ポルシェ カイエンの中古車価格約1000万円に絶望した人に贈る「半額で買えるコレ、代わりにどうですか?」5選
カテゴリー: 特選車
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2023/12/12
「総額500万円ぐらいで買えるカイエンみたいなSUV」はあるのか?
2017年12月に上陸した3代目となる現行型ポルシェ カイエン。それは名実ともに、つまりプレステージ性においても諸性能においても、「世界屈指のSUV」であると断言してしまって構わないでしょう。できることなら手元に置いて、その性能とたたずまいを味わい尽くしたい1台です。
しかし「世界屈指のSUV」であるだけに、その価格はけっこうなモノです。
新車で買うとなると、一番安いグレードでも車両本体価格だけで1198万円ですし、「ならば中古車で」と思っても、直近の平均価格は約1000万円にもなります。(具体的には2023年12月上旬現在で995.3万円)
「それならば中古車の低年式モデルを……」と思ってみても、2017~2019年式あたりの中古車平均価格も1000万円近くになります。
約1000万円の車を買うのはさすがにちょっと無理ということで、軽く絶望してしまうわけですが、よく考えてみれば、ポルシェ カイエンのおおむね半額程度の予算で狙える「現行型カイエンと似たような魅力を備えたSUV」というのも、世の中にはけっこうあるのかもしれません。
そして現行型ポルシェ カイエンの半額ぐらい、つまり「総額500万円ぐらい」であれば、予算的にはなんとかなるような気もいたします。
どんなSUVを選べば、現行型ポルシェ カイエンの半額程度の予算で、現行型カイエンを買うのとおおむね同程度に満足できるのでしょうか?
次章以降、じっくり考えてみることにしましょう。
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ポルシェ カイエン(3代目)候補1|ボルボ XC90(2代目)
予算目安:総額500万~590万円
ボルボ XC90は、2003年に上陸したボルボのフラッグシップSUV。
現在販売されているのは2016年1月に発売された2代目のXC90で、「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」という新世代プラットフォームと、その他の新世代ボルボ各車と共通するT字型のポジションライトを配したLEDヘッドライトなどを採用する、ボルボの最上級モデルです。
ボディサイズは現行型カイエンとおおむね同じぐらいとなる全長4950mm × 全幅1930mm × 全高1775mmという堂々たる体躯ですので、「存在感」という部分でカイエンに引けを取ることはまずないでしょう。
導入時のパワーユニットは、2種類の過給器付き2Lエンジンとプラグインハイブリッド(PHEV)でしたが、その後はフル電動化に向けて様々な変遷があり、ここではちょっと書ききれないほどバリエーションに富んでいます。
しかし、結論として総額500万~590万円ほどで狙える「B5」は2L直4ガソリンターボエンジンに48Vハイブリッドシステムを組み合わせることで十分なパワー&トルクを発生しますし、2L直4ディーゼルターボを搭載する「D5」の、ディーゼルならではのトルク感も十分以上。
「カイエン ターボ」などの超ハイパフォーマンスグレードと比べてしまうとさすがにアレですが、カイエンのベースグレードが搭載する3L V6ターボエンジンと比較するのであれば、XC90 B5またはD5の力感は「ほぼ遜色なし」と言えます。
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ボルボ XC90(2代目)候補2|ボルボ V90クロスカントリー(初代)
予算目安:総額480万~570万円
「どうしても背が高いSUVタイプじゃないと嫌!」という場合にはちょっと無理な選択肢となりますが、そこにさほどこだわりがないのであればこちらも有力な選択肢。
ステーションワゴンである現行型ボルボ V90の車高を少し上げたクロスオーバーモデルとなるボルボ V90クロスカントリーも、十分に現行型カイエンの代わりたり得るでしょう。
