ランドクルーザー250の「納車約2年待ち」「新車価格700万円以上」に絶望した人に贈る「代わりに半額でコレ、どうですか?」5選
カテゴリー: 特選車
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2024/06/10
今、ランドクルーザー250を手に入れるのはかなり難しい
2024年4月に発売となったトヨタ ランドクルーザー250が今、ちまたで大人気となっています。
ランドクルーザープラドの後継モデルとして2024年4月に登場したランドクルーザー 250は、「原点回帰」をキーワードに開発されたライトデューティ系統のランドクルーザー。フラッグシップであるランドクルーザー300と同じGA-Fプラットフォームに、直線基調のシンプルビューティなボディという組み合わせが何とも素敵です。
しかし素敵で大人気なだけに、その入手はきわめて困難な状況です。
新車をオーダーするにしても、納期は「約2年待ち」というグレードも(メーカー公式サイトでは「詳しくは販売店にお問い合わせください」と案内。千葉トヨペットの公式サイトでは「令和8年以降」の納期予定と案内)。
そして車両価格も、前身であるランドクルーザープラドと比べてかなり高くなってしまいました。プラドの最上級グレードだった「TX Lパッケージ(7人乗り)」は新車時価格433.7万円でしたが、ランドクルーザー250の最上級グレードである「ZX」のそれは735万円に達しています。
そもそも買えるモノがなく、仮にあったとしても「……めっちゃ高い!」というのが、ランドクルーザー250の最大のネックなわけです。
ならば今、ランドクルーザー250の半値ぐらいで――つまり一番人気の「ZX」を基準に考えた場合の約半値である「総額300万円台」という現実的な予算で、ランドクルーザー250に近い魅力と性能を備えた何らかのSUVをとっとと手に入れてしまう方が、QOL(Quality of Life)は大幅にアップするのではないでしょうか?
ランドクルーザー250の半値で買えて「同じぐらい魅力的なSUV」などという都合の良い選択肢が本当にあるのかどうか、現時点ではわかりません。しかし以下、真剣に探してみることにしましょう。
候補1|ジープ ラングラー アンリミテッド(JK型)
→予算目安:総額300万~380万円
ランドクルーザー250という車の魅力は、主には下記の6点に分解することができるはずです。
1. 堂々たる体躯(要するに存在感がある)
2. 直線基調のシンプルでギアっぽいデザイン
3. 一級品といえるオフロード性能
4. 舗装路でも快適な乗り心地
5. 「ランドクルーザー」という歴史と伝統(要するにブランド力がある)
6. 最新世代のADAS(先進運転支援システム)を装備
この6つの魅力のすべてではありませんが「ほぼすべて」は備えていて、それでいてランドクルーザー250の約半値で狙えてしまうのが先代のジープ ラングラー アンリミテッドです。
ご承知のとおりラングラーは、第二次世界大戦中に米陸軍が使用した軍用車「ウィリス ジープ」の直系子孫で、その5ドアモデルが「アンリミテッド」です。
2018年11月に発売された現行型ラングラー アンリミテッドはさすがにまだ300万円台では少々難しく、中古車の平均価格は600万円以上です。しかし、2007年から2018年途中まで販売されたJK型こと先代であれば、走行距離3万km台までの物件であっても総額300万~380万円ぐらいで狙うことができます。
この車、「堂々たる体躯」という部分ではランドクルーザー250におおむね匹敵しており、「直線基調のシンプルでギアっぽいデザイン」のレベルに関しても、同等または同等以上とみていいでしょう。そして「オフロード性能」においても同等または同等以上です。
「舗装路での乗り心地」はランドクルーザー250の方が良好でしょうし、先代のラングラー アンリミテッドは「小回りが利かない」という欠点はあるのですが、舗装路での乗り心地も決して悪くはありません。そして「歴史と伝統(つまりブランド力)」という部分も、ジープとランドクルーザーはおおむね同等とみて良い気がします。
最後の「最新世代のADAS」という部分に関してはさすがに分が悪いのですが、それ以外のすべてについて、先代のジープ ラングラー アンリミテッドは「ランクル250とおおむね同等または同等以上」だといえるでしょう。
しかし、それでいて先代ジープ ラングラー アンリミテッドは、前述のとおり総額300万円台の予算で走行距離3万km台までの中古車を手に入れることができますし、もう少し条件をゆるくすれば総額200万円台でも普通にイケます。
買いたくてもモノがないランドクルーザー250の代わりとしては十分に機能すると思うのですが、いかがでしょうか?
