新型ランドクルーザー250が発売されたが、ランクルプラドの中古車価格や流通量はどんな感じ? トヨタ人気SUVのオススメな買い方・選び方を紹介
カテゴリー: 特選車
タグ: トヨタ / フルタイム4WD / ランドクルーザープラド / ランドクルーザー250 / 田端邦彦
2024/06/29
▲プラドは世界のへき地で酷使されることを想定したタフさ、オフロード性能の高さを備えた究極のファミリーカーだなる早で欲しいならランドクルーザープラドもありでは?
2024年4月、初代から約35年にわたって愛されてきた「ランドクルーザープラド」の歴史が幕を閉じた。後継車種は「ランドクルーザー250」だ。
「ランドクルーザー300」「ランドクルーザー70」などに倣う数字の車名となった理由は、同じランクル・ファミリーとして一貫性をもたせたかったからだろう。ランクルの中核を成すモデルであることを明確にしたかった意図も推測できる。
ボディサイズはさらに大きく立派になり、電動パワステや電動フロントスタビライザー解除機構といったランクル初の装備も豊富。オフロード性能強化にも力を入れられており、ランクル250はまさに正常進化したと言える。
▲こちらが今年4月に発売されたランドクルーザー250。写真は特別仕様車の ZX“First Edition”当然のように予約開始から大人気で、トヨタ公式HPの工場出荷目処時期は「販売店にお問い合わせください」の状況。ランクルの場合、注文から納車まで数年かかることも珍しくないのはご存じのとおりだ。
そうなると気になってくるのが、実質的な先代モデルにあたる4代目ランドクルーザープラドの中古車ではないだろうか? 今なら比較的新しい物件もあるし、何より納車まで何年も待たなくてよいという中古車ならではのメリットもある。
▲ランドクルーザー250の先代モデルとなるのが、4代目ランドクルーザープラド。写真は2017年のマイナーチェンジモデルでは、4代目ランドクルーザープラドの中古車状況はどうなっているのか見てみよう。
中古車流通量はここ数年間で変動しているものの、現在は2200~2400台で安定的。中古車平均価格については今年に入ってから上昇傾向となっているが、これは比較的新しい年式の物件が増えてきたことも一因となっていると推測できる。実際に掲載されている物件を見てみると、半数近くが2022~2023年式の高年式車だ。
▲2023年1月からの中古車平均価格グラフ。昨年11月には最安値となる425.4万円を記録しているが、今年に入り上昇傾向に。直近5月には475.9万円となり、前年度と比べて42万円も高くなった
▲こちらは2023年1月からの延べ掲載台数の推移を示したグラフ。ピークとなる昨年4月の3395台からは減少しているが、直近5月も2225台とかなり潤沢な状況つまり、今の中古車状況は価格が価値に見合っている状況といえるだろう。しかし、もしもこのまま中古車平均価格が上昇を続ければ、手が届きにくい価格帯にまでいってしまう可能性もある。
4代目プラドを手に入れるなら、もしかしたら今がチャンスかも! というのが筆者の見解だ。
では、次章以降で、プラドとはどんな車だったのか? 15年近いモデルライフでどのように変遷したのか? 目的別にどんな中古車物件がオススメなのかを見ていこう。
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トヨタ ランドクルーザー プラド(4代目)×全国モデル概要:ファミリーカーとしても使える本格四駆
プラドはもともと、ランクル80、100、200などのステーションワゴン系フラッグシップと、ヘビーデューティ系ランクル70の中間を埋めるべく投入されたモデルだ。2009年9月に登場した最終型(通称150系)は4代目に当たる。
ボディサイズは全長:4760~4825mm×全幅:1885mm×全高:1850~1895mm。とかく“大きい”というイメージで語られがちなランクルだが、全高を除くと昨今の大型化した国産ミドルサイズSUVとそう変わらないことが分かるだろう。
▲前期型のインテリア。後期型に比べるとシンプルですっきりしたイメージ外観は洗練されているが、中身はランクルの名にふさわしく硬派そのもの。強固なラダーフレーム構造のボディ、フロントダブルウィッシュボーン式コイル&リア・リジッド式コイルというサスペンション形式、副変速機&センターデフロック機構付きトランスファーなど、本格四駆として極めてオーソドックスな基本設計を備えていた。
▲悪路走破性の高さは世界にあるSUVの中でも間違いなくトップクラス5人乗り or 7人乗りが設定され、ファミリーカーとしての使い勝手、快適性、高級感にも配慮されていたのがプラドの大きな特徴だろう。実際、プラドを選ぶ人もしょっちゅうオフロードに出かける人はごく少数で、普段は日常の足やファミリーカーとして使う人が多数派だ。
