トヨタ ランドクルーザー250(初代・現行型)▲多様な車種が販売されているSUVだが、自分の暮らしに合った車を見極めることが重要となるが……。こちらはトヨタ ランドクルーザー250(初代・現行型)

「買ってはいけないSUV」を考察。SUV選びのコツも紹介

アクティブなルックスや優れた走行性能、使い勝手の良さで人気なSUV。国内外問わず多くの自動車メーカーが展開し、軽自動車からラージサイズまで多種多様な車種を選べるのも利点だ。

車選びの本命として定着しつつあるSUVだが、ネットで情報を収集しているとネガティブな意見を目にすることも。中には「買ってはいけないSUV」という気になるフレーズもあり、SUV選びに戸惑いやためらいを感じる人もいるだろう。

そんな不安を解消するべく、今回は「買ってはいけないSUV」について検証・考察。併せて失敗しないSUVの選び方や、オススメの車種を紹介する。
 

 
 

買ってはいけないSUVとは? 存在する?

結論から言うと「買ってはいけないSUV」など存在しない。最近の車なら走行性能や安全性能などを高水準で満たしているし、逆にクラシックなSUVでもきちんとメンテナンスされていれば問題なく走行してくれる。車種レベルで「買ってはいけない」と断言できるSUVは、まずあり得ない。

ただ、選んだSUVが自分の暮らしに合っていない、あるいは求めるニーズとかけ離れていたため、「失敗した!」と感じるケースは存在する。しかし、それはあくまで車と用途のミスマッチ。例えば、次のような事例はよく見かけるが、SUV自体に問題があるとは言えないだろう。

事例1:デザインだけを見て必要以上に大きなSUVを選択
大柄なボディはSUVの魅力であり、無骨なデザインの車種は特に人気だ。しかし、そういった車種は比較的ボディが大きい。街乗り中心でそこまで大きさを必要としない場合、「取り回しにくい」「狭い道でのすれ違いや駐車が大変」と後悔する人もいる。

ただ、これはあくまでも「使用環境と選んだ車種があっていない」という話。SUVならコンパクト~ミドルサイズでも、アクティブなデザインの車種が用意されている。自分に合ったサイズ感の車種を選べば、失敗だと感じることはないだろう。
 

トヨタ ランドクルーザー300(初代・現行型)▲燃費性能や取り回しの優先順位が低いなら、パワフルで大容量なラージサイズSUVは良き選択肢となる。こちらは、ラージサイズのトヨタ ランドクルーザー300(初代・現行型)

事例2:アウトドアが趣味だが、街乗り向けSUVを買った
SUVといえばアウトドア・レジャーでガシガシ使えるイメージをもつかもしれない。しかし、SUVといっても街乗り向けの「クロスオーバーSUV」とオフロード向けの「クロスカントリー(以下クロカン)SUV」の2種類がある。

クロスオーバーSUVは燃費性能が高く、舗装路なら快適に走行できる。しかし、あくまで街乗り向けなので、キャンプ場でボディを傷つけかねない。本格的にアウトドアを楽しみたい人には不向きとなるので要注意。山奥のキャンプ場やゴツゴツした河原、深い雪道などを走るなら、クロカンSUVを選ばないとミスマッチとなる。

トヨタ RAV4(4代目・現行型)▲クロスオーバーSUVでも、悪路走破性に優れた車種もある。こちらはトヨタ RAV4(4代目・現行型)

事例3:2世帯でのファミリーユースなのにSUVを購入
SUVは快適にドライブでき、室内および荷室も広い。座席位置の高さも有利に働き、クロスオーバーSUVならチャイルドシートに子供を乗せやすい。最近では3列シートを備える車種もあり、ファミリーカーとしても使う人も増えている。

しかし、乗車人数が多い場合、SUVはミスマッチとなる。SUV の3列シートは狭めで、エマージェンシーシートとして扱うのが妥当。5名以上が乗る頻度が高いなら、ミドルサイズ以上のミニバンの方が向いている。また、クロカンSUVなどはフロア高が高いため、小さな子供や足腰のお年寄りは乗り降りしにくい点も留意しておきたい。
 

スバル クロストレック(初代・現行型)▲普段の乗車人数が4名で、走行性能を重視するなら、クロスオーバーSUVはファミリーカーの有力候補となる。こちらはコンパクトSUVのスバル クロストレック(初代・現行型)
 

世間で言われる「買ってはいけない理由」は本当?

買ってはいけないSUVは「存在しない」と断言したが、それでもまだ不安を感じている人がいるかもしれない。そこで、「買ってはいけない」と言われているSUVについて調べてみた。

・年式がかなり古いSUV
・先進安全装備を備えていないSUV
・燃費性能が低すぎるSUV


これらは「買ってはいけないSUV」として挙げるのは適切でない。人によっては避けるべきかもしれないが、一部の人にとっては選択肢となり得るからだ。以下その理由について説明していく。

年式がかなり古いSUVは買ってはいけない?
確かに現行型と比べると年式が古いモデルはトラブルの可能性が高くなる。ただ、それはSUVどころか車に限る話ではないし、きちんとメンテナンスされていれば故障しやすいとは一概に言えない。

実際20~30年前の中古車でも元気よく走るし、年式がさらに古くても状態の良い車両は存在する。安心感を優先する人は新しいSUVの方が良いが、年式の古さは万人にとって買ってはいけない理由とはならない。例えば、古き良きデザインが好きな人や、車の“お世話”を楽しめる人には良い選択肢にもなる。
 

トヨタ ランドクルーザー70(初代)▲最近ではデザイン重視で、クラシカルなSUVを好む人も多い。こちらは2023年12月に復刻販売されたトヨタ ランドクルーザー70(初代)

先進安全装備を備えていないSUVは買ってはいけない?
少し前のSUVだと先進安全装備が採用されていない車種もあり、それを買ってはいけない理由に挙げる声もある。安全性能は高い方が良いし、先進安全装備は大多数にとって優先順位の高い装備だろう。だからと言って、先進安全装備が付いていないSUVが「買ってはいけない」と断言できない。

