2WD車)、または2.4Lガソリン タイガーシャークマルチエア2(~2019年1月・4WD車)の2種類。ちなみに、同じステランティスグループのフィアット 500Xとプラットフォームを共有していています。

スモールとは言っても、全長4255mm×全幅1805mmとノマドよりもかなり大きいサイズ。その分、後席居住空間や荷室容量には余裕があり、特に荷室は奥行きがあるうえ、40:20:40の3分割可倒式となっているので使い勝手は良好です。
輸入SUVだけあって装備も豪華で、多くのグレードではシートヒーター付きのフロント本革パワーシートを標準装備。開口部の大きなパノラミックサンルーフがオプション設定されているのもいいですね。
4WDの「セレクテレインシステム」はクライスラーが開発したもので、場面に応じて自動的に後輪への駆動力配分を変えるFFベースのシステム。ドライバーが切り替える必要がない点では便利ですが、ノマドほどの悪路走破性能はありません。経済性と利便性を重視したシステムと言えるでしょう。
なお、2019年2月にパワーユニットは一新、2WD、4WDとも1.3Lガソリンターボに。その後、プラグインハイブリッドも設定されました。

デビューから10年近く経過していることもあって、中古車市場での流通量は豊富です。中古車平均価格も250万~260万円と、ノマドの新車価格に近い水準。
中にはリーズナブルな価格で手に入る物件も多数あります。例えば、2015年式・走行距離3.7万kmの「オープニングエディション」なら総額138.8万円です。
▼検索条件
ジープ レネゲード(初代)×全国候補3|ジープ ラングラー(JL型)
→予算目安:総額400万~600万円
ラングラーはオフロード四駆らしい作りをかたくなに守ってきました。ジムニーとボディサイズや価格帯こそ違えど、現代に残る数少ない本格四駆という共通点がある車です。
現行モデルで強固なラダーフレーム構造、前後リジッド式のサスペンション、副変速機付きトランスファーといった伝統的構造を採用するSUVは極希で、ジムニーとラングラーがその両雄。悪路走破性能については、それぞれ得意分野があり、甲乙つけがたいところです。

5ドア仕様も、ラングラーでは「アンリミテッド」という名称で、早い時期から用意されてきました。現行型は全長4870mm × 全幅1895mm × 全高1825~1850 mm(「アンリミテッド」)というビッグサイズになっています。
ボディ幅は広くても、前後に幅広なオーバーフェンダーが付くから車内寸法は……。そんなところもノマドと似ていますね。

そのラングラー、中古車平均価格は590万円前後とデビュー7年目のモデルとは思えないほど高水準。もっとも、平均価格を押し上げているのは高年式の物件で、デビュー直後の年式ならリーズナブルな価格から狙えます。
例えば、2020年式・走行距離4.7万kmの「アンリミテッド スポーツ」なら総額438万円。当時の新車価格は511万円だったので、約70万円+諸経費分が安く手に入ることに。
ジムニーやランドクルーザー同様に堅牢な作りなので、定期的にメンテナンスされてきた物件なら、10万kmを超えてもまだまだ長く乗れるでしょう。
▼検索条件
ジープ ラングラー(JL型)×全国候補4|トヨタ FJクルーザー(初代)
→予算目安:総額200万~300万円
FJクルーザーは、ランドクルーザー40系をデザインモチーフとして誕生したモデル。まるでモーターショーのコンセプトカーがそのまま飛び出してきたようなスタイルです。
プラットフォームは3代目ランドクルーザープラドと共通のため、オフロード性能の高さは折り紙付き。フロントサスはダブルウィッシュボーン式、リアサスはリジッド式を採用。悪路では豊かなサスペンションストロークを披露してたくましく走破、オンロードでも快適に走れるのがFJクルーザーの長所です。

3ドアのように見えるデザインですが、ちゃんとリアドアもあります。観音開き式サイドドア採用でガバッと大きく開くから、後席への乗り降りも楽ちんです。ちょっと面倒なのは、後ドアを開くときに必ず前ドアから先に開かなくてはいけない点でしょうか。