▼検索条件
ジープ ラングラー (JK型) × アンリミテッド × 全国候補2|トヨタ FJクルーザー(初代)
→予算目安:総額310万~380万円
もしも輸入車より国産車の方がお好みであるならば、2018年1月に販売終了となったトヨタのSUV、FJクルーザー」がランクル250の代わりとして良い仕事をしそうです。
FJクルーザーは、もともとは北米専用車種として開発された中型サイズのSUV。シャシーはランドクルーザープラドと共通で、パワーユニットは最高出力276psの4L V6ガソリンエンジンです。
では、このSUVをランドクルーザー250と比べてみることにしましょう。
まず、1の「堂々たる体躯」に関しては、FJクルーザーの方がひと回り小さいのですが、FJクルーザーも決して小さい車ではないので(全長4635mm×全幅1905mm×全高1840mm)、さほどの減点材料にはなりません。
そして、2の「直線基調のシンプルでギアっぽいデザイン」については、人それぞれの好みの問題もあるでしょうが、なるべく客観的に見て「引き分けかな?」と筆者は思います。もちろんランドクルーザー250の方が今っぽいデザインであることは間違いありませんが、FJクルーザーのデザイン性の高さだってかなりのモノです。
3の「オフロード性能」も、FJクルーザーのシャシーはランドクルーザープラドですから、おおむね遜色ありません。もちろん過酷な悪路で厳密なテストを行えば、最新モデルであるランクル250が勝利するのでしょう。しかし、普通はそこまで過酷な悪路を走ることもないはずなので、ここは「同等!」と考えて大丈夫でしょう。
「舗装路でも快適な乗り心地」については、さすがに最新のライトデューティ系であるランドクルーザー250の方が良好なはずですが、FJクルーザーの乗り心地も決して悪くはありません。
もちろん5と6の「ランドクルーザーという歴史と伝統」「最新世代のADASを装備」という部分に関してはランドクルーザー250の圧勝です。しかし、ランクル250の約半値である総額310万~380万円ぐらいで走行3万km台までの中古車が買えてしまうことを考えれば、「そこも(ある意味)問題なし!」としても良いはず。
ということでトヨタ FJクルーザーの中古車も、ランドクルーザー250の代わりとして十分に機能することでしょう。
▼検索条件
トヨタ FJクルーザー(初代) × 全国候補3|ジャガー Fペイス(初代)
→予算目安:総額310万~370万円
ランドクルーザー250がボディ・オン・フレーム構造のオフローダーであるのに対し、こちらはモノコック構造のSUVですから毛色や方向性はずいぶん異なります。
しかしジャガー Fペイスも、ランクル250の代替品としてある程度は機能するはずです。
Fペイスは、日本では2016年6月に発売されたジャガー初のSUV。
エクステリアデザインは、ジャガーのピュアスポーツカー「Fタイプ」の要素を取り入れたもので、日本仕様のボディサイズは全モデルともに、全長4740mm×全幅1935mm×全高1665mm。ランドクルーザー250と比べると少し小さいのですが、存在感は十分です。
モデルライフの途中から超強力な5L V8エンジンなども追加しましたが、基本となるパワーユニットは最高出力180ps/最大トルク430N・mの2L直4ディーゼルターボと、同390ps/同450N・mのスーパーチャージャー付き3L V6ガソリン。トランスミッションは8速ATで、駆動方式は全車トルクオンデマンド式の4WDです。
この車は前述のとおりランドクルーザー250とはずいぶん毛色も方向性も異なるため、ガチで競合するSUVではありません。またプレミアム系のSUVであるため、ランドクルーザーならではの「屈強な感じ」を求めているのであれば、若干物足りなくも感じるかもしれません。
しかし、幸いにして(?)昨今のジャガーは日本ではいまひとつ売れていないため、多くの人にとってジャガー Fペイスという車は「謎の高級大型SUV」に見えるはず。その謎感こそが、日本におけるこの車の素敵なポイントなのです。
そして本気で悪路を走るならさておき、ほとんどのユーザーは、ほとんどの時間を舗装路の上で過ごすはず。であるならば、モノコック構造ゆえに高速道路などを超快適に走ることができるFペイスでも問題ないというか、むしろFペイスの方が好都合かもしれません。