ボルボ V90クロスカントリーは、ボルボのフラッグシップステーションワゴンである現行型V90の最低地上高を55mm上げ、SUVテイストを加えた専用エクステリアや専用サスペンションが与えたモデル。一般的なSUV以上に上質感のあるたたずまいと、良好な空力性能が大いに魅力的な1台です。
ボディサイズは全長4960mm × 全幅1905mm × 全高1545mmで、全幅はカイエンよりもやや狭いのですが、逆に全長は4cmほど長いため、伸びやかな美しいフォルムを味わうことが可能となります。
そしてパワーユニットは、こちらもXC90と同様に様々な変遷を見せたのですが、ここでカイエンの代わりとして推したい2020年10月以降の世代は、「B5」が最高出力250psの2L 直4ガソリンターボに48Vマイルドハイブリッドシステムを加えたもので、「B6」は同300psの2L 直4ガソリンターボ+スーパーチャージャーに、同じく48Vマイルドハイブリッドシステムを加えたタイプ。
こちらも前述したXC90と同様、カイエンのベースグレードと比べるならおおむね遜色ありませんし、特に「B6」であれば、まったく遜色なしということもできます。
流行りのSUVボディでない点を惜しいと感じる人もいるかもしれません。しかし「猫も杓子もSUV」的な時代にあっては、むしろV90クロスカントリーのようなクロスオーバーモデルの方が「異彩を放てる」という意味で好ましいと筆者などは思いますが、いかがでしょうか?
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ボルボ V90クロスカントリー(初代)候補3|ジープ ラングラー アンリミテッド(4代目)
予算目安:総額420万~510万円
前項にてステーションワゴンのクロスオーバーモデルであるボルボ V90クロスカントリーを推しました。しかし、「とはいえ自分はやっぱりガッチリしたフォルムのSUVに乗りたいと思う」という人の方が、昨今は多数派なのでしょう。
であるならば、いっそのこと究極のガッチリ系である現行型ジープ ラングラー アンリミテッドを、現行型カイエンの代わりとして選んでしまうのがいいのかもしれません。
ジープ ラングラーは、第二次世界大戦時に米国陸軍が使用した軍用車「ジープ」の、直系の子孫。現在販売されている4代目のラングラーは2018年11月に登場した世代で、それまでのモデルと比べるとかなり乗り心地がよく、また最小回転半径も小さくなったため、いわゆる街乗りのためのSUVとしても十分以上に使える1台です。
しかしながら、ジープの直系子孫としての悪路走破性能は世界トップレベルであるという事実と、全長4870mm × 全幅1895mm × 全高1845mmという堂々たる“ガタイ”がもたらす迫力により、いわゆる存在感はカイエンにも決して負けていません。
総額400万円台後半あたりで狙える「スポーツ」が搭載するパワーユニットは最高出力272psの2L 直4ターボで、「サハラ」は同284psの3.6L V6ターボですので、3L V6ターボエンジンが最高出力340psを発生させるカイエンと比べれば、加速のパフォーマンスなどは当然ながら劣ります。
しかし、ラングラー アンリミテッドというSUVは「加速うんぬん」を重視するタイプの車ではないことは、言うまでもないはず。それゆえ総合的な存在感というか満足度のような部分で語るのであれば、ラングラー アンリミテッドは、まさに現行型カイエンのおおむね半額かそれ以下の予算で、おおむね同様の存在感と満足感を味わえる1台だといえるでしょう。
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ジープ ラングラー(4代目) × アンリミテッド候補4|ジャガー Fペイス(初代)
予算目安:総額430万~530万円
現行型カイエンよりもほんの少々小ぶりにはなりますが、英国のジャガー FペイスというプレミアムSUVも、カイエンの代わりになり得る1台でしょう。
2016年に上陸したジャガー Fペイスは、ジャガーが「パフォーマンスSUV」と呼ぶ全長4740mm × 全幅1935mm × 全高1665mmのSUV。ボディの80%にアルミニウムを使用した軽量モノコック車体構造とすることで車両重量を抑えており、前後の重量バランスはほぼ50:50です。