例えば、近所の移動がメインで「先進安全装備より価格を優先したい」と考えている人なら、装備の有無にこだわる必要はないはず。クラシカルなSUVを検討している人なら先進安全装備が付いていないからといって不満を感じることもないだろう。先進安全装備が付いているに越したことはないが、買ってはいけないSUVの特徴とは言い難い。
 

トールワゴンの3代目カングー▲10年ほど前の車種だと先進安全装備が採用されていても、グレードや物件によって装備していないこともあるので注意。こちらはスズキ ジムニーシエラ(3代目/JB74型・現行型)

燃費性能が低いSUVは買ってはいけない?
少数ではあるが、燃費性能が低いことを「買ってはいけないSUV」の特徴とする意見もあった。背が高いSUVは車重があり、コンパクトハッチバックと比べると燃費性能が低い。ただ、これこそ車と用途のミスマッチにすぎず、買ってはいけない理由とするのは無理がある。

そもそも最近のSUVは燃費性能が向上しており、ハイブリッドのコンパクトSUVの中には全車の燃費性能ランキングで上位に入る車種もある。ボディタイプだけでなく、サイズやパワートレインもきちんとチェックすれば、満足のいくSUVに出会えるはずだ。
 

日産 キックス(初代・現行型)<▲クロスオーバーSUVならセダンやミニバンよりも低燃費な車種が多い。こちらは日産 キックス(初代・現行型)
 

失敗・後悔しないSUVの選び方

SUV選びで失敗・後悔しないためには、まず自分のライフスタイルから車に求めるニーズを明確にすること。そのうえで、次の5つに注目したい。もちろん、SUVに限らずデザインが自分好みであることや、経済的に無理はしないことは車選びの鉄則だ。

ポイント1:SUVの種類
前述したとおり、SUVにはクロスオーバーとクロカンの2種類がある。クロスオーバーSUVは、基本的に街乗り向け。車高と最低地上高を高めてオフロード走行も意識しているが、「乗用車の延長」という程度で、乗り心地がよく、運転や乗り降りもしやすい。

対するクロカンSUVは、完全なオフロード向け。ハシゴ型の「ラダーフレーム構造」を採用することで悪路走破性が高くなっているが、舗装路での乗り心地や燃費性能はクロスオーバーSUVに及ばない。

山や林道、砂浜なハードな道を走るならクロカンSUV一択となるが、それ以外の場合はクロスオーバーSUVを選ぶのがベター。「普段は街乗りで、休日はちょっとしたアウトドアを楽しみたい」程度なら十分以上に対応してくれる。
 

トヨタ ハリアー(4代目・現行型)▲クロスオーバーSUVは「SUVと他のジャンルを掛け合わせた車」のこと。「SUV×クーペ」や「SUV×軽トールワゴン」など多様な組み合わせが可能なため、ラインナップも多彩となっている。こちらはトヨタ ハリアー(4代目・現行型)

ポイント2:ボディサイズ
ボディサイズの大小は、SUVのユースに直結する。ボディが大きければ荷物をたっぷり積めるし、ハイパワーなエンジン・モーターでドライブも快適。一方で、小さくなれば取り回しやすく、燃費性能や税金などのコストは軽減される。

そのため、ボディサイズは想定される乗車数や荷物量、扱いやすさ、走行性能、ランニングコストのバランスを考慮。いずれも過不足があると不満を感じやすいので、自分にとってベストなバランスとなるサイズ感を見極めることが重要だ。
 

ホンダ ヴェゼル(2代目・現行型)▲最近の車種はコンパクトでも積載性や走行性能が向上しているので、自分に合ったSUVを選びやすくなっている。こちらはコンパクトSUVのホンダ ヴェゼル(2代目・現行型)の荷室

ポイント3:パワートレイン
SUVのパワートレインは種類が豊富。ガソリンエンジンと同ターボの他、ディーゼルターボエンジンやハイブリッド、プラグインハイブリッドなど、様々なユニットが採用されている。それぞれの特性を理解したうえで、適切なパワートレインを選ぼう。

例えば、ガソリンエンジンはリーズナブルで、高速走行時における加速のノビと安定性が特徴。ディーゼルエンジンはトルクフルで、低速からの加速に優れているが、短距離での走行が続くと不調を起こしやすい。ハイブリッドは総じて燃費が良いが、走行性能も高いが、搭載車が高価になりやすいので注意が必要だ。
 

三菱 アウトランダー(3代目・現行型)▲プラグインハイブリッドは、ハイブリッドに大容量バッテリーを搭載して給電能力を向上。ハイブリッド車よりも高価になるが、よりエコで、重厚感のある走りが魅力となる。こちらはプラグインハイブリッド車の代表格である三菱 アウトランダー(3代目・現行型)

ポイント4:駆動方式
オフロードをガンガン走りたい人や、豪雪地帯の人は4WDがベストだが、そうでないなら2WDで十分な可能性がある。4WDは悪路走破性だけでなく走行安定性も高めてくれるが、燃費性能が悪化しやすく、購入費用も高くなる。

2WDでもスタッドレスタイヤを履けば、ある程度の雪道は走れるし、整備された山道なら問題なく走れる。アウトドアを楽しみたくてSUVを検討していると、4WDを選びたくなる人もいるかもしれないが、「4WDが必須」でないなら2WDを選ぶのが無難だ。
 

スバル フォレスター(5代目・現行型)▲クロスオーバーSUVのハイブリッド車だと4WDの設定がなかったり、クロカンSUVだと4WDのみであったりすることもある。気になる車種があるなら、駆動方式のラインナップを早めにチェックしよう。こちらはスバル フォレスター(5代目・現行型)

ポイント5:荷室
SUVといっても荷室の使い勝手は車種によって大きく異なる。だからこそ、荷室はきちんとリサーチしよう。荷室の広さや容量はもちろん、荷室の形がスクエアで積みやすいか確認。ルーフの傾斜も、背の高い物を積むときに不利になるため、チェックしておきたい。

