トヨタ ハリアー(現行型)▲走り出した瞬間からコーナリング時、高速走行時までしっかりと車の動きを制御し、滑らかでフラット感のある乗り心地が目指された4代目(現行型)ハリアー

人気都市型ラグジュアリーSUVの現行型ハリアーが大きく値落ち!

1997年12月に都市型SUVとして登場したのが、初代トヨタハリアーだ。2013年に、その役割をレクサス RXに譲り渡して消滅するのかと思いきや、高い人気に押されてRXとは別の路線を3代目が歩み始め、2020年6月に登場した4代目(現行型)もまた多くの人々に支持されるモデルとなっている。

そんなハリアーの4代目(現行型)の中古車平均価格が、この1年間で50万円以上も安くなっており、狙い目となっているのをご存じだろうか?

この記事では詳しい中古車状況とともにモデル概要を振り返り、今の狙い目はどんな物件かチェックしていこう。
 

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【中古車状況】中古車流通量の急増が大きく値落ちした原因か?

まずは4代目(現行型)ハリアーの流通台数の推移から見てみよう。

2022年9月の時点での流通量は約2000台だったが、2023年6月には約4000台とほぼ2倍になった。11月時点でも4227台と4000台超をキープしている。
 

トヨタ ハリアーの中古車流通台数推移

流通量の増加の理由は、いくつか考えられるが、ひとつは登場から3年が経って初の車検タイミングを迎えたことにあるだろう。

初の車検前に愛車を手放すのか? と思う人もいるだろうが、何しろ2022年はコロナ禍による受注停止や納車の長期化によって中古車価格が高騰していたタイミングだ。「手に入らない新車より、すぐ乗れる中古車」の人気が高かった、つまり買取価格が良かったということも影響したと思われる。

また、新車ディーラーが展示車や試乗車を入れ替えるにも車検はいいタイミングだし、サブスクリプション「KINTO」の3年契約なら乗り替えなどの時期だ。こうした複合的な理由によって、初の車検タイミングで流通量が急増したと思われる。

一方、中古車平均価格は2022年9月時点では461.2万円だったが、2023年5月には400万円を切り、2023年11月時点では377.6万円まで落ちている。これは、1年前の2022年12月の平均価格が429.7万円から、実に52.1万円も値落ちしたことになる。
 

トヨタ ハリアーの中古車価格推移

そもそも中古車の価格は需要(欲しいというニーズ)と供給(流通量)のバランスで決まることが多いが、4代目ハリアーの中古車価格下落の要因は、おそらくこの流通台数の増加だろう。

なお、原稿執筆時点(2024年1月10日)のカーセンサー掲載台数は約2800台。平均価格は約369.2万円で、価格帯は約210万~685万円と幅広い。平均走行距離は約2.1万kmで、未登録車が約110台、登録済未使用車は約350台もある。
 

 

【モデル概要】都市型ラグジュアリー路線をさらに進化させた

トヨタ ハリアー(現行型)▲4WDシステムはガソリン車/ハイブリッド車/プラグインハイブリッド車問わず、E-Four(電気式4WD)が採用されている。状況に応じて前後駆動配分を瞬時に100:0~20:80の間で可変してくれる

では、改めて4代目・現行型ハリアーはどんなモデルだったのかおさらいしよう。

2020年6月に登場した4代目ハリアーは、クーペのように流麗なボディラインや、おおらかなたくましさが演出されたインテリアなど、初代から貫く、都市型ラグジュアリー路線をさらに進化させた。

それでいて「レクサス RXとは違うテイストの“都市型”だが、RXよりは手が届きやすい価格」というところも魅力になっている。

また、4代目では新しいプラットフォーム(車の骨格)を得て、ドライバーの目線がブレずに疲れにくい、フラットな乗り心地を獲得した。

一方で、悪路走破に特化した機能を備えているわけではないので、やはりコンセプトどおり、街を優雅に走るのが似合うSUVだ。とはいっても、ロードクリアランス(最低地上高)は190mm以上あるので、荒れた道でも車の腹をこすりにくい。
 

トヨタ ハリアー(現行型)▲WLTC燃費はガソリン車の2WDが15.4km/L、ハイブリッド車の2WDが22.3km/L。4WDのみのプラグインハイブリッド車は20.5km/Lで、モーターだけで93km走ることができる

デビュー時に搭載されたパワートレインは2Lエンジン×CVTと、2.5Lエンジン+モーターのハイブリッドで、先進的な機能が備わったのも4代目ハリアーの特徴だろう。

衝突被害軽減ブレーキを含む先進運転支援機能「トヨタセーフティセンス」が標準装備されるのは当然として、トヨタ車として初めて前後録画機能付きのデジタルインナーミラーが採用された。これは“メーカー純正のドライブレコーダー”とも言える装備だ。

同じくトヨタ車初の技術が調光パノラマルーフだ。大きなサンルーフを選ぶと、これまでは日除け用のスライドシェードなどが備わるのが当たり前だった。しかしこの調光パノラマルーフは、遮光すると2枚のガラスの間にある特殊なフィルムが、シェードの開閉より素早く遮光/透過してくれる。
 