▲本革シートなどが似合うラグジュアリーな雰囲気もプラドの持ち味だ(写真は「特別仕様車 TX“Lパッケージ・70th ANNIVERSARY LIMITED”」)グレードは特別仕様車などを除いて、下記のとおりとなっていた。
【TX】
主力グレードで、5人乗り・7人乗りの設定あり。搭載されたエンジンは2.7L 直4ガソリン、4.0L V6ガソリン(2009年9月~2015年6月)、2.8L 直4ディーゼルターボ(2015年6月~)の3種類。本革巻きシフトノブなどが備わる「Lパッケージ」も設定されていた。
【TZ(2009年9月~2015年6月)】
前期・中期型にのみ設定されていた上級グレード。7人乗りのみ、4.0L V6ガソリン(2009年9月~2015年6月)のみ。
【TZ-G】
後輪にエアサスを装備する最上級グレード。7人乗りのみ。搭載されるエンジンは4.0L V6ガソリン(2009年9月~2015年6月)、2.8L 直4ディーゼルターボ(2015年6月~)の2種類。
シンプルなグレード体系に見えるが、乗車定員やエンジン、パッケージの違いによって細分化され、後期型では9種類もの仕様となっていた。
▲サードシートは前方に折りたたむ方式。電動フロア格納機能も採用された4代目プラドは15年近いモデルライフの中で数多くの変更が行われた。大きなマイナーチェンジについては下記のとおりだ。
なお、外観の違いによってデビューから2013年8月までのモデルを前期型、2013年9月~2017年8月までのモデルを中期型、2017年9月から生産終了までのモデルを後期型と呼ぶことが多い。
【2013年9月】
フロントグリルを大型化するなど外観デザインを変更。「マルチテレインセレクト」を採用、足回りの設定も変更された。
【2015年6月】
4.0L V6ガソリンエンジンに代えて2.8L直4ディーゼルターボエンジンを設定。2.7L直4ガソリンエンジンのトランスミッションを4速ATから6速ATに変更。
【2017年9月】
フロントまわりのデザインを全面的に変更。エアコン吹き出し口位置を下げるなどインテリアのデザインも変更された。先進安全装備「Toyota Safety Sense P(後にToyota Safety Senseへと名称変更)」が全車標準となった。
【2020年8月】
2.8L直4ディーゼルターボエンジンを改良し、最高出力が+27psの204psに。「Toyota Safety Sense」に、夜間歩行者と昼間の自転車検知機能が追加された。
顔が変わっただけでなく、年式によってエンジンやトランスミッション、安全装備はかなり異なる。前期より中期、中期より後期の性能が良いのは当然だが、デザインやエンジンは好みによるところも大きいので慎重に選ぼう。
▲前期型の外観。フロントマスクはグリルが小さめでシンプルなデザインだった
▲フロントグリルが大型化され、ヘッドライトも切れ長となった中期型の外観
▲全体にすっきりと洗練されたデザインとなった後期型の外観以上を踏まえ、次章以降は「今の狙い目はどんな中古車か」を、ケースごとに見ていこう。
【オススメ1】なるべく安く買うなら「前期型・2.7 TX」がオススメ
年式も仕様も豊富で、正直選ぶのに困ってしまう4代目プラドだが、価格重視ならコレ、と言えるモデルはひとつしかない。ずばり、前期型の「2.7 TX」だ。
前期型は「マルチテレインセレクト」などの電子デバイスが少なく、外観も後期型と同じ型式の車とは思えないほどオーソドックス、フロントのマスクの表情も柔和だが、 “そこがまたイイ” と思う人は少なくないはず。
2.7L 直4ガソリンは他エンジンに比べるとパワーやトルクでやや見劣りするが、実用上は今乗っても何ら不満ない。スムーズで扱いやすく、燃費もそれほど悪くない(JC08モード燃費9km/L)ところが取りえだ。
▲キャンプ道具や遊びのギアを満載するなら5人乗り仕様が有利そして、この仕様ならではの利点もある。「TX」では5人乗り仕様も選べるのだ。荷室容量は7人乗りのサードシートを格納した状態が553Lなのに対して、5人乗りは621L(ともにVDA方式)もある。荷室高も5人乗りの方が高い。6人以上で乗ることは絶対にない、という人なら、5人乗りを選ぶのが合理的だろう。
前期型「2.7 TX」を条件にすると、中古車市場での価格帯は総額240万~320万円。10年以上前のモデルとしてはかなり高めの水準だが、そこはランクル。他のSUVとは比較にならないほどタフで長く乗れるから、この価格帯でもリーズナブルと考えるべきだろう。