荷室が防水・防汚タイプか、ラゲージボードやアンダーボックスが備わっているかなどもポイント。バックドアの開口部が広く、荷物が積み降ろしやすいかも忘れずに確かめよう。
 

マツダ CX-5(2代目・現行型)▲後席の可倒方式にも注目。4:2:4分割式は採用する車種は少ないが、後席を細かく前倒しできるので使い勝手が良く、長尺物も積みやすくなる。画像はマツダ CX-5(2代目・現行型)の室内
 

クロスオーバーSUVのオススメ10選

選択肢が豊富なクロスオーバーSUVの中から10車種を厳選。いずれも日常使いやロングドライブ、アクティビティなど様々な用途に対応する実力派だ。
 

 

1.スズキ ハスラー(2代目・現行型)

2代目ハスラー▲2019年12月に登場した2代目ハスラー。先代よりルーフ長が伸び、リアセクションにクオーターウインドウも追加された

2代目ハスラーは「広々した車内空間が欲しい。でもカッコ良さ、可愛さも捨てられない!」という人にピッタリだ。軽ハイトワゴン×SUVというクロスオーバーで、カッコ可愛いルックスが魅力。初代から受け継いだ丸目のヘッドライトや四角いフォルムが特徴だ。

長いホイールベースと、直立した窓のおかげで、室内は軽ハイトワゴン並みに広々。荷室からスライドできる後席など、使い勝手も上出来だ。ヒップポイントが高いため、見晴らしが良く、運転しやすいのも美点だ。

パワーユニットは全車マイルドハイブリッド。組み合わされるエンジンは、自然吸気ガソリンとターボの2種類が用意されている。4WDは簡易的なスタンバイ方式を採用。前後オーバーハングが短く、ちょっとした悪路でもヒットしにくい。
 

2代目ハスラー▲内装はギア感のあるデザイン。助手席はシートバックを前方に倒してフルフラット化することができる

カーセンサーへの掲載台数は約5010台(2025年1月31日現在)と豊富。ターボ車は全体の2割弱で、圧倒的にガソリン車の割合が多い。車両平均価格は160万円前後だが、最初期のモデルなら総額80万円前後から狙える。

年式別に見るとデビューから直近まで比較的満遍なく分布しているが、2024年式が全体の半数以上を占める。新しめ、あるいは走行距離が短い物件を求める人にとっては大チャンスだ。
 

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スズキ ハスラー(2代目・現行型) × 全国

【2代目ハスラーの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1680mm
室内寸法:室内長2215mm×室内幅1330mm×室内高1270mm
燃費(WLTCモード):20.8~25.0km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:マイルドハイブリッド(ガソリンエンジン/同ターボ)
排気量:657~658cc
エンジン最高出力:49~64ps
エンジン最大トルク:58~98N・m
モーター最高出力:2.6~3.1ps
モーター最大トルク:40~50N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:128万~197.2万円
中古車の車両価格帯:69.8万~287万円
 

 

2.トヨタ ライズ(初代・現行型)

初代ライズ▲2019年11月に登場した初代ライズ。ダイハツ ロッキーの兄弟車であり、開発はダイハツが主導で行われた

初代ライズは今や希少な5ナンバーサイズのクロスオーバーSUV。ボディがコンパクトなうえ、最小回転半径4.9~5.0mと取り回しも優れている。その一方で、クラストップレベルの荷室容量を確保。デッキボードで荷室を上下2段に分けられるなど、使い勝手も良い。

パワーユニットは当初1Lガソリンターボのみだったが、2021年11月にラインナップが変更。4WD車は従来どおり1Lターボ車だが、2WD車は1.2Lガソリン車と、エンジンを発電専用としてモーターのみで駆動する「シリーズ式」のハイブリッド車が設定された。

5名乗車時の荷室容量はガソリン2WD車が最大145L、ガソリン4WD車が最大104L。ハイブリッド車は最大81Lと、駆動方式によって異なる。積載性を優先したいならガソリン車を選ぶのがオススメだ。
 

初代ライズ▲上級グレードおよび4WD車にはシートヒーターを装備するなど、装備内容も充実

カーセンサー掲載台数は約5150台。年式別で見ると、デビュー翌年の2020年式に全体の約3割が集中している。パワートレイン別では、ハイブリッドが追加される以前の1Lガソリンターボ車が多数。ハイブリッド車は今のところ全体の2割程度となっている。

車両平均価格は約201万円前後だが、最初期のガソリン2WD車なら走行距離3万km未満の物件でも総額150万円前後から狙うことができる。
 

▼検索条件

トヨタ ライズ(初代・現行型) × 全国

【初代ライズの注目データ】
ボディサイズ:全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm
室内寸法:室内長1955mm×室内幅1420mm×室内高1250mm
燃費(WLTCモード):17.4~28.0km/L
乗車定員:5名
パワーユニット:ガソリンエンジン/ハイブリッド
排気量:996~1196cc
エンジン最高出力:82~98ps
エンジン最大トルク:105~140N・m
モーター最高出力:106ps
モーターエンジン最大トルク:170N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:167.9万~244.2万円
中古車の車両価格帯:129万~335.7万円
 

 

3.トヨタ ヤリスクロス(初代・現行型)

初代ヤリスクロス▲2020年8月にデビューしたヤリスクロス。全高は1590mmとハッチバックのヤリスよりも95mm高く、存在感もアップ

初代ヤリスクロスは、日常使いにもアクティブに遊ぶにもバッチリなコンパクトSUV。ベース車はヤリスだが、全長を240mmも伸長したうえで、ボディパーツのほとんどを専用化。オーバーフェンダーも装着され、見た目にも走りにも安定感がもたらされている。

全長を伸ばした分はほぼ荷室の拡大に充てられ、390Lという容量を確保。これは1サイズ上のC-HRを大きく上回るキャパシティだ。乗車スペースは前後シートの寸法や足回りの広さはヤリスとほとんど同じだが、座面から天井までの高さがあり、広々としている。