「ランドクルーザー250と似た個性を持ち合わせた代替品」には決してなり得ないFペイスではあります。しかし、ガラリと考え方を変えて「自分は快適でゴージャスなプレミアムSUV路線を歩むのだ!」と決心できるのであれば、総額300万円台で狙える低走行なFペイスは、あなたがランドクルーザー250を購入した場合とおおむね同量の満足感を――方向性は異なりますが――あなたに与えてくれるでしょう。
▼検索条件
ジャガー Fペイス(初代) × 全国候補4|メルセデス・ベンツ GLE(初代)
→予算目安:総額320万~390万円
先代にあたる初代のメルセデス・ベンツ GLEも、ジャガー Fペイスを選択する場合と似たマインドで選ぶべき選択肢です。
つまり、屈強なランドクルーザー250とはまったく違う方向性のラグジュアリーなモノコックSUVですが、「今後はそれで良し!」と考えるのであれば、十分な満足は得られるでしょう――という話です。
先代のGLEは、以前は「Mクラス」と名乗っていたアッパーミドルSUVが、ビッグマイナーチェンジを機に「GLE」へと車名を変更したモデルです。
メインのパワーユニットは最高出力258ps/最大トルク620N・mの3L V6ディーゼルターボで、トランスミッションは9速AT。やや古い世代ではありますが、さすがはメルセデス・ベンツということでADASは普通に充実していますし、乗り味における上質感と精密感もハイレベルです。
デザインの面では、最新のトレンドにのっとっているランドクルーザー250の方が素敵であるように思えます。
しかし、「ベンツである!」という印籠のようなものが、足りない部分を補ってくれるでしょう。総額300万円台で考える選択肢としては、なかなか悪くないかもしれません。
▼検索条件
メルセデス・ベンツ GLE(初代) × 全国候補5|トヨタ ハイラックス(7代目)
→予算目安:総額330万~370万円
自分で挙げておきながらアレですが、候補3と4で申し上げたモノコック構造のプレミアムSUVは、やはりランドクルーザー250の代わりとしては少々弱い気がしてきました。
ランドクルーザー250の魅力の本質は「タフで屈強であると同時に、現代的でもある」ということです。そう考えると、やや古い世代のモノコックSUVは少し違うと言わざるを得ないわけです。
しかし、「SUV」というボディタイプであることを一度ご破算にしてゼロベースで考えてみれば、けっこうしっくりくる代替品が見つかるかもしれません。
例えばそれは、トヨタのピックアップトラックである現行型ハイラックスです。
ご承知のとおりハイラックスは、トヨタが1960年代から製造販売しているピックアップトラック。通算8代目となる現行型は2017年に発売されました。
ボディサイズは全長5335mm×全幅1855mm×全高1800mmという、ランドクルーザー250に引けを取らないボリューム感で、パワーユニットも、ランドクルーザープラドに搭載された2.8Lディーゼルターボのショートストローク版2.4Lです。駆動方式は伝統的なパートタイム4WDですので、ローレンジ付きフルタイム4WDのランクル250と方式は異なるものの、同様に悪路走行を苦にしません。
そして舗装路での乗り心地はまあまあ普通に快適で、「歴史と伝統」もランクルほどではないにせよ、まあまあではあります。
まぁ「最新のADAS」や「高級感」みたいな部分については14対2ぐらいのスコアで完敗するわけですが、「そういったモノはないのが逆にハイラックスの魅力!」と言うことは確実にできます。そして「ピックアップトラックである」ということがもたらす個性あるいは存在感については、ランドクルーザー250以上と言ってもいいのかもしれません。
それでいて中古車は、走行距離3万km台までの物件であっても総額330万~370万円ぐらいでマイナーチェンジ後の後期型を狙うことができます。
「高級感」や「ラグジュアリー性」みたいな部分はどうでもいいと考えることができるのであれば、2021年式以降のハイラックスこそが「ランドクルーザー250の代わり」としては最適な1台なのかもしれません。
▼検索条件
トヨタ ハイラックス(7代目) × 全国自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。