導入当初のパワーユニットは最高出力180psの2L 直4ディーゼルターボと、同340~380psのスーパーチャージャー付き3L V6ガソリンの2種類。そして今回「現行型カイエンの代わり」として推したい2020年式付近の物件は、D180という2L 直4ディーゼルターボエンジンを搭載している場合が多いはず。
こちらのエンジンは最高出力こそ180psとほどほどですが、最大トルクは430N・mですので、カイエンの3L V6ターボエンジンが発生する最大トルク450N・mと、さほどの差はありません。そしてジャガー Fペイスそのものが日本ではやや希少であるため、いわゆる個性のようなものも、売れ筋モデルであるポルシェ カイエン以上に主張できる可能性はあります。
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ジャガー Fペイス(初代)候補5|ポルシェ マカン(初代)+マツダ ロードスター(ND型)
予算目安:総額520万~560万円
「1台のプレミアムSUVで、現行型カイエンの魅力を代替させる」というのも悪くない話です。しかし、「カイエン的なSUV×1台」と「まったくカイエン的ではない何らかの素敵な車×1台」という2台体制の複合技で臨めば、現行型カイエンのおおむね半額程度の予算で、カイエン1台だけを所有する以上に素敵な生活が送れる可能性だってあるはずです。
そう考えたとき、まずベースとなる1台はポルシェ マカンが良いような気がいたします。マカンは2014年に上陸した、カイエンよりもいささかコンパクトなSUV。コンパクトといっても「世界基準ではコンパクト」ということですので、全長4680mm × 全幅1925mm × 全高1625mmというサイズは、日本ではむしろやや大柄な部類に入るでしょう。
そしてこれの前期型ベースグレードの走行距離4万km台ぐらいとなる物件を、総額360万円ぐらいで探すことができます。
欲をいえば2019年式以降の後期型の方がビジュアル的にはシュッとしていますし、同じ前期型でも高出力な「マカンS」や「マカン ターボ」の方がより満足感は高いとはいえます。しかし、2L 直4ターボの前期型ベースグレードでもパフォーマンス的には十分ですし、それより何より、ハンドリング性能は前期型ベースグレードであっても「ポルシェそのもの!」という感じですので、ほとんどの人は必ずや大満足できるでしょう。
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ポルシェ マカン(初代) × 2014年4月~2018年11月総額360万円ぐらいで狙うマカン1台で話を終わらせてもいいのですが、今回の想定予算である「総額500万円ぐらい」まではまだ若干余裕があります。そのため、せっかくですから(?)もう1台、SUVでは決して獲得し得ない魅力と個性をもった車を加えた「2台体制」を構築してみるのはどうでしょうか?
「もう1台」は何だって構わないとは思いますが、筆者が考えるベストな選択は「現行型マツダ ロードスター」です。いかにスポーツカー顔負けの走りが可能なカイエンやマカン、あるいはその他ブランドのプレミアムSUVであっても、「軽さがもたらす爽快感」みたいな部分においては決してパーフェクトではありません。
しかしそういった欠損部分も、2座式のオープンカーであるマツダ ロードスターを「もう1台の切り札」として手元に置いておけば十分にカバーできるだけでなく、むしろお釣りがくるでしょう。
現行型マツダ ロードスターの中古車価格は物件により様々ですが、総額180万円前後の予算でも、まずまず悪くない1台を見つけることができます。つまり、総額360万円ぐらいで購入するポルシェ マカンと合わせた「総額540万円ぐらい」という予算にて、SUV1台だけでの生活では決して味わえないサムシングを、存分に味わうことができるのです。
駐車場の問題や、ポルシェ カイエン的なSUVへの未練など、いろいろあるとは思いますが、ぜひこういった「2台体制による合せ技」も検討してみることを、最後にオススメしたいと思います。
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マツダ ロードスター(ND型)自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。
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