パワーユニットは、1.5Lガソリンエンジンとハイブリッドの2種類。4WDシステムはガソリン車が必要に応じて後輪に駆動力を配分する「ダイナミックトルクコントロール4WD」、ハイブリッド車が電気式の「E-Four」を採用し、クロスオーバーSUVとしては十分な悪路走破性だ。
 

初代ヤリスクロス▲車内はヤリスとほぼ共通。上級グレードの後席シートバックは中央部だけ倒すことができる

カーセンサー掲載台数は約3310台で、その半数がハイブリッド車。グレード別では最上級の「Z」が最多だが、専用装備でアウトドアテイストを強めた「Zアドベンチャー」は約140台と少なめ。また、フロントグリルのデザインなどが変更された2024年1月以降のモデルが約720台も掲載している。

車両平均価格は243万円前後で、総額200万円前後から探すことが可能。デビュー直後から直近まで比較的満遍なく分布しているため、価格帯が幅広く、予算や好みに応じて選びやすいのもポイントだ。
 

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トヨタ ヤリスクロス(初代・現行型) × 全国

【初代ヤリスクロスの注目データ】
ボディサイズ:全長4180~4200mm×全幅1765mm×全高1590mm
室内寸法:室内長1845mm×室内幅1430mm×室内高1205mm
燃費(WLTCモード):17.1~30.8km/L
乗車定員:5名
パワーユニット:ガソリンエンジン/ハイブリッド
排気量:1490cc
エンジン最高出力:91~120ps
エンジン最大トルク:120~145N・m
モーター最高出力:前80ps/後5.3ps
モーターエンジン最大トルク:前141N・m /後52N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:179.8万~315.6万円
中古車の車両価格帯:155万~371.1万円
 

 

4.ホンダ ヴェゼル(2代目・現行型)

2代目ヴェゼル▲2021年4月に登場した2代目ヴェゼル。リアウインドウが傾斜したクーペのようなスタイリングが特徴

ヴェゼルは、ホンダのクロスオーバーSUVの中核モデル。現行型となる2代目はスタイリッシュな外観と広い車内、そして洗練された走りが魅力だ。

外装のデザインではビレットグリル風のフロントグリルや、「プレイ」グレードに設定される2トーンカラーなど遊び心を感じさせる。ボディは全長4330mm×全幅1790mmとコンパクトだが、後席の広さはクラス平均以上。どの席に座っても見晴らしが良く、室内は開放的だ。

パワーユニットは1.5Lガソリンエンジンと、同排気量のハイブリッドが設定されている。ハイブリッドシステムは、エンジン+2モーターで構成される「e:HEV」を搭載。エンジンの役割を発電と高速巡航時の駆動アシストのみに限定し、普段はほぼモーターのみで走行できる。燃費性能もWLTCモードで最大26.0km/Lと優秀だ。
 

2代目ヴェゼル▲乗員を包み込むような風の膜を作り出す「そよ風アウトレット」など特徴的な装備も採用されている

カーセンサー掲載台数は約2480台。パワーユニット別ではハイブリッド車が9割弱を占め、グレード別では「Z」が6割強となっている。年式別ではデビュー直後よりも2024年式が比較的多め。これは、フロントまわりのデザインやグレードの見直しなどを含む2024年4月のビッグマイナーチェンジの影響だろう。

車両平均価格は約292万円で、ハイブリッド車でも総額230万円前後から狙える。グレードにこだわらなければ走行距離1万km以内の物件が総額250万円で購入圏内だ。
 

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ホンダ ヴェゼル(2代目・現行型) × 全国

【2代目ヴェゼルの注目データ】
ボディサイズ:全長4330~4340mm×全幅1790mm×全高1580~1590mm
室内寸法:室内長2010~2020mm×室内幅1445mm×室内高1225~1240mm
燃費(WLTCモード):15.0~26.0km/L
乗車定員:5名
パワーユニット:ガソリンエンジン/ハイブリッド
排気量:1496cc
エンジン最高出力:106~118ps
エンジン最大トルク:127~142N・m
モーター最高出力:131ps
モーター最大トルク:253N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:227.9万~377.6万円
中古車の車両価格帯:210.6万~396万円
 

 

5.トヨタ ハリアー(4代目・現行型)

4代目ハリアー▲2020年6月に登場した4代目ハリアー。デザインは比較的シンプルだが、ボディラインは抑揚をもたせ、洒落っ気がある

クロスオーバーSUVの先駆けといえるのがハリアーだ。現行型となる4代目は見た目だけでなく、機能においてもクーペとSUVの利点を融合させた“真のクロスオーバー”と言える。

従来型同様に流麗なフォルムながら、Aピラーの位置を後退させ、前方視界を拡大。内装は馬の鞍をイメージしてデザインされたセンターコンソールや、障子越しの光を車内に再現する調光パノラマルーフなど、仕立てもエレガントだ。荷室はゴルフバッグ3個を積め、使い勝手も良好。走りはスポーティさと快適さを見事に両立している。

パワーユニットは当初2Lガソリンエンジンと、2.5Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッド。2022年10月にはプラグインハイブリッドが追加されている。ガソリン車の走りは軽快なのに対して、ハイブリッド車&プラグインハイブリッド車は重厚な乗り味。パワーユニットによって走りの印象は大きく異なる。
 

4代目ハリアー▲室内は適度な“包まれ感”がある。また、足元スペースが広大なので、ゆったりと座れる

カーセンサー掲載台数は約2810台。そのうち6割ほどがガソリン車で、ハイブリッド車は4割弱、プラグインハイブリッド車は約30台と希少だ。グレード別では最上級グレードの「Z」系が2000台近くと最多。パワーシートなどを専用装備として備えているのでオススメだ。一方で、調光パノラマルーフを装備している物件は全体の約1割しかない。

車両平均価格は約380万円。ガソリン車なら総額250万円前後、ハイブリッド車は総額260万円前後から探すことができる。
 

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トヨタ ハリアー(4代目・現行型) × 全国

【4代目ハリアーの注目データ】
ボディサイズ:全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mm
室内寸法:室内長1880mm×室内幅1520mm×室内高1215mm
燃費(WLTCモード):14.7~22.3km/L
乗車定員:5名
パワーユニット:ガソリンエンジン/ハイブリッド/プラグインハイブリッド
排気量:1986~2487cc
エンジン最高出力:171~178ps
エンジン最大トルク:207~221N・m
モーター最高出力:前120~182ps/後54ps
モーター最大トルク:前202~270N・m/後121N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:299万~620万円
中古車の車両価格帯:230万~674.8万円
 

