グランドチェロキー(4代目)▲アメリカンプレミアムSUVを代表するモデル、グランドチェロキーの4代目。写真は中期型

昨年1月から100万円以上も安くなった旧型グランドチェロキー

SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)発祥の地、アメリカ。

初めてのSUVは何か? には諸説あるが、そのうちのひとつに、初代ジープ チェロキー(XJ型)説がある。そして、ジープ グランドチェロキーとは、チェロキーの上級モデルとして、1993年に誕生したモデルだ。

以降、ジープブランドのフラッグシップとして長らく君臨。現行型の5代目こそ、その上に「ワゴニア/グランドワゴニア」(いずれも日本未導入)が新設されたが、どちらもグランドチェロキー/グランドチェロキーLの最上級グレードのようなもので、中身はほぼ同じ。グランドチェロキーが今もジープの頂点であることは揺るぎないと言っていいだろう。

そんなグランドチェロキーの旧型(4代目)の中古車平均価格が安くなっているのご存じだろうか?
 

グランドチェロキー(4代目)の中古車平均価格推移グラフ

上記グラフのとおり、昨年同月比では約50万円、同1月と比べるとおよそ110万円も安くなっているのだ!

今年初めに270万円台へと突入し、直近7月にはやや価格が上がったとはいえ、274.2万円と安い状態をキープしている。

この記事では、お買い得になっている4代目グランドチェロキーのモデル概要を振り返りつつ、今オススメのモデルやその選び方を紹介しよう。
 

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ジープ グランドチェロキー(4代目)×全国
 

モデル概要:前期型/中期型/後期型で大きく異なる4代目グランドチェロキー

2011年3月から日本での販売が始まった旧型(4代目)グランドチェロキー。日本では“グラチェロ”の愛称で親しまれている。

サイズは全長約4.8m×全幅約1.8mとかなり大柄で、BMW X5(2代目)やボルボ XC90(初代)などがライバルになるプレミアムSUVだ。

2011年3月から2022年2月まで、約10年間販売されたが、その間に2回大きなマイナーチェンジが行われ、大きく前期型・中期型・後期型に分けることができる。

【前期型】2011年3月~2013年10月生産
ライバルよりも手頃な価格設定が魅力

 

グランドチェロキー(4代目)▲エントリーグレードの「ラレード」の車両本体価格は398万円と、ライバルより手頃な価格が魅力のひとつだった

地球温暖化が世界的に問題になってきた中、それまでの“アメ車=V型8気筒エンジン”というイメージを捨て、3.6LのV型6気筒エンジンを搭載して登場したことが、特徴のひとつ。

当時の4代目チェロキーが積んでいた3.7L V6よりも排気量は小さいが、最高出力はチェロキーの205psを大きく上回る286psを発揮する新世代エンジンだ。これに5速ATが組み合わされた。
 

グランドチェロキー(4代目)▲全長約4.8m×全幅約2mと堂々たるボディサイズ

ただし、やはりアメリカンなイメージは同車の魅力として外せないアイテムだったのだろう、2011年12月には5.7LのV8搭載モデル(オーバーランドサミット)も追加された。同モデルには、クォドラトラックIIより上級な4WDシステムのクォドラドライブIIが搭載され、本格的な悪路走破性能をもつ。さらに、2013年1月には6.4LのV8搭載モデル(SRT8系)が追加された。
 

グランドチェロキー(4代目)▲V8搭載車の「オーバーランド サミット」には本革シートが備わる
グランドチェロキー(4代目)▲懐中電灯としても使える充電式脱着フラッシュライト付きの収納ユニットとグローサリーフックを装備

【中期型】2013年11月~2017年2月生産
ATが8速化され、加減速がスムーズに

 

グランドチェロキー(4代目)▲中期型ではヘッドライトの形状が変更された

2013年11月のマイナーチェンジでは、まずトランスミッションが5速から8速になったことが大きな特徴だ。これにより、加減速がスムーズになり、燃費も向上している。

内外装のデザインも一新されたが、中でも新たに8.4インチのタッチ式インフォメーションディスプレイが搭載されたことが、中期型の魅力のひとつ。このディスプレイはiPhoneに対応する他、BluetoothやUSB、AUX端子経由でスマートフォンの音楽を聴くことができる。

エンジンは3.6L V6と5.7L V8(サミット)に加え、6.4L V8(SRT8)が用意された。
 

グランドチェロキー(4代目)▲テールゲートの形状変更など、リアデザインも見直された
グランドチェロキー(4代目)▲シフトレバーは独自のT字型が採用された

【後期型】2017年3月~2022年2月生産
先進運転支援機能などの装備が充実した

 

グランドチェロキー(4代目)▲フロントグリルの縦幅が従来より短くなり、グリルまわりがブラックで統一された

2017年3月に再び行われたマイナーチェンジでは、主にフロントマスクのデザイン変更と、各グレードの装備の充実化が図られた。

まず3.6L V6を積むエントリーグレードの「ラレード」は、アイドリングストップが備わるとともにエンジンが改良され、JC08モード燃費は8.6km/Lから9.6km/Lへと向上。さらにリアカメラが装備され、後退時の視認性が高められた。