そのFJクルーザー、7年前に生産終了しています。ただ、シャシーはランクルと同じゆえ、耐久性の高さは抜群。多少年数が経過していても、走行距離が延びていても、オイル交換などの定期的なメンテナンスを行ってきた車両ならば問題なく乗ることができるでしょう。むしろ10万kmからが本番というところ。
中古車市場への流通量は意外に多めの約420台。最も新しい物件でも2018年式、全体の半数以上は2010~2012年式であることを考えると290万円前後という中古車平均価格はやや高めに感じますが、新車では買えない希少価値と類い希な耐久性を考えると十分に納得できるでしょう。
▼検索条件
トヨタ FJクルーザー(初代)×全国候補5|日産 ラシーン フォルザ(初代)
→予算目安:総額60万~150万円
ラシーンは中古車界で根強い人気を保ち続けている、ひそかな名車。生産されていたのは1994~2000年と四半世紀も前ですが、パオ、Be-1など日産パイクカーの流れをくむデザインが今でも人気です。
その中で、ノマドと共通点あるデザインをもつグレードがモデル後期の1998年4月に追加された「フォルザ」です。丸目のヘッドライト、四角いフォルムはどことなくサファリカーを思わせるデザイン。通常のラシーンと異なり、オーバーフェンダーが装着された3ナンバー仕様でした。

たくましいのは外観だけではありません。搭載される2L ガソリンエンジン SR20DE型は当時の日産車に多く採用されていた名機。それにセンターデフ+ビスカスカップリングのフルタイム4WDシステム「ATTESA」が組み合わされていました。見た目はレトロでも、走りは本格という点が「フォルザ」の萌えポイントです。
ラシーン全体では現在でも100台以上の中古車が流通していますが、「フォルザ」はレアキャラ。それでも価格高騰することなく、ほとんどの物件は総額60万~140万円、レストアされた物件、カスタマイズされた物件でも総額200万円前後から狙えます。
人とは違うSUVに乗りたい! という人にオススメの1台です。

▼検索条件
日産 ラシーン フォルザ(初代)×全国候補? 6|ハマー H2(初代)
→予算目安:総額150万~1230万円
ここまでノマドの代わりになりそうな5モデルを紹介してきました。どれも個性的な車ばかりですが「なんとなくパンチに欠ける……」と感じているあなたに、ウルトラCの選択肢としてオススメしたいのがハマー H2です。

ハマーはアメリカのGMが製造していたSUVブランドで、H2は米軍の軍用車両「HMMWV(ハンヴィー)」にインスパイアされたモデル。
その出自から想像できるように大排気量と超大型のボディをもつキング・オブ・「丸目×カクカクボディ」と言っても過言ではない本格SUVです。

「ノマドの代わりとしてはウルトラCの選択肢」という理由は、そのボディサイズ。全長5171mm × 全幅2062mm × 全高2012mmとノマドと比べ物にならないほど大きいこともあり、見た目の迫力は他を寄せ付けません。
見た目は軍用車然としているが、乗り味は非常にゆったりしており15年以上前のモデルとしては上々。高いインテリアの質感とゆったりとした室内空間で快適性は良好です。
ボディ構造は古典的なラダーフレーム式で、前ダブルウィッシュボーン式トーションバー、後5リンク・リジッド式コイルというサスペンション構成も共通のもの。アメリカンSUVとしてはごく一般的な形式が採用されています。
2007年11月にはマイナーチェンジが行われ、エンジン、ATのリニューアルからエクステリア、インテリアのデザイン変更、安全装備の充実など、全般にわたってリフレッシュが図られています。

販売終了から15年が経過していますが中古車流通台数は160台超と、この手のモデルにしては豊富な状況。多くはデビューイヤー前後に集中しており、大規模なマイナーチェンジが行われた2007年11月以降のモデルは約20台にとどまっています。
オススメのグレードは高級装備がふんだんに採用された「タイプG」。マイナーチェンジ前の6L V8エンジンでも、アメリカンらしさは十分に堪能できるでしょう。
ただし、燃費については実燃費3~5km/L程度といわれているので、維持費のご準備はお忘れなく。
▼検索条件
ハマー H2(初代)×全国
自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。