 

6.日産 エクストレイル(4代目・現行型)

4代目エクストレイル▲2022年7月にデビューした4代目エクストレイル。フロントマスクは上下2段のライトが印象的だ

エクストレイルといえば「アウトドアで使い倒せるギア」が従来のイメージだった。しかし、現行型となる4代目は上質感が特徴となる。内外装のデザインや仕立てだけでなく、走りも洗練。剛性感の高いボディと優れた静粛性で、快適なドライブを楽しめる。

全車がハイブリッドになったのもトピックだ。エンジンを発電に特化させ、駆動はすべてモーターが担う「e-POWER」を搭載。アクセルペダルを緩めると自動的にブレーキが連動して働く「eペダルステップ」も採用されている。

もちろん、オフロードでの走破性能もおろそかにされていない。前後2個のモーターとブレーキでトラクションを細かく制御する「e-4ORCE(イー・フォース)」を採用。モーター回生量の制御によって車両姿勢を安定させる機能ももつため、悪路だけでなくオンロードでも力を発揮する。
 

4代目エクストレイル▲2列シート仕様に加え、3列シート仕様も設定。2列シート仕様の荷室容量はクラス最大の575Lを確保している

カーセンサー掲載台数は約460台で、そのほとんどが4WD。乗車人数別では2列5人乗りが主流で、3列7人乗りは十数台程度だ。グレード別で見ると、半数以上を最上級の「G」が占める。

車両平均価格は約407万円で、総額330万円前後から見つけることができる。リーズナブルなのは2022年式だが、走行距離2万km以内の物件がほとんどなので、走行距離を気にする人でも狙いやすいだろう。
 

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日産 エクストレイル(4代目・現行型) × 全国

【4代目エクストレイルの注目データ】
ボディサイズ:全長4660~4675mm×全幅1840mm×全高1715~1720mm
室内寸法:室内長1980~2530mm×室内幅1540mm×室内高1255mm
燃費(WLTCモード):18.3~19.7km/L
乗車定員:5~7名
パワーユニット:ハイブリッド
排気量:1497cc
エンジン最高出力:144ps
エンジン最大トルク:250N・m
モーター最高出力:前204ps/後136ps
モーター最大トルク:前330N・m/後195N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:319.9万~533.3万円
中古車の車両価格帯:278万~549.8万円
 

 

7.スバル レヴォーグレイバック(初代・現行型)

初代レヴォーグレイバック▲2023年10月に登場した初代レヴォーグレイバック。ステーションワゴンの機能性はそのままに多少の悪路も走れる

走行性能を重視するなら初代レヴォーグレイバックが注目株だ。ステーションワゴンの2代目レヴォーグをクロススオーバーSUV化したモデルだが、最低地上高は本格SUV並みの200mmを確保。前後バンパーも対地障害角を大きくして、悪路走破性が高められている。

デザインもスマートなレヴォーグに対してレイバックではたくましさを強調。バンパーデザインの変更やオーバーフェンダーの装着がされている。ボディもレヴォーグより全長で15mm、全幅で25mm、全高で70mm拡大。専用サスペンションも装備され、キャラクターに合った乗り味となっている。

搭載エンジンは、スバル謹製の1.8L水平対向ガソリンターボ。車格からすると小排気量に思えるが、最高出力177psと動力性能は十分。ターボによる加速のパンチ力もある。ラインナップは当初「リミテッド EX」のモノグレードだったが、2024年12月に「ブラックセレクション」が追加された。
 

初代レヴォーグレイバック▲レイバックは基本装備がレヴォーグの上級グレードに相当。ゆえに新車価格も高めの設定となっている

カーセンサーへの掲載台数は40数台で、全車がリミテッド EX。少ないながら登録済未使用車があるので、走行距離が気になる人でも選ぶことができる。

中古車平均価格は約394万円で、総額390万円前後から見つけることが可能。デビューからの期間が短く、走行距離も2万km未満の物件がほとんどなので、十分納得できる水準と言える。気になる物件があれば中古車で検討するのも良いだろう。
 

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スバル レヴォーグレイバック(初代・現行型) × 全国

【初代レヴォーグレイバックの注目データ】
ボディサイズ:全長4770mm×全幅1820mm×全高1570mm
室内寸法:室内長1900mm×室内幅1515mm×室内高1205mm
燃費(WLTCモード):13.6km/L
乗車定員:5名
パワーユニット:ガソリンターボ
排気量:1795cc
エンジン最高出力:177ps
エンジン最大トルク:300N・m
駆動方式:4WD
新車の車両価格帯:399.3万~424.6万円
中古車の車両価格帯:210.6万~396万円
 

 

8.マツダ CX-80(初代・現行型)

初代CX-80▲伸びやかなフォルムが印象的なCX-80。外観デザインはベース車のCX-60とほぼ同じだ

マツダのフラッグシップSUVがCX-80だ。CX-60を延長して3列シート化したモデルだ。ボディサイズは全長4990mm×全幅1890mm×全高1710mmと、国産SUVではランドクルーザーに次ぐ大きさ。それだけにサードシートも含めて車内空間は余裕たっぷりだ。

2列目は、コンソール付きのセパレートタイプと、コンソールのないウォークスルータイプのキャプテンシートの2種に加えて、3人掛けベンチシートを設定。多人数乗車ができるだけでなく、自分に合ったレイアウトを選びやすくなっているのも利点だ。3列目は前倒し格納式で、荷室の実用性もなかなかだ。

搭載されるパワーユニットは3.3Lディーゼルターボと同マイルドハイブリッド、2.5Lガソリンエンジン+モーターのプラグインハイブリッドという3種類。車両重量はほとんどのグレードで2000kgを超えているが、いずれのパワーユニットでも動力性能に不足ないだろう。
 

初代CX-80▲内装の優美さもCX-80の見どころ。一部グレードにはベンチレーション機能付きシートが備わる

2024年10月の登場なので、カーセンサー掲載台数は10台前後と少なめ。パワートレイン別ではディーゼル車がほとんどだ。グレード別では中間の「XD Lパッケージ」が多くなっている。

それだけに中古車平均価格は約491万円で、総額490万円前後から見つけることができる。高値を維持しているが、ほとんどの物件が走行距離3000km未満。条件に合う物件があれば、検討してみるのも一案だ。
 

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マツダ CX-80(初代・現行型) × 全国

【初代CX-80の注目データ】
ボディサイズ:全長4990mm×全幅1890mm×全高1705~1710mm
室内寸法:室内長2650mm×室内幅1550mm×室内高1211~1233mm
燃費(WLTCモード):12.9~19.2km/L
乗車定員:6~7名
パワーユニット:ディーゼルターボ/マイルドハイブリッド/プラグインハイブリッド
排気量:2488~3283cc
エンジン最高出力:188~254ps
エンジン最大トルク:250~550N・m
モーター最高出力:16.3~175ps
モーター最大トルク:153~270N・m
駆動方式:FR/4WD
新車の車両価格帯:399.3万~424.6万円
中古車の車両価格帯:210.6万~396万円
 

 

9.フォルクスワーゲン T-Roc(初代・現行型)

初代T-ROC▲2020年7月にデビューした初代T-Roc。外装のデザインはなかなかにスポーティ

初代T-Roc は2023年の「輸入SUV新車登録台数」でNo.1に輝いた人気車だ。フォルクスワーゲンにはT-Crossと似たセグメントのモデルがあるが、ボディサイズはT-Rocの方が一回り大きい。その分、室内は広く、荷室容量も5名乗車時で445L、後席格納時で1290Lとクラストップレベルだ。

デザインもリアウインドウを大きく傾斜させたクーペライクなフォルムで、T-Crossと差別化。ボディとルーフで色を塗り分けた、オシャレな2トーンカラー仕様も設定されている。

搭載エンジンは当初、最高出力150psを発生する2Lディーゼルターボを搭載。2021年5月には1.5Lガソリンターボ、2022年7月に2Lガソリンターボが追加された。駆動方式はFFと4WDが設定されているが、後者はスポーツモデルの「R」のみ。つまり、この4WDシステムはオンロードでの走行性能向上に主眼が置かれている。
 

初代T-ROC▲個性を強めた外装とは異なり、内装のデザインはVWらしく質実剛健。シンプルだからこその使いやすさがある

カーセンサー掲載台数も約480台と、輸入クロスオーバーSUVの中では豊富。パワートレイン別で見るとディーゼル車の「TDI」系が7割弱を占める。続いて1.5Lガソリン車の「TSI」系が多く、2Lガソリン車のRは1割以下と希少。年式別で見ると、どの年式も比較的満遍なく分布しており、予算に応じて選びやすくなっている。

車両平均価格は約330万円。TDI系が総額220万円前後、TSI系は総額240万円前後、Rは総額420万円前後から狙うことができる。
 

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フォルクスワーゲン T-Roc(初代・現行型) × 全国

【初代T-Rocの注目データ】
ボディサイズ:全長4240~4250mm×全幅1825mm×全高1570~1590mm
室内寸法:メーカー非公表
燃費(WLTCモード):15.5~18.6km/L
乗車定員:5名
排気量:1497~1984cc
エンジン最高出力:150~300ps
エンジン最大トルク:250~400N・m
駆動方式:FF/4WD
新車の車両価格帯:355万~688.9万円
中古車の車両価格帯:189万~578万円
 

 

10.メルセデス・ベンツ GLC(2代目・現行型)

2代目GLC▲2023年3月に登場した2代目GLC。押し出し感がありながら、上品さも感じさせるデザインも長所だ

GLCはミドルクラス・セダンのCクラスをベースに開発されたクロスオーバーSUV。現行型となる2代目もCクラスとプラットフォームを共有しているが、ボディパーツのほとんどをオリジナルで、しっかりと最適化されている。

メルセデス・ベンツが展開するSUVの中でも中核を担うモデルだけあり、実用性も優秀。荷室容量は5名乗車時で620Lもあり、後席格納時は1680Lと積載性に優れている。駆動方式はFRをベースとしたフルタイム式4WDで、オンロードからオフロードまで頼もしい走りを披露してくれるのも魅力だ。

デビュー時のパワートレインは2Lディーゼルターボエンジンによるマイルドハイブリッドのみ。2024年3月には2Lガソリンターボとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド仕様が追加された。いずれもスムーズに加速し、セダンと比べても遜色ない快適な乗り心地となっている。
 

2代目GLC▲内装には本革やリアルウッドなどの素材が贅沢に使われている

カーセンサー掲載台数は約90台。ディーゼルのマイルドハイブリッド車である「220d」系と、ガソリンのプラグインハイブリッド車である「350e」系が半々くらいとなっている。年式別に見ると2024年の方が多く、その分低走行車が狙いやすくなっている。

車両平均価格は約849万円。220d系が総額720万円前後、350e系が総額800万円前後から見つけることができる。
 

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メルセデス・ベンツ GLC(2代目・現行型) × 全国

【2代目GLCの注目データ】
ボディサイズ:全長4720~4725mm×全幅1890~1920mm×全高1635~1640mm
室内寸法:メーカー非公表
燃費(WLTCモード):11.9~18.1km/L
乗車定員:5名
排気量:1497~1984cc
エンジン最高出力:197~204ps
エンジン最大トルク:320~440N・m
モーター最高出力:23~136ps
モーター最大トルク:205~440N・m
駆動方式:4WD
新車の車両価格帯:820万~1133万円
中古車の車両価格帯:678万~1180万円
 

 

クロカンSUVのオススメ3選選

次にクロカンSUVのオススメ車種をピックアップ。本格的な悪路走破性だけでなく、シティユースなども考慮して3モデルを選出した。

 

1.スズキ ジムニー(4代目/JB64型・現行型)

4代目/JB64ジムニー▲2018年7月に登場した4代目ジムニー。四角いボディ形状は見切りが良く、車両感覚もつかみやすい

本格クロカンSUVと呼べる国産現行車は今や数少ない。その中でも4代目ジムニーは軽自動車で、実用性とデザイン性を両立。世界的に見ても希少な存在だ。

伝統あるオフローダーらしく、ラダーフレーム構造のシャシーや、前後リジッドアクスル式のサスペンションを採用。一方で、悪路や雪道でのアクセル操作を容易にするトラクションコントロールなど、現代的なメカニズムも搭載し、小柄ながらSUV有数の悪路走破性能を備えている。

先進安全装備の「スズキ セーフティサポート」が採用されているのもポイント。ただ、全グレードに標準装備されたのは2022年7月以降なので、安全性を重視する人は中古車を選ぶ際に気をつけた方が良い。
 

4代目/JB64ジムニー▲内装のデザインはシンプル。室内は少し狭めだが、普段の乗車人数が1~2人なら必要十分だろう

カーセンサー掲載台数は約2410台で、そのうち8割以上が上級グレードの「XC」。MT車を採用する車種が少なくなっている中、中古車の約2割がMT車というのもユニークだ。年式別で見ると、2024年式が特に多い。これは新車をベースに製作されたコンプリートカーが多いためだ。

車両平均は約228万円。走行距離3万km以内の物件が総額170万円から見つけられ、走行距離を気にしないなら総額140万円前後から狙うことができる。
 

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スズキ ジムニー(4代目/JB64型・現行型) × 全国

【4代目/JB64型ジムニーの注目データ】
ボディサイズ:全長3395mm×全幅1475mm×全高1725mm
室内寸法:室内長1795mm×室内幅1300mm×室内高1200mm
燃費(WLTCモード):13.2~16.6km/L
乗車定員:4名
パワーユニット:ガソリンターボ
排気量:658cc
エンジン最高出力:64ps
エンジン最大トルク:96N・m
駆動方式:4WD
新車の車両価格帯:145.8万~200.2万円
中古車の車両価格帯:132万~650万円
 

 

2.トヨタ ランドクルーザー250(初代・現行型)

初代ランドクルーザー250▲2024年4月に登場した初代ランドクルーザー250。角張ったフォルムで、伝統的なオフロード車を想起させるデザインが採用されている

本格オフローダーの筆頭格であるランドクルーザー。その中核にして「生活・実用を支えるモデル」と位置づけられるのが初代ランドクルーザー250だ。プラットフォームは300系と共通で、ラダーフレーム構造のシャシーやリジッド式のリアサスペンション、副変速機付きトランスファーなどを採用。サイズ的にはランドクルーザープラドの後継車に当たるが、キャラクターはまったくの別物となっている。

電子デバイスが積極的に採用されているのも特徴だ。一部グレードにはフロントスタビライザーの効果をオンオフできる「SDM」や電動リアデフロックなど、悪路走破用の本格的なメカニズムを搭載。路面に応じて走行モードを切り替えられる「マルチテレインセクト」も備えており、ドライバーをその気にさせてくれる。

搭載されるエンジンは2.8Lディーゼルターボと、2.7Lガソリンの2種類。グレードでは最上級の「ZX」、中級の「VX」に加え、ディーゼル車には新車価格520万円の量販グレード「GX」が設定されている。ランクルのディーゼル車としては比較的リーズナブルで、ランクルのファンにはうれしいところだ。
 

初代ランドクルーザー250▲シートレイアウトは2列5人乗りと3列7人乗りの2種類を設定。3列目は5:5の分割可倒式を採用している

カーセンサー掲載台数は約110台。デビューから1年近く経過し、ようやく中古車でも選びやすくなってきた。掲載物件の7割ほどがガソリン車のVXで、次にディーゼル車のZXが多い。ディーゼル車のVXも掲載されているが、GXはいまだ掲載されていない。

車両平均価格は847万円で、総額760万円前後から見つけることができる。人気ゆえにプレミアム価格となっているが、新車では2年ほどの納車待ちとなっているため、少しでも乗りたいなら中古車を選ぶのもアリだろう。
 

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【初代ランドクルーザー250の注目データ】
ボディサイズ:全長4925mm×全幅1940~1980mm×全高1925~1935mm
室内寸法:室内長1930~2685mm×室内幅1600mm×室内高1190~1210mm
燃費(WLTCモード):7.5~11.0km/L
乗車定員:5~7名
パワーユニット:ガソリンエンジン/ディーゼルターボ
排気量:2693~2754cc
エンジン最高出力:163~204ps
エンジン最大トルク:246~500N・m
駆動方式:4WD
新車の車両価格帯:520万~785万円
中古車の車両価格帯:735万~1330万円

 

3.ジープ ラングラー(4代目/JL型・現行型)

4代目ラングラー▲2018年11月に登場した4代目ラングラー。搭載エンジンは当初2Lガソリンターボと3.6Lガソリンが設定されていたが、2019年11月に後者に一本化された

ラングラーは、軍用車から続くジープの血統を受け継ぐ本格派オフローダー。そのタフさは4代目でも健在で、ラダーフレームや前後リジッド式のサスペンション、さらに一部グレードには耐荷重性に優れたリア・フルフロートアクスルなども採用されている。

ジープ伝統のデザインも継承。丸目のヘッドライトやボンネットから独立したフロントフェンダー、直立したフロントガラスなどが採用され、たくましいルックスは幅広い層に支持されている。室内は広く、質素で飾り気は少ない内装もキャラクターに合っている。

オフロード性能は言わずもがな一級品。ワイドトレッド&ロングホイールベースによって、オンロードでの走りも安定している。乗り心地はゴツゴツ感を残しているものの、クロカンSUVとしてはかなり快適だ。
 

4代目ラングラー▲ボディは3ドアと5ドアの2種類を設定。前者が4名乗車で、後者が5名乗車となっている

カーセンサー掲載台数は約770台と、輸入車のクロカンSUVとしては豊富だ。搭載エンジン別に見ると、2ターボ車と3.6Lガソリン車がおおむね半々。ドア数別では5ドア車が全体の9割以上となっている。

車両平均価格は約595万円だが、総額410万円前後から見つけることが可能。耐久性に優れているため、走行距離が延びている物件でも定期的にメンテナンスされていれば問題ないだろう。
 

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ジープ ラングラー(4代目/JL型・現行型) × 全国

【4代目/JL型ラングラーの注目データ】
ボディサイズ:全長4320~4870mm×全幅1895~1930mm×全高1825~1900mm
室内寸法:メーカー非公表
燃費(WLTCモード):8.0~10.0km/L
乗車定員:4~5名
排気量:1995~3604cc
エンジン最高出力:272~284ps
エンジン最大トルク:347~400N・m
新車の車両価格帯:459万~1030万円
中古車の車両価格帯:338万~1738万円

 

【最新】SUV人気ランキングTOP20

SUVの人気車種TOP20を紹介する。直近1年のカーセンサー独自のデータを基にした最新中古車ランキングだ。ぜひSUV選びのヒントとして活用してほしい。
 

順位 メーカー 車種 世代
1位 トヨタ ハリアー 4代目・現行型
2位 ホンダ ヴェゼル 2代目・現行型
3位 スズキ ハスラー 2代目・現行型
4位 日産 エクストレイル 3代目
5位 スズキ ハスラー 初代
6位 トヨタ RAV4 4代目・現行型
7位 スズキ ジムニー JB64・現行型
8位 マツダ CX-5 2代目・現行型
9位 ホンダ ヴェゼル 初代
10位 トヨタ ランドクルーザープラド 4代目
11位 トヨタ ライズ 初代・現行型
12位 トヨタ ハリアー 3代目
13位 トヨタ ヤリスクロス 初代・現行型
14位 トヨタ C-HR 初代
15位 レクサス NX 初代
16位 マツダ CX-8 初代
17位 レクサス RX 初代
18位 ダイハツ タフト 2代目・現行型
19位 ホンダ ZR-V 初代・現行型
20位 スズキ ジムニーシエラ JB74・現行型
順位 メーカー 車種 世代
1位 トヨタ ハリアー 4代目・現行型
2位 ホンダ ヴェゼル 2代目・現行型
3位 スズキ ハスラー 2代目・現行型
4位 日産 エクストレイル 3代目
5位 スズキ ハスラー 2代目・現行型
6位 トヨタ RAV4 4代目・現行型
7位 スズキ ジムニー JB64・現行型
8位 マツダ CX-5 2代目・現行型
9位 ホンダ ヴェゼル 初代
10位 トヨタ ランドクルーザープラド 4代目
11位 トヨタ ライズ 初代・現行型
12位 トヨタ ハリアー 3代目
13位 トヨタ ヤリスクロス 初代・現行型
14位 ホンダ C-HR 初代
15位 レクサス NX 初代
16位 マツダ CX-8 初代
17位 レクサス RX 2代目
18位 ダイハツ タフト 2代目・現行型
19位 ホンダ Z-RV 初代・現行型
20位 スズキ ジムニーシエラ JB74・現行型
 

SUVを中古車で買う際のポイント・注意点

SUVの中古車だからと言って身構える必要はない。基本的には他タイプと同様、定期点検記録簿などで修復・メンテナンス歴を確かめる。特に、消耗品となるタイヤやバッテリー、ブレーキパッドなどの交換歴や消耗具合は、販売店にきちんと聞いておくこと。保証の有無と範囲を確かめることも忘れてはならない。

当然、内外装のキズ・汚れ、走行中の違和感・異音、電装品の不具合などがないかを確認。特に、SUVはアウトドアを趣味にする人が多い傾向にあるため、ボディ下面を念入りに調べておきたい。キズや凹みはもちろん、サビや腐食がないか要チェックだ。
 

 

【Q&A】SUVに関するよくある質問

Q.SUVのメリット・デメリットは?
A.SUVのメリットは、悪路走破性の高さ。最低地上高の高さと大径タイヤによって、ワイルドなスタイルとなるだけでなく、ボディと段差や障害物との接触を低減できる。積載性が高いのも長所。荷室がスクエアであったり、装備が充実していたりすることで、荷物を積み込みやすい。

デメリットは背が高いため、高さ制限のある機械式立体駐車場には止められないケースがあること。フロア高も高くなるため、車種によっては小さな子供だと乗り降りしにくい。また、ボディが大きくなりやすいため、タイヤ代や燃料費などのランニングコストが不利となるケースも少なくない。

Q.SUVはなぜ人気?
A.最大な理由は、実用性の高さだ。デザイン性が高く、走行性能と悪路走破性も優秀で、荷物も積める。万能に使うことができるうえ、大小様々なラインナップがあり、自分好みの車も選びやすい。人気なのでリセールバリューが高い傾向にあるため、車種によってコスパも高い。総合的に見るとユーザーメリットが多いため、老若男女から支持を集めている。

Q.SUVはどんな人に向いている?
A.クロカンSUVの場合、本格的なアウトドアが趣味な人や荷物を大量に運びたい人などに向いている。一方で、クロスオーバーSUVは万人向けだ。日常使いに加えて、遠出やアクティビティなど幅広いユースを想定している人には、もってこいと言えるだろう。
 

※記事内の情報は2025年1月31日時点のものです。
 

文/綱島剛(DOCUMENT) 写真/尾形和美、トヨタ、ホンダ、三菱、日産、マツダ、スバル、スズキ、メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、ジープ
綱島 剛

自動車ライター・編集

綱島 剛

編集プロダクションを経てカーセンサー編集部に所属。「日刊カーセンサー」のデスクを経て、2016年に独立した。現在は某住宅情報誌の副編集を務めながら、ライター・編集として車や住宅、防災など生活に関わる記事を制作。最近ではキャンピングカーに注目し、情報収集にいそしんでいる。

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