同じく3.6L V6を積む中核グレードの「リミテッド」は、衝突被害軽減ブレーキやアダプティブ・クルーズ・コントロールなど先進運転支援機能が標準装備された。

グランドチェロキー(4代目)▲後期型のインテリア。シフトレバーがスティック状に変更された

最上級グレードの「サミット」は、従来の5.7L V8から3.6L V6を搭載することになり、4WDシステムも他グレード同様、クォドラトラックIIへと変更された。

なお、2017年9月には6.4L V8を搭載するSRT8も復活。さらに2018年1月にはスーパーチャージャー付き6.2L V8を搭載するトラックホークが追加された。

このトップグレードは、その名が示すようにサーキットでの走行性能を追求したハイパフォーマンスモデルで、最高出力707ps/最大トルク875N・mを発揮し、0-60mph(約97km/h)加速は3.5秒という、SUVとは思えぬほどの俊足だ。
 

グランドチェロキー(4代目)▲サーキットでの走行性能を追求した「トラックホーク」も設定された
 

オススメ中古車1:とにかく安く手に入れるなら前期型のV6モデル

直線基調ヘッドライトデザインなど、あえて前期型を狙っている人も多いはず。その中でも、とにかく安く中古車を手に入れたいなら、V6モデルである「ラレード」や「リミテッド」がオススメだ。

走行距離10万km未満の初期型・2011年式なら、支払総額約120万円とお手頃な価格で見つけることができる。

ただし、そもそも前期型は中期・後期型よりも販売期間が短かったこともあり、掲載台数が少ないため、じっくり探すことも必要になりそうだ。

ちなみに、コンディションによっては、中期型よりも価格が高い物件が見つかることも。10年以上前のモデルゆえ、過去の整備状況によってかなりコンディションに差があるということも事実だ。

そのため、価格の安さだけではなく、整備記録、販売店による購入後のサポートなども考慮したうえで検討することをオススメしたい。

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ジープ グランドチェロキー(4代目)×2011年3月~2013年10月生産×ラレード/リミテッド×全国
 

オススメ中古車2:8速ATモデルを狙いたいなら中期型「ラレード」

燃費も加速感も向上した8速ATのモデルを狙うなら、中期型のエントリーグレード「ラレード」をオススメしたい。

同じ3.6LのV6エンジンを積む「リミテッド」の2倍近い台数が掲載されているため選びやすく、走行距離10万km未満なら総額約160万円から、5万km未満なら総額約200万円からと、平均価格を下回る価格で容易に見つけることができる。

もちろんエントリーグレートといってもBluetooth機能付きのタッチスクリーン式オーディオシステムや、前席電動シート、オートヘッドライト機能など、上級モデルにふさわしい機能が標準装備されているので、満足感も高いはずだ。

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ジープ グランドチェロキー(4代目)×2013年11月~2017年2月生産×ラレード×全国
 

オススメ中古車3:V8モデルを狙うなら中期型以降の「SRT8」

グランドチェロキー(4代目)▲中期型のSRT8。最高出力468ps/最大トルク624N・m(2013年11月時点)を発揮する6.4L V8エンジンは魅力だ

アメリカンSUVを代表するモデルだけに、V8エンジン搭載車に憧れる人も多いだろう。しかし中古車では流通量が少なく、原稿執筆時点の掲載台数を見ると、V8モデルは全体の1/10ほどしかない。

別の見方をすれば、人気はV6の方があるということで、実は中古車で狙うならV8の方がおトク感は高い。

上記の通り、中期型のエントリーグレードの「ラレード」は走行距離10万km未満で総額約160万円から見つかるが、同じく中期型のSRT8は10万km未満で総額約290万円から見つけることができる。

デビュー時の車両本体価格はラレードが約500万円で、SRT8は約800万円だから、300万円の価格差が130万円まで縮まっているし、新車時から510万円も落ちていることになる。

なお、前期型のSRT8の掲載台数は原稿執筆時点で数が少ないので、狙うなら中期型以降がオススメだ。

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ジープ グランドチェロキー(4代目)×2013年11月~2017年2月生産×SRT8×全国

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ジープ グランドチェロキー(4代目)×2017年3月~2022年2月生産×SRT8×全国

ちなみに、同じV8でも後期型で追加されたハイパフォーマンスモデルのトラックホークとなると、掲載台数はほとんどないが、原稿執筆時点では走行距離5万km未満で約920万円から見つけることができた。

後期型ゆえまだまだ年式が新しく、新車時の車両本体価格が1230万円だったことを考えれば、十分お買い得になっていると言えるだろう。
 

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ジープ グランドチェロキー(4代目)×2017年3月~2022年2月生産×トラックホーク×全国

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ジープ グランドチェロキー(4代目)×全国
文/ぴえいる、写真/ジープ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。先日、中古車のホンダeも加わった。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。