ただ、この条件だとどうしても走行距離10万kmを超えてくる物件も多いので、オルタネーターやウォーターポンプ、ベルト類交換は必須。整備手帳でそれらの交換歴があるかを確認し、未交換の場合はあらかじめ整備費用を見積もっておくべきだろう。仮に新しい年式・低走行距離の物件であっても長く乗ればいずれは交換が必要になるパーツなので、損な投資ではないはずだ。
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トヨタ ランドクルーザープラド(4代目)×前期型×2.7 TX×全国【オススメ2】最新型の後期モデル狙いなら「2.8 TX」がオススメ
前述のように4代目プラドは後期型(2017年9月~)となってフロントまわりの印象ががらっと変わった。せっかくなら洗練された外観の後期型が欲しい! と思うのは当然の心理だ。
後期型の良いところは外観だけでなく、安全性も強化されて「Toyota Safety Sense P(2020年8月以降は「Toyota Safety Sense」)」が標準装備となったことも挙げられる。逆に現代的な予防安全性能を求めるなら、後期型一択だ。
中古車流通量の多い4代目プラド、後期型だけに絞っても1000台以上が流通。グレードは「TX」と「TZ-G」、エンジンは2.7L直4ガソリンエンジンもしくは2.8L直4ディーゼルターボエンジンが選択肢となる。「TZ-G」はかなり流通量が少ないため、「絶対にエアサスじゃなきゃイヤ」という人以外は「TX」が有力候補だろう。
▲後期型では特別仕様車も設定された(写真は「特別仕様車 TX“Lパッケージ・Black Edition”」)ということで後期型「TX」を候補にすると、総額350万円~が予算の目安。おや、意外にリーズナブルと思った人は少なくないだろう。そう、人気の4代目プラドも後期型へと変わった直後の年式なら、この価格帯から狙える。
価格を重視するならエンジンは2.7L直4ガソリンとなるが、2.8L直4ディーゼルターボも価格帯は総額360万円~とそう大きく変わらない。当時の新車価格が415.3万円~だったことを考えると、ディーゼルの方がオトク感は高いかも。
仮に2.7Lガソリン車と同じ予算で2.8Lディーゼル車を狙うとなると、どうしても走行距離多めの物件となるが、プラドにとって走行距離はあまり問題にならない。適切なメンテナンスさえされていれば、20万kmでも30万kmでも乗れる耐久性を備えているからだ。
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トヨタ ランドクルーザープラド(4代目)×後期型×2.8 TX×全国【オススメ3】ディーゼル狙いなら中期型「TX」がオススメ
ディーゼルの太いトルクは、ランクルのような重量のある車と相性良し。プラドも歴代、ディーゼルが圧倒的な人気だったが4代目の登場時にその姿はなかった。
しかし2015年6月、アドブルーを添加することで排出ガス規制をクリアした2.8L直4ディーゼルターボがついに設定され、多くのファンを喜ばせた。ということで4代目プラドのディーゼルが欲しいとなると必然的に2015年6月以降の中期型もしくは後期型となる。
スペックが大幅に向上された2020年8月以降のディーゼル車は、性能的に最も満足できるモデルだ。ただ、高年式であること、中古車市場での人気も高いことで、予算はどうしても高めの総額440万円~となってしまう。
▲4代目プラドの中古車市場におけるディーゼル車の割合は3割ほどだそこでコスパを重視するなら、中期型のディーゼル車で「TX」グレードを狙うのはいかがだろう? ディーゼルが追加された2015年直後の年式なら、走行距離10万km以内の物件でも総額300万円から狙える。
改良前とはいえ、最高出力130kW (177PS)/3400rpm、最大トルク450N・m (45.9kg・m)/1600~2400rpmというスペックは十分なもの。
走行距離が多めだったとしても適切なメンテナンスさえ実施されていれば問題なく、これからも長く乗れるのは他のランクル同様だ。購入後は定期的なアドブルーの補充を忘れずに。
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トヨタ ランドクルーザー プラド(4代目)×中期型×TX×全国▼検索条件
トヨタ ランドクルーザー プラド(4代目)×全国※記事内の情報は2024年6月26日時点のものです。

自動車ライター
田端邦彦
自動車専門誌で編集長を経験後、住宅、コミュニティ、ライフスタイル、サイエンスなど様々なジャンルでライターとして活動。車が大好きだけどメカオタクにあらず。車と生活の楽しいカンケーを日々探求している。プライベートでは公園で、オフィスで、自宅でキャンプしちゃうプロジェクトの運営にも参加。
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