トヨタハリアー(現行型)▲調光パノラマルーフはグレード「Z」のみにオプションで用意されている。写真は日差しを遮る調光時
トヨタハリアー(現行型)▲馬の鞍をイメージしたという、幅の広いセンターコンソール。厚い革を曲げてできる自然なシルエットをメージしたレザー調素材など、ハリアーらしい高級感が追求された
トヨタハリアー(現行型)▲前後録画機能付きのデジタルインナーミラーはグレード「S」にはオプションで、他グレードは標準で装備されている

デビュー時のパワートレインは2.5Lハイブリッドシステムと2Lガソリンエンジン×CVTの2種類が用意された。2022年9月には外部からの充電が可能な2.5Lプラグインハイブリッドシステム搭載車も追加されている。駆動方式は2.5Lプラグインハイブリッド車が4WDのみ、他はFF(前輪駆動)と4WDがある。

デビュー時の車両本体価格はガソリン車が299万~443万円、ハイブリッド車が358万~504万円、プラグインハイブリッド車が620万円だった。

そんな4代目ハリアーを今狙うなら、どんな中古車を選ぶべきか、以下チェックしていこう。
 

 

【オススメ1】とにかく安く手に入れたいなら「2.0G」

とにかく4代目(現行型)ハリアーを安く手に入れたいなら、2Lガソリンエンジンを搭載した2WD車の、2.0Gが狙い目だ。

2.0Gは中間に位置するグレードで、新車時の車両本体価格は341万円。それが走行距離3万km以下で総額約280万円から見つけることができて、お買い得感がある。

また、中古車流通量も、ガソリン車の中では最上級グレードの2.0Zに次ぐ流通量があるので、比較して選びやすいのも魅力だ。

ちなみに、新車時にもっとも安かった2.0Sの中古車価格だが、実は最安値帯を見ると2.0Gとあまり価格が変わらない。2.0Sと2.0Gの新車時の価格差約40万円の差が縮まっているのだ。

また装備面でも2.0Gの“お買い得感”が高い。2.0Sが17インチアルミホイールなのに対して、2.0Gは18インチ。2.0Sが3眼式LEDヘッドランプなのに対して、2.0Gは2.0Zと同じくプロジェクター式LEDになる。

トヨタハリアー(現行型)▲2.0Zにはよりスタイリッシュなプロジェクター式LEDヘッドライトが装備される

その他、2.0Gと2.0Zはメーター内のディスプレイが4.2インチではなく7インチで、ドアハンドルがメッキ加飾となり、前後録画機能付きのデジタルインナーミラーも標準装備される。

このように新車時の価格差約40万円相当分の装備の差がある2.0Gが、安く4代目(現行型)ハリアーを手に入れたい人にはオススメだ。
 

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トヨタ ハリアー(4代目)×2.0G×全国
 

【オススメ2】ハイブリッド車を狙うなら「2.5ハイブリッドZ」

2.5Lハイブリッドシステムを搭載した4代目(現行型)ハリアーを手頃な価格で狙うなら、オススメは最上級グレードの2.5ハイブリッドZだ。こちらも価格で見れば2.5ハイブリッドSやGの方が“少し”は安いが、新車時価格の差を考えれば、2.5ハイブリッドZの方がお買い得が高い。

走行距離3万km未満で比較すると、2.5ハイブリッドSは総額約320万円から、同Gは約330万円から見つけられるのに対し、2.5ハイブリッドZは約340万円から狙える。新車時価格では2.5ハイブリッドSより約90万円高、同Zより約50万円高という差がかなり縮まっているのだ。

ちなみに、登録済未使用車で比較すると、新車時並みの価格差になる。つまり、走行距離が延びるほど、価格差が縮まっているようだ。

もちろん、最上級グレードの2.5ハイブリッドZだから、装備面では文句がないだろう。唯一19インチアルミホイールを履き、ドラミラーにエンブレムマーク付き足元照明が備わり、純正SDナビゲーションが備わるなど装備は充実している。また、中古車流通量もハイブリッド車の中で一番多くて選びやすいのもオススメする理由のひとつだ。
 

トヨタハリアー(現行型)▲「Z」系グレードには高輝度シルバー塗装された19インチアルミホイールが装備される

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トヨタ ハリアー(現行型)×2.5ハイブリッドZ×全国
 

【オススメ3】豪華装備で狙うなら「2.5ハイブリッドZレザーパッケージ」

都市型ラグジュアリーSUVのハリアーらしさを求めるなら、やはり最上級グレードの2.5ハイブリッドZの、レザーパッケージがオススメだ。

レザーパッケージは、上記2.5ハイブリッドZの装備に加えて、その名のとおりブラックまたはブラウンの本革シートが備わる。また運転席だけでなく、助手席も電動シートとなり、シートヒーターやステアリングヒーターが備わるのも同パッケージの特徴だ。

トヨタハリアー(現行型)▲その名のとおりレザーシートが備わり、より一層高級感がある車内に

新車時の車両本体価格は、上記2.5ハイブリッドZより30万円高い482万円だが、走行距離3万km未満で約380万円から狙える。上記2.5ハイブリッドZの約340万円より少し“割高”に見えるが、新車時から約100万円も下がっていると考えれば、積極的に探していいのではないだろうか。

しかも、原稿執筆時点でのカーセンサー掲載台数は2.5ハイブリッドZが約190台なのに対して、同レザーパッケージは390台と約2倍。比べて選びやすいのも、オススメのポイントだ。
 

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トヨタ ハリアー(現行型)×2.5ハイブリッドZレザーパッケージ×全国

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文/ぴえいる、写真/トヨタ、尾形和